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あざらしの談話室2コミュのFreedom-Fighter 21-4

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「おい、これ…」

「やばいんじゃないか?」

「室長!」

「どうした!」

「キャンプダガイからです!」

「…これは大変だ、ロビンソン閣下に伝えろ!」

「了解!」

すぐさま兵士が部屋を飛び出した。



きゃっ!



直後、誰かにぶつかった



「申し訳ありません…あ…」

ぶつかった相手はたまたま廊下を歩いていたミルフィー・クリーブランドだった。

「あたしこそすみませんっ!」

「おい、なにしてる!」

ジョージ・キックスとアリソン・ヨークタウンが駆け寄ってきた。

「大丈夫か、ミルフィー」

「ありがとうございます、大丈夫ですよ」

ミルフィーはキックスに笑顔で答えた。

「…なにかあったのか?」

キックスは兵士に問いかける。すると彼は…

「ダガイ北方50km圏内にリジェルバルタ軍、ゆっくり南下しているとのことです!」

キックスもアリソンも言葉を飲んだ。すぐさまロビンソンに伝えられる。もちろん彼も顔色を変えた。偵察及び情報収集の指示が出された。

すぐしてダガイから追加の通信が届いた。内容は『守護天使、見回りに出る』というものだった。

「あいつ、ダガイにいるのか!?」

キックスが驚くのも無理はない。やつはつい最近ハスティーと共にボエラニアに帰ってきていたのだ。昨夜から姿を見ていないからどうしたんだろうか、とは思っていたみたいだが…。ただ、ウイングは諜報活動のスペシャリストだ、誰にも悟られずに行動することなど難くない。

「今頃ボエラニアは慌てふためいてるに違いない」

― 我々も寝耳に水であります。

「だよな…。とりあえずオレが出たらキャンプから撤退してくれ。計画通り滋賀さんとこに合流しろ」

― 大尉はどうなさるんですか?

「適当な場所に降りるさ。オレ達にはリジェルバルタ軍を止める責任がある。ちゃんと仕事はしてくるよ」

地上とリフトを仕切るゲートが開き、『LTF-X689 ENGEL-RITTER』が地上支援武装で姿を現した。バックディフレクターが稼働、カタパルト射出の準備が整えられた。

― カタパルト射出よし!タイミングを守護天使に。

「了解、後片付け頼んだぞ」

― お任せを。大尉も御武運を。


ウイングが駆る守護天使がカタパルトの力を借りて一気に加速、アフターバーナーを目一杯開き機体は離陸した。そのまま高度を上げてリジェルバルタ軍の監視飛行に移る。その頃ボエラニアでは、先行部隊の出撃準備が急ピッチで進められていた。ボエラニアに一時展開しているOCRG4〜9番隊も、トサノコクへの出発準備を整えようとしていた。

「作戦を変更して、君達にはトサノコクの拠点からエルバート海岸方面へ山越えで入ってもらう。具体的にはここからトサノコクに入り、オーガンシティー北西地域に入る」

ロビンソン自ら隊長に指示を伝える。

「特に問題がなければ今晩出撃してもらう。大丈夫かい?」

ロビンソンは7番隊隊長の鳴滝 なぎさに質問した。もちろんキックスから話は聞いていた。

「私達は軍人だが、貴女は軍人ではない。だから不安は極力取り除いてあげたいからね」

なぎさは小さく笑った。それで十分だった。

「まぁ念のためにも、指示があるまで第24特務遊撃隊と行動してもらうことになるから、心配しないでくれ」

なぎさは元気よく返事した。

「ムスタング大尉、5番隊のコーポート少尉と6番隊のイノグチ少尉は新任だ、ゆとりはないと思うがよろしく頼むよ」

「閣下、ご心配には及びません。お気遣いありがとうございます」

そこへひとりの女性がやってきた。

「中将、お久しぶりです」

「久しぶりだね。丁度いい、紹介しよう。彼女は君達の道先案内をしてくれる、ミューレンス・コーラルシー大尉だ」

背丈は160くらい、ゆかと同じぐらいのセミロングの女性だ。かつてエルバート軍で情報収集任務に就いていた人物だ。ウイングとも行動を共にしたこともあるとか・・・。年が同じなので気が合う数少ない仲間だったらしい。

「えっと・・・右から4番隊のアパム・ムスタング大尉、5番隊のヤン・コーポート少尉、6番隊のユグンファ・イノグチ少尉、7番隊の鳴滝 なぎさ中尉、8番隊の川添 彩夏少尉、9番隊の桜川 仁軍曹だ」



ロビンソンがミューレンスに説明する。5・6・8・9番隊はダガイ村での戦闘以降に出来上がった、いわば『ルーキー部隊』だ。その隊長も武器の扱いはほぼ皆無だという。4番隊はハスティーらとの演習時、大半が3番隊として参加していたのでそこまで問題もなかったが、ロビンソンらは一抹の不安を抱いていた。そのフォローを第14特務遊撃隊に任せるかいなか・・・厳しい判断を迫られていることは間違いなかった。

その第14特務遊撃隊もメンバーがバラバラの状態だった。ハスティー・キックスはボエラニアにいるものの、ラプター・フリッツはエルバート国内、ウイングはダガイにいた。

第24特務遊撃隊もメンフィス・ミルフィー・アリソン・ティッピーがボエラニアにいるが、サレンスとカサネはエルバート国内に、ツインサクラメントはトサノコク、メランコリー・アンリエッタはエルバート軍施設にいる。

もちろくそれぞれの任務が終了次第順次部隊に合流するか、OCRG部隊と行動を取るかいずれかの指示が出ていた。

「守護天使より入電。進攻軍を確認、詳細調査開始。発砲あれば攻撃を行う」

ウイングは高高度で通信を終えると、降下を開始した。胴体に装備された偵察用カメラにて撮影をしつつ勢力を確認した。

「ざっぱで…2個師団はいそうだな。戦車装甲車…自走砲…なんとまぁ充実した装備だ」

スピードレバーを手前に引き機体速度をギリギリまで落とす。失速気味になり機体はふらふらとする。そのまま機首を進攻部隊に向けた時、レーダーが自走高射砲を捉えた。

「レーダー連動の自走砲も揃えてるとは…やる気だな」

そのまま低空でフライパス、上昇して向きを変えて再度低空でフライパスを試みたところで、敵の自走砲やらが火を噴いた。爆発の煙幕の中をフライパス。

「守護天使より、Bコントロール。当方への発砲を確認。反撃に出る」

直後、ウイングの前方に複数の敵機をレーダーが探知した。リジェルバルタ陸軍の地上支援用戦闘攻撃ヘリコプター『HFB-02 JUSTICE HUNTER』だ。情報によるとつい先日ロールアウトしたばかりの新型だとか…。ウイングは即座にセーフティーを解除する。ヘリコプター群の中を高速ですり抜ける。ヘリコプターのスピードでは戦闘機追撃は不可能だ。しかし地上のレーダー連動式自走砲がウイングを捉えて対空射撃、うまくヘリコプターの正面に逃がしてあとはヘリコプターの空対空ミサイルで撃ち落とす…だがウイングは予想済みだった。

操縦桿を前に倒し高度を上げる。レーダー連動自走砲はウイングを追い掛けながら射撃を続ける。さらには高射砲弾を打ち上げて機体に傷を付けようとする。しかしウイングはそれをうまくかわし続け、手持ちの爆弾をばらまいて現場空域を離脱した。

「守護天使よりBコントロール、我所有装備のすべてを投弾、敵地上部隊を攻撃。なお強力な反撃が予想されたため戦果確認できず」

機体はそのままダガイからトサノコクに向けて飛行、そのまま姿を消した。行方をくらましたとも言えるが、数日後別の場所に姿を現すことになる…。

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