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ダイオキシン中毒(カネミ油症)コミュの水銀

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子どもの頃、うっかり体温計をぶつけて水銀を床一面にばらまいたのは懐かしい思い出だろう。ころころ動く金属は珍しかった。

当時、水銀に強い慢性毒性があるとは教えられなかった。今も水銀のことを話題にすると、有害なのは有機水銀だけで、それ以外は人体に入ってもそのまま出てしまうから問題ないと説く人がいるが正しくない。

世界の各地で水銀による環境汚染が発生している。特定地域の汚染として目に見えるものだけでなく、アマルガムやワクチンによる被害など見えにくい汚染も広がる気配だ。米科学アカデミーの報告では、子どもの注意力、記憶力、話す力、描画力、走る力などが水銀の影響をうけ、毎年6万人の子どもが脳障害のリスクを負うという。

規制しようという国際的な動きがあるが、産業界の圧力に押されたのかアメリカ政府が強く反対し、暗礁に乗り上げている。

●魚による有機水銀中毒

去年の10月、アメリカで水銀に関する報道があった。サンフランシスコのジェーン・ハイタワー医師が、奇妙な症状をもつ患者の存在に気づいた。検査結果には何も問題がないのに、うつ状態や記憶力減退が起こり、金属の味がすると訴える。毛が抜けてしまった人もいる。そういう患者が時々やってくるようになった。

共通点を探って行くと、いずれも神経の障害で、水銀中毒が疑われた。患者はマグロのすしやステーキなど、高価な大型魚を主に食べている人に集中していた。魚のメチル水銀が原因だと考えた彼女が、メカジキ、マグロなど大型の魚を食べないように指導すると、症状は短期間で改善した。

その後ハイタワー医師は裏づけ調査を行って、専門雑誌 『環境健康展望』 の11月号に発表した。アメリカでは、これらの大型魚をツナ缶として消費することも多い。そこでウィスコンシン州などでは妊娠可能な女性や子どもはツナ缶の消費を抑えるように勧告を出している。

●水銀による中毒

水銀の害としてあげられるのは多くがメチル水銀による中毒で、神経障害を中心とする数多くの被害者を出している。1950年代に熊本県で発生した水俣病は、一時金の支給対象者を数えると1万人を超える。また60年代に新潟県阿賀野川流域で発生した新潟水俣病は認定患者約700人。

海外でも有機水銀による中毒事件が起きている。1971年には、イラクでメチル水銀による集団中毒事件が発生した。水銀を含んだ小麦で作ったパンが原因で、400人 あまりの死者が出たほか、妊娠中にこのパンを食べた女性から生まれた子どもにも脳性まひや筋肉の異常が出たと報告された。これより以前、61年にパキスタンでも同様に汚染パンによる被害が出ている。

最近の例では、アマゾン川上流の水銀汚染があげられる。これは砂金から金を取るときに水銀を使うためで、すでに数千トンの水銀が使われ、付近で無機水銀による中毒が起きている。また下流の住民には有機化した水銀による汚染が見られ、水俣病に似た有機水銀中毒の症状も報告された。同じように、金採取に使われた水銀による汚染がアフリカのビクトリア湖周辺や、インドネシア・カリマンタンでも報告されている。

このように、一地域に集中して中毒が発生したときは、被害の実態が見えやすい。

● 「自閉症」 と有機水銀の関係

問題はこうした特殊な事件にとどまらないところにある。例えばワクチンの有機水銀による被害をとってみよう。

以前からワクチンの製造メーカーは防腐剤としてエチル水銀のチメロサールを使ってきた。疑問をもった研究者が、ある種の 「自閉症」 の症状と有機水銀中毒の症状が非常によく似ていることを報告した。これをきっかけとしてアメリカの 「自閉症」 患者の間から疑問の声が出て、下院で公聴会が開かれる問題となった。アメリカ政府の機関は安全を考えてワクチンにチメロサールを使わないよう業界を指導した。

しかし 「自閉症」 児を抱える親たちはおさまらず、製薬会社にたいして損害賠償を求める集団訴訟を 02年4月に提起した。個別の訴訟も起こされ、現在も継続中だ。

水銀が脳細胞にどのような影響を与えるかについて明快な映像がある。カナダのカルガリー大学で行われた実験の顕微鏡映像を見ると、脳細胞が水銀の作用で急速に縮んでいく様子が分かる。見る人を驚かせるに十分だ。(http://movies.commons.ucalgary.ca/mercury/)

このような水銀の影響は、 「自閉症」 にとどまらない。ADHD(注意欠陥・多動性障害)など、子どもの神経に影響を与えている報告も数多くある。ADHDやLD(学習障害)の患者に金属を除去するキレート剤を与えると、健常者より多くの水銀などの重金属を排出することが多い。日本の厚生労働省はワクチンに含まれるチメロサールの濃度を下げるよう指導したが、ゼロではない。何らかの影響が残るのを否定することはできないだろう。

●水銀の汚染源としての歯科

あまり知られていないが、歯科治療のアマルガムも水銀の大きな汚染源だ。

今の日本では虫歯の治療にあまりアマルガムを使っていないとよくいわれるが、厚生労働省によると、99年の歯科用水銀出荷量は、約700 キログラムである(ダニー・スタインバーグ 『口の中に潜む恐怖』 マキノ出版による)。虫歯のアマルガムは重量でおよそ半分が水銀で、その一部が常に蒸気として体内に取り込まれることがわかっている。

アマルガムから出てくる水銀量も無視できない。下水処理場には水銀が出てくる。その汚染源は主に歯科と口の中から出てくる水銀だという。

ロイターが昨年4月に配信したイギリスの記事では、取り扱う水銀の蒸気に慢性的にさらされているため、歯科医自身が汚染を受け、記憶力や腎臓に問題を抱えていると報告されている。スコットランドで180人の歯科医を調べたところ、尿や毛髪にふくまれる水銀濃度が通常の4倍あり、腎臓疾患や記憶力減退の症状を示していた。

●その他の水銀汚染源

水銀は常温でも液体で、沸点が357度と低い。そのため地下から上がってきたものが蒸気の形で岩石のすき間を上ってくる。環境中に自然に存在する水銀は、かなりの部分が火山に由来するといわれる。これが地上近くに出てくると、火山から降り注いだ硫黄と反応して硫化水銀を作る。古くから使われてきた印肉は硫化水銀の朱である。

石炭層のあるところでも水銀蒸気が下から噴出してくるためか、石炭にも水銀が含まれる。石炭火力発電所は日本に60か所ある。電力中央研究所の統計によると、00年の一年間に600キログラムの水銀が排出されている。

またごみ焼却炉から出る水銀も無視できなようだが、明確なデータがない。横浜市で行われた調査では、炉を中心に同心円状に広がる水銀濃度の分布が確認されている。水銀を含む製品がごみになり燃やされる時に周辺に出る。いったん周辺の大気中に出た水銀を回収する技術はいまのところ存在しない。

余談ながら、水銀の歴史を振り返っておこう。日本で水銀が使われたのは、いつごろからか。邪馬台国で有名な中国の記録 『魏志倭人伝』 に 「かれらは朱や丹(に)をからだに塗っていて」 、 「山から丹を産する」 などと書かれている。中国の王が倭の女王に送った手紙に 「銅鏡百枚、真珠・鉛・丹それぞれ五十斤を与える」 と書かれていたともある。

「丹」 は辰砂(しんしゃ)とよぶ硫化水銀の結晶で、朱色をしている。硫化水銀には結晶のしかたで二種類あり、水晶に似た六方晶系のものは朱色、結晶軸の長さがすべて等しい正方晶系(等軸晶系)のものは黒色である。したがって丹は、六方晶系の硫化水銀結晶ということになる。古墳の内壁に塗られた朱色は、この色である。

●世界の大勢に逆行するアメリカ

以上のような状況を踏まえ、水銀を減らそうという世界の動きがある。昨年、水銀規制の条約を制定するよう提言した科学者会議の報告は、概略つぎのように書いている。

──世界で毎年約5000トン〜10000 トンの水銀が大気中に出る。その50%〜75%は人間活動によるものである。温度計、歯科アマルガム、蛍光灯のほか、さまざまな電気製品に使われている。スイッチ類や計器類、接点、ゲージなどだ。薬品・化粧品に含んでいる例もある。石炭火力発電所・ごみ焼却炉などは大きな排出源である──

このため、ケニアのナイロビに本部のある国連環境計画が中心となって、問題に取り組んできた。しかし最近の米政府の動きは、世界の大勢に逆行する。今年2月にナイロビで水銀規制の国際条約が討議された時、アメリカはひとりこれに反対し、拘束力のある規制が実現しなかった。

アメリカの州政府の中には水銀を規制しようとしているところもある。ところが米政府の方針は、水銀を規制しない態度で一貫している。ヨーロッパが廃電気電子機器指令で水銀を規制するなど、次々と重要な規制を導入しているのと、まことに対照的だ。

その上、予想もできなかった事態が発生した。11月19日、アメリカ上院が 「国土安全保障省設置法」 を可決した。この法律はアメリカ国民のプライバシーにかかわる電子情報の収集が自由にできるようになるなどきわめて問題の多い法案で、共和党内部にさえ反対があるという。それはさておくとして、 「自閉症」 の集団訴訟に影響する修正条項が含まれることが浮かび上がってきた。

細菌兵器として天然痘ウイルスがばら撒かれる危険性がささやかれている。天然痘ワクチンを強制的に使う必要が出てきた時、有機水銀のチメロサールが含まれることになる。ワクチンを使う責任は国家にあるので、製薬会社はチメロサールについて免責され、被害が発生した場合、最高2万5000ドルの国家補償で済ませようという修正条項が同法に含まれていた。たとえチメロサールと 「自閉症」 の因果関係が認められたとしても、わずかの補償で済まされることになり、原告側は危機感を募らせている。

●アメリカが水銀国際条約を拒否した

共同通信は2月2日、水銀に関する国際条約づくりの検討が進むなか、米国が強い反対姿勢を決めたと、次のように報じている。

「欧州連合や中南米諸国は条約づくりを支持する姿勢で、米国と対立しそうだ。環境保護団体は 『水銀の発生源の一つである火力発電所を抱える産業界に配慮した』 とブッシュ政権の姿勢を批判している」

またENSは2月10日、こう書いた。

「各国代表団は地球全体で水銀の排出源を厳しく規制することで合意した。しかし米国代表団の反対でUNEP執行理事会は、石炭火力発電所など主な水銀排出源からの排出量に拘束力のある規制を設けられなかった」

環境政策の面でも、 「アメリカ対ヨーロッパ」 という図がはっきりしてきた。アメリカが従来の社会・経済・環境にわたる政策を何とか維持しようとしているのに対し、ヨーロッパの方は、新しい参加国を巻き込みつつ、可能な新しい方向を模索している。

● 「水銀汚染を早く終わらせよう」

03年1月3日付、米ワシントン州の新聞 『シアトル・ポスト・インテリジェンサー』 が水銀の問題点をうまくまとめた記事 「水銀汚染を早く終わらせよう」 を掲載している。要約しておこう。

──水銀汚染に関する議論が燃え上がり、ワシントン州だけでなく世界中で、どうすればいいのかが問題になっている。汚染源を減らす法案が州議会に提出される見込みだ。

自然界では火山の噴火などで水銀が放出される。環境保護庁の計算によると、石炭火力発電所・ごみ焼却炉・サーモスタット・温度計・歯科アマルガムなど人工の汚染源が増えて、自然放出量の5倍になっている。元素であるため、永久に環境中にとどまる。

水銀は強い神経毒性を持ち、きわめて低い濃度でも中枢神経や腎臓・肝臓に障害をもたらす。特に妊娠中の女性や小さい子どもにとっては有害で、新生児障害や学習障害を起こす。妊娠中の女性10人のうち1人は障害を起こす可能性のある量をとり込んでいる。

食品医薬品局(FDA) はサメ・メカジキなどの魚を、妊娠中の女性や妊娠予定のある女性は食べないように警告している。州の健康局もツナ(マグロ)缶を1週間に1つ以上食べないよう勧告した。

温度計・サーモスタット・スイッチ・血圧計等は水銀を使わない製品が出ているから、早急になくすべきだ。また水銀を使った製品を扱っているメーカーは回収方法を確立すべきだ。提案される予定の法案は、代替製品があるものについて水銀の使用をやめるよう求めるものになるだろう──

日本では電池が水銀使用ゼロになり、蛍光灯に封入されている水銀蒸気も減っている。水銀温度計はあまり使われなくなった。それでも輸入電池のように、まだ水銀が姿を消したわけではない。目立たないところで使用が続いている。

●水銀を減らす努力を

水銀など重金属が化学物質過敏症や電磁波過敏症と関連しているという意見が強くなってきた。また慢性病患者の多くで、患部に重金属の蓄積を見ることが多いという観察もある。キレート剤などを使って重金属を排出すると症状がよくなることが多いという報告が傍証を与えている。

今後は水銀などの重金属が、病気と健康を支配する大切な要因として注目されるようになるだろう。アメリカ政府の反対に対抗し、水銀条約を制定して、社会全体で水銀の使用を減らす努力が求められる。

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