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文豪てっしーを見守る会コミュのライン(中学後編)【真美編】?

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 大会当日の朝は雲一つない、いい天気だった。きっと試合が始まる頃には日差しがコート上に容赦なく降りかかるのだろう。真美は瑤子と待ち合わせて博多の森競技場に着いたのは開会式の直後だった。すぐに対戦校が関東大会優勝校だということを聞かされた。


 「関東大会優勝校?」それを聞いて真美は自分が試合をするわけでもないのに急に不安になってきた。もちろん肩書きでテニスをするわけではない。それでも関東大会優勝というのは独特の重みがあった。
 

 真美と瑤子はほどなくして良祐を見つけた。良祐はリラックスしているように見えた。真美は良祐にハチマキを渡した。良祐は梅津と中山の書いた文字をじっと見つめていた。


 「良祐君、大樹君がどこにいるかわかる?」


 「ああ。大樹やったら向こうで一人ストレッチしとうよ」良祐はそう言って木陰の方を指さした。向こうに大樹がいる。そうわかってもなかなか最初の一歩が出なかった。


 「もうじれったい」瑤子が腕を強引に掴んで引っぱっていった。


 「ちょっと…瑤子」


 「真美、そのハチマキ大樹に渡すんでしょ」そのまま真美は大樹の元まで瑤子に強引に引っぱられてしまった。
 

 良祐の言っていた通り大樹は一人で入念にストレッチをしていた。


 「あっやっぱりここにいた」瑤子が大樹に話しかける。下を向いていた大樹がこっちの方を向いた。


 「真美ちゃんわざわざ来てくれたったい」


 「ちょっと私もいるんだけど」瑤子がすかさず口をはさむ。


 「ははっ悪い」大樹は笑っていた。二人のテンポの良さがなんだか夫婦漫才みたいだった。


 「ふん、まぁ別にいいんだけどさ。じゃあ私はこれで…」そう言って瑤子はその場から離れていった。
 

 瑤子が離れてから、大樹との間にしばらく沈黙が流れた。話そうと思ったことはいっぱいあったはずなのに、大樹を目の前にすると全て飛んでしまった。


 「隣、座ってもいい?」それがようやく絞り出せた言葉だった。大樹は無言で頷く。真美は大樹のそばに座った。

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