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中東・イスラム世界との対話コミュの田中宇なるネットジャーナリストについて考える

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昨日、田中宇とかいう、昔からよくネットで名前を見かけて、たまーに冷やかし程度に読んで、怪しい奴と常々思っていた「ネットジャーナリスト」の記事を始めてじっくりと読んでみた。

こいつ、結論から言うと、いわゆる「トンでも本」の類である。よく言って手品師、はっきり言えば、ペテン師といっても差し支えない。

よくサヨク系とか、なんでもかんでも反米とか反グローバライゼーションとかそういう思い込みの激しい方々がよく引用している人物なので、なんでそんなに支持を受けているのかと思っていたが、読んでみてよく分かった。

既存のジャーナリズムやアカデミズムはそれはそれで、いろいろと問題を抱えているし、ネットという政治力や資金力といった国や企業や宗教団体や政治組織の圧力から自由に情報を発信できるメディアは、確かに必要だし、政治やメディアのあり方を変えた。

それは、市民に対し、既存の権力やそれによって操作されているマスメディアに対抗する新たな手段として歓迎されるべきだろう。

しかし、一方で、既存のマスメディアやアカデミズムには、他者の目による「検証」に絶えうるだけの正確さやレベルが求められており、無責任な「陰謀」論や「憶測」を主張することは許されない。

しかし、この市民にとって便利なネットでは、このような「検証」を経ずに、個人や集団が勝手に情報を垂れ流し出来てしまう。

ネット社会は、以前より一層、市民の政治意識の高さや、見識や、冷静さ、情報を見極める能力が問われる社会なのだろう。

で、なんで、いままで胡散臭くて怪しいのでまともに受け止める気がなかった、この田中宇なる「ネットジャーナリスト」の主張をじっくり読んでみる気になったのかというと、とある、大学生で、中東情勢に興味を持っているが、決してサヨクでも、サダム・フセイン支持でも、イスラム主義シンパでもないアラビア語超初心者の日本人留学生と話していて、今まで散々、「アラブ」人やムスリムから聞かされてうんざりしていた都市伝説としての「9.11自作自演説」をとうとうと、しかも詳細に聞かされて、非常に驚いたからである。

彼は「アラブ」人とは、ろくに会話も出来ないし、まあ、英語のメディアをしっかりフォローしているわけでもないし、一体どこから、このような「陰謀論」の詳細を持ってきたのだろうかと違和感を覚えていたのだが、ようやく分かった。

こいつが犯人だと。

正直、アカデミズムは、仲間内にしか読まれない学術論文を書くことだけで満足することなく、もっとメディアやネットを使って、正確な情報を市民に発信すべきだと思う。

特に、このような昔は一部の「変な人」が、「変な話」を聞きたがる一部の市民に「とんでも本」をほそぼそとして出版していたときは、そんな「変な人」を相手にする価値も無かったのだが、このように、ネットを通じて堂々と無責任な憶測だけの陰謀論を全ての市民に対して発信して、影響力を強めていることには、知識人はきちんと対応すべきだと思うし、そのような場を作りたい。

このトンでも本の類にいちいち反論するだけ時間の無駄であるとは思いつつも、彼の矛盾や根本的な欠点を挙げてみよう。

私は、グローバル化した世界経済や米国の政治などは全くの専門外であるので、その辺りは判断を避けるが、彼の中東やイスラム諸国に関する記事は矛盾と誤解と決め付けに満ち溢れている。

●インドのムンバイで発生したテロを「ヒンズー教徒による自作自演であり、そのシナリオを書いたのはイスラエルと米国である」と主張しているが、パキスタン政府自身が、今回のテロ組織がパキスタンを根拠にしていることを間接的に認めている(諜報機関長官の派遣決定(その後取り消しになったが)など)。また、パキスタン国内で頻発しているイスラム主義者らによるテロや反政府運動や衝突も「ヒンズー教徒の自作自演」なのだろうか?むしろ、今回のテロもパキスタン国内での反政府イスラム主義者らによる一連のテロ事件と関連して理解するのが自然だろう。

私の分析を読みたい方は、以下のトピを読んでください。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=37635761&comment_count=18&comm_id=3871028

●「サウジは「近代化」と「改革」に取り組んでいるのに、それを無視して米国のネオコンとユダヤロビーが一方的にサウジ=イスラム原理主義=テロと決め付けており、サウジは犠牲者である」と主張している。その前提となっているのは、「ウサーマ・ビン・ラーデンやアル・カーイダは実際には存在せず、9.11が米国の自作自演」という憶測を前提にしており、それにそぐわない情報や事実が全て意図的に取り上げられていない。例えば、サウジ国内で頻発しているサウジ政府や外国人に対するアル・カーイダによるテロ。これは9.11以前から継続して発生している。また、特に9.11事件や猿ブッシュ十字軍によるイラク侵攻後は、サウジ国内のアル・カーイダの活動は活発となり、彼ら自身がネットを通じて様々な犯行声明や思想宣伝のためのサイトも行っている。これら全ても「米国による自作自演」だと主張するのだろうか?

●また、ウサーマ・ビン・ラーデンが、サウジ王族と密接であり、ゼネコンのオーナー一族であることから、米国が関与したサウジ軍の基地建設に関連している(ここまでは事実と認めよう)。で、この田中宇は、このように米国の支援によって建設されたサウジ軍の基地(当然、米軍の軍事顧問や技術者などは駐在していたのは当たり前)を「米軍の基地」にすり替え、イラクによるクウェート侵攻を受けて米軍がサウジに進駐したことに反発したウサーマ・ビン・ラーデンが、最終的に反サウジ・反米のテロ活動を行うようになったとの定説(私もそれを確信していますが)に対し、「ウサーマは、イラクによるクウェート侵攻を受けて米軍が進駐する以前から、米軍基地の建設を請け負っており、米軍がサウジに進駐していたことを知っていたはずであり、このような説明はありえない」と主張している。ここで彼が意図的に無視しているのは、以前からサウジ軍の基地で活動していた米軍の軍事顧問や技術者云々ではなく、米軍の何十万という戦闘部隊がサウジ政府の要請で、サウジに進駐し、都市や町で闊歩しているという事実に対し、サウジ国内で国民的な反対運動がおき、それを多くの宗教者が指導し、政府との衝突や逮捕や弾圧というサウジ建国以来の未曾有の危機が起きたという事実である。そして、その指導者の一人がウサーマ・ビン・ラーデンであり、彼がサウジ国民の一部から支持や支援を受けているのは、このようなかつての国民的な運動があったからであるし、今現在、ウサーマ・ビン・ラーデンやアル・カーイダを支持していないが、この事件をきっかけに反王政の立場で活動している宗教指導者らは枚挙に暇がない。こんなことは、隠蔽されていることではなく、少しでも調べればいくらでも分かる公開情報だ。彼が知らないはずがあるだろうか?

●また、レバノンのハリーリー元首相の暗殺事件は今もって闇の中で、研究者の間でも、ジャーナリズムの間でも、確証のある説明はなされていない、確実に言えることは「誰がやったのかはわからないが、誰がやってもおかしくない」が、「米国やイスラエルは、この事件の犯人はシリアであると断定し、国連決議を採択し、シリアに対しレバノンからの撤退を国際社会の要求としてつきつけ、シリアは撤退せざるを得なくなった」ということである。
この田中宇は、9.11は「米国によるウサーマ・ビン・ラーデンやアル・カーイダの犯行はでっち上げであり、米国の自作自演である」との憶測に基づく陰謀論を主張しながらも、このハリーリー元首相暗殺事件を行ったのはシリアだという米国の主張をなんの検証も無く肯定し、それに基づいて、シリア政権の破綻云々を論じている。

とまあ、矛盾だらけで、要するに、「米国=イスラエル=マスメディア」陰謀論に都合のいい情報だけをつぎはぎして、饒舌にあれこれ語っているに過ぎないペテン師であり、まともな検証に耐える言説ではないということだ。

しかし、このようなペテン師がネットを通じて、とにもかくにも米国憎しな日本人の間で権威に祭り上げられている現状は、非常にレベルが低く、嘆かわしい。

コメント(8)


私は残念ながら、その田中宇さん発信の情報には遭遇したことがありませんが、
YouTubeやニコニコ動画などにアップされているネット・ムービーの【Zeitgeistツァイトガイスト(時代の精神)】なる物を最近見ました。

パート1:宗教・キリスト教の欺瞞

パート2:911アメリカ同時多発テロ事件の真相

パート3:現代の奴隷制度
というような日本語タイトルがついていました。

かなり大胆な説ばかりですが、アメリカ国内で作られた動画のようです。

このムービーについて、私の個人的な意見やイスラーム的な観点による評価は控えますが、真偽は別として、とても説得力のある仕上がりになっています。

賛否両論あると思いますが、田中宇さんの論説に近そうですし、一回ざっと見てみる価値はあると思います。
>アミナさん

幸か不幸か、シリアでは、アサドファミリーのソフトな独裁により、youtubeはアクセス禁止なんです。

とはいえ、そのうち、この陰謀論に関して、自分なりの意見を書きたいと思っていますから、楽しみにしていてください。

イードおめでとうございますぴかぴか(新しい)

アブドゥさん、googleや日本のニコニコ動画でも見れますが・・・アクセス難しいかしら?

ツァイトガイストはアメリカ政府の陰謀とは言及していませんが、宗教的背景と911事件の謎、世界金融システムとアメリカの政治・経済との繋がりなどを詳しく説明しています。

他にもLoose changeなど911事件を扱ったネットムービーもありました。

確かに、アメリカ政府陰謀説にはでっちあげの情報も多く、情報源の検証が甘い・・・という印象です。

ツァイトガイストの宗教の部分では、キリスト教伝承の否定だけでなく、ムーサー様(A.S.)やイーサー様(A.S.)は歴史的に存在しないかもしれない人物で、宗教とは政治的に大衆をコントロールするために作り上げられた物・・・という宗教の全面否定までしちゃってますので、作者の意見や価値観に合う情報だけを繋ぎ合わせた可能性もあるかもしれませんが・・・あせあせ(飛び散る汗)

でも、WTC崩壊の謎解きはとても興味深いものでしたよ。

アブドゥさんのお説を楽しみにしていますぴかぴか(新しい)

良いイードをお過ごし下さいぴかぴか(新しい)
田中宇がアフガニスタンについて書いている本を読んだ。
そんな変なことを書いてはいなかったが、適任者であるとは到底思えなかった。
ちなみにとんでも本といえば、静岡県●大学の宮田律。
最近出た本の表紙にアッ=サラームと書こうと思ったつもりが・・・。

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