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ダイオキシン中毒(カネミ油症)コミュの「ナノテクの危険性 5」化学物質問題市民研究会から

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日焼け止め(サンスクリーン)に使用されているナノ物質

安間武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/topics/08/topics_073.html

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■はじめに
 二酸化チタン(TiO2)ナノ粒子はマウスの実験で有害な神経毒性が報告されていますが、多くの日焼け止めには、二酸化チタンや酸化亜鉛等のナノ・サイズ粒子が使用されています。しかし、ヒトの健康への影響、特に炎症などのある正常ではない皮膚からの体内への浸透、さらには使用後に体から洗い流されて環境へ放出された後の環境への影響(例えば微生物への影響)は、ほとんど検証されていません。
 ここでは、欧州委員会/消費者製品科学委員会(EC/SCCP)及び、いくつかのな国際的に著名なNGOによる「ナノ日焼け止め」の評価を紹介します。

 EC/SCCPは、ナノ粒子を含むサンスクリーンの安全性について不確実性を指摘し、またEWGを除く全てのNGOが、ナノの使用に懸念を示す中で、アメリカの環境NGOエンバイロンメンタル・ワーキング・グループ(EWG)だけがナノ物質を含むいくつかの日焼け止め製品を”推奨”しているのは驚きです。

 正常な皮膚からの浸透の可能性は少ないとしても、炎症などのある正常ではない皮膚からの体内への浸透とその影響や、体から洗い流されて環境へ放出された後の環境への影響が確認されていない状況で、環境NGOが使用を”推奨する”ことには、予防原則という立場から違和感を感じます。

■欧州委員会/消費者製品科学委員会(EC/SCCP)
  2007年12月18日 化粧品中のナノ物質の安全性に関する意見 エグゼクティブサマリー
OPINION ONSAFETY OF NANOMATERIALS IN COSMETIC PRODUCTS

結論:摂取に関連する健康への潜在的懸念が生じるかもしれないのは、主にこの不溶解性粒子である。もしそれらが全身的な転移/移動が可能なら、最終的には2次目標組織での蓄積が起こるかも知れない。このことは化粧品を繰り返し使用するときに重要になるであろう。必然的に不溶解性ナノ粒子は環境への負荷を及ぼすので完全なライフサイクル評価が求められる。

 従来のリスク評価においては皮膚浸透研究は健康な及び/又は損なわれていない皮膚を用いて実施されている。損なわれた皮膚の場合には、摂取が強まる可能性があるので安全余裕(Margin of Safety (MoS))でカバーされるよう考慮される。しかし、ナノ物質の場合には、従来の安全余裕(MoS)では安全性の適切な表現を与えないかもしれない。もし活性な組織に対する全身的吸収があるなら、皮膚から全身的循環への急速な展開をもたらすかもしれない。どのような全身的吸収も異常な皮膚状態(例えば日焼け、アトピー、湿疹、乾癬性)でより多く起こりそうであるということが予測される。皮膚における物理的、特に機械的及び/又は化学的反応はナノ粒子の浸透に影響を与えるかもしれないという証拠がある。

 化粧品中のナノ粒子の吸入と摂取に関するデータについての評価手法に大きなデータ・ギャップがある。
 ナノ物質の体内分布(トキシコキネティクス)は、詳細には研究されていない。

 最近の情報に照らしてナノサイズの二酸化チタンの安全性を検証し、病理学的な皮膚異常と皮膚浸透に関する機械的反応の影響の可能性を考慮する必要があると考えている。

■地球の友(FoE)の報告書
 『ナノテクノロジーと日焼け止め−ナノ日焼け止めを避けるための消費者ガイド 2007年8月』
Nanotechnology & Sunscreens - A Consumer Guide for Avoiding Nano-Sunscreens, August 2007
Friends of the Earth Australia

結論:ナノ粒子を含む日焼け止めを使用しないことを推奨。

 危険な紫外線から守るために日焼け止めをたっぷり塗ることで、新たな危険に身を曝しているかもしれない。日焼け止め製造者は二酸化チタンや酸化亜鉛のような日焼け止め成分を肌に塗った時に白色ではなく透明にするためにナノ粒子を加えている。これらのナノ粒子は適切な表示や信頼ある情報なしに加えられている。混乱をなくすために”地球の友”は120社以上の日焼け止め製造者にナノテクノロジーに関する会社の方針及び製品にナノ粒子を含んでいるかどうかを問い合わせた。わずか9社だけがナノ粒子を含まない製品を売っていると述べ、24社はナノ粒子を含む日焼け止め製品を持っていることがわかり、95社は会社の方針及び成分が不明であるか又は調査へ回答しなかった。このことは表示義務と規制の必要性、及び消費者がどの日焼け止めを使うか注意を払う必要性を強調している。

■コンシューマー・リポート(CR)の報告書
 『ナノテクノロジー 我々の最初のテスト』
Nanotechnology: Our first test

結論:ナノ粒子成分と効能は関係ない。

 日焼け止め中のナノ粒子が人に直接的な健康影響を与えるかどうかは主にそれらが皮膚上層部を浸透するかどうかによる。研究によれば通常の状況では皮下組織まで達しないが、ざ瘡、湿疹、日焼け、又は髭剃りによる傷などにより損傷を受けた皮膚は浸透しやすいかも知れない。
 適切な安全評価がなされるまで、これらのナノ成分への暴露を避けたい人は二酸化チタンや酸化亜鉛をラベル表示していない日焼け止めを選択できるかもしれない。このことは不十分な日焼け保護に甘んじることを意味しない。我々のテストは効能とこれらの成分とは関係がないことを示している。さらに、最高得点のアメリカの製品Neutrogena Ultra Sheer Dry-Touch SPF 45 は二酸化チタンと酸化亜鉛のどちらも含んでいない。

■エンバイロンメンタル・ワーキング・グループ(EWG)の報告書
 『日焼け止め ナノテクノロジー 概要』
Sunscreen Nanotechnology - Summary

結論:ナノサイズの成分を含むいくつかの日焼け止めを推奨。

 調査当初はナノサイズの二酸化チタンや酸化亜鉛を含む日焼け止めに反対する結論になると考えていたが、最終的には考えが変わり、ナノサイズの成分を含むいくつかの日焼け止めを推奨する。
 ナノ粒子を含むかもしれない亜鉛とチタン日焼け止めの比較に基づく便益の評価は、言うまでもなく全てのナノスケール製品や製造プロセスを推奨するものではない。しかし、我々はナノサイズの亜鉛とチタンは日焼け止めの、特に紫外線暴露の既知の危険性に対する用途として合理的な選択であり、アメリカにおける紫外線からの保護にとって限られた選択であることがわかった。
 粉状又はスプレー形の無機日焼け止めによるナノ粒子吸入の可能性について、特に顔や子どもへの使用を宣伝文句で謳っているなら、懸念がある。EWGは、粉又はスプレー形状で売られている無機ベースの日焼け止めは避けるよう消費者及びこれらの製品の製造者に勧める。
 消費者は、どのような製品もその安全性と効能について、FDAが包括的な日焼け止め基準を最終的に策定し、日焼け止めが効果的であり、人にも環境にも安全であることを保証するために全ての日焼け止めを再評価するまで、完全な信頼を持つことはできないであろう。

■Nanowerk Spotlight 2008年8月20日ブログ記事
 『日焼けによる皮膚のダメージはナノ粒子の皮膚浸透のリスクを増大させる/概要紹介』
Sunburn increases risk of nanoparticle skin penetration By Michael Berger
http://www.nanowerk.com/spotlight/spotid=6838.php

結論:クオンタムドット・ナノ粒子は、健康な肌に比べて紫外線でダメージを受けた肌で、より容易に浸透する。

浸透した微量のナノ粒子が、状況、ナノ粒子の生体内での溶解性、及び排出ルートに依存して、有害影響を引き起こすことがあるということは想像できる。

日焼け止めに使用されている二酸化チタン及び酸化亜鉛の有害副作用影響はまだ報告されていない。

実験にクオンタムドットを使用した理由は、皮膚中で直接的な蛍光画像を可能としたからである。

クオンタムドットの効率的な紫外線吸収と蛍光特性は、様々なバイオテクノロジー、軍事、セキュリティーの分野での用途が急速に拡大し、化粧品や紫外線遮断応用分野での用途が検討されている。

これらの物質は、潜在的な長期的有害健康リスクを避けるために、皮膚浸透を防ぐよう設計されることが必須である。

ロチェスター大学の科学者らの研究目標は、浸透のメカニズムと程度に与えるナノ物質表面化学とサイズの影響を完全に特性化することである。
■NRDC ジェニファー・サス2008年3月9日ブログ記事
 『科学者ら化粧品中のナノ物質を警告』
NRDC Jennifer Sass's Blog, March 9, 2008 Scientists warn against nanomaterials in cosmetics
http://switchboard.nrdc.org/blogs/jsass/scientists_warn_against_nanoma.html

結論:潜在的なリスクがある。私はドロッとした白い日焼け止めで十分である。

 欧州連合の科学委員会は、日焼け止めを含んで化粧品中のナノ物質の潜在的なリスクを評価するための現在のアプローチは不適切であると結論付ける報告書を発表した。リスク評価アプローチの徹底的なレビューの後に同委員会は、”日焼け止めに現在使用されている不溶解性ナノ物質の安全性レビューが必要である”とし、化粧品に用いられている全てのナノ物質について個別のリスク評価を勧告した。

 重要なことに、同委員会はまた、ナオ物質が皮膚を浸透し体内に残留し、臓器と体組織に蓄積し、健康障害を引き起こす可能性を評価するために、”新たな方法論を早急に開発する”ことを求めた。現在までのところ、ほとんどのテストは健康な無傷の皮膚で行われていたので、同報告書はナノ物質が傷のある、日焼けした、又は疾病のある皮膚を浸透する可能性を検証するテストを特に求めている。

 多くの日焼け止めは亜鉛またはアルミニウムのナノ物質を含んでいる。通常のサイズでそれらは日焼け止めとして効果があるが、ナノスケールでは日焼け止めにもっと流動性と白ではない透明性を与えて化粧品としての付加価値を高めている。それらの潜在的なリスクはどうか? 私はドロッとした白い日焼け止めで十分である。


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参考:
市民科学研究室リビングサイエンスアーカイブスから

米国におけるナノテク化粧品問題とわが国の現状/小林 剛(市民科学第21号 2009年1月)
皮膚と化粧品〜ナノ粒子の安全性と表示問題〜2006年7月/上田昌文
ナノテク化粧品とは何か? どこが問題なのか?2006年7月/白石靖
ナノテク化粧品は安全か?/藤田康元 (市民科学第6号 2005年10月)

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