元気な本棚　ほっこりコミュの《元気で生きる！ー食と健康と》　その３

　<その３>を作りました。

　

引き続きよろしくお願いします

　１『汚れた腸が病気をつくる』　バーナード・ジェンセン／著
　　　　　　　　　　　　　　　　月村澄枝／訳　ダイナミック・セラーズ出版
　２『体質と食物』　秋月辰一郎・著　クリエー出版
　３『１食100円「病気にならない」食事』　幕内秀夫･著講談社＋α新書
　　　実践レシピ－『１食100円「病気にならない」食事』　幕内秀夫･著
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　講談社　
　４　別冊大陽『中国茶で楽しむ12か月』　黄安希・著　平凡社
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　５　１食１０分 ―『「病気にならない」女性の元気食』　幕内秀夫･著
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　講談社
　６　『もっと変な給食』　幕内秀夫･著　ブックマン社
　７　『「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活』　鈴木猛夫･著
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　藤原書店
　８　『野草の力をいただいて』　若杉友子･著　五月書房
　９　『体温を上げる料理教室』　若杉友子･著　　致知出版社
１０『身体知』　内田樹＋三砂ちづる／著　講談社＋α文庫
１１『試して選んだ「自然流子育て」ガイド』　はせくらみゆき・著　本の木
１２『病気知らずの子育て』 ― 忘れられた育児の原点
　　　　　　　　　　　　　西原克成･著　冨山房インターナショナル
１３『これを食べれば医者はいらない』― 日本人のための食養生活
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　若杉友子･著　　祥伝社
１４　病気にならない『県民食のすすめ』　幕内秀夫･著　中経の文庫
１５『長生きしたけりゃ肉は食べるな』　若杉知子・著　幻冬舎
１７『子宮を温める健康法』　若杉知子・著　ＷＥＶＥ出版
１８『若杉知子の「一汁一菜」食養生活』　若杉知子・著　主婦と生活社　
１９『ごはんの力』　つぶつぶグランマゆみこ／著　KKロングセラーズ
２０『自由訳・養生訓』　貝原益軒／著　
　　　　　　　　　　　　工藤美代子／訳・解説　洋泉社

２１『アレルギーは自力で治る』ある主婦のアトピー・ぜんそく・鼻炎完治絵日記　　
　　　『自力で治った！』― 糖尿病・肥満・虚弱体質　
　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　『自力で治った！』― 超健康レシピ
　　　　　　　　　　　　　　以上３冊とも ― 市川晶子　著・マンガ　ハート出版

２２『食べること、やめました』　森美智代／著　マキノ出版　
２３『「粗食」のきほん』　佐藤初女・幕内秀夫・冨田ただすけ／著　ブックマン社
２４『食べない生き方』　森美智代／著　サンマーク出版
２５『少食の実行で世界は救われる』　甲田光雄／著　三五館
２６『子どもと食べる自然でおいしい家庭料理』　菜の花亭出版部・編著
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　童話館出版
27～28『お食辞解』　金田一秀穂・著　　清流出版

２９　『食べない人たち』－不食が人を健康にする
　　　　　秋山佳胤（弁護士・医学博士）森美智代（森鍼灸院院長）
　　　　　山田鷹夫（不食研究所代表）　共著
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　マキノ出版

３０『若杉ばあちゃん食養語録』　若杉知子・著　五月書房

　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　

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[1] mixiユーザー 04月02日 19:49

『汚れた腸が病気をつくる』　バーナード・ジェンセン／著　月村澄枝／訳
　　　　　　ダイナミック・セラーズ出版（1998年第１刷、2000年第９刷）1200円＋税

アメリカでベストセラーになった本です。医学博士である著者は、延べ３０万人以上の患者に接して、整腸を行われなければ、健康の回復などありえないと気づかれたということです。以下、内容から少しピックアップしてみます。

昔のほうが、腸や排泄に関する知識は今よりずっと広く行き渡っていて、誰でも祖母や親から整腸の方法を教わっていた。ところが、いつの間にか腸や排泄についての知識は失われ、腸について語らず、その存在を忘れてしまったことで、多くの人が道を間違えた。
　

体内のあらゆる器官のうちで、もっとも神経組織が貧弱なのが腸である。そのため、腸は少しくらいの異常が起きてもそれを知らせることがない。そのため腸の病気が発見された時、重症になっているケースが非常に多くなっている。実に多くの「体調の不良」の原因が「腸の不調」から起こっている。

　健康への第一歩は「体を浄化･解毒する」、「精神面でのバランス・平和・調和を取り戻す」こと、それに専念すること。
　
　第一章<腸内汚染>、第二章<大腸トラブル>、第三章<腸のしくみ>、第四章<体内のアンバランス>、第五章<腸内フローラを育てよう>、第六章<腸内革命プログラム>、第七章<組織>浄化法、第八章<健康で生気あふれた暮らし>となっています。

第二章には、宿便の実例の写真（それぞれ別の患者達の）も掲載されています。タイヤのゴムのようなもの、コールタールのように真っ黒なもの、一メートル以上のロープのようなものまで、実に多種多様です。猛烈な腐敗臭もするということです。

第七章の<組織浄化法>では、“お湯は食物でもなんでも大腸へ運んでくれるが、冷たい水と食物は胃でストップしてしまう。だから、食後に冷たいものを飲んだり食べたりするのは、あまり賛成できない”とあります。（腸を冷やしてはいけないということを書かれている本が他にも多数出版されています。とても大切なことだと思います。）
　
　進歩させてきたと思っている多くのことが人間の健康にとってよくないことは明白であり、自然のなかの人間として見直し、生活習慣を正す必要があると書かれています。腸に関する基礎知識を知ることが、健康への第一歩だと気付かされました。

[2] mixiユーザー 06月30日 11:24

『体質と食物』 ― 健康への道　　秋月辰一郎･著　
クリエー出版（平成22年第3刷発行）350円
　

秋月氏は、長崎の聖フランシスコ病院の前身に院長として勤務しておられた時に、原爆投下により被爆されましたが、普段から玄米と味噌汁の食事をされていた院長及び病院の仕事に従事されていた方々は、原爆症の症状が出なかったということです。
　放射能の超陰性を中和するには、塩気をうんと取ること。砂糖は厳禁。塩を多めにつけて玄米のおむすびを作り、味噌汁とともにいただく。
　
　東電の原発事故に関連して、秋月氏の著書が健康関係の雑誌などで取り上げられているのが目につきます。

秋月辰一郎氏は、幼少の頃から非常に虚弱で、それを自ら克服したいと念願して、医学を志されました。たくさんの病人や虚弱児を診て、病の治し難く、病の因の遠いのを痛感され、体質、そして食物、そういった問題を考え続けてこられました。そして、味噌にたどりつき、味噌が日本人の食生活の要であると知るに至ったと書かれています。

人間の体質を作り変えることが医学の本然の姿である。体質を作り変えて、病気にならないですむ身体、また病気にかかっても軽くてすむ身体になることである。また慢性疾患に罹患していても、体質を変えていつの間にか病気を離れる身体になる、この医学である。
　体質は受け継いだものと同時に、日々作られるものである。体質を日々作るものは何かというと、それは環境である。
　
虚弱体質の人びとには、栄養学信奉者が多い。
　栄養学や医学の分野で、日本の本来のものに対する研究が遅れている。
　西欧人と、日本人の体質は少し異なるし、気候風土も異なる。だから、西欧で研究された栄養学がそのままの形で、日本人にも適切であるとは考えられない。日本人の栄養学があって然るべきである。

放射能時代を生き抜くために、自らの体質を変えて防御するということ。「味噌汁は世界最強の食べ物」だと、自然食の東城百合子さんの著書にも書かれていましたが、日本食のすごさを改めて見直す思いでした。

名著だと思います。新書サイズで、わずか61ページの本ですが、日本人にとって味噌汁を毎日いただくことがどんなに大切な意味を持っているかなど、無駄なく、わかりやすく書かれています。食についての情報が氾濫していて右往左往しがちな世の中、子育てに悩む若いお母さん方にも、このシンプルな本を是非お薦めしたいと思います。

[3] mixiユーザー 01月04日 19:59

『１食100円「病気にならない」食事』　幕内秀夫･著
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　講談社＋α新書（2010年8月）838円＋税
　実践レシピ－『１食100円「病気にならない」食事』　幕内秀夫･著
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　講談社（2011年5月第１刷）1100円＋税

幕内さんほど、現在の日本の食生活の現状をよく理解し、実行しやすい提案をされている方はいないと感じます。

紹介したいことがたくさんあるのですが、長くなりますので、少しだけ、本文からピックアップしてみます。
　≪半世紀前の日本では、体調が悪くなると、「うまいものを食べて寝ていなさい」といわれた。そのころまでの日本は、満足に食べられず、低栄養状態から病気になる人が多かったからである。
　それがいまでは、逆に食べ過ぎになっていて、「腹八分目にしないと病気になるよ」と言われる世の中になっている。たった50年で食と健康をめぐる状況は激変した。
　“崩”食時代に考えるべきは、「なにを食べるべきか」より「なにを食べてはいけないか」だ！
　
　不景気な時代こそ、「ごはん＋みそ汁」の原点に戻ろう！
少しのおかずで、たくさんのごはんをしっかり食べる ―。
　この「生きるための食事」の知恵は、ずっと昔から日本人の暮らしの中にあった。社会全体が貧しくても、「生きるための食事」の知恵はあったのだ。経済的に厳しい状況が続くいまは、貧しかったころの日本と、どこか似通っている。ならば、昔からある知恵を見直し、現代にマッチした形で実践できるはずである。
　
　経済的に余裕のある人は、いざ食生活をあらためようと思っても、なかなかうまくいかない。お金さえ出せば、食べたいものをいくらでも食べられるから。その点、経済的に余裕がない人のほうが、むしろ食生活を改めやすい。

　「食べ方」とは、じつは「生き方」そのもの。
　「懐に余裕がないからこそ、不景気だからこそ、生き方を見直すチャンスなのだ」と前向きにとらえ、「生きるための食事」を取り戻す工夫をしていこう。≫　

＜目次＞紹介
　第一章　脱「快楽食」のすすめ　　第二章　不況は健康な食事を取り戻す　チャンス
　第三章　「主食」を見直す　　第四章　「副食」を見直す　　第五章　　　「間食」を見直す
　第六章　賢いコンビニ、スーパーの利用法　　第七章　「つくらない」食事、弁当のレシピの工夫　　第八章　不健康にならない「外食」術　　

[4] mixiユーザー 01月20日 09:15

別冊大陽　中国茶で楽しむ12か月　

黄　安希著　平凡社　2003年2月15日初版第１刷発行　1800円

中国人の人は大陽の軌道を24等分して、24節気を配し、月の運行にもとづいた陰暦の行事などを雑節として加えて暦を作りました。
それが日本に上陸して農事や行事を加えて日本向きにアレンジされました。
日々の暮らしの中で、中国茶を楽しみ、折々の季節を楽しむためのヒントを伝えます。

かわいらしい中国茶の茶器、器にうつったお茶の香りを楽しんだり、美しいガラスに入れて茶葉の色や開くのを楽しんだり、点心の作り方ものっていて、中国茶の魅力に目を開かされました。美しい写真をみるだけでいやされます。

さあ、今日はどんなお茶にしようか？

[5] mixiユーザー 01月30日 10:35

　１食１０分 ―『「病気にならない」女性の元気食』　幕内秀夫･著
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　講談社（2011年12月）1100円（税別）

“１食１０分”で出来、しかも作るのはご飯とみそ汁だけ！おかずは買うだけ！とありますが、ずぼら、手抜きを目的にした本とは、根本的に違います。
　食事に時間をかけるのが無理な場合、経済的に厳しい状況にある場合などに、時間的にも、経済的にも出来るだけ無理なくということを考えて作られたこの本に、「心が楽になる」と大きな反響があったそうです。

≪間食やスイーツは減らして、きちんと食事をしたいと思っているのにやめられない。朝昼夕、食事らしい食事はとらず、ヨーグルトやコンビニの生野菜サラダだけですませ、おなかがすくとスナック菓子に手をのばし、寝る直前までチョコレートをかじる。決して誇張ではなく実例、少数でもないことに危機感を覚える。
　なぜご飯を食べないのか。答えは簡単、太りたくないから。でも、これはやせているのではなく、病気の一歩手前だということに、彼女たちは気づいていない。

10代、20代の女性の体の基盤をつくる年代からこんな食生活をしていると、ホルモンのバランスがくずれるのは当たり前。乳がん、卵巣がんなどの婦人科の病気を引きおこす要因となる影響が大きい。

　基本はご飯とみそ汁、これに市販の油脂類の使用の少ない和のおかずを選んで添える。これなら簡単で時間もかからず、健康な食生活を取り戻すことが出来る。≫

　第２章「朝昼夕２１日間献立」では、昼は朝食をお弁当用にちょっと工夫するだけ。これなら無理なく続けられそうです。
　第３章は「簡単！作りおきおかずと浅漬け」　時間があるときにまとめて作りおきしておくと便利です。

[6] mixiユーザー 02月05日 19:55

『もっと変な給食』　幕内秀夫･著　ブックマン社（2012年2月）

前著『変な給食』は、大変反響があり、多くの読者ハガキや手紙が届き、メディアでも取り上げられました。また、意見や思いだけでなく、新たな「変な給食」の献立表もたくさん送られて来たということです。

飲食店で「変」な献立があったら、食べなくてもいい。　社員食堂で、もし、こんなメニューを出せば、すぐに文句が来て取り止めになるだろう。だが、学校給食だとそうはいかない。弁当を持参しても、子どもの精神的負担にならないかという心配もある。

　第１章　「変な給食特別選抜地区」
　第２章は、前著『変な給食』への質問、批判に答える内容になっています。
　第３章　「変な給食甲子園」
　第４章　「<完全米飯給食>を実行したリーダーに訊く」
　また、「変な給食事件簿」（？？！）も掲載。衝撃の事実が明らかに！

第一弾『変な給食』に寄せられた読者の声の中から、70代の方の批判の声。
　「著者の言いたいことはわかるが、私達の世代は給食が出るだけでありがたかった。ここまで主張するのは、贅沢病だと思う。」

　私は、これはちょっと違うのではないかと思います。
　“ごちそうがない”と贅沢を言っているのではない。こんな食事を続けた子どもが大人になった時に健康かどうか、強い危機感を覚えます。長生きできないで早死すれば、お年寄りは誰が支えていくのでしょう。変なデザートなどにかけるお金で、まともな主食やおかずが作れるはず。

[7] mixiユーザー 02月10日 19:33

『「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活』　鈴木猛夫･著
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　藤原書店（2003年）2200円＋税
　
　少し長い紹介になってしまいましたが、ぜひとも知っていただきたいという思いで書きました。

　《人類の歴史の中で、これほど短時間に食生活が変わった国はない。
　今や私たちの食生活は、季節感や地方色がないどころか、国籍さえも不明になってしまった。
　なぜこれほど急激に変わってしまったのか。その背景にはオレゴン小麦栽培連盟の周到な戦略があったのである。
　これは決して昔話ではない。現在の食に関する様々な問題はここから始まっているのである。
　本書をたくさんの人たちに読んでいただきたいと心から願う。》
　　　　　　　　　　　　　　　　　（推薦・幕内秀夫氏－『粗食のすすめ』著者）

第二次世界大戦後、アメリカが自国の余剰小麦を日本に売りつけようと、巧妙な作戦を練り、実行した。キッチンカーで全国津々浦々を廻り、空からビラまで撒き、「米を食べると頭が悪くなる」などキャンペーンをした。
　

下記のもろもろの経費は、すべてアメリカが出した。日本がアメリカから受け取った膨大な資金の出所については、今もタブーになっていて、ほとんどの人が知らない。
（?粉食奨励のための全国向けキャンペーン費用、?キッチンカー（料理講習車）製作・食材費、?学校給食の普及拡大経費、?製パン技術者講習費用、?小麦粉製品のPR映画の製作・配給経費、?～?以下省略）
　詳しく知りたい方は、是非本書を読まれることをおすすめします。

　

あとがきの中で、著者はこう書かれている。
《1978年、NHKテレビで『食卓のかげの星条旗―米と小麦の戦後史』というドキュメンタリー映像が放映された。著者が視たその内容は衝撃的だったという。
　この話は、食品業界、マスコミ、栄養関係者、さらにはアメリカにとっては、知られたくない内容である。
　それだけに話を伝えたいと思ってもマスコミや大きな組織に頼ることは難しく、草の根的に地道に広めていくしかない。》

　図書館では、アメリカの小麦戦略について書かれている本を沢山発見出来ます。このような形でしか、知ることが出来なかった自分をかえりみ、草の根的であろうと、少しでも多くの人にこのことを知ってもらうために、自分も伝えることをせねばと思うのです。

[8] mixiユーザー 02月23日 19:55

『野草の力をいただいて』　若杉友子･著　五月書房（2011年6月）1500円＋税

若杉友子さんは1937年大分県生まれ。結婚後静岡市で暮していたときに、川の水の汚れを減らす石けん運動などのさまざまなボランティア活動を行う。その中で、自然の野草の力に着目。1989年、静岡市内に「命と暮らしを考える店・若杉」をオープン。そこで開いた料理教室が大人気となる。
　1995年、自給自足の暮らしを実践すべく、京都府綾部市の上林地区に移住。料理教室やセミナーなどで全国を駆けめぐり、陰陽の考えにもとづいた野草料理と、日本の気候風土に根ざした知恵を伝え続けている。（本書巻末プロフィールより）

　本書が生まれた経緯が、あとがきの中にこう書かれています。
“本が評判になり、続々と綾部の家に人がやってくるようになった。連絡もなしに、いきなりやって来たり、留守中にやって来て勝手に台所に入り込み、お茶を飲んで帰っていった人もあったという。「会いたい」「見たい」という人が跡を絶たない。
　そこで私は考えた。誰もが「ばあちゃんに会ったように思える」「ばあちゃんの家に行った気になる」本をつくろう。”

若杉おばあちゃんの自然の中での暮し、野草料理の作り方などを、多数の写真で紹介しつつ、食養のおしえが、わかりやすく伝わってきます。
　掲載されていた料理の中から、大根のステーキと、こんにゃくのステーキをさっそく作ってみました。家族に大好評でした。

[9] mixiユーザー 03月03日 19:34

『体温を上げる料理教室』　若杉友子･著　　致知出版社（平成23年）

　《年はとうに七十を越えているけれど、メガネなしに新聞も読むし、補聴器がなくても全く不自由しない。
　スクワットも70回はできるし、縄跳びも100回ぐらいは飛べる。それに髪の毛は生まれてこのかた一度も染めていない。
　一汁一菜、米と味噌汁と漬物中心のいたってシンプルな食生活だけど、野草の命をいただいているからこんなに元気。》（本書より）

　題名が『体温を上げる料理教室』とあるのですが、料理のレシピ本ではありません。

正しい食の知識、正しい食べ方、体質について、先人が教える食養の知恵などを、親しみやすい語り口で、わかりやすく書かれていてます。おばあちゃんの知恵がいっぱいといった感じ。

[10] mixiユーザー 03月08日 19:59

『身体知』　内田樹＋三砂ちづる／著　講談社＋α文庫（2010年10月）

　『身体知』－「しんたいち」と読みます。2006年にバジリコ株式会社から刊行された『身体知―身体が教えてくれること』を文庫化したものです。

　身体と心とは、別々のものではなく、お互いに影響しあっている。自分の身体のことを知ることは大切なことだと思うが、普段は考えることもなく、意識しないまま、長い年月を過ごしてきた自分がいる。
　題名の『身体知』という言葉が、まずそのことを意識させてくれたように思います。

この本との出会いで、いろいろな気づきをいただけたことがとてもありがたいです。
　たとえば、<武道に伝わる「身体知」を抑制した近代日本>には、こう書かれています。
　“戦後だけでなく、日本の近代史全体が身体知を抑圧するという趨勢（すうせい）にあった。武道の歴史でいうと、決定的な断絶が二回ある。

　一回目は明治維新。二回目は第二次世界大戦後GHQがやってきて武道を前面禁止してしまう。その時に武道関係者は生き延びるために「武道は殺傷技術ではないし、宗教的なものでもないし、思想でもない。これは筋肉や骨格を鍛えるためのエクササイズであり、勝敗を競って楽しむゲームなんです」という定義変更によって行き延びを策した。”
　「アメリカの小麦戦略」によって日本の伝統の食体系が破壊されたことと、全く同じことが武道の世界でも為されていたことに衝撃を受けました。
　

<出産で一気に取り戻す宇宙感覚>　<着物と身体文化>　<愛情とお金の有効な使い方>　<「いやな感じ」に鈍感になる身体>　<新生児室は20世紀小児科の最大の罪>　＜ノイズを聴き取る＞など、まだまだたくさんの発見がありましたが、書ききれません。

[11] mixiユーザー 07月29日 14:30

『試して選んだ「自然流子育て」ガイド』　はせくらみゆき・著
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　本の木（1999年第１刷）1400円＋税　

　はせくらみゆきさんは、1963年北海道生まれ。３人の男の子のお母さんです。ご主人の転勤に伴い、大阪、福岡、横浜と移り住みながら次々に育児サークルをつくり、活動した経験などをもとに、この本を書かれました。

　<未熟児で生まれた長男をなんとか健康にしたい一心で、図書館に足げく通い、さまざまな本をよみあさり、色々な人に会って話を伺ったりもした。
　良いと感じたものをどんどん生活の中に取り入れていった。しばらくすると、長男はみるみるうちに丈夫になっていった。そして、いのちへの畏敬と不思議さを感じ、人間の身体のなかにも大自然と呼応する「内なる自然」を宿していることを確信した。>

〔目次〕紹介
Let's 自然流子育て－「暮らす」「食べる」「遊ぶ」「生きる」
　「免疫力を高める自然療法」
３人の男の子の子育てに奮闘する日々の「子育てエッセイ」も挿まれていて、身近に感じ、共感をおぼえました。

　巻末に「自然流子育て」に関する参考図書が掲載されています。東城先生の著書もありました。

[12] mixiユーザー 09月28日 10:06

『病気知らずの子育て』 ― 忘れられた育児の原点
　　　　　　　　西原克成･著　冨山房インターナショナル（2012年5月）1400円＋税

　世界でもっともすぐれていた日本の子育て― それが、なぜ病気大国になってしまったのか？　著者は、「わが国古来の賢い育児の大道にもどる」ことこそ大切と書かれています。

≪1980年以降、厚生省が誤った育児法を強引に推進してきた。それまでのわが国の育児法は、今日のＷＨＯがすすめる「２歳過ぎまで母乳中心」を地で行っていた。それが５～６か月離乳食を強引に推奨し、広めた結果、赤ちゃんが皆食事の丸のみ、口呼吸、緑便で低体温になり、アトピー、狂暴、多動、大泣きになり、ひどい場合は発達障害、アスペルガー症候群や自閉症となるようになってしまった。　

　赤ちゃんは本来、すべて母親をはじめとする周囲の温かい保護のもとに、お乳と、ぬくぬく・ゆるゆるの衣類と、心やすらぐおんぶと抱っこと揺りかごで、何ひとつとして不快なことのない状態で育てられねばならない。
　これが古今東西、いつでもどこでも子育てにおいては不変の鉄則というものである。

　遠回りにみえて、ひとりひとりが本来の子育て法に目覚めていくならば、わが国の将来は、そうして育てられた子どもたちによって、どんな困難な時代になろうとも力強く担われ、支えられていくようになっていくことだろう。（あとがき ― 「お子さんが生命の躍動を感じながら育つことができる子育てを」より）≫

読み終えてみて思ったことは、子育てをする、しないにかかわりなく、すべての人が正しい子育てについて知っていなければならないのではないか、ということでした。人生のはじまりである「赤ちゃんの子育て法」を誤るということは、人生のはじまりから間違っているということ。そしたらその先はどうなるのか？　哺乳類の生きかたの決まりに添って生きることが大切だと理解することは、すべての人の問題だと感じました。

[13] mixiユーザー 10月30日 19:37

『これを食べれば医者はいらない』― 日本人のための食養生活
　　　　　　　　　　　　若杉友子･著　　祥伝社（平成24年5月）1300円＋税

人気の若杉おばあちゃんの新刊です。購入して手元に置き、時間が空いた時などにくり返し読んでいます。とてもわかりやすく書かれていて、読んでいて元気がもらえる気がします。

ご紹介したいことは沢山あるのですが、長くなりますので、第?章に書かれている、日本人の生命を支える「お米」の大切から、少しピックアップしてみます。

　八十八歳を米寿といいます。「米」という字を分解すると「八」と「十」と「八」になるからです。そして、米が実るまでに、八十八回もの手順や手間がかかるということを意味しています。
　ここまでは、一般に知られていることですが、著者は、あるとき、この「米」という字に秘められた、さらにすごい事実を発見されました。

　「米」という字の真ん中にある「十」という字。この「十」という字の横に走る線は陰を、そして縦に走る線は陽を表わしています。
　「米」という字は、陰陽の調和を表わした「十」という字に、さらに天に向かって腕をあげたように２本の線が左右に広がり、下の部分には大地に根をはるかのように２本の線が伸びて、一つの文字になっているのです。

　「米」は大調和の姿をした文字であり、米にはすべての氣が米（込め）られている。

　「気」という字は、昔は「氣」と書きました。
　元気、勇気、やる気、気力、気勢など「気」というのは根源的なエネルギーを示す言葉。昔の人は、米がからだに入ることによって、「氣」が湧いていることを知っていたんでしょう。
　

《昔の日本人が持っていた生命力とからだの精神力を取り戻すために、日本人はお米をもっとたくさんたべなくてはいけない》と書かれています。本当に切実な問題です。

[14] mixiユーザー 11月09日 10:38

　病気にならない『県民食のすすめ』　幕内秀夫･著　
　　　　　　　　　　　　中経の文庫（中経出版）2012年　600円＋税

日本の豊かな風土が生み出した各県の食べものを再発見することで、日本食の良さを知ってほしいと書かれた本です。

《現代の日本人に生活習慣病が増えているのは、パンやハンバーグやピザなど、脂肪が多く添加物たっぷりのカタカナ食ばかり食べていることが原因の一つ。日本人は、ごはん・みそ汁･漬け物･お茶で健康は十分保てる。

　「県民食」ともいえる、その土地、土地で育まれてきた「風土食」を食べていた頃は、子どもの肥満やアトピー性皮膚炎、あるいは、乳ガンを始めとした若い世代のガンなどはほとんどいなかった。ＦＯＯＤとは、風土が感じられる食べ物のことを指すのではないだろうか。

　長い歳月のなかで育まれてきたそれらの食べものに目を向け、食生活を変える（カタカナ食から日本食に戻る）ことが、健康への第一歩なのではないか。

　本書では、ご飯･めん類・みそ汁（汁もの）・常備食といった「日本の基本食」について、県ごとに紹介している。いわゆる「名物」や「名産品」のことではなく、主に、昔からその土地、土地で食べられている風土（ＦＯＯＤ）食を紹介している。》

長い間、人から人へと伝えられてきた生活の工夫、日本人の智恵がたくさん詰まっている県民食の素晴らしさを再確認しました。これからもその価値あるものを絶やしてしまうことなく、親から子へ、そして孫へと、継承されていくことを願ってやみません。

[15] mixiユーザー 03月07日 09:56

『長生きしたけりゃ肉は食べるな』　若杉知子・著
　　　　　　　　　　　　　　　　　幻冬舎（2013年1月）952円＋税

　若杉さんの著書は、この欄でもすでに２～３冊紹介したことがありますが、最近、続けて2冊新刊が出ました。まず、先に出た本書からご紹介したいと思います。

様々な情報が飛び交い、食に関する本も多々出版されていますが、その多くは、一時的なブームに終わっています。内容も、一面的なとらえ方のものが多いのです。
　何が身体に良いかは、季節、住んでいる環境、食べる人の体質、年齢、性別、職業によっても違い、それらを全くといっていいくらい考慮に入れずに書かれた本が、実に多いのです。

　

若杉さんの著書は、それらの大切なことがちゃんと書かれていて、こんな本こそ、もっともっと多くの方に知ってほしいと願います。

　著者は、一汁一菜を基本にした、昔からの日本人の食べ方を提唱されています。
〈それで身体をこわした人などいません。戦国時代の武士や農民も、こうした食事で強い体力と精神力をつくって生き延びてきたのです。一汁一菜の食事には確固たる歴史と伝統があります。〉

例えば、「元気」「気持ち」などと書く場合に、現在は「気」という文字が一般に使われていますが、本書には「氣」が使われています。昔は、「気」という文字を「氣」と表したそうです。元氣の「氣」に「米」という字が入っているのには、深い意味があるのではないでしょうか。
　昔の文献に、「米はその性、温なり」とあり、お米からできた血液が体温をつくるので、主食にお米を食べる人の体力はアップする、と書かれています。

　また、著者は、「味噌」は、「身礎」であると書かれています。身体の礎（いしずえ）となるので、飲む点滴であると。

[17] mixiユーザー 03月22日 20:13

『子宮を温める健康法』　若杉知子・著　
　　　　　　　　　　　　　ＷＥＶＥ出版（2012年12月）1400円

《現代は経済が不安定で、仕事の悩み、家族の悩み、健康の悩みなど不安材料にあふれた大変な時代です。だけど一汁一菜の食事をして、質素で倹約した生活をすれば、大変な時代を生き抜くからだ、精神が養われるの。》（本文より）

　今、子宮にトラブルや病をかかえている現代女性が、びっくりするほど急増しているといいます。おりものに始まり、生理不順、生理痛、子宮筋腫、子宮内膜症、不妊症、子宮がん、卵巣がんなど。

　現代女性は、子宮が冷蔵庫のように冷え切っている。昔の女性のからだは陽性で子宮が温かった。先祖代々の穀物中心の質素な食生活だから体温が高かった。甘いもの、果物、生野菜、ナス科の食べものは、身体が過剰に陰性に偏る　･･･etc.　

　野草を取り入れた料理、本当・本物の食材の選び方を伝えたら、多くの女性の体質がみるみるうちに改善。若杉ばあちゃんの住む綾部に都会から入ってきた女性たちは、妊娠・出産ラッシュだそうです。

若杉さんご自身が、お元気で、身をもって健康法の効果を実証されていることが、何より人を引きつけ、納得させるのでしょう。姉と従妹に一冊プレゼントしたら、ファンになり、自分から新刊が出たら購入したりしているようです。なんと、夫も読み、最近出た２冊は、買って来てくれました。（これは信じられない出来事です。）若杉さんの力はすごいです。

[18] mixiユーザー 03月22日 20:25

『若杉知子の「一汁一菜」食養生活』　若杉知子・著
　　　　　　　　　　　　　　　　　　主婦と生活社（2013年）1300円

若杉さんの食養の教えの実践版。体にいい「食べ物」「食べ方」が満載の究極のレシピ本です。

　〖今の人たちは元気がない。青い顔して目もイキイキしていないし、手足が冷たくて、体温も低い。貧血、冷え性、便秘症、低血糖症、低血圧症、アトピーやアレルギーも多いし、女の子は生殖器の悩みも多い。いったい、なんでこんなことになってしまったんだろうか。

　結論から言うと、食べ物が悪いんです。戦前は、ほとんど毎日粗食で、一汁一菜がふつう。これで、元氣にやっていたんです。
でも、アメリカから支援物質として、脱脂粉乳や小麦が大量に送られ、給食、脂肪たっぷりの料理にして食べさせた。

　カロリー栄養学は、歴史がありません。それに比べて日本の伝統食は、親から子孫に伝わる伝承料理です。その伝承料理を四季折々の素材で調理した一汁一菜で、健康をめざしましょう。〗　（前書きより抜粋）

表紙カバーの裏に、酸・アルカリと食べ物の陰陽表がついているのが嬉しい。お台所のどこか見える所に貼っておくのもいいのでは。
　

[19] mixiユーザー 09月19日 09:07

『ごはんの力』

　つぶつぶグランマゆみこ／著　
　　　　　　　　　　　　　KKロングセラーズ（2013年）1300円

　“穀物（お米と雑穀類＝つぶつぶ）は、地球お母さんのおっぱい。地球とのつながりを失った私たちの体と心は、修復力を失って悲鳴をあげている。宇宙や地球とのつながりを取り戻す一番の近道が、地球のおっぱいであるごはんを食卓に呼び戻すことだ。”

「ごはん」は、１・食事、２・炊いた穀物を意味します。
　食事をすることも「ごはん」と呼びます。
　「炊いた穀物を食べること」イコール「食事」
　これが日本の食の原点、それで健康に生きてきた長い歴史があります。
　　　　　　　　　　　　　　　　　（第1章＊ごはんを知る－①ごはんの意味より）

嬉しい本が出ました。まだまだ気づいていなかった「ごはんの力」。短い言葉で簡潔に書かれていて理解しやすく、ページを繰る毎に新しい発見がありました。何より伝わってくるのは、著者の「ごはんの力」への感動、そしてその素晴らしさを伝えたいという思いでした。こんな風に書かれている本は初めてで、是非皆様にお伝えしたいと思いました。読み終えて、何か嬉しく、心も体もあたたまるような気がしました。日本人ならこれくらいごはんを愛したい！

[20] mixiユーザー 10月04日 09:33

『自由訳・養生訓』　貝原益軒／著　
　　　　　　　　　　　工藤美代子／訳・解説　洋泉社（2006年）780円

　貝原益軒については、『養生訓』を書いた人ということしか知らずに、今まで来てしまいました。最近、工藤美代子さんの著書を読み、工藤さんが、なんと益軒の『養生訓』を自由訳で出版されていることを知り、さっそく図書館で借りてみました。きっかけを作っていただいた工藤さんに、感謝です。

訳者は、〈はじめに〉で、こう書かれています。
“『養生訓』について、具体的なことが知られていないのは、これまで家庭や学校で古典文学そのものをないがしろにしてきたからだと思う。
　その代表的な極意をひと言で表すのは難しいが、あえて申せば「欲の節制」ということにつきるように思われる。今、私たちの日常の中から、2，3割の欲を抑えることができれば、無用な病気にもかからず、長寿に恵まれ、さらに充実した生活が送れるはず。”

益軒（1640～1714）は、江戸初期に生まれ、江戸中期まで生きた儒学者です。３代将軍家光から７代家継までの間を生き、満83歳9か月の長寿をまっとうした自分の人生体験からまとめ上げた実践主義の書が『養生訓』なのです。
　（益軒の父は黒田藩の祐筆役でした。祐筆というお役は重臣の補佐である場合が多く、いわば書記官といったところです。黒田藩は今でも福岡城にその名を留めていますが、かつては外様ながら47万石の大藩でした。）

以下、印象に残った箇所からピックアップしてみます。

〈少食の効果〉
　“食べる量が少ないと胃の中に余裕ができて、元気が巡りやすくなるのです。その結果、消化がよく、飲食したものがすべて体の栄養となり病気にかかりにくくなります。反対に大食して満腹になると、元気の巡る道をふさいでしまい、隙間もなくなって消化しません。したがって飲食したものが体の養生にならないのです。少食は長寿の秘訣と心得てください。”

終章で訳者はこう書かれています。
　“結局すべて人生「腹八分目」がいいということに尽きるでしょう。これほど現代に生きることばはありません。（中略）
　益軒は子供の養育について至言を述べています。
　「三分の飢えこそが丈夫で立派な子供を育てる。」
このことは、とりもなおさず現代日本の子育てにそのまま反映させたい方針ではありませんか。これは食欲だけでなく、あらゆる子供の欲を少し我慢させるということです。
　『養生訓』は300年に及ぶロングセラーです。歴史とともに熟成してきた毅然たる晩節の姿に触れるのも、また品性ある日本人を知る喜びではないでしょうか。”

　『養生訓』の原文は全８巻からなっているということですが、自由訳で１冊にまとめられている本書に誘われて、その「晩節の姿」に触れることが出来たことをありがたく思いました。

[21] mixiユーザー 02月05日 10:15

『アレルギーは自力で治る』― ある主婦のアトピー・ぜんそく・鼻炎完治絵日記 ―　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『自力で治った！』― 糖尿病・肥満・虚弱体質　　　　　　　　　　　　　　　　
『自力で治った！』― 超健康レシピ
　　　　　　　　　　　　　　以上３冊とも ― 市川晶子　著・マンガ　ハート出版

　市川晶子さんは昭和37年生まれ。子供の頃からのアレルギー体質で、40歳までアトピー・喘息・鼻炎に苦しむ毎日でした。それが、40歳を境に、薬を使わずにすっかり健康になられたのです。しかも猫9匹と同居していたにもかかわらず。

きっかけは、一冊の本『家庭でできる自然療法』東城百合子・著との出会いでした。
　　体は食べ物でできている
　　病気の体も食べ物が作っている
　　ならば、食べ物を正せば
　　体が変わり病気も治る
　本の中の救いの一言でした。それから、図書館で自然療法関係のさまざまな本を借りてきて読み、それらの本をヒントにしながら、自分なりのやり方で体質改善に取り組み、とうとう完治されたのです。
　

完治するまでの過程は、しんどいこともいろいろあったでしょうが、絵日記という表現形式でユーモアに包んで読者に届けられているので、読んでいて元気をもらえる気がしました。料理の工夫・お手当・日常生活のこと、二冊目の『自力で治った』では、家族の体質も改善されたことなど、細部に至るまで、とてもわかりやすく書かれています。

　私自身が自然療法と出会ってからの年月の中でいろいろ実感してきたことが、市川さんの本にも出てきて、よりはっきり自覚できたように思います。
　“自然療法はお金がかからない”とあるのは、まさにその通り！　私は、実際にやっていく中で安上がりであることを実感しているので、是非知っていただけたらと思いました。
　また、娘さんのお弁当は地味で色も悪いが、友達が食べて「おいしい。苦手なお野菜もこれなら食べられる」と言われたこと。子供は手作りのおいしさがわかるのだと、モーレツに感動したと書かれていて、読んでいてこちらも心強く嬉しく感じました。

食と健康関係の本をいろいろ読んできましたが、一押しでお薦めしたい本です。
　　　　　　　　　　　

[22] mixiユーザー 03月24日 08:56

　『食べること、やめました』　森美智代／著　マキノ出版（2008年）　

　少食を習慣にしようと心がけるようになってから、どれだけ経つだろうか。つい食べ過ぎてしまった後は決まってお腹がもたれて体が重く、体調が悪くなり、気分も憂鬱でどよーんとしてしまう。それに対して少食にすると決まって体調が良く体も軽く、家事もすいすいはかどる。そんなことを行きつもどりつ繰り返しているうちに、にぶい自分にもやっと、少食が健康にいいということを実感することが出来た。「やってみないとわからない」というが、本当にそのとおりだ。

　私は何十年もずっと、自分が食べ過ぎだとは夢にも思ったことがなかった。誰にもそんなことは言われたこともなかったし、周りの人たちと比較しても、私はよく食べる方ではなかった。痩せ形体型なので、「もっと頑張って食べないと太れないよ」というのは、何度も言われてきたことだが。

　自然食と出会い、いろいろな本を読み、そして曲りなりにでも実践し、実感してきたことを通して気づいたことは、“誰にでもあてはまる健康法というものはない”ということだ。ある健康法でその人が元気になったからといって、他の人にあてはまるとは限らないのだ。人と比較しても、人の体は自分の体ではないのだから。

　　足し算しか考えず、引き算の大切さを知らなかったのだ。それにやっと気づくことが出来た。そしてこのマイナスはプラスへとつながっていくことを実感できた。その時だけの“刹那の楽しみ”ではなく、少食生活によってもたらされる“喜び”をやっと実感でき、こちらにひきつけられていった。

　それで、以前から気になっていた、森美智代さんの著書と甲田光雄さんの著書を読んでみようと思った。少食の習慣が曲りなりにでも身に付き、実感できるようになるまでは、読む時期ではないという思いがあり、保留していたのだ。

森美智代さんは死に至る難病をかかえ、甲田光雄さんの断食療法を実行し、ついにはほとんど青汁一杯だけになり、それからずっとその健康法でお元気でいらっしゃる。2008年の地点で、青汁だけになってから13年ということだから、今は19年以上経っているということになるだろうか。体重も減ることなく、この本には60キロとあり、鍼灸師のお仕事を続けられ、世の中の役にたっておられる。

　私はこの本を読んで、何が健康にいいのかは本当に千差万別であることをあらためて知らされた思いだった。他人と比較するより、自分の体の声に耳を傾け、結果的に体が楽になることを続けていったらいいのだ。そして、まだいくばくかだが残っていた迷いも取り払われ、すっきりした気持ちになれた。
　甲田さんの著書も、いずれ紹介出来たらと思っています。

[23] mixiユーザー 04月21日 10:25

『「粗食」のきほん』　佐藤初女・幕内秀夫・冨田ただすけ／著
　　　　　　　　　　　　　ブックマン社（2013年10月）1400円

　大型書店に行くと、食や健康関連のコーナーに並ぶ本の数の多さに戸惑うほどです。その中からやっとこの本を見つけてレジに並ぶことが出来ました。
　近年、食に関してもさまざまな本が出版されていますが、私は「いっそなければ頭の中がすっきりするのに」と思われる内容の本が大半だと言っても、言い過ぎではないと思っています。
　今の時代は情報が溢れ過ぎていて、正しい物差しを持たなければ翻弄され、肝心なことを見失ったまま、損な人生を歩まなければなりません。かつての私のように。
　食を含めた健康関連の本だけでなく、文学作品などでも、語られていることがシンプルで、読み終えた後、頭の中がすっきりして迷いが取り払われるような本に出会えることがあります。そんな本が真の良書と呼べるものなのだと思うのです。

　和食が世界文化遺産に登録されたことは喜ばしいことですが、新聞などでもプロの料理人の活動ばかりが目立って取り上げられ、体の土台を作る毎日の食生活を担う役目である“家庭” の意識については、どうなっているのかな？といつも疑問に感じられるのです。

家庭の力はとても弱まっています。だからよけいに、殺伐とした事件があとを絶たないのではないでしょうか。そんな中で、「日本のおばあちゃん」の代表・宝のような佐藤初女さんと、幕内秀夫さんたちが本書をとおして発信してくださり、よくぞ書いてくださったとの思いでおります。
　本書は佐藤初女さんと幕内秀夫さんの対談と、冨田ただすけさんによる味噌汁とご飯のレシピから構成されています。
　

今、佐藤初女さんは1年に70回（５日に一回のペース）の講演をこなしておられるということです。もちろん“おむすび”の実演付きで。
　若いお父さんお母さんもたくさん来られるようになっている、とのことです。
　〈戦後、欧米流の食事になって、「ごはんは残してもいいからおかずを食べろ」とか「米を食べると頭が悪くなる」とか、ごはんを悪く言うキャンペーンがあった。だけど今の若い人は、そのキャンペーンは知らない。間違ったキャンペーンの影響を受けた60代～70代の人より、そういう変な教育を受けていない若い人だからこそ、素直に聞けるということもあるんでしょうね。〉(文中より)

　ですが、近頃新しくできた近くのスーパーには、今まで以上に何倍ものスペースを取って、冷凍食品、清涼飲料水、お惣菜のコーナーが設けられています。冬であるにもかかわらず、トマトのコーナーは、２メートルの幅で４段を占めています。この光景を見るにつけ、食の崩壊はどこまで食い止められ、どこまで回復できるのか、現実は甘くないのではと重い気持ちにさせられ、帰途に着くことが続いています。　

[24] mixiユーザー 04月27日 10:35

『食べない生き方』　森美智代／著　　
　　　　　　　　　　　　　サンマーク出版（2013年11月）1400円　　　　　　　　

　先だって、「行きつもどりつ－食日記」で、森美智代さんの最初の本『食べること、やめました』（マキノ出版）をご紹介しましたが、本書は最新刊です。

　森さんは、青汁１杯と少量のサプリメントだけになってから18年ほどになられますが、体重も60ｋｇで、お元気で鍼灸師のお仕事をされています。　

プロローグ・常識と非常識のあいだ
　第１章・少食が体にいい本当の理由　　第２章・なぜ、奇跡の回復ができたのか？
　第３章・青汁１杯で生きられる体のメカニズム　　
　第４章・食事を替えて病気を治す―森鍼灸院での治療法
　第５章・少食が運んでくる贈り物　　第６章・“愛と慈悲”の少食が世界を救う
　エピローグ・愛を分かち合う喜びを学ぶ　

本書を読み、あらためて少食によってもたらされるものがいかに大きいかを知らされました。以下、内容のごく一部ですがピックアップしてみます。

　貝原益軒、西式健康法の西勝三さんなど、先人は少食の効用をよく知ってたが、今の日本では、食べ過ぎで病気になっている人がほとんどと言ってよい。

　昨日まで大食や飽食をしていたのに、今日からいきなり１日３食を２食にするとか、腹７分目にするなど、急に厳しい状況に追い込むのは良策ではない。
　少食生活のスタートは、１日３食のままでかまわない。まず間食を止める、おやつを止めるということから始める。そうして正しい１日３食にしていくことが先決。
　１年に100キロカロリーずつ減らしていけば、10年で1000キロカロリー減らせることになる。100キロカロリーはご飯なら茶碗に半分くらいなので、１年間かけてその量を減らしていくなら、無理なく続けていけるのではないか。　

森さんの師・甲田光雄先生は、少食には病気治しといった面だけでなく、地球の未来を救うことにもつながると言われていました。
　食糧増産のために森林は破壊され続け、耕作地を無理やり広げ、地下水は枯渇し･････自然環境のバランスも崩壊するのは目に見えている。
　どう考えても、人びとが、大食・飽食を続けて、幸せになる ― という方向は難しいと思われる。お金のある人は食べ過ぎて病気になる。貧乏な人は飢えて死ぬ。動植物は滅んでいく、地球の環境汚染は進む一方 ― そうした状況を押しとどめるためにも、世界の人々が、今こそ少食に取り組み始めるときが来ている。

私自身が、行きつもどりつしながらでも少食を心がけてきて、やっと少食生活の喜びがわかりかけてきた今、この本に書かれていることが、より身にしみて実感・共感できる気がします。何かと思うようにならない世の中ですが、少食を続けていくことでいろいろ良いことがあるのです。本書と出会えたことを感謝します。
　　　　　

[25] mixiユーザー 05月16日 10:45

『少食の実行で世界は救われる』　甲田光雄／著
　　　　　　　　　　　　　　　　　三五館（2006年）1300円

<甲田光雄氏プロフィール>
　1924年大阪府生まれ。大阪大学医学部卒業。幼少より病弱のためさまざまな大病を経験、またその慢性化に苦しむ。医大生時代に、自らの病を根治されることのせきない現代医学を見限る。以来、民間療法である「断食」「生菜食」「西式健康法」などを組み合わせた独自の医療哲学を探求。自らの療法を自らの身体で実践し、幾多の試行錯誤を経た末にたどり着いた「少食に病なし」という確信は、60年かけて培った「甲田メソッド」として圧倒的な説得力を誇る。大阪府八尾市の甲田医院において難病とされる患者に接し、数多くの成果をあげる。（本書より）

《腹７分という少食は、健康長寿の秘訣でもあるうえ、世界の食糧不足を克服する鍵でもあること、さらにまたこの地球上で刻々と進展している環境汚染を解決するのにも役に立つものである。さらに、医療費も減らせる。
　世界には８億５千万人もの（2006年）飢えた人々がいる。約６億トンのトウモロコシが収穫されているが、そのうち４億トンが家畜の餌に使われている。肉食の量を半分に減らせば、約２億トンのトウモロコシが節約されるという計算になり、この２億トンを８億の飢えた人たちにまわせる。》
　

　単なる健康本ではなく、「少食」と「西式健康法」の実践が、世界の人々の幸せにつながっていくことなのだと書かれていて、大変スケールの大きい本だと感じました。感銘を受けました。

　少食の効果について書かれている中からほんの一例ですがピックアップしてみます。
　甲田医院では患者さんのすべてに少食療法の指導を行い、腹７分の少食を３年以上実行すれば、どのように体調が変わるのかを調べるためのアンケート調査を行われました。300人の患者さんのうち回答があったのが247名。このうち風邪を引く度合いが目に見えて減ってきた人は、何と76％もあったということです。
　腹７分の少食で免疫力が強くなり、手や足にケガをして傷ができても、化膿しないで早く治るようになったという人もたくさんおられます。
　アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症なども腹７分の少食で激減してくることがわかりました。花粉症についてはじつに85パーセントの人がよくなってしまったと答えられています。
　また、少食で万病のもと「宿便」も排泄できることが実証されています。

　

最後の方に掲載されている、「新春の夢」―日本が少食実行のモデル国家になった―（日本綜合医学界発行の月刊誌「綜合医学」などに掲載された）は、ユーモアにあふれた内容で、とても楽しかったです。抜き書きしてご紹介したいですが、これ以上長くなってもと思うので･････。興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
　著者は残念ながら亡くなられましたが、その遺志は森美智代さんのような方々にさらに引き継がれています。

[26] mixiユーザー 06月25日 08:50

『子どもと食べる自然でおいしい家庭料理』　菜の花亭出版部・編著
　　　　　　　　　　　　　　　　　童話館出版（1994年初版　 2014年第22刷）

　素敵な本をいただきました。家庭料理の紹介だけに留まらず、とても深いメッセージが込められた本で、是非ご紹介しなくてはと思いました。

　長崎市の古いたたずまいの残る商店街の中に「菜の花亭」という名前の自然食レストランが開かれたのは1987年の秋。１階は、こどもの本専門店「童話館」です。（おいしいと評判だった「菜の花亭」は、1993年末に残念ながら経営的なコストの問題から、閉店となってしまいました。）

“家庭料理には、私達にとって大切な食べ物とからだ、食べ物と病気、食事と家族についての、たくさんのメッセージがあるように思える”

　“10年前とくらべても、家庭の食卓の姿が変わってきているなと感じる。家族と食事、家庭と食卓というものへの人々の思いが、うすくなっているように感じられる。これまで言われてきたような、働く女性の増加、父親の遅い帰宅、子どもの塾通いなどの要因にとどまらず、すでに、食べることそのものへの関心が弱くなっている。

　気がかりなのは、まるで、このことと歩調を合わせるようにして、子ども達の心に異変がおきているのではないかと思えることだ。そう思わせる子ども達の現象や事件が多発するようになった。
　食卓は家庭の中心であり、家族のむすびつきを積み上げていく場です。その場がやせ細っているのだとすれば、子ども達の心がせつなく乾いていくのを、私達大人は責めることはできないでしょう。

　それぞれのご家庭の事情、その時の条件によって、工夫と手抜きを活用しながら、それでもなお、家族の食事と食卓を守るという気持ちを、大切にしてほしいと思います。今、このような暮らし方こそが見直されなくてはならないはずです。”

　子どもたちの痛ましい事件が後を絶たないということ、この異常な事態を大人たちはこれ以上見過ごしていいのでしょうか？

　本当に「今、このような暮らし方こそが見直されなくてはならない」のです。

[27] mixiユーザー 09月15日 09:41

『お食辞解』　金田一秀穂・著　　清流出版

　『お食辞解』と書いて「おしょくじかい」と読みます。著者は、あの金田一秀穂さん。どんな内容の本なのかな？と、ちょっと興味があり、図書館で借りてみることにしました。

　金田一秀穂さんの著書で、<15歳の寺子屋>シリーズの中の１冊『１５歳の日本語上達法』を、以前ミクシーでご紹介したことがあります。毎日何気なく使っている言葉について、金田一先生のわかりやすく楽しいお話をとおして、たくさんの発見がありました。私も、こんな授業を受けられたらよかったな、と思いました。ですが、この本はちょっと期待外れ･････。

　以前、絵本・児童書の人気作家のかこさとしさんが書かれた食育の本を読んだときも、がっかりしましたが、「ブルータスおまえもか」ではないですけど、「秀穂さんあなたもか」といった心境です。

いつも本の紹介は、その本を読んで、感動したことを書くのですが、今回はあえて、疑問点について書くことにしました。

　『お食辞解』は、まず辞書のように“あ”から順番に書かれた食にまつわる言葉の意味が、簡潔に書かれていて、続いてその言葉から思い浮かぶエピソードやウンチクがユーモアをまじえながら語られます。
　でも、楽しいのだけど、今回は全部は読めなかった。
　食の専門家でない人が食を語るとき、どこまでが自分の身の丈に合った範疇なのか？読んでいるうちに疑問がわいてきて、ふくらんだフウセンの空気が抜けてたちまち萎んでしまうように、読む気が萎えてしまったのです。

○例えば、「ごはん」（御飯）の項では、“幸いにも、コメを炊いたものしか経験がない”とあります。
　昔は貧しい家庭は米を食べられず、麦や雑穀でしのいでいた、ということが頭にあっての言葉でしょうか。
　ですが今、時代は変わってきて、白米にないさまざまな微量栄養素が含まれている麦や雑穀、玄米などの良さが見直されるようになり、近所のスーパーでも普通に見かけるようになりました。そういった時代の流れをご存じないのかも知れませんね。白いごはんしか食べたことがないのが、幸福なことと言えるのか、見方を変えれば疑問に思うことです。

○「そばゆ」（蕎麦湯）の項では、マラソンの話題が出て来ます。給水所に置いてある飲み物や食べ物がありますが、自分ならそこに何を置きたいか、という閑談になって、“オレンジジュースやポタージュスープがいい、と言っていたら、ある人が「蕎麦湯がいい」と言い出した。そんなに蕎麦湯はいいものだろうか。蕎麦湯はおいしいがマラソンを走りながら、あのおいしさが味わえるとは思えない。忙しすぎる。”などと書かれています。
　確かに蕎麦湯を味わって食べたいのなら、マラソンの最中ではちょっと、と思いますが、何か、この「そばゆ」の項には足りないものがあるのです。
　蕎麦は、タンパク質・ミネラル・ビタミン・特殊酵素などを含んだ貴重な食品です。茹でると、茹で汁に栄養素が溶け出るので、茹で汁も飲むことにより、一物全体をいただくことになるのです。私は、蕎麦湯に含まれているビタミンB2が、身体の疲れを取ることを、その方が実感として知っていらっしゃるのではないかと、推察しました。お腹の負担も軽いし、体調を整えるのにとてもいいのではないでしょうか。「そばゆ」について書くのに、このいちばん肝心なことが抜けているのは、残念に思います。

文字数がオーバーしたと警告がありましたので、続きは次の欄に掲載します。続けて御覧いただけたらと思います。

[28] mixiユーザー 09月15日 09:43

『お食辞解』― 続きです

○「しゅん」（旬）の項では、まったく、この内容には遺憾でした。
　“生物には、それに適した気候がある。その時期に特においしくなるときを旬という。これはあくまでも人間の場合、食べる都合で言えることであり、生物の側からは、特に元気なときとは思っていないはずである。（中略）
真夏に、おいしいイチゴをたべたくないだろうか。新鮮な採りたてイチゴを、海の家かなんかで食べたい。コタツに入ってスイカを食べるのは、ちょっとオツではないだろうか。本来夏野菜であるナスやトマトは冬でも手に入るようになった。ぜひ、夏のイチゴ、冬のスイカに挑戦してもらいたい。（後略）“とあります。

　春先に採れる山菜の苦味には、冬の間にたまった毒素を身体の外に出してくれる働きがあります。暑い夏には、トマト・キュウリ・ナスなどの身体を冷やす食べ物を実らせてくれます。冬には身体を温める根菜類が採れます。自然に添って暮らすことで、身体のリズムも狂わないですむのです。今の時代は、自然から勝手にはみ出して病気とつり合っている。
　まず、地に足を付けて生きる。その上での食の楽しみであってほしいものです。
『お食辞解』の内容をすべて否定するものではないけれど、多分にふわふわしていて、地に足がついていないようでした。「食」というものは、生きることに一番深くかかわってくるものです。それを心して書かれた本でなければ、何になるのでしょう。

食の専門家でない人が食について書かれた文章について、疑問に思っていた点を、この本が、あらためて問い直すきっかけになりました。
　「普通の人が食に関して文章を書くのに、どこまでが自分が書ける範疇なのか？」

　例えば、専門家でない人が食について語るとき、母や祖母が、あるいは地域の人や親戚に遊びに行ったときに作ってもらった料理とその思い出などについて語ることは、何ら問題はないと思うのですが、先ほど例に挙げたように、知識、認識が欠落した内容の文章を読むと、大変ガッカリしてしまい、やはりここからは書かない方がいいのでは、と思うのです。かこさとしさんも、秀穂さんも素敵な作家だけに、よけいに残念に思います。

　私が自然療法と出会っていなかったら、たぶん疑問にも感じずにただ読んでいたかも知れません。御縁をいただき、食と健康について学び、実践してきたことが、食育関係の本、エッセーなどを図書館で選ぶ時に、判断する力強いめやすになってくれていることに気づきました。間違った知識、認識で書かれた本や、ただのグルメ談義のような本を読む時間のロスを回避できることは、その分、残された人生の貴重な時間を無駄にしないですみ、本当にありがたいことだと思うのです。

[29] mixiユーザー 02月16日 10:43

　『食べない人たち』－不食が人を健康にする
　　　　　秋山佳胤（弁護士・医学博士）森美智代（森鍼灸院院長）
　　　　　山田鷹夫（不食研究所代表）　共著
　　　　　　　　　　　　　　　　マキノ出版（平成26年）1300円

　食と健康に関する本の紹介は久しぶりです。色々な本に出会い、食養生もしてきましたが、少食についても身体にいいと実感し、納得出来るようにもなり、ようやく最近迷わなくなってきました。
　情報に振り回されることがなくなってきたこともあり、食と健康関係の本も読む量が減っていました。これという本に出会えなかったこともありますが、久しぶりでいい本に出会えました。

６年間水も飲まない秋山佳胤さん、18年間１日青汁１杯の森美智代さん、無人島で約100日間にわたる不食の実験を行った思想家・山田鷹夫さん。本書は、それぞれの方が３つの章に分けて語ります。難解な内容ではなく、引きこまれて一気に読んでしまいました。以下、内容を抜き書きしてみます。

　 “日本は食料自給率が40％にも満たない。今までは地球の気候がまだおだやかで、外国での食糧生産に余裕があったから、他国の食糧を輸入して生き延びてきたが、このまま異常気象が続いたら、その結果がどうなるかは火を見るより明らかである。いったい私たちはどうしたらよいのか？その最良の答えが本書に書かれています。”

　“「断食」は、一時的に食物の摂取を絶ち、その期間が過ぎれば元の食生活に戻っていきますが、「不食」は食べない生活を習慣としてずっと続けることです。
不食とは、食べるのをがまんすることではありません。心と体にとってどれだけらくで、どれだけ多くの幸福をもたらすかを知ることなのです。”

　“物質的な食物をとると、意識が鈍くなります。ぼんやりとして、体から力も抜けていきます。人によっては眠気を覚えることもあるでしょう。そういう人でも、おなかがすいてくると、頭が冴えてきます。体も軽くて、動きやすくなってきます。その意味では、誰もが不食の世界を垣間見ているのです。”

　 “不食とは、厳密には何も食べないことではありません。物質的な食物の代わりに、目には見えないエネルギーであるプラーナを食べています。プラーナは大気中に存在するだけでなく、宇宙のいたるところに存在しています。しかも、無限にあり、お金もいっさいかかりません。魂も含めて、宇宙に存在するものは、すべてこのエネルギーで生きているのです”
　 “不食のコツは少食をめざすこと。少食ならやる気があれば誰でもできます。しかも、重要なのは、少食を実践していると、その中から不食の人が出てくることです。”

森美智代さんの著書は、以前ご紹介しました。（下記

をご参照ください）
　秋山さんと山田さんの他の著書は、まだ読んでいないので、図書館で検索してみました。
　いずれの本も、私の住んでいる京都市の図書館全館での所蔵数は１冊。予約待ちはいずれも数人あり、まだ手に取るまでには時間がかかりそうです。
　しかし、反面嬉しく思ったのは、この数字からだけでも、それだけ少食について関心が高まっているということの一端が伺えたことです。
　インターネットで本書についての読者の投稿を見ると、「今年（前の年に投稿された？）出会った中で一番いい本」と書かれていたりしています。

　飽食（呆食）の時代を卒業して、少食の時代へと転換していくことで、人類は大きく成長していくことが出来るのでは。そうあってほしいと思いました。

≪元気な本棚 ― 元気で生きる食と健康と・その３の㉔㉕で紹介≫
　㉔『食べない生き方』　森美智代・著　　サンマーク出版

　㉕『少食の実行で世界は救われる』　甲田光雄／著　三五館
　本書や『食べない生き方』に、断食療法で有名な甲田光雄さんのことも出て来ましたので、こちらもご参考にしていただければ嬉しいです。　　　　　　　　　　　　　　　　

[30] mixiユーザー 02月24日 09:16

『若杉ばあちゃん食養語録』　若杉知子・著
　　　　　　　　　　　　　　　　　　五月書房（2014年6月）1300円

これまで何冊か若杉さんの著書を読んで来て、≪元気な本棚≫でも取り上げてきましたが、どの本もわかりやすく明解に書かれていて、引きこまれて読んでいるうちに発見がいっぱいあるのです。
　若杉さんが、「肉はいけない」と決めつける、と疑問を呈する人もありますが、若杉さんの生き方、著書は、いまの飽食（呆食）の時代に生きる人たちへのカンフル剤の役目をしているのではないかと思うのです。
　綾部の山奥に住み、米や野菜などを作り、野草を食養として、またお手当にも使いながら、お風呂は五右衛門風呂でロウソクの明かりで入る、という生き方を今の時代に実践されていることはすごいことです。

昨年12月に、初めて若杉さんの講演会に行くことが出来ました。初めて直に接する若杉さんは、本の表紙で見たのと全く同じで、それより素敵な方でした。
　お話を伺っていて、裏も表もないありのままの人となりに大変感銘を受けました。大変驚いたのは、いろんな出版社から若杉さんの著書が出ていますが、印税はいっさいもらっておられないと伺ったことです。
　「こちらから頼まなくても向こうから本を出させてほしいと言って来られて、広めて下さるのでありがたいことだ。だからお金は一切いただいていない。」とおっしゃるのです。今の世の中にこんな方がいらっしゃるなんて。本当に大切なことを迷わず実践される。若杉さんには遠く及ばない凡人の私ですが、心を入れかえ、少しづつでも近づいていけたらと思いつつ家路に着きました。

まさに「食養は智恵の宝庫」です。本書からも発見がいっぱいあり、元気をいただきました。

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