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あざらしの談話室2コミュのFreedom-Fighter 22-2

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メランコリーとアンリエッタは元々エルバート軍海兵隊で、後方支援隊に所属していた。双方の父親もエルバート軍海兵隊の隊員で、ロビンソンとは兵学校時代の同期だった。ロビンソンとは違い、2人とも海兵航空隊に所属し、ロビンソンら地上部隊の支援任務に就いていた。しかしメランコリーの父親は訓練中に乗機のエンジントラブルで墜落死、アンリエッタの父親も空中戦で撃墜され戦死している。

「お父さんたちが仲良かったから、あたしたちも昔からよく遊んだんだよ。それで、お父さんたちが死んだのがきっかけで…」

アンリエッタはそこで言葉を詰まらせた。彼女の口から次に出たのは、涙を堪える声だった。

「お父…さん…が…見てた世界を…見たく…なっ…たん…だ…」

メランコリーはすぐにアンリエッタを抱き寄せた。アンリエッタは大声で泣き出してしまった…。

「この子…すごくお父さんが好きだったんだ。あたしのお父さんが死んだ時も、一緒に泣いてくれたんだよ…。だからお父さんネタには弱いんだ」

アンリエッタはその昔、父親に向かって「お父さんみたいな男の子と結婚するんだ!」そう言ったことがあるとか。メランコリーもその場に居て、父親はすごく嬉しそうな表情を浮かべていたという。その1ヶ月後に、父親の戦死が文書で届いた。

「…幸せだったんじゃないかな? アンリのお父さんは」

アリシアはどこか寂しそうな、そんなニュアンスでつぶやいた。

「あたしたちは…リジェルバルタに両親兄弟を置いてきちゃったからね」

恐らく両親の元へ戦死通告が届いているはずだ。だからツインサクラメントはリジェルバルタでは『死んでる』ことになっているのだ。それはそれで悲しいものである。

「両親兄弟の安否が一番気になるよね…忘れたことはないよ」

マリミーナはそう言った。



無意味な人殺しするために戦うのはもう嫌だな…



間を開けてボソッとつぶやいたマリミーナもまた、憂鬱な表情を浮かべていた。

4人はしばらくのんびりしたのち、以前展開した隠れ家に向かった。そこでルッカ・アカネ・フェリスと合流、指示があるまで留まることになった。


一方、ボエラニアからトサノコクに向かおうとしていた部隊はおよそ2日待たされた後、正式に出撃命令が下された。超空母ストライフとその護衛艦群に守られながら、高速輸送艦が足早にトサノコクに向けて移動を始めた。

「OCRGの4〜6番隊はトサノコク西部に舟艇上陸、7〜9番隊は山岳地帯にて待機…これって隠れ家の近くなんでしょ?」

ストライフにはボエラニアに残っていた第14及び24特務遊撃隊のメンバーが乗艦していた。そのうちキックス・メンフィス・アリソンがなにやら会議をしていた。ちなみにハスティーとミルフィーは偵察機の護衛に、ティッピーは具合が悪くて部屋で休んでいる。

「んで、ツインサクラメントとコリー、アンリは隠れ家に到着したと連絡があった。ラプター・フリッツ・カサネの3人は滋賀さんらと一緒だ。サレンスはさっき滋賀さんの元に戻ったとして…」

キックスはぶつぶつ言いながら地図に書き込んでいた。

「基本的にオーガンシティーでは各隊をさらに数人の班にわけて目立たないように行動する。状況に応じて留まる住民を安全かつ速やかに避難させる…こんなことできるのか?」

キックスはペンを地図に放り投げて背もたれに体重を預けた。

「…かなりの血が流れるぞ」

メンフィスとアリソンは思わずキックスを見た。彼は椅子の背もたれに身体を預けて天井をぼーっと眺めていた。

「オーガンシティーでの戦いは、こないだのダガイのそれとは比べ物にならない。市街戦は誰が死んでもおかしくないんだ」

突然目の前の仲間が頭を撃ち抜かれて倒れても不思議ではないのだ。

「敵は正面にいるとも限らない…ビルの上からスナイパーが狙ってるかもしれないし…」

そうつぶやいたメンフィスもトサノコクで市街戦は経験済みだ。トサノコクのそれとオーガンシティーでのそれとの違いは、リジェルバルタもエルバートも味方ではないということだ。今回は第三者の立ち位置で撃ち合いの中に飛び込まなければならないのだ。

「トサノコクみたいに、住民を助けるから撃つなと言えないからなぁ…OCRGはしっかり機能するか気になるな」

ダガイでの戦闘で、OCRGは全体の2割を戦争神経症にやられていた。またその動揺が広がっていたのだ。特に7番隊は女性部隊だけに問題は深刻だった。

「だが、今となってはどうにもならない。やるしかないんだよ」

キックスが頭を痛めていた頃、偵察機の護衛に出ていたハスティーとミルフィーも同じ話をしていた。

「…みんなで生きて帰りたいですよね」

ミルフィーはナーバスになっていた。ハスティーはどう声をかけていいのかわからなかった。というのも、戦士としてなら言葉はいくらでも出てくるが、そういうことはしたくなかった。ハスティーの、本心の言葉をかけたかった。

「できれば、ライフルを持ってほしくなかったかな?」

ミルフィーやアリソンをボエラニアに連れてきたのはハスティーらだから、こうなることは全く予想していなかったわけではない。が、りょーすけやせいご、よしこまでが武器を持つとは思っていなかった。

「よっちゃんにはライフルを今からでも手放してほしいのが本音だな」

「よしこ先輩も、できれば武器を持ちたくなかったって、言ってましたよ」

りょーすけとせいごがOCRGに志願すると聞いて、よしこは最初反対していたという。しかし2人に説得されて自身もOCRGに志願したという。



みんなが帰る場所を守るために…



ハスティーは黙って前方を見ていた。彼にはその理由を聞かずとも、なんとなくだが予想がついていた。

「結局、武器は人殺しするためにある…のかな」

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