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小児風邪対策研究会コミュのインフルエンザワクチンについて

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インフルエンザワクチンのうちで、経鼻生ワクチンは、液性免疫(分泌型IgA抗体とIgG抗体)および細胞性免疫(キラーTリンパ球)が獲得できます。しかし、わが国の現行のインフルエンザワクチンは、季節性インフルエンザワクチンも新型インフルエンザワクチンも、不活化ワクチンであり、獲得できる免疫は液性免疫(IgG抗体)のみで、粘膜免疫にかかわる分泌型IgA抗体や細胞性免疫(キラーTリンパ球)は獲得できません。

このため、インフルエンザに対する発病阻止効果は期待できません。あくまで、重症化予防が目的のワクチンです。しばしば、免疫が出来る、あるいは効果がある、と表現されているのは血液中にウイルスを中和できるレベルの液性免疫(IgG抗体上昇)が認めら、臨床的には重症化予防が期待できると言う意味であって、決して発病阻止できるということではありません。

とりわけ、2009年世界的な流行パンデミックが始まった新型インフルエンザ(ブタ由来A型H1N1インフルエンザウイルス)は、ワクチン効果に対する過剰な期待、新型インフルエンザワクチン供給不足に伴う接種優先順位の決定、自治体によりワクチン供給体制に著しい格差があること、などが相まって、新型インフルエンザに対する余計な不安を掻き立てているのは問題です。

新型インフルエンザワクチン優先接種対象として気管支喘息が挙げられていますが、喘息発作では気道の病原体負荷量が増加するからです。すなわち、喘息は閉塞性呼吸困難がその中核的病態ですが、狭窄した気道が呼気時に通常よりも早く閉塞してしまい、吸気の一部を排出できません。これをエアトラッピングと呼びます。インフルエンザウイルスに限らず、この吸気中に病原体が存在しますから、エアトラッピングで病原体が気道粘膜と接触する時間も著しく増えて感染の機会を増すと共に、気道粘膜組織で過剰な免疫応答を引き起こします。この結果、アレルギー性炎症が増強し、また、さらに炎症性サイトカイン産生による全身性反応が引き起こされます。最終的にウイルス性肺炎に至り、気道粘膜の腫脹を増強し、呼吸障害と感染が急速に進行します。不活化新型インフルエンザワクチンは血液中のIgG抗体レベルを上昇させる処置であり、気道粘膜表面でウイルスを処理する免疫ではなく、ましてサイトカインの過剰産生を抑える効果もありません。ワクチンを受けておけば良いのではなくて、気管支喘息そのもののコントロールが大切であることは明らかです。

インフルエンザウイルスの病原性発現に関しては、宿主感染細胞から遊離して新たな感染性を獲得するために、宿主由来のプロテアーゼによるウイルス膜タンパク質(HA)の限定分解が必須です。したがって、HAの開裂部位のアミノ酸配列とそれを認識する宿主プロテアーゼの生体分布がインフルエンザウイルスの病原性のスペクトラムを決定します。低病原性インフルエンザウイルスに関してはプロテアーゼが存在するのは気道と消化管です。これは、ブタ由来新型インフルエンザA型H1N1感染症でウイルスが増殖しやすいのは気道粘膜と消化管粘膜であるという意味であり、正しく、軽症化のために最も避けなければならないのは両経路へのウイルス負荷量の増大です。すなわち、鼻・副鼻腔炎と便秘の予防に尽きるわけです。しかも、気道系と消化管系の病原体のクリアランス機能を比較すれば、インフルエンザウイルスが消化管で増殖するリスクが遥かに高頻度であることは明らかです。

最重症合併症とされるインフルエンザ脳症がインフルエンザ脳炎と呼ばれていないのも、発病時点において中枢神経系でウイルスそのものの侵入や白血球増多等の炎症反応が証明されていないからです。低病原性の新型インフルエンザウイルスの病原性の発露に必要なプロテアーゼがCNSに存在しないことも傍証となります。消化管粘膜へのインフルエンザウイルスの過剰負荷と過剰免疫応答に伴うサイトカインストームや異常発熱が脳症出現の重要な病態と推定されます。現行の不活化ワクチンが脳症の予防に有用とは思われにくいことになります。

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