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モナリザ化粧品の2人コミュの第8話 Tomorrow Never Knows

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最終回の別バージョンです。

和江の悲しげな目にハッとしてから一瞬のうちに
彼女と過ごした日々の思い出が走馬灯のように脳裏を駆け巡った。
そして和江を手放してしまった自らの愚かさに気づいた。
「初めて告白したあの日のように勇気を出して和江に今の気持を伝えよう」
無謀なことは分かりきっていたがそう決断した勇太は
ホイットニー・ヒューストンの曲がフェイドアウトする頃、
突然席を立ち上がりステージの和江に向かって歩き始めた。
背筋を延ばし胸を張り自信に満ちあふれた堂々とした歩みであった。

「オイッ貴様、結婚式をぶち壊すつもりかっ!」
ステージ前に立ち尽くして和江を見つめる勇太を
専務が披露宴会場の外へ追い出そうとしたその時だった。
バターンッ!
以前から専務を快く思っていなかった和江が彼を一本背負いで投げ飛ばしたのだ。
美しい弧を描くキレイなフォームの青春時代を柔道に捧げた和江の生涯最高の一本背負いであった。
突然の出来事に驚き水を打ったように静まり返る披露宴会場。
ハアッハアッ…。
一本背負いで全力を出したことと気持の高ぶりで息を切らせる和江。
荒かった呼吸もやがて静まり見つめ合う二人。
二人の間の空気は共に過ごした年月がこの一瞬に凝縮されたような
濃密なものだった。
勇太が左膝を折り片膝をついて右手を和江に差し出した。
和江の心に迷いはなかった。
「御曹司ゴメンッ!」
桂木佑磨は苦笑いしながら手振りで「行け」と合図した。
彼も和江の良き理解者でありグッドハートの持主なのだ。
二人は手を取り合って小走りで披露宴会場を後にした。

二人は披露宴会場のホテルの地下駐車場にいた。
ウェディングドレス姿の和江は勇太のVWポロの狭い助手席には座れないので
後部座席に荷物のように乗せられていた。
しかし助手席に座って別れを告げられたあの日に比べれば今日は遥かに幸せだった。
二人を乗せた車が地下駐車場から地上へ出ると外はすっかり日が暮れていた。
「どこへ行くの?」
「これから考えるさ…」
明日のことなど分からない、
しかし今日は2人にとって生涯最良の日だった。

Mr.Children / Tomorrow Never Knows
http://www.youtube.com/watch?v=p5qzko7ymKM

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