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モナリザ化粧品の2人コミュの第4話 Never Knew Love Like This

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「大きなお屋敷ですね〜」
3月のある日、2人は上得意である早乙女静香を訪問していた。
早乙女家は家系図をさかのぼると戦国時代の豪族までたどることのできる名家である。
かつては自分の土地から出ることなく散歩できたという逸話があるほど
広大な土地を所有していたが、
戦後の農地改革でかなりの土地を手放してしまった。
それでもまだまだ広大な田畑や山林を所有している
この地方では一番の資産家であることには変わりない。
その早乙女家の33代目当主の勝彦の妻である静香もやはり地元の出身である。
県立高校卒業後に東京の女子大へ進学したが、
在学中にはミス栃木に選ばれたほどの美貌である。
大学卒業後は国際線のスチュワーデスをしていたが
勝彦が猛烈なアプローチの末にようやく口説き落としてゴールインしたのである。
もう40代後半なのだが未だに衰えない美貌は見事だ。
その美貌と決して裕福であることを鼻にかけない性格の良さで
彼女の回りにはいつも人の輪ができる、
そんな生まれついてのスターのような女性だ。

「奥様こんにちは、お久しぶりです〜」
「きょうはアタシじゃなくて娘のことで来ていただいたの」
静香の娘は友香というが友達やクラスメイトはみんな彼女のことを
モカと呼ぶ。
この3月には高校を卒業して4月からは母の母校でもある
東京の大学への入学が決まっている。
「この子も来月から大学生だからちゃんとしたメイクを教えて欲しいと思って今日は来て頂いたの。
この子ったら身近にこんなキレイなお母さんがいるのに和江さんが憧れの女性なんですって、フフフッ」
静香の隣に恥ずかしそうに座っているモカも母譲りの美貌の持主だ。
艶やかな黒髪と透きとおるような白い肌のコントラストが
東洋的な美を演出している。
完成度ではまだ母親には遠く及ばないが
その美のポテンシャルは近い将来母を超えるのではないかと思われる
成長が楽しみな女性だ。
立場上、和江はいろいろとオススメして売上を稼ぎたかったのだが
モカの素材を生かした控え目なメイクに抑えておいた。
この日の和江は素材の味を生かす和食の板前のようであった。
こういう目先の売上にとらわれないセールスをできるところが
和江が多くの顧客の信頼を得る理由なのである。

「本日はありがとうございました、今度は春の新作を奥様にご紹介に伺います。」
上得意の早乙女家で粗相があってはいけないと緊張しっぱなしの勇太だったが
営業車へ戻るとホッと安心したのかやっと言葉が出るようになった。
「キレイなお嬢さんでしたね〜」
「お前なにボーッとしてんだよ、あたしなんかより若いコのほうがいいんだろ〜」
「ハイッ!」
「コノヤロー!(笑)」


仕事でいつも行動を共にする2人だったが
去年のクリスマスイブからは心も共にあるようになった。
春の花見も夏のバーベキューも秋の紅葉狩りも楽しい思い出だったが
何気ない一日でも2人にとっては共に過ごす毎日は特別な日だった。
そんな和江と勇太にとっての更に特別な一日、
クリスマスイブがまたやってきた。
レストランのテーブルで向かい合う2人。
去年と同じ日、同じレストラン、同じテーブルで向かい合う2人だが
ただ1つ去年と違うことは愛の深さだ。
「去年お前が『好きです』と言ってくれて本当に嬉しかった…」
「ハイッ…」
そう言ったきり無言でナイフとフォークを動かす2人は
周囲からは愛の冷めたカップルに見えたかもしれないが、
そんなことがあろうはずがない!
2人の胸は言葉にならない想いでいっぱいだったのだから…。

Alexander O'Neal & Cherrelle / Never Knew Love Like This
http://www.youtube.com/watch?v=jQT9eXW3f3s

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