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文豪てっしーを見守る会コミュのライン(中学後編)【真美編】?

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 「大樹君、いよいよ全国だね。本当に全国大会出るなんて今でも信じられないよ」


 「でもね…全国に関してはあくまでも開催地枠やけんねぇ」大樹は頭を掻いた。


 「それでも凄いよ。九州大会で負けたって言っても大樹君と良祐君のペアは負け無しじゃない。個人戦だってあれは運が悪かったんだし」それは真美の偽らざる本心だった。真美は九州大会でも一番強かったのは大樹と良祐のペアだと信じていた。


 「えっよく知っとるね。たしか城南女子って」


 「うん。県大会止まり。だから九州大会は気になって個人的にこっそり見に来てたんだ」


 「そうやったったい。全然知らんやった。教えてくれればよかったのに…」大樹は目を丸くしていた。


 「ゴメンね。あの時の大樹君、鬼気迫る顔しとったけん声かけづらくてさ」本当は九州大会の前もこうやって応援したかった。しかし九州大会前の大樹はとても近寄れる雰囲気ではなかった。


 「そのことを瑤子に話したら、すごい怒られちゃってさ。全国じゃ試合前に絶対会って話せって」


 「そうやったったい。わざわざありがとう」


 「でね。これ作ったんだ」真美はバッグの中からハチマキを取り出して大樹に渡した。


 「これ、真美ちゃんが?」


 「うん。あと裏も見てみて」大樹はハチマキを裏返した。裏には梅津と中山の言葉が入っている。


 「あいつら…」


 「二人に頼んで書いてもらったんだ」


 「もう一回ハチマキを貸して」真美はペンを取り出してハチマキに付け加え始めた。


 『大樹君がテニスしている姿が大好きです。だからもうちょっとだけあなたの夢を見ていたい 真美』


 「ホントにありがとう」ハチマキを見るなり、大樹は泣きそうになった。


 「私たちも応援しとるけん、負けんでね」真美の心臓はばくばくいっていた。


 「ここまでしてもらって負ける訳にはいかんね」そう言って大樹は帽子を脱いでハチマキを頭に巻いてくれた。その上からそっと帽子をかぶった。


 「大樹、第一試合が終わったってさ」遠くから良祐が呼びかけた。


 「あぁわかった」大樹は立ち上がった。


 「じゃあ行ってくるよ。また今度ゆっくり話そう」


 「うん。頑張って」
 

 そのまま大樹は振り向くこともなく走り始めた。真美は遠くなる大樹の背中を目で追っていった。
 

 真美がコートに向かう途中、女子の試合を見かけた。福岡市大会決勝で真美たちに勝って開催地枠で出場していた中学校が0-3でなす術もなくやられていた。

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