CBS News (60Minutes&48HOURS)コミュの2009.10.07　放送分のお話

Don Hewitt 1922-2009
「一つだけ。物語を伝える。それが我々の仕事だからね」
「ドンは戦争映画をよく見ていたらしいのですが、実際に戦争に行った時、船の上で頭上に敵の戦闘機が迫ってくる中で、こう思ったそうです。BGMはないのって」
「職場で死にたいが彼の口癖でしたから」
「60ミニッツをよく見なさい。肝心なのはストーリーの伝え方、子供に物語を聞かせるように、それさえ学べば成功できる」
「問題そのものではなく、それを取り巻く人々の物語を伝える、それは昔からある手法だ」
「物語を伝えることの重要性は、聖書を書いた大昔の人も知っていた。聖書では悪魔の問題が、ノアの箱船という物語で描かれている。聖書のそういうところに私はとても引きつけられ、感銘を受けたんだ」
「注意欠陥障害を財産にした人間は私ぐらいだろうね」
「私の元で働くスタッフはみんな教養があって、私よりはるかにかしこい。みんな視聴者にも私にも決して媚びることなく、私と議論することも恐れない。そこがいいんだ。議論できないと話にならないしね。そうした頭脳と私の指一本でなんとかここまでやってこられたんだ」
「あれこそがこの番組の神髄だ。自分よりも詳しい人物を探し出し、誰も知らないことを語らせる。それが君たちの仕事だ」
「（私の才能は）私にも分かりませんが、頭でないことは確かです。大学も中退したしね。よく分からないが何かを感じるんです」
「相手には容赦なく質問しろと」
「フィラデルフィアで聞かれたことがある。「詐欺師がなぜ取材に応じるんだ？」と。するとモーリーが、「自分を詐欺師と思ってないからさ」と」
「取材対象に会うためにはあの方法しかないんです」
「あの頃のニュース番組は生真面目で退屈だった。軽めのものを見るならジャッキー・グリーソン、ルシール・ボールメアリー・タイラー。ニュースは決して人間の明るい部分に焦点を当てることはなかった。そこでこの２つを組み合わせたら面白いと。実際にその通りだったよ」
「ブリトニー・スピアーズを取り上げてくれと言われて、こう応えた。もちろんさ、彼女がしゃべるだけのものを持っているならねと」
「過去を知ってこそ、現在が見えてくるんだよ」
「この際できるだけ率直にお答えください。そうすれば今後は一言で済みます。「60ミニッツで回答済みだ」と」
「問題そのものにはまったく興味がない。私が求めているのは、その問題に必死に取り組んでいる人々の物語だ。それをできるだけ絞りこんで誰もが理解し消化できるようにする。それが我々の仕事なんだ」
「誰かと仕事を交換するとしたら相手はマイク・ウォレスかな。でもそんなことはしない。ボスは私だよ」

　三十何年もあんな上司がいたらたまらんなあと思う。でもそれでやりくりできるのが仕事人なのかもしれない。
　まあ日本じゃ上司に目をつけられたら一生冷や飯ってのが定説だから、暴君の内心なんてとても思い計ることなんて出来ない。きれいに話をまとめるのはアメリカ的。