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日本キリスト会川崎教会コミュの「神が一つの軛に合わされた者たちを、人が離してはならない」Mk10

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「神が一つの軛に合わされた者たちを、人が離してはならない」

* マルコによる福音書10章1〜9節 

 そして彼はそこから立ち上がって、ユダヤの地域とヨルダンの彼方にやってくる。すると、再び群衆が彼のもとへ集まってくる。そこで彼は、いつものように再び彼らを教え続けた。
 すると何人かのファリサイ人たちが近寄ってきて、彼にたずね始めた、「夫が妻を離縁するのは、許されているのですか」。彼を試みようとしたのである。そこで彼は彼らに答えて言った、「モーセはあなたたちに何を指示したか」。彼らは言った、「モーセは離縁状を書いて離縁することを許しました」。イエスは彼らに言った。「彼があなたたちにその掟を書いたのは、あなたたちの心が頑なだからだ。しかし、創造の初めから、神は彼らを男と女に造られた。このために人は自分の父と母を棄てるであろう。そして自分の女(つま)に堅く結びつくであろう。こうして二人は、一つの身になるであろう。だから、彼らはもはや二つではなく、一つの身なのだ。したがって、神が一つ軛に合わせられたものを、人間が離してはならない」。    
                                                                                                    新約聖書翻訳委員会訳

§「生命を受け継ぐこと」

    先週は、川崎リトルライト・シンガーズのキャンドル・ライト・コンサートがありました。ささやかなコンサートでしたが、大変心温まるひとときを共に過ごすことができました。純粋に、神さまの福音を歌い、私たちの人生の歩みと重ね合わせて、歌ったり、その歌を聞いたりできることは、大変幸せなことだと思います。そして、その心を、そして愛を分かち合うことができるというのも、素晴らしいですね。
   今年の初めから、私が取り組んでいるプロジェクトに、昔、ソウル・シンガーだった過去を持つ、ミッティー・コリア牧師のゴスペルCDとDVDの聞き取りと、翻訳があります。DVDの方には、私が訳したものを、字幕屋さんという、字幕の専門家の人が、短く、サッと読みやすいように加工したものを、さらに確認して完成させるという手順が先週終わりました。コリア牧師が、シカゴのサウスサイドで神さまの福音を語り、地元の人たちを勇気づけ、元気づけ、ポジティヴな姿勢で人生を歩むことを懸命に教えている様子が、大変良く伝わって来る内容の濃い作品になりました。加えて、音楽のDVDに歌詞の字幕がつくのもめずらしいですが、すべての訳がついているのは画期的だと思います。また、台本のない映像についている訳としての正確さの点からも、よくできたものになりそうです。
   また、今週の木曜日には、時々礼拝にも来られる、Yさんの92才のお母様が天に召されました。昨夜と今日の午後とで、前夜式、告別式を行います。このような機会の度に、私たちは人生について、そして死について、考えます。
   その告別式の式次第に、「私は甦りであり、生命である。私を信じている人は、たとえ死んでも生きる。」(ヨハネによる福音書11:25)という聖書の言葉が書かれています。「たとえ死んでも生きる」とは、どういう意味だろう、と感じると思います。私も、ずっとそれを考えてきました。
 Amazing Graceの、あまり普段歌われることがない6番の歌詞にも、これと似た表現があります。
   
Yes, when this flesh and heart shall fail,  そう、この肉体と心臓とが止まるとき、
and mortal life shall cease;      死を免れ得ない人間の命は終わります。
I shall possess, within the veil,
a life of joy and peace       私は、見えなくなりますが、
                 喜びと平和に満ちた生命を得ます。

 アメリカの女性の小説家、パール・バックの「Beech Tree」(ブナの木)、日本語の本の題名は「さよならなんかいや!」には、死期が迫ったことを感じたおじいさんが、孫娘と共に散歩をしたときに、一本の古いブナの木を指し、彼女に「何が見えるかい」、と問いかけます。孫娘は、「枯れかかったブナの大木と、その周りに生えるひこばえの若い木々が見える」と答えます。おじいさんは、その木が、自分の命が終わりに近づいていることを感じて、根っこに新しい木々を生むように指令を出し、若い木々が生えてくる。若い木々は、その大木の根から、水と栄養をもらって育つが、やがて自分の力で生きるようになる。この年老いた木が枯れる頃には、もうこの若い木々は自立しているのですが、これらの若い木々は、あの年老いた木がなければ生まれることはなかったし、あの年老いた木は、たとえ自分は枯れてしまっても、この若い木々の中に生きているのです。
   私たち、一人ひとりは決して完璧な存在ではありません。それでも、神さまは私たちを愛していて下さいます。私たちには一人ひとり、与えられている賜物があります。それぞれが与えられている恵みです。その恵みを生かすよう、懸命に生き、後は神さまに委ねるしかありません。私たちにできないこと、それを可能にするのは、神さまです。
    そして、私たち一人ひとりの人生は、それだけで完結しているのではないのです。受け継いだ大切なこと、福音を伝えていくこと、受けた愛を伝えていくことで、生命が受け継がれていくのです。人生について、生きる意味について、また、死について考える時に、‘The Fall of Freddie the Leaf’(葉っぱのフレディー)という作品を思い起こします。 この題名は、直訳すれば、「葉っぱのフレディーの秋」なのですが、秋、fallは、葉が落ちることを意味していますので、「葉っぱのフレディーの落ちるとき」とも訳せます。 葉っぱのフレディーは、生まれてから、様々な出会いを重ね、ついに最期の時を迎えます。しかし、それは、ただの終わりでも、希望のないものでは決してありません。このお話の、最後の部分を、ご紹介します。英語の本文の後、日本語にも訳してあります。

・from pp.21-23, Leo Buscaglia, ph.D.‘The Fall of Freddie the Leaf’

As he fell, he saw the whole tree for the first time. How strong and firm it was! He was sure that it would live for a long time and he knew that he had been a part of its life and it made him proud.

Freddie landed on a clump of snow. It somehow felt soft and even warm. In this new position he was more comfortable than he had ever been. He closed his eyes and fell asleep. He did not know that Spring would follow Winter and that the snow would melt into water. He did not know that what appeared to be his useless dried self would join with the water and serve to make the tree stronger. Most of all, he did know know that there, asleep in the tree and the ground, were already plans for new leaves in the Spring.

The Beginning.

 ・「葉っぱのフレディーの秋」より、
   落ちていくとき、フレディーははじめてその木全体を目にしました。なんと強く、なんとしっかりしていることでしょう!この木は長生きするに違いないと思いました。そして、フレディーは自分がこの木の生命の一部であったことを知り、誇りに思いました。
   フレディーは雪の吹きだまりの上に着地しました。どういうわけか柔らかく、あたたかくさえ感じました。この新しい場所は、今まで感じたことがないほど快適でした。フレディーは目を閉じ、眠りに落ちました。フレディーは、冬の後に春が来ることも、雪が溶けて水になることも知りませんでした。何も役に立たないように見える乾いた自分の体が、雪解け水と混じり合い、その木を強く育てるために役立つことを知りませんでした。そして何よりも、フレディーが知らなかったのは、そこに、木の中と、そして土の中に、もうすでに春に芽を出す新しい葉っぱの計画が眠っている、ということでした。     はじまりです。

  主イエスは、私たちと同じ人間として、この世界に生命を与えられました。その上で、神の国とは、どのようなものであったかを、教えて下さいました。当時も、今の中東の社会と同じように、男中心の社会にあり、また、特定の宗教や、その宗教の定める様々な戒律や祭儀をまもるだけの富がある人たちが、敬われていた時代に、 貧しい人たちも、女も、子供も、老いも若きも、病人も、障害を負っている人も、健康な人も、またどんな民族だって、皆等しく、神にとっては大切なのだ、と教えました。そして、「あなたの隣人を、あなた自身として愛しなさい」と言われました。言っただけでなく、そのように生きました。
   しかし、この世の権力者たちは、これほど根源的で急進的な理想主義を受け容れることができませんでした。そして、主イエスは、十字架に架けられ、人間としての死を迎えます。 埋葬された後、マグダラのマリヤたちが墓に向かうと、天使は言いました。「あなたがたは、なぜ、生きている方を、死人の中にたずねているのか。その方はここにはおられない。よみがえられたのだ」。
  弟子たちは、イエスの死に最初は絶望し、力を落としますが、やがて、イエスから受け継いだ魂、愛、そして心の平和は、彼らの心の中で死んでいないことに気付くのです。
 そして、主イエスは今も、私たちの中に生き続けておられます。

 ですから、私たちの、この世の基準で、心臓が止まって、呼吸が止まって、脳の機能が止まって死を迎えたとしても、共に分かちあった愛と希望と信仰とがあるなら、「たとえ死んでも生きる」のです。

§「神が一つの軛に合わされた者たちを、人が離してはならない」

  さて、今日の聖書箇所は、大変衝撃的な箇所です。マルコによる福音書2章23節以下の、
「安息日は人間のためにできたのであって、人間が安息日のためにできたのではない。だから、人の子は安息日の主でもあるのだ」、と言う言葉と同様に、当時のユダヤ教社会で、旧約聖書をもとに律法で決められていること、社会的に認められている常識となっていることを、真っ向から否定しています。大変勇気のある提言で、マルコによる福音書1章にある、「そして彼らはカファルナウムに入る、そして、彼はすぐに安息日に会堂に入り、教え出した。すると人々は、彼の教えに仰天し通しだった。なぜならば、彼は律法学者らのようにではなく、権能ある者のように彼らを教え続けたからである」、という記述にピッタリの内容です。

 *彼は彼らに答えて言った、「モーセはあなたたちに何を指示したか」。彼らは言った、「モーセは離縁状を書いて離縁することを許しました」。イエスは彼らに言った。「彼があなたたちにその掟を書いたのは、あなたたちの心が頑なだからだ。しかし、創造の初めから、神は彼らを男と女に造られた。このために人は自分の父と母を棄てるであろう。そして自分の女(つま)に堅く結びつくであろう。こうして二人は、一つの身になるであろう。だから、彼らはもはや二つではなく、一つの身なのだ。したがって、神が一つ軛に合わせられたものを、人間が離してはならない」。

  当時は、離縁は、夫の側だけが申し立てることができるように決まっていました。そこにもう社会的な男女差別があるのです。夫の気に入らなければ、あるいは、社会通念的に求められているように子供を産まなければ、離縁してよいということを、イエスはここではっきり否定しているのです。      主イエスの愛は、「あなたの隣人を、あなた自身として愛しなさい」という言葉と同様に、愛が、驚くほど広く深いのです。それはちょうど、母と子、親と子がいたら、その関係を無くすことはできないのと同じように、神さまが結びつけたものを、それがたとえ当事者だとしても、人間が離してはいけないのだ、それはエゴなのだ。あなたは、愛しなさい!神さまからの愛を受けているのと同じように、あなたの愛を、あなたの隣人に向けるなら、その人を離縁するという選択肢はない、というのです。大変力強いメッセージです。律法主義と全然違いますよね。
  これに対して、10節以下は、トーンが違います。「自分の妻を離縁し、加えてほかの女を娶る者は、彼女に対して姦淫するものだ。また、女の方が自分の夫を離縁し、そしてほかの男に嫁ぐとすれば、彼女は姦淫をする者だ」、ということは、離婚は認めるけれど、再婚は認めない、というメッセージで、9節までとは、主張の内容がはっきり違います。主イエスのメッセージが届かない、「頑なな人々」から、暴力を受けていたり、ひどい扱いを受けていたり、そういう弱い立場の人たちを守る必要性に迫られて、後に伝承の形で付け足されたのだろうと思います。

                                          2011年 6月26日  礼拝   高橋  誠日本キリスト会川崎教会牧師 

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