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あざらしの談話室2コミュのFreedom-Fighter 20-2

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翌日、拠点の出入口に女子大生が3人。ゆか、ちとせ、さらだった。彼女らは第1戦隊としてはねすけ、ちひろと共にOCNU、国立オーガンシティー大学とその周辺に向かうのだ。

「あら、かわいいじゃない」

3人の元に、目を奪われてしまうほどの金髪ロング女性とブラウン短髪の女性が・・・。

「え? メランコリーさんとアンリエッタさん!?」

ゆかは驚いて思わず大声を出してしまった。さらも思わず誰か聞き返すところだった。

「でもよく見たら・・・」

ちとせも若干ひきつり顔だ。

「誰かと思えば、コリーとアンリじゃないか」

誰かと思えば私服のキックス・・・いやいちぞうだ。追ってこれまた私服のマリミーナとアリシアが出てきた。普段と違って・・・。

「「ゆかちんかわいいじゃん!」」

双子は発言がシンクロするとはよく言うが・・・と、それはいいとして。2人にはゆかの服装がいたく気に入ったらしい。

「そういえばはねすけはまだなのか?」

いちぞうが思い付いたように声を発したが早いか、はねすけがのそっと出てきた。ジーパンに長袖シャツといういかにも地味だが思いの外似合った服装だった。

レジスタンスの車に分乗して麓まで降りる。すぐに鉄道駅に出るとそこで下車。そこで身分証が手渡された。もちろん偽造。だがゆか・さら・ちとせは大学の学生証が身分証代わりだ。一応はねすけもそうなのだが・・・。

「ちひろは高校の学生証なんだね」

さらがちひろの学生証をまじまじと見ていた。学生証は学生証なのだが、顔写真は最近撮られたものを使っていた。

「ま、あたしのはそのままだけど」

さらは大学に編入して間もないため、そのまま流用された。

「今は学生証くらいなら特にチェックもないはずだ・・・」

はねすけも特に気にはしていなかった。が、いちぞうは別の心配をしていた。それは列車内で抜き打ちで行われるという臨検だ。あまり大事にはしたくないのが本音ではあるのだが・・・。

オーガンシティー駅に向かう列車に乗り、揺られること30分。心配していた臨検もなく無事にオーガンシティー駅に到着した。ここでメランコリーとアンリエッタと別れる。大学通りを少し上がったところでいちぞう(キックス)・あゆみ(アリシア)・まゆみ(マリミーナ)と別れる。残ったのは『大学潜入組』のはねすけ(ハスティー)・さら(メンフィス)・ゆか(アリソン)・ちひろ・ちとせ(ミルフィー)のみ。大学潜入といっても、やることはそれだけではない。厳密には『大学周辺地域に潜入』という意味だ。

「講義のない日みたいだね」

ゆかのつぶやきはまさに的確だった。戦争になり事実上の休講になった国立オーガンシティー大学・・・。それでも大学内にはちらほら大学生の姿が見られた。

突然ちとせがふらふらと歩き出した。周りの掛け声に耳を向けずふらふらと歩いたその先には、壊れた噴水があった。周りにはたくさんの花束やお供え物・・・。



友達が2人亡くなりました



ちとせは静かにそう言った。あの自動車テロだ。回収された車から死体が見つかったため、無差別に狙った自爆テロだと、当局は断定し声明を出している。ちとせの友人が犠牲になっていた。他にもトータル15人が死亡、20人以上が重軽傷を負ったという。

学内をあちこち見てまわる。そして最後に向かったのが・・・



ここは・・・変わってないな



かつて『YOSAKOI-TEAM WhiteWing』が活動拠点としていた場所だ。とりあえずここで休憩しよう、そう言ってのんびりしていた時だった。けたたましい音が響き渡る。火災報知器だ。次の瞬間連続した銃声が響き渡り、微かに悲鳴も聞こえた。即座にさらが短銃を取り出し入口に・・・。はねすけも射撃態勢に入る。



沈黙の空気が流れる・・・



遠くに銃声・・・



時折悲鳴が建物内に響く・・・



さらは必死になにかを堪えてるように見えた。今にも飛び出したいのだろう、はねすけが目で制止した。少し時間が経った時突然扉になにかが当たる音がした。当たるというよりは衝突だ。



助けてよぉぉぉ!!



女の子の叫び声だ。必死に扉を叩く。さらとはねすけが目で相談する・・・頭ではねすけが扉を開けろと合図。さらはタイミングを計って扉のノブに手をかける・・・。ゆかもちとせも万が一に備えて短銃を手にしていた。



勢いよく扉が開く



「早く中にっ!」

入ってきたのは血まみれの女子大生・・・さらが扉を閉めるとみんなが女子大生に駆け寄る。ゆかとちとせが身体を診る。幸い彼女は右上腕部を撃たれていたものの、命にかかわる傷ではなかった。

「なにがあったんだ?」

はねすけが女子大生に質問をする。すると彼女の口から出た言葉に一同絶句してしまう。



彼女は軽音楽部の部員で、気を紛らわせるために仲間と練習に来ていた。一息つくために建物の外に出ようとした時、突然数人の軍服姿の男が銃を持って外から走ってきた。その時建物の入口付近には学生が20〜30人いた。男らはなにやら叫びながら銃を乱射してきたのだという。最初なにがなんだかわからなかった、加えてなにを言っていたのかすら・・・。

周りの学生がどんどん倒れ始め、隣にいた友人の身体から血が吹き出してようやく状況を理解したらしく、無我夢中で建物に逃げ込んだらしい。右上腕部を撃たれたのはおそらくその時だろう。

あらかた話終えた時、外から男の叫び声が聞こえてきた。



この非常時に暇を持て余すとは何事かぁ!!



直後に1発の銃声・・・ちひろもちとせも耳を塞いでいた。若干怯えていた。ゆかは黙ってドアのほうを見ている。3人共必死に堪えているのが伝わって来た。はねすけは一度はロックしたセーフティーを再び解除した。さらはそれを見て立ち上がり、再び扉のそばに向かう・・・。

「さら」

はねすけはさらを呼び止める。

「おそらくサバゲー同好会の連中だ。ゼロ距離空砲で間に合うだろう・・・警戒しながら入ってくるはずだ、後ろからやれ」

さらははねすけをじっと見てから扉に目を向けた。一瞬銃口を下げた。戸惑いが瞬間的に見え隠れした。



カチャッ!



リロード音。はねすけだった。



ぼくは・・・護るために、引き金を引く。そう自分に言い聞かせて今日まで来たんだ



さらははねすけの眼差しを見つめた。その時だった・・・銃声複数音。扉に向けられていた。さらが扉から離れる。穴が空いた。勢いよく扉が・・・



迷彩服姿の男が3人、中に入ってきた。誰の姿もない。3人共部屋の奥に視線を送っていて、背後のさらに全く気付いていなかった。さらはマガジンを抜いて銃口を3人に向けた。はねすけも隠れたまま3人に銃口を向ける。だが彼はマガジンを入れたまま。さらはゆっくり3人の背後に忍び寄る。目測数メートル・・・1人が後ろを振り返ろうとした。

声が出るが早いか、さらは1人に飛び掛かった。残りが銃口をさらに向けるより前にさらが飛び掛かり倒した男の額に銃口を向けて・・・



タァーン!!



さらがすっと横目で2人を見る・・・それぞれ銃口は下を向いていた。さらに2人の間からはねすけの姿。さらはニヤリとした。はねすけは短銃2丁を2人の後頭部に当てていたのだ。

「銃を足元に。そして両手を挙げろ」

素直に従う3人。いずれもサバゲー同好会の1年生だった。武装解除させて拘束、丁寧に他の仲間の情報を吐かせた。3人は1発も撃っていなかった。マガジンも新しいまま。さっきまでの銃声は上級生のものらしい。

「とりあえずサバゲー同好会を制圧しないとまずい。援軍を呼ぼう」

一通り話を聞いて、はねすけはいちぞうを呼ぼうと通信子機を取り出した・・・。

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