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混沌図書館 深淵書庫コミュの艦橋のエインヘルヤル 4話

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【バァル星、第2都市カルバルーン】
 ショップで聞いた海賊の話…。


『まいどおおきにー!いらっしゃいませー!』
 俺とへリントンでこの街行きつけの商店に顔を出すと、顔見知りのショップ店員(AI、女性)が元気に出迎えてくれた。
『ども!今月は重護衛艦乗りにお勧めなオプション装備、大口径ビームキャノン2型がご奉仕価格!買っとかな後悔するでー?』
 と、非常ににこやかな顔して決まり文句を述べる。ショップ設置キャラの特徴として艦載のAIよりはかなり【人間】っぽくウエットに富んだ反応だ。でも何故か関西弁…。
「俺達は機動艦乗りだから要らないって。それより機動艦エンジンパーツと護衛艦装甲を2つ。それとA・B・P弾頭を2ダースね」
『まいどおおきにー!』
 買った分の精算している最中、へリントンは気になっていた事を俺に聞く。
「なぁ、今日は海賊っぽいのが多くないか?」
「ん?ああ、そういえばここ来るまでにも露店出しの無所属キャラも多かったし…」
 俺は精算を済ませてそう返す。へリントンの言った【海賊】とは特定の【ヴァルキリー】に仕えず自身だけで動く一部プレイヤーの総称で、その大半はその名の通りに他のプレイヤーと戦って倒し、落としたアイテムを奪うプレイヤーである。
『んー、そういえば今日この街でどっかの海賊組合の集会があったって話聞いたで?』
 にこやかにAI店員が割り込んで話しかけてきた。
「組合って…、また…」
 へリントンはそう言って呆れ顔…。俺はそうでも無いが、彼はゲームを始めて直ぐの頃に不運にも連続して海賊に遭遇。逃げ出す事も出来ないまま襲われて酷い目に合ったとの事…。それ以来海賊に対してはあまりいい感情を持っていないらしい。
「まぁ、海賊にも一応暗黙のルールとかがあるし、今は昔ほど酷くは無くなったらしいしね」
 昔からのプレイヤーの話だと初期の海賊はルール無用の悪逆非道なヤツが多かったと聞いていた。それはもう目に付いた弱いプレイヤー達を片っ端から襲うような連中が大半だったそうだ…。
 しかしいつの頃からか、海賊達を纏める【元締め】と呼ばれるプレイヤーが現われて【海賊魂】なるルールを作って広めたとの事…。しかもそのルールがあまりにもこのゲームの世界観とプレイヤーの心にストライクな内容だった為にあっと言う間に浸透。大半のプレイヤーから『ゲームの面白さと濃さが更に深くなった』と大絶賛。そして運営側もそのルールを正式に採用し現在に至る…。
『まぁ海賊も一応はこの世界の仕様の一つや。そない邪険に扱ってもしゃあないし、それに意外とええ人も多いんやで?』
 店員はそう言ってにっこりと笑った後、急に真顔になって…。
『でも気ぃ付けや?中にはえげつない根性のヤツもまだ仰山おるって話や。もしそんなんに因縁とか付けられたりしたら運営に報告してやー』
「ああ、りょーかい」
 俺達はAI店員にそう返して店を出る。まぁ現状でそんなモグリな海賊キャラとは会う事自体無いに等しいだろうけど…。

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