ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

Invitation card for Mazeコミュの12th card ;リンドバーグ愛児誘拐事件

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等。
これらの罪状については刑法第33章第224条、第225条、同2に規定されて
おり、とくに身の代金目的略取等を犯した者については無期又は3年以上
の懲役と云う非常に重い刑罰が課される事となっている。にもかかわらず
日本の犯罪史において誘拐事件が後を断つことはない。

その中にあって最も有名な誘拐事件として伝えられているのが1963
(昭和38)年に発生した『吉展ちゃん事件』であろう。

同年3月31日、東京都台東区入谷。
自宅前の公園で遊んでいたはずの村越吉展ちゃん(当時4歳)が行方不明に
なったことから事件はその幕を開ける。

犯人と思われる者から脅迫の電話が入ったのは吉展ちゃんが姿を消して
から2日後の4月2日夕方。以降、犯人からは計9回の入電話があり、4月7日
には50万円の身の代金を要求している。

この要求により身の代金を用意した母親は犯人の指定する場所に赴く
ことになった。

もちろん人質の無事解放と犯人逮捕を目的に十分過ぎるほどの体制が
敷かれたことは言うまでもないが、警察の思わぬ不手際により身の代金
を奪われたうえ犯人確保にも失敗。母親の手に残ったのは吉展ちゃんが
履いていた靴だけであった。

失態を重く見た捜査当局は日本犯罪史上初めて録音した犯人の脅迫電話を
ラジオやテレビを通じ一般に公開している。かなり年配の方の中には「場所を指
定しますからね。そこんとこに金を置いてよ」「それは金を渡してもらわな
きゃ」と云った犯人の声を耳にした記憶が残っているのではないだろうか。

広く国民の協力を得ることで1日も早い事件解決を狙った事は言うまでも
ないが、結果的に言えば、この行為は功罪相半ばすることとなってしまう。

捜査当局には翌日から多数の情報がもたらされる事となるが、半数近くは
単なる悪戯であり捜査陣を混乱させる事となった。

ここまで読んだ限りでは「誘拐犯罪も成功するではないか……」と思われる
かもしれないが、それほど日本の警察機構は決して甘くない。

事実。電話で寄せられた情報から容疑者を特定した捜査当局は事件発生から
2年半後に犯人を逮捕し留置所へと送っている。

犯人の自供により吉展ちゃんは誘拐当日に殺害されていた事が判明。残忍な
犯人に課せられたのは死刑であった。

この『吉展ちゃん事件』に関しては犯人は身の代金の受け渡しには成功して
いるが、多くの誘拐犯罪が失敗に終わるのは、この身の代金なる物が存在する
為である事は火を見るよりも明らかであろう。

各種の犯罪において犯人が捕まらない第1の理由は犯人像が特定されない為
であるが、身の代金を目的とする誘拐の場合、身の代金を要求する場面、身の
代金を受け取る場面と少なくとも2度、犯人は被害者側ひいては警察と接触
を持つこととなってしまう。

結果。声を残す事はもちろん最悪姿まで現す事となり逮捕されてしまうのだ。

事実『吉展ちゃん事件』においても身の代金要求の電話から「犯人の声は
東北弁で福島訛りがある」と国語学者が分析したとおり犯人は福島県出身
であった。

このようにごく些細な証拠からも犯人特定が可能となる身の代金目的の
誘拐事件が成功する確率は皆無と云ってもいいだろう。

にもかかわらず、誘拐事件が後を断たないのは誘拐を犯す者がよほど愚か
なのか、または楽天的な自信過剰ゆえ、と言わざるを得ない。

『リンドバーグ愛児誘拐事件』についても犯人は逮捕されているが、
果たして、その犯人が実際に罪を犯したかについては未だ議論の余地
を残している……。

空の英雄を襲った悲劇

欧米、とくに中南米で耳にする機会が多い言葉に『キッドナップビジネス』なる
ものがある。キッドナップは日本語で言えば未成年者略取となり、これをビジネス
とする犯罪集団が欧米に存在する事は広く知られている。

実際、アメリカでは1日(決して1ケ月の誤りではない)に約200人もの未成年者が
誘拐されていると云われ、被害者のプロフィールを24時間流し続けるTVプログラム
まで存在している。

前述した『吉展ちゃん事件』の例を出すまでもなく誘拐事件において
被害者が生存する確率は事件発生から2日を超えると極端に低くなり、
初動捜査の正確さが生死を分けるポイントともなっている。

ただし、これほどまでの情報が公開されているアメリカにおいても悲惨な
結果を迎える事になってしまう誘拐事件が減ることはない。

このような『キッドナップビジネス』における最大のターゲットとなってしまう
のは裕福な家庭、世界的に有名な人物の家族などだが、その先例とも言
えるのが『リンドバーグ愛児誘拐事件』なのである。

事件が起こったのは1932(昭和7)年3月1日。
この日を境にしてリンドバーグは悲劇の主人公として世界中の注目を集め
る事となるが、その5年前には空の英雄として名を馳せている。

1927(昭和2)年5月21日。チャールズ・リンドバーグは『スピリット・オブ・セントルイス』と名
付けた小型飛行機を駆り世界で初めて単独大西洋無着陸飛行に成功した
事は周知のとおりであろう。ニューヨーク=パリ間の飛行に要した時間は33時間30
分。当時25歳の郵便パイロットに過ぎなかったリンドバーグは、この成功により
巨万の富を得たのである。

話を事件があった5年後に戻そう。
この日。ニュージャージー州ホープ・ウェルにあったリンドバーグ夫妻の自宅から生後1歳
7ケ月となる愛児チャールズ・オーガスタス2世が何者かによって誘拐され、その後5万
ドルの身の代金が奪われる事件が発生したのだ。

もちろん世界的英雄が被害者となった事件だけに警察当局が懸命な捜査を
続けた事は言うまでもない。

だが、待っていたのは最悪の結末であった。誘拐発生から2ケ月後。リンドバーグ宅
付近の森で殺害された幼児の死体が発見され、検死の結果、チャールズ・オーガスタス2世
と確認されたのだ。

さらに、その2ケ月の間には犯人の一味と嫌疑を掛けられたリンドバーグ夫人の家
政婦が服毒自殺を遂げるという不慮の事態も起こっていた。

ちなみに、この事件をモデルにミステリの女王と呼ばれるアガサ・クリスティは『オリエント急行
殺人事件』を草稿している。

それはさて措き、犯人と思われる男が逮捕されたのは事件発生から2年半後の
事であった。ドイツ系移民の大工ブルーノ・ハウプトマンがその男で彼がガススタンドで使用
した20ドル紙幣が身の代金として渡された物だった事が決め手となっている。

しかしハウプトマンは「その金は死亡した友人から預かった物で誘拐には一切かか
わっていない」と一貫して犯行を否認している。

実際、証拠と呼べる物はこの20ドル紙幣しかなく、残りの身の代金に関しても
所在不明のままであったほか、ハウプトマンは経済的にも満たされており、リンドバ
ーグ家との関係、動機などについても全く不明であり、裁判においても犯行を
否認しつづけている。

だが、否認が認められる事はなく、逮捕から2年後の1936(昭和11)年4月2日。
ハウプトマンは電気椅子による死刑に処されている。

疑わしきは罰せず、という法の理論からは随分とかけ離れた結果ではあるが、
ハウプトマンの死刑により事件は幕を引くはずであった。が、処刑から41年を経た
1977(昭和53)年。真相を発露すると思われる1通の書簡が見つかったのである。

真犯人はマフィアだったのか……

それは獄中のハウプトマンがドイツにいる母親へ宛てた手紙であった。
手紙には「自分が何の罪に問われているのか分からない事」「リンドバーグ家と
自分は一切無関係である事」「自分に有利なるはずの証拠は全て担当弁護士
によって揉み消された事」などが綿々と綴られていたという。

この手紙はニュージャージー州トレントン刑務所の所長にハウプトマンが託したの物が、所
長は「当局の立場が不利になると考え私物として所有していた」と云うのだ。

所長の言葉を真実とするなら(積極的に嘘を言う理由がない事から真実に
値する蓋然性が高いと思われるが……)、ハウプトマンが冤罪であった確率は高
まるであろう。

さらに云うなら当時獄中に捕らえられていたマフィアの歴史的大物アル・カポネが
「自分を釈放をすればリンドバーグの息子を戻してやる」という旨の言葉を発
したという記録も残されているのである。

もし、これらの言質が全て真実であるならば、ハウプトマンが無罪であると同時に
誘拐されたリンドバーグの愛児もまだ生存いた事にもなるのではないだろうか。

それは「息子を戻してやる」というアル・カポネの言葉が物語っているであろう
(「死体を戻すから自分を釈放しろ」とは要求しないはずであり、生きている
可能性が高かった事が推察される)。

実際、発見された幼児の遺体は腐乱が余りにも酷く正確な検死が成されたか
については当時から疑問視されていただけでなく、遺体が発見された近隣に
は知恵遅れの孤児を収容する施設もあり、遺体はそこにいた孤児だった可能
性も当時指摘されている。

これらの事実を総合的に判断すれば、ハウプトマンは無罪であり、マフィアが誘拐事件
に何らかの関係を持っていた事は明らかなのではないだろうか。
もちろん関係者の全てが死亡している現在、真実を証明する事は不可能かも
しれない。

しかし、唯一の可能性は残されているのではにいだろうか。
そう。アル・カポネが言ったとおり、もしチャールズ・オーガスタス2世が生存していたなら
ば、彼の子孫が現在も生きている可能性は少なくないはずである。もし、いる
としたら、真相を解明する意味でも、是非現れて欲しいのだが……。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

Invitation card for Maze 更新情報

Invitation card for Mazeのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング