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【小説】聖龍島 〜公開の刻〜コミュの『聖龍島:紅』【四】

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『聖龍島:紅〜燃ゆる刻〜』(壱)

『聖龍島:葵〜繋がる刻〜』の続きです。


《舞台設定》
■聖龍島に似た赤き島
地形が聖龍島に似ていており、空から差す赤い光によって島全体、空と海が赤く見える。

■登場人物
穂村紅(2)
穂村神社の巫女。弟がおり、かなりの弟思い。10年前に両親が亡くなり、大切なものを守る意志が強くなった。

穂村紅雅(ほむらこうが)
13歳。穂村紅の実弟。少し病弱で激しい運動はできない。


本編スタート


神主「あれはもしや古の門…」

聖也「古の門?」

神主「あぁ…かつて現世と異界を繋げ、人間と龍による争いが起きたという」

葵「やっぱり本当だったんだ」

聖也「そうだな…そういえば、他の神社のやつらはどうしてるんだろう」

紅「せいちゃ〜ん」

その時、そこに紅が巫女姿で走ってきた。

聖也「あっ!紅か…」

葵「なに…せいちゃんって…」

聖也「勝手につけられたあだ名だ!笑うな」

葵「でもね…」

聖也「はぁ〜…っで?紅、どうした?」

紅「宝玉が光出して一瞬消えたかと思ったら弟も消えちゃったんだ」

聖也「なんだって!?」

葵「もしかして異界に…」

聖也「あり得るな…」

紅「頼む、弟を助けてくれ」

聖也「もちろんだ!」

葵「じゃあ早く行こ…」

神主「ゴホッゴホッ」

その時、葵の叔父が倒れる。

雅「大丈夫?おじいちゃん…」

聖也「葵…お前は、ここに残ってろ」

葵「でも、また龍が出たら…」

聖也「安心しろ!紅だって巫女だ!きっと龍の力を持ってるはずだ」

葵「そんな確かか分らないのに…」

聖也「いや…間違いなくいるはずだ!聖龍の力を授かった者の勘だ」

葵「なに言ってんだか…」

聖也「ははっ…それに雅ちゃんだけじゃ大変だろ」

雅「…」

葵「…分ったわ!その代り…無事に帰ってきなさいよね」

聖也「もちろんだ!…紅、案内を頼む」

紅「わかった」

聖也と紅は駆けていった。

葵「無事に帰ってきなさいよね…」

『穂村神社』

聖也「結構、疲れるな…よく巫女の格好のまま速く走れるな」

紅「まあね…」

聖也と紅は着くなり、急いで宝玉のところへ向かった。
聖也の瞳に映るのは光り輝く赤の宝玉だった。

聖也「紅…弟さんを助けたいと強く祈ってみてくれないか?」

紅「え…?わかった」

紅は目を閉じて祈り始めた。

紅「(紅雅を助けるんだ…紅雅を助けるんだ…)」

その時、宝玉の輝きが増し、聖也の左鎖骨も輝きだす。

聖也「くっ…(相変わらずこの痛みは応えるな…)」

紅「大丈夫!?」

聖也「俺の事はいいから、もっと念じるんだ」

紅「…」

宝玉と聖也から放たれる光が重なり辺りは光に包まれる。
光が消えると共に聖也と紅の姿も消えた。
それからすぐ経って聖也が目を覚ます。

聖也「成功か…?」

紅も目を覚ました。

紅「ここは…?」

聖也「昔の聖龍島さ」

紅「昔の聖龍島?」

聖也は葵と一緒に体験した事を紅に話した。

紅「そんな事が…」

聖也「信じられないかもしれないがこれが事実だ」

紅「そんな危ないところだったら紅雅が心配だ」

聖也「あぁ…早く見つけて現世に帰ろう」

紅「えぇ…」

二人が立ち上がった時、地響きが鳴る。

聖也「なんだ!!」

紅「なにか来る!!」

ゴゴゴゴゴ…

聖也たちとわずか5m離れたところの地面が崩れ始めた。

聖也「この感じ…まさか…」

黒翠龍「我は黒翠龍、邪神の化身なり」

聖也たちの目の前に現れたのは、葵が倒したはずの黒翠龍だった。

黒翠龍「貴様ら何者だ…ん?この気は…聖龍!?」

聖也「なんで倒したはずのお前が蘇ってるんだ」

黒翠龍「倒した?我をか?笑わせるな…この下等な生き物よ」

聖也「(違うやつか?でもあの額の黒い翡翠は…)」

紅「せい…ちゃん…こいつが龍なのか?」

聖也「そうだ!龍は龍でも悪い方のだ…」

紅「貴様!」

黒翠龍「ん?」

紅「私の弟を見かけなかったか?」

黒翠龍「弟…?もしかしてあのちっこい人間か?」

紅「知ってるのか?」

黒翠龍「もちろんだ…なぜなら…」

聖也「…」

紅「…」

黒翠龍「喰らったからな!!」

聖也「なにっ!!」

紅「なんですって…」

黒翠龍「丸飲みだったから味はよく分らなかったがそれなりに腹は膨れた」

聖也「お前〜」

紅「貴様…貴様は許さない」

黒翠龍「人間ごときが我にはむかうというのか…」

紅「貴様ぁ〜!!!!!」

その時、紅の鼓動が強まり、紅の心からかすかな声が聞こえた。

???「くれ…な…い…」

紅「え?」

???「我を解き放つのだ」

紅「だれ?」

???「汝にはわかるはずだ…さぁ…」

紅は目を閉じて精神を集中させる。

聖也「これは…」

黒翠龍「…ん?」

紅「我が命じる紅龍よ!発現せよっ!」

その言葉と共に周囲が炎に包まれていく。

黒翠龍「この炎は…まさか貴様!!」

紅&紅龍「いくぞ!黒翠龍!!」


…続く

コメント(2)

『聖龍島:紅〜幼き刻〜』(弐)

『聖龍島:紅〜燃ゆる刻〜』の続きです。


《舞台設定》
■紅龍
紅の心に宿っていた神。赤と白の身体、黄金の角・牙・爪、その姿は鬼神のごとく。火炎を吹き、火山をも噴火させる。

■登場人物
穂村龍正(ほむらりゅうせい)
男。38歳。紅の父親。穂村神社の神主をしていたが10年前に事故で亡くなる。

穂村紅葉(ほむらくれは)
女。38歳。紅の母親。穂村家に嫁いできて穂村神社の巫女をしていたが10年前に夫の龍正と共に事故で亡くなる。


本編スタート


紅&紅龍「滅せよ!!」

黒翠龍「紅龍…人間に宿っていたとはな!!」

紅「我が命ずる、紅龍よ!!憤怒の業火で敵を焼き払え」

巨大な炎の塊が勢いよく黒翠龍に向かう。

黒翠龍「たかが人間の小さき器…威力はないわ!!」

黒翠龍も黒炎を吹き対抗する。

紅「人間の力を甘くみるな!!」

紅が放った炎の塊はさらに大きさましていく。

黒翠龍「こしゃくな!!!!」

黒翠龍はさらに黒炎を放つ。

聖也「紅!!!」

紅龍「我を解き放て!!巫女よ!」

紅「……具現、紅龍!!」

その言葉と共に紅を守るように紅龍が姿を現した。

聖也「これが紅に宿る神か…」

紅龍「終わりだ!!」

黒翠龍「ははは…貴様の炎だと中にいる人間は一瞬で焼け死ぬぞ」

紅「はっ!!」

紅は動揺するがすぐに紅龍が語る。

紅龍「愚か者め…我が浄化するのは邪気だけだ」

黒翠龍「ならば返り討ちにしてくれる!!」

黒翠龍はさっきよりも大きな黒炎の塊を放つ。
紅龍も続いて紅蓮を放った。

一瞬、押し合うが紅龍の力の方が上だった。

黒翠龍「ぐおぉぉぉ!!!!」

紅龍の炎が黒翠龍を焼き、浄化していく。

紅龍は姿を消し、炎も消えていく。

紅「…紅雅!!!!」

地面に倒れていた紅雅の元に駆け寄る紅雅。
紅雅は寝息をたてていた。
どうやら無事だったようだ。

紅「良かった…」

聖也「弟さん、無事で良かったな」

紅「ありがと、せいちゃん」

聖也「俺は何もやってないし…それにせいちゃんってのもやめろ」

紅「やだっ☆」

聖也「なっ!!」

和やかな時間。それから少し経って紅が深刻そうに話しだす。

紅「あのね、せいちゃん…」

聖也「なんだ…(結局、せいちゃんかよ…)」

紅「私たちの親はね…10年前に事故で亡くなったの…」

聖也「そうだったのか…(また10年前だと!!!!)」

紅「その時から、私は紅雅をすごく大切にしようと決めた」

聖也「あぁ…」

紅「両親が亡くなる前…紅雅が産まれる時に言ってたの…」

『15年前/穂村神社』

当時、3歳の紅。

紅「なぁ〜に〜母上?」

紅葉「紅、よく聞いて」

紅「はぁい☆」

紅葉「私のお腹には新しい生命が宿ってるの。だから産まれてきたら紅はお姉ちゃんになるの」

紅「おねぇちゃん?」

龍正「そうだ!!お姉ちゃんだ!!立派な人の証だ」

紅「あかしぃ?」

紅葉「まだ難しい話は早いでしょうけど、これだけは覚えてて…もしも私たちの身に何かあったらこの子をヨロシクね」

紅「うん☆」

それから5日後に紅雅は無事に産まれた。
両親の言いつけ通り紅は弟・紅雅をごく普通に大切にした。

そして、運命の時は訪れた…

『10年前/穂村神社』

紅雅が5歳を迎える誕生日。
神社内で遊んでいた紅と紅雅のところに近所に住む龍正の弟(叔父さん)が走ってきた。

叔父「くれちゃん大変だ!!」

くれちゃんとは、紅の事である。

紅「どうしたの?叔父様」

叔父「兄と紅葉さんが…」

紅「へぇ?」

紅雅「ん?」

『異界/昔の聖龍島』

紅「私はその場で嘆いたわ」

聖也「……」

紅「ごめん、なんか暗い話しちゃって…」

聖也「いや…別に構わないよ…」

紅「でも私、思うの…」

聖也「何が?」

紅は聖也の方を向いて言う。

紅「ホントに事故だったのかなって…」

無情の風が吹いていた。


…続く
『聖龍島:紅〜運命の刻〜』(参)

『聖龍島:紅〜幼き刻〜』の続きです。


本編スタート


紅「ねぇ、せいちゃん…」

沈黙が続いてた時、紅が話しかけてきた。

聖也「なんだ?」

紅「今いる場所が昔の聖龍島って言ってたよね」

聖也「あぁ…」

紅「何年前?」

聖也「え…?そこまでは分からないけど、人間が住み始める前だと思う」

紅「そうね、人間が住めるような環境じゃないもんね」

聖也「どうしたんだ?」

紅「んん…なんでもない」

聖也「もしかして、両親の事か?」

紅「えっ…えぇ‥まぁ…」

紅龍「真実を知りたいのか?」

紅「こっ…紅龍!?」

聖也「なんとか出来るのか?」

紅龍「肉体そのものを送る事はできないが、意思だけならできる」

聖也「つまり俺たちに運命を変える事はできないと…」

紅龍「その方が分かりやすいならその通りだ」

聖也「紅、なにがあっても大丈夫だな?」

紅「…うん…」

紅龍「承知した!!」

紅龍がそう言うと聖也たちが光に包まれた。

『10年前/穂村神社』

聖也たち(意思)が目を覚ますとそこには8歳の紅がいた。

聖也「あれが紅か?」

紅「そうよ…」

紅8歳「そんな…父上、母上が…」

どうやら叔父から事故の事を聞いた後らしく、小さな紅はその場で泣いていた。

紅龍「さらに時間を遡[さかのぼ]るぞ!!」

聖也「事故の原因か?」

紅龍「あぁ…。覚悟はいいな」

紅「もちろん…」

紅龍「ではいくぞ!!」

再び聖也たちは光に包まれた。

『10年前/???』

聖也「ん…ここが…」

紅龍「運命の場所だ」

紅「…」

その時、遠くから誰かが歩いてきた。

聖也「誰だ?」

紅「父上…母上…」

歩いてきたのは、紅の両親だった。

聖也「あれが両親か…」

紅「そう…」

紅の目から涙が出てきた。

紅葉「今日は紅雅の5歳の誕生日だから、う〜んとご馳走作らないとね」

龍正「そうだな」

???「穂村家の者だな」

二人の目の前に当時の紅ぐらいの歳の少女が立っていた。

聖也「なんだ?あの子は…」

紅「…」

龍正「そうだけど、君は?」

???「ふっ…」

少女が笑った瞬間、黒い何かが龍正を横切る。

龍正「……ぐはっ!!」

何が起きたか分からないうちに龍正はその場に倒れた。
聖也たちは、一瞬の出来事についていけてなかった。

紅葉「あなた!!」

紅「父上!!」

龍正「くっ…お前は…」

???「私は貴様らを許さない者」

龍正「なん…だと…」

その少女の横に現れた黒い姿を見た聖也たちは驚きを隠せなかった。

紅「あれって…黒翠龍!?」

聖也「でも姿が違う…」

聖也たちが見た黒翠龍らしきものは今まで見たのよりも小さく姿も違っていた。

紅葉「あなたが連れているそれって…」

???「…報いを受けるがいい」

黒翠龍らしきものは紅葉に向かっていった。

紅「母上!!」

龍正「紅葉!!」

紅葉を抱き守る龍正。
そこに黒翠龍らしきものの攻撃が当たる。
龍正と紅葉は、そのまま崖下に落ち海へと消えた。

紅「これが…」

聖也「真実かよ…」

紅「あいつが両親を!!」

???「あとは…天真と天瀬のとこか…ふふ…」

聖也「なっ!!」

その言葉に驚く聖也。
その間に謎の少女は姿を消していた。

聖也「紅…帰ろう。弟さんを早く休ませないと…」

紅「うん…」

聖也たちの意識が戻った頃には、すでに歪みが発生していた。
聖也は紅に方法を教える。

紅「……」

聖也「くっ…」

二つの輝きが重なっていく。
光が消えたと共に聖也たちの姿もその場から消えた。

『現世/穂村神社』

現世に帰ってきた聖也たち。
紅は紅雅を布団に寝かせ部屋を出る。

聖也「その…やっぱり…」

紅「つらかった…でも知れて良かった…」

聖也「そうだな…それにしてもあいつは一体…」

紅「私は父上母上の仇を討つ」

聖也「あぁ…(次は天真、天瀬とか言ってたな…葵のお姉さんの原因が同じなら…鐡とこも分かってないからな…)」

紅「せいちゃん?」

聖也「俺、天真とこに行ってみる。紅は弟さんの面倒を見ていてくれ」

紅「分かった…気をつけて」

聖也「もちろん」

聖也は穂村神社を後にした。

聖也「俺の考えがあってれば…」

聖也は山道を駆けていく。


…続く

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