朝日新聞
2014年11月18日05時00分
（１分で知る豆医学）おむつ：２ 保湿で肌荒れ予防
「今のおむつは吸収力がいいから、おしりはぬれないんでしょう？」。排泄（はいせつ）ケアの研修などに取り組む「むつき庵（あん）」（京都市）の浜田きよ子代表（６４）が１０月に東京都内で講演した際、終了後に尋ねてみた。
控室で浜田さんが大きな尿パッドを机の上に広げた。ペットボトルから１リットルほどの水を注ぐと、たちまち吸い込まれた。浜田さんに促され、尿パッドに手の甲を押し当てていると、しっとりとした湿り気を感じた。「それがおしりの下にあると想像してみて」
日本コンチネンス協会のコンチネンスアドバイザー牧野美奈子さん（５２）によると、紙おむつは皮膚への「戻り」が少ないものが増えたが、通気性は綿のパンツより悪い。尿だけが原因のおむつの皮膚トラブルは減ったものの、消化酵素が多く含まれる便は、かぶれの原因になるという。
ふき取る時にごしごしこするのは厳禁。高齢者の表皮は薄く、炎症を起こしやすいためだ。「排便後に１日１回程度洗えば清潔に保てます。弱酸性の洗浄剤をよく泡立てて、その泡でやさしく洗って」と牧野さん。乾燥しないように保湿剤を塗るのがよいという。
（寺崎省子）
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