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混沌図書館 深淵書庫コミュの艦橋のエインへルヤル 9話

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【バァル星系外縁部、転送門宙域戦2】
 戦線から後方、4.2の距離…。


「まーかせて♪」
 ヘリントンの乗艦【アクリス】はステルスモードを起動したまま後方を移動していた。
「目的地…、到着〜」
 そしてゆっくりと艦首を戦場へと向ける。
「紅夜、あと数秒だけでいいから敵護衛艦を押さえといて。出来れば旗艦もそのラインから動かさないように」
「分かった、出来るだけやってみる」
 紅夜の乗艦【クリューデアビス?】が再度攻撃を仕掛ける。しかしこれ以上の戦闘は彼及び、彼の艦隊に余計な損害を与えてしまう為、これから行う自分の攻撃は絶対に外す訳にはいかない。
「艦首砲展開」
 アクリスの艦首部分が左右二つに分かれ、その内部から射線軸安定の為の電磁ガイドレールが長く伸び出した。
「エネルギー充填、目標補足、照準補正システム最大、照準固定、連続発射準備…」
 コマンドリンクで紅夜から送られてくる戦場の詳細…。それらのデータを元に微調整を繰り返し…。

「発射!」

 艦首に発生した巨大な閃光が戦場に向けて撃ち出された。

 そして少しのタイムラグを置いて…。

《キン!》

 紅夜のクリューデアビス?の目前で、飛来した一閃が対峙していた敵軽戦闘艦の装甲を貫通した。

『アクリスの攻撃。敵軽戦闘艦に命中。損害は大破』
 AIの報告。軽戦闘艦は艦体中央を撃ち抜かれ、爆発を繰り返しながら脱落し始める。
『続けてアクリス。2撃目を発射。3撃目を発射』
 再び報告。2発目は最後まで軽戦闘艦から離れなかった護衛艦を一撃で沈め…。そして3発目はギリギリの所で撃沈を免れていた軽戦闘艦を再び貫き、爆散させた。

 超長距離からの、極大出力ビーム砲による狙撃…。

 そう、アクリスに積まれていたのは戦闘艦ですら余裕で撃沈させる事の出来る要塞砲クラスの武装…。へリントンは自分の乗る機動戦闘艦の武装を極端にまで削り、積載量が限界寸前にまで圧迫するような巨大な砲を装備していた。
【神罰砲(パニッシャー)】…。彼はそう名付けて呼んでいるが、砲自体の正式名称は【極大口径ビームキャノン・拠点仕様】…。

「よし、残りも掃除するぞ」
 俺はヘリントンによる先程の攻撃で旗艦を失い、敗走し始めた敵AI艦の残りを掃討するべく動き始める。普通ならこちらの損害が大きくなる可能性があるので見逃す所だが、今回のような礼儀知らずの海賊には全滅によって教訓を与えようと思う。
「AからGは敵艦に対して集中攻撃。HからIは範囲攻撃で退路を塞げ」

 後はこちらの一方的な攻撃であった…。1隻ずつ確実に沈め、最後の海賊艦が爆散するのを確認。
「よし、全部沈めたぞー!へーちゃん、残骸回収しよーぜ」
「あいよー!」
 辺りの宙域には海賊艦の残骸が大量に漂っていた。勿論使えそうなアイテムは全て回収しておく。
「いいのがあるかなー?撃ち残しの巡航ミサイルとか装甲パーツなんかあったら嬉しいんだけど」
 ヘリントンがステルスを解除して合流する為に動き始める。そして後方に控えていたヘリントンの護衛艦が動き始めたその時…。
『右舷方向7.5と左舷方向7.8に艦隊を感知。…後方8・5にも艦隊が出現しました』
 警報と共に索敵AIの報告。そして…。
『当艦とヘリントン艦に対して通信が入っています。出しますか?』
「出してくれ」
 俺は短く答え、へリントンは無言で映像を待つ…。やがて俺達の前に別窓が開き、見た顔が3つ映し出された。
「うははは!ここで会ったが1時間半!通ると思って待っていたぜ!」
 現われたのは、新しく友録に加わった【ウェスタナ】に股間を蹴られダウンした悪党A、そしてその後ろに控えるBとC…。
「さっきの襲撃は俺達の分艦隊じゃあ!…ん?あの小生意気なのは居ねぇのか?」
 と、怪訝な顔で悪党A。おそらくウェスタナの事を言ってるのだと思う…。てか、一時間半もここで待っていたのか?
「港で別れたよ。それよりもお前等どう言うつもりだ?仕返しか?海賊行為の続きでもするのか?」
 俺の問いに海賊は少し考えた後。
「ふむ…、別にお前等ぐらいどうでもいいんだがな…」
 一呼吸置いてから。
「でもやっぱムカツクんで、お前等あいつの代わりにボコられろや」
 そう言うと同時に海賊3艦隊は戦闘態勢に移行。徐々に距離を詰めだして来た。
「うわ、完璧八つ当たりじゃんか!」
 へリントンはそう呟くと自分の元に護衛艦を呼び戻すべくコマンドを入力。
「くそう!へーちゃん、後方の護衛艦はそのまま反転して敵の足止めにした方がいいんじゃね?」
 3方向を囲まれて完璧に不利な状態からの戦闘開始。どこか一箇所でも穴を開けないとフルボッコ確定な状況である。
「ダメ!さっきの戦闘でミサイルも底尽きかけてるし、一隻は中破してるから戦力的に期待できねぇ」
 それはこっちにも言える事である。それに相手の戦力も分からない状態。今必死でサーチしてるものの詳細は未だ判明せず…。
「…こりゃ、本気でヤバイかもな」

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