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あざらしの談話室2コミュのFreedom-Fighter 17-3

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キックスもフリッツも顔色が変わった



なにより、ゆかの顔色が一番変わっていた。持っていたコップが、スルリと手元から足元に落ちた。

「お前・・・ストーネス・・・ウイング・・・」

海兵隊を思わせる迷彩服に身を包んだ青年は『鵜方 翼』と名乗っていた男・・・元エルバート軍第81特務遊撃小隊、現在APURG第14特務遊撃隊第5戦隊兼第124情報戦隊隊長の、ストーネス・ウイングその人だった。その姿は別れる前とは違って・・・。

「久しぶりだな。心配かけたかな」

「あぁ、呆れるくらいな。ついさっきまでお前の存在をすっかり忘れてたよ」

キックスがウイングの頭を軽くはたく。

「まぁ・・・今までからしたら、早い登場だけどね」

フリッツが笑顔で答える。今までウイングが消息不明となっていたのは少なくとも半年という短さでもなかったりした。それが今回はあっさりと出てきたのだ。

「・・・あれも補給物資か?」

キックスが指差すのは1台のトレーラーだった。見た感じは航空機なのだが・・・。



あれは・・・オレのおにゅ〜だ



やっぱりな、そんな表情を浮かべる2人。

「ウイング大尉、機体はどうしましょう?」

「とりあえず基地に運べ、万が一偵察が来ると厄介だ」

すぐさまトレーラーが基地への道を走り出す。残りのトレーラーからは補給物資の荷下ろしが始まった。生活必需品から食料、武器やら銃弾やら様々。あとはこんなものまで届けられた。

「戦車じゃないですか!」

ゆかが目を丸くしてそれに近づく。長年エルバート軍の主力戦車として活躍したマリンタイガーの改良型、MAT2A3サンダーボルトだ。一体どこへ向かいたいのか、部隊の方向性が全く見えない。とりあえずOCRGに3台が配備されることになった。

「明日昼前にはハスティーが着くはずだ。その時に親父さんから指令が届くだろう・・・」

日が暮れたあと、ウイング・キックス・フリッツ・クーベルトらAPURGメンバー+αと滋賀・境川・鳴滝・金沢らOCRGとの合同会議が開かれた。会議といっても懇親会みたいなものだ。

「何年ぶりなんですか? あのレジェンドソルジャーが揃うのは・・・?」

すっかり酔いの回った鳴滝が、若干べったりな感じでキックスに尋ねる。それを見てやきもきする現在休学中の女子大生・・・。

「ん〜・・・わからん。数年ぶりだろうな」

戦場で揃うのは下手すれば前の大戦以来かもしれない。できれば二度と戦場で戦士として揃いたくななかった・・・というのが本音ではあるが。

「明日はメンフィスやサレンスも来るからな。前の大戦以来の集結になるんだろうさ」

ウイングは好物の焼き鳥をくわえながら答えた。

「それはそうと、だ」

串に刺さった鶏肉をほお張ると、ウイングはカバンから書類を取りだし、机に載せた。

「OCRGをもう少し鍛えないとまずいかもしれないな」

書類の裏を使ってなにやら書き始めた。

「現在は金沢くん率いる新2番隊、境川さんの新3番隊、鳴滝ちゃんの新7番隊がある。これにクーベルト軍、オレ達第14特務遊撃隊第1から第5戦隊、さらに新たに新設・・・というか復活再編成された第24特務遊撃隊で兵力ができている」

つらつらとあっという間に編成表が書き上げられた。OCRGの部隊は1部隊につきおよそ50名、第14特務遊撃隊はハスティー・キックス・フリッツ・ラプターにウイングを足した5個戦隊群、そして第24特務遊撃隊はサレンスが指揮を執る。その名前はかつてエルバートに存在した



スターエンジェルス



である。もっともこの名前は後に



デビルハントエンジェルス(悪魔を狩る天使)



と改名される。

「で、滋賀さんと話はしたが、OCRGをもう少し細分化しようと思う」


2番隊、3番隊、7番隊をそれぞれ人選し1部隊を30名ほどの小隊規模に再編成する。余った中から女性数名をデビルハントエンジェルスに選抜、残りを新たに加えたメンバーと共に新4番隊、5番隊、6番隊、9番隊、10番隊にほぼ均等になるよう配置する。


一覧にするとこうなるわけだ・・・。



APURG第14特務遊撃隊【指揮官・ミリアル・ハスティー少佐】


第1戦隊・・・ミリアル・ハスティー【少佐】

第2戦隊・・・ジョージ・キックス【准佐】

第3戦隊・・・クラックス・ラプター【大尉】

第4戦隊・・・バックス・フリッツ【中尉】

第5戦隊・・・ストーネス・ウイング【大尉】



第24特務遊撃隊【指揮官・パインランド・サレンス准佐】


第6戦隊・・・パインランド・サレンス【准佐】以下5名

第101支援小隊・・・アリソン・ヨークタウン【兵長】以下6名



第16師団【指揮官・アリハム・クーベルト中将】以下3000名



OCRG【指揮官・滋賀 武中佐】


新1番隊・・・滋賀 武【中佐】以下32名


新2番隊・・・境川 剛士【少佐】以下36名

新3番隊・・・金沢 亮平【中尉】以下32名

新4番隊・・・隊長選考中 以下28名

新5番隊・・・隊長選考中 以下28名

新6番隊・・・隊長選考中 以下24名

新7番隊・・・鳴滝 なぎさ【中尉】以下36名

新8番隊・・・隊長選考中 以下28名

新9番隊・・・隊長選考中 以下24名

新10番隊・・・隊長選考中 以下24名



「ちなみに、第24特務遊撃隊にはフェリーネクト・メンフィス少尉、アリソン・ヨークタウン兵長、マリミーナ・サクラメント大尉、アイリス・サクラメント大尉、ミルフィー・クリーブランド二等兵他数名が既に所属している。だから選抜は若干数で構わない。第14特務遊撃隊の5人はしばらくのあいだ4番隊から6番隊、第8番隊から10番隊までを監督する」

これも滋賀とロビンソン代理のクーベルトとの話し合いで決まったこと。それもこれも迫り来る決戦に備えて・・・なのだろうか。

「あとは・・・みんながどう考えてるか、どこまで自覚してるかだ」

ウイングの言葉にみんなが黙る。キックスや滋賀でさえ、自分自身が戦えるのか・・・しっかり守れるのか不安に感じずにいられなかった。



そしてその不安はすぐに現実のものとなってしまった。不穏な空気は午前中から流れていた。滋賀はそれを察知した段階で第二種警戒体勢を発令、3番隊に偵察指示を出した。金沢は兼ねてから育てていたら少数精鋭の偵察隊を送り出した。

「・・・ハスティーはあと2時間で着く。それまでに何もなければいいんだが」


発令所にて地図を睨む滋賀、ウイング、他OCRG幹部。キックスとフリッツは既に地下エプロンで待機していた。

「偵察隊より連絡、敵1個連隊規模が接近!」

一気に緊張が増した。直ちに全軍に対して第一種戦闘態勢が命じられた。予め指定された区域にそれぞれが配備される。もっとも第一種戦闘態勢が発令されてすぐに配置は完了したのだが・・・。

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