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妄想作家〜眠れnu夜を過ごして〜コミュのWhat is Love? (2)

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episode 2: 花葬



目を開けると、そこには廃墟のような高い天井があった。

時々目の前を照らす閃光や鳴り響く低い雷鳴は
あたしを静かな孤独へと誘い、そして全身に針が刺さるように、酷く寒かった。


無数の深紅の薔薇に囲まれて、横たわるあたしの肉体は
金色の蛇によって支配されていた。
身体中に甘い毒が廻り、朦朧とした意識の中で、辺りを囲む蝋燭の灯りが心地よかった


あたしに近づく一つの足音
漆黒の服を纏い、透き通るような肌、濡れる白金の髪
感情のない冷たい瞳は、まさに金色の蛇のようで

全てを飲み込まれてしまいそうなほど、美しかった

彼は、あたしの胸元にそっと黒い薔薇を添え
その冷たく、どこか憂いを秘めた瞳は、あたしをまっすぐ捉えていた


ーあたし、死んだの?

心の中でそう呟くと、男は首を横に振り、口を開いた。

「あなたは、眠れぬ魂。ここには死も生も存在しない」

孤独、闇、虚無
乾いたあたしの心は、肉体が滅びてもなお潤す事は叶わないの?

「あなたは、眠れぬ魂。あなたは大事なものを過去に置き忘れてる。大事な…あの感情を」

あの感情
あたしにはあの感情がなかった
あの時までは。
歌声の彼に抱かれて、逝くまでは…


「本当に?」


「本当にそれまであの感情は無かった?ーあなたは無だった?」

あたしは、からっぽだった
あたしは、HEAVEN'S DRIVEで狂ったように愛をむさぼっていた

でも、その前のあたしは…?
いつか耳にした彼の歌声
いつ? どこで?

あなたは、誰…?

目の前を照らす閃光が激しくあたしの心を揺さぶった
紅の雫が目からこぼれ落ちる

「泣かないで、僕が閉じた扉を開けるから…」

男はあたしの冷たくなった頬に手を添え、そっと口づけた
全身に熱いものが流れ込み、目の前を覆っていた天井は消え
薄い雲に包まれて、ぼんやりと輝く月が見えた

「欠けた月よ廻れ、永遠(とわ)の恋を写し…」

その光がとてもあたたかく、優しくあたしを包み込み
やがて、瞳を閉じた






ばらばらにちらばるあたしの花びら
今あたしの中に還すから







episode 3: DAYBREAK'S BELLにつづく手(チョキ)

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