【沿岸築城の開始】
東部軍は防衛の重点を従来防空作戦としていたが、昭和19年5月以降は沿岸築城も重視。
九十九里浜、鹿島灘正面、八戸正面を重点とし、相模湾正面、仙台方面も重視しつつ
沿岸要地に堅固な拠点を構築し、強力な敵の来攻の際にはこの拠点をあくまで保持する
という考えで陣地構築を計画し、各部隊の偵察結果を元に昭和19年10月13日、沿岸築城の
開始を下令。昭和20年8月終戦時における、九十九里沿岸に配備された主要部隊は、第147師団､
近衛第3師団、第234師団、第152師団。
東部軍は19年5月以降太平洋沿岸の築城を計画、東部軍司令官は各部隊ににも陣地偵察を命じ、
近衛第3師団(範部隊)でも8月上旬から九十九里浜方面の沿岸防御のため地形偵察、
築城計画の立案に着手した。範部隊長は東部軍命令に基づき、10月16日築城のための作業班を編成。
移駐準備、作業担任区分を各部隊に下達、10月20日築城作業開始を下令した。範部隊では
築城作業を「林」号演習と呼称し(林=範部隊長名)作業班を5班編成、東金地区は弟2作業班として
範第3826部隊(近衛歩兵第10連隊)部隊長 一本義郎大佐が作業班長となり、範第3826部隊の約1500名、
独立速射砲第27大隊の約150名、範第3829部隊(近衛工兵第3連隊)の約100名により、
歩兵3個大隊分の野戦築城、潜伏拠点約50箇所、海岸及び高地上の偽陣地の構築が始まった。
【左】範第3829部隊本部
http://
【右】不戦古戦場の碑
http://
東部軍は防衛の重点を従来防空作戦としていたが、昭和19年5月以降は沿岸築城も重視。
九十九里浜、鹿島灘正面、八戸正面を重点とし、相模湾正面、仙台方面も重視しつつ
沿岸要地に堅固な拠点を構築し、強力な敵の来攻の際にはこの拠点をあくまで保持する
という考えで陣地構築を計画し、各部隊の偵察結果を元に昭和19年10月13日、沿岸築城の
開始を下令。昭和20年8月終戦時における、九十九里沿岸に配備された主要部隊は、第147師団､
近衛第3師団、第234師団、第152師団。
東部軍は19年5月以降太平洋沿岸の築城を計画、東部軍司令官は各部隊ににも陣地偵察を命じ、
近衛第3師団(範部隊)でも8月上旬から九十九里浜方面の沿岸防御のため地形偵察、
築城計画の立案に着手した。範部隊長は東部軍命令に基づき、10月16日築城のための作業班を編成。
移駐準備、作業担任区分を各部隊に下達、10月20日築城作業開始を下令した。範部隊では
築城作業を「林」号演習と呼称し(林=範部隊長名)作業班を5班編成、東金地区は弟2作業班として
範第3826部隊(近衛歩兵第10連隊)部隊長 一本義郎大佐が作業班長となり、範第3826部隊の約1500名、
独立速射砲第27大隊の約150名、範第3829部隊(近衛工兵第3連隊)の約100名により、
歩兵3個大隊分の野戦築城、潜伏拠点約50箇所、海岸及び高地上の偽陣地の構築が始まった。
【左】範第3829部隊本部
http://
【右】不戦古戦場の碑
http://
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コメント(23)
【築城班を編成】
師団司令部(近衛)では12月2日、師団参謀小口徳二少佐を長とする築城班を編成し陣地構築に関する
一切の業務、各部隊の築城実施を監督させた。また築城に伴う補給等を円滑にするため10月下旬に
経理勤務班(約80名、自動貨車約15両)を編成し支援に当たった。陣地の構築は敵の砲爆撃に対抗し、
対戦車組織に留意し防御戦闘を継続しうるよう、坑道式(洞窟)陣地を重視して歩砲兵陣地は
指揮所、観測所、重火器掩体、火砲掩体及び掩砲所、人員掩蔽部、弾薬糧秣庫をおおむね
坑道式に設定として構築されていった。同時期に大東崎、一ノ宮、東金、八日市場、
飯岡、銚子、須賀山の7箇所で臨時砲台の構築も始まった。この臨時砲台の作業班は弟5班が担当した。
【範第3825部隊 陸軍中尉回想】
範第3825部隊(近衛歩兵第9連隊) 第2機関銃中隊所属で飯岡、本能で陣地構築に従事した
陸軍中尉の回想から当時の築城風景を一部抜粋する。
「翌日から飯岡〜猿田駅方面の台地にかけて偵察を行った。此の地域の平坦部は、
殆どが見事なさつま芋畑である。そして、地形の起伏している所は此れも全部松林である。
主として此の松林の中に重火器の陣地を構築するのであるが、予め2万5千分の1の地図に位置を定め、
現地で具体的に記入するのである。現地と図上ではかなりの誤差があり、機関銃の射撃位置の
眼前が山だったり、大隊指揮所が芋畑の真ん中で、敵から丸見えだったり、修正に数日を要した。」
「昭和19年も後いくらもない12月、作業は中々はかどらない。人手が足りないのである。其処で軍は、
民間の労力を要請し、勤労奉仕隊を地域の役場から出させた。坑道を彫る作業は、人海戦術では
どうしようもなかった。先山と言うたった１人が作業するので、進行速度が決まってしまう。
朝から1日彫っても1メートルしか進まない。矢板を打ち、丸太の木枠を組み、天井と矢板の間に
土や草を詰める。落盤しないように確かめた後、又彫る。〜中略 中隊は陣地近くに小屋を建て、
其処に寝泊りすることにした。我が小隊は、3線交代として、8時〜16時〜0時〜8時とした。
此れで昼間の3倍は進むと言う計画であるが、そうはいかない。先山は常に行動していても、
出た排土の運搬・処理をする手がない。昼は勤奉隊の手を借りられるが夜は駄目である。
其の上、坑道が進むにつれて運搬の距離が日ごとに遠くなっていく。結果として、
1メートルの前進が1、5メートルに延びた程度であった。」
齋藤譲 「陸軍幹部候補生」 (山梨ふるさと文庫、2004年) 183貢〜186貢
画像の手帳は範第三八二九部隊に隊(近衛工兵第3連隊)に所属した陸軍軍曹の軍隊手帳
昭和19年9月に現役兵として入隊後、陸軍甲種幹部候補生、弟二次林号演習(築城作業)等にも参加。
師団司令部(近衛)では12月2日、師団参謀小口徳二少佐を長とする築城班を編成し陣地構築に関する
一切の業務、各部隊の築城実施を監督させた。また築城に伴う補給等を円滑にするため10月下旬に
経理勤務班(約80名、自動貨車約15両)を編成し支援に当たった。陣地の構築は敵の砲爆撃に対抗し、
対戦車組織に留意し防御戦闘を継続しうるよう、坑道式(洞窟)陣地を重視して歩砲兵陣地は
指揮所、観測所、重火器掩体、火砲掩体及び掩砲所、人員掩蔽部、弾薬糧秣庫をおおむね
坑道式に設定として構築されていった。同時期に大東崎、一ノ宮、東金、八日市場、
飯岡、銚子、須賀山の7箇所で臨時砲台の構築も始まった。この臨時砲台の作業班は弟5班が担当した。
【範第3825部隊 陸軍中尉回想】
範第3825部隊(近衛歩兵第9連隊) 第2機関銃中隊所属で飯岡、本能で陣地構築に従事した
陸軍中尉の回想から当時の築城風景を一部抜粋する。
「翌日から飯岡〜猿田駅方面の台地にかけて偵察を行った。此の地域の平坦部は、
殆どが見事なさつま芋畑である。そして、地形の起伏している所は此れも全部松林である。
主として此の松林の中に重火器の陣地を構築するのであるが、予め2万5千分の1の地図に位置を定め、
現地で具体的に記入するのである。現地と図上ではかなりの誤差があり、機関銃の射撃位置の
眼前が山だったり、大隊指揮所が芋畑の真ん中で、敵から丸見えだったり、修正に数日を要した。」
「昭和19年も後いくらもない12月、作業は中々はかどらない。人手が足りないのである。其処で軍は、
民間の労力を要請し、勤労奉仕隊を地域の役場から出させた。坑道を彫る作業は、人海戦術では
どうしようもなかった。先山と言うたった１人が作業するので、進行速度が決まってしまう。
朝から1日彫っても1メートルしか進まない。矢板を打ち、丸太の木枠を組み、天井と矢板の間に
土や草を詰める。落盤しないように確かめた後、又彫る。〜中略 中隊は陣地近くに小屋を建て、
其処に寝泊りすることにした。我が小隊は、3線交代として、8時〜16時〜0時〜8時とした。
此れで昼間の3倍は進むと言う計画であるが、そうはいかない。先山は常に行動していても、
出た排土の運搬・処理をする手がない。昼は勤奉隊の手を借りられるが夜は駄目である。
其の上、坑道が進むにつれて運搬の距離が日ごとに遠くなっていく。結果として、
1メートルの前進が1、5メートルに延びた程度であった。」
齋藤譲 「陸軍幹部候補生」 (山梨ふるさと文庫、2004年) 183貢〜186貢
画像の手帳は範第三八二九部隊に隊(近衛工兵第3連隊)に所属した陸軍軍曹の軍隊手帳
昭和19年9月に現役兵として入隊後、陸軍甲種幹部候補生、弟二次林号演習(築城作業)等にも参加。
山王台掩蔽部地区
入壕可能は3箇所のみ!
http://map.yahoo.co.jp/pl?type=scroll&lat=35.56277318&lon=140.36498302&sc=2&mode=map&pointer=on&home=on&hlat=35.55910583&hlon=140.36308194
棲息用掩蔽部(2)壕口は3箇所うち2箇所は完全埋没!壕内の状態は良好!!
当方日記に詳細アリ。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1148447911&owner_id=14090390
左 唯一の開口部。匍匐で右から入り左に移動後に降りる。
中 壕内
右 壕内
入壕可能は3箇所のみ!
http://map.yahoo.co.jp/pl?type=scroll&lat=35.56277318&lon=140.36498302&sc=2&mode=map&pointer=on&home=on&hlat=35.55910583&hlon=140.36308194
棲息用掩蔽部(2)壕口は3箇所うち2箇所は完全埋没!壕内の状態は良好!!
当方日記に詳細アリ。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1148447911&owner_id=14090390
左 唯一の開口部。匍匐で右から入り左に移動後に降りる。
中 壕内
右 壕内
近衛歩兵第10連隊 ?
昭和15年12月近衛歩兵第5連隊(東部第8部隊)の動員により編成された、
近衛歩兵第5連隊補充隊が、連隊の前身にして昭和18年6月に東京より佐倉に転営。
東京での此の部隊の兵舎は以前の歩兵第3連隊兵舎。
昭和18年5月に近衛師団留守隊は、留守近衛第2師団と改名され、
近衛歩兵3、4、5連隊補充隊がこれに属した。近歩第5連隊補充隊は佐倉、転営に際し
通称号が、東部第8部隊→東部第64部隊に変更。
昭和19年4月4日在内地留守師団の称号変更により、近衛歩兵第10連隊(範第3826部隊)と
称号が変更され連隊の創立に至る、初代連隊長は陸軍大佐一本義郎。
4月19日に近衛第3師団長、賀陽宮恒憲王殿下が初度巡視のため来隊、第9中隊、
第3機関銃中隊の舎内巡視、将校、下士官の剣術、射撃、体操を視察。
4月26日、宮中で軍旗(連隊旗)を拝受。軍旗は旗手の陸軍少尉木村則久が棒持し、
陸軍省で小憩後、自動車輸送にて同日の21時に兵営に到着。
翌日の27日、佐倉練兵場にて軍旗奉戴の式典を行い、翌々日の29日に天長節観兵式を
佐倉練兵場にて挙行。
5月14日、軍旗拝受記念式典を挙行。7月6日、近衛歩兵第10連隊、近歩第5連隊補充隊に
臨時動員が下令され、7月10日動員完結。佐倉練兵場にて13時より、師団長代理中島少佐
臨場の下に連隊長一本大佐、軍容検査を行い陣容を整う。これにより戦時編成になる。
戦時職務下記の通り。
部隊本部
連隊長
陸軍大佐 一本義郎
副官
陸軍中尉 早川�⊆�
隊附
陸軍大尉 黒川憲一
兵器掛兼瓦斯掛
陸軍中尉 竹内薫
暗号掛
陸軍少尉 内藤満洲也
旗手
陸軍少尉 木村則久
主計
陸軍主計中尉 岩井守
軍医
陸軍軍医中尉 牧野進
陸軍軍医少尉 黒田直
獣医
陸軍獣医大尉 銭場重良
(将校戦時職員表の大隊、直轄部隊は後日別掲。)
連隊は当分の間は佐倉に駐屯し教育訓練に当たるため、近歩第5連隊補充隊と共に
佐倉兵営を折半で使用する事になり、7月20日に兵舎の入替を実施。
8月9日、新師団長、陸軍中将林芳太郎、初度巡視のため来隊。8月11日から8月24日に
至る間、各大隊事に上陸戦闘訓練を船舶工兵と連合し神奈川県逗子で実施。
9月5日、昭和19年徴集の現役兵859名が入隊。初年兵入隊に伴い兵舎が狭隘のため
第3大隊は9月20日、県立佐倉中学校に移駐。9月20日より9月29日に至る間、
連隊長統監となり、海上舟艇機動訓練を伊東、大島、逗子を結ぶ相模湾上にて実施。
荒天のため10糎榴弾砲搭載の特大発(舟艇)が海没。第3大隊の演習は中止。
10月18日より10月22日に至る間、連隊長統監となり、伊東、辻堂、逗子間において
歩兵大隊を基幹とする支隊の上陸戦闘訓練を実施。
昭和15年12月近衛歩兵第5連隊(東部第8部隊)の動員により編成された、
近衛歩兵第5連隊補充隊が、連隊の前身にして昭和18年6月に東京より佐倉に転営。
東京での此の部隊の兵舎は以前の歩兵第3連隊兵舎。
昭和18年5月に近衛師団留守隊は、留守近衛第2師団と改名され、
近衛歩兵3、4、5連隊補充隊がこれに属した。近歩第5連隊補充隊は佐倉、転営に際し
通称号が、東部第8部隊→東部第64部隊に変更。
昭和19年4月4日在内地留守師団の称号変更により、近衛歩兵第10連隊(範第3826部隊)と
称号が変更され連隊の創立に至る、初代連隊長は陸軍大佐一本義郎。
4月19日に近衛第3師団長、賀陽宮恒憲王殿下が初度巡視のため来隊、第9中隊、
第3機関銃中隊の舎内巡視、将校、下士官の剣術、射撃、体操を視察。
4月26日、宮中で軍旗(連隊旗)を拝受。軍旗は旗手の陸軍少尉木村則久が棒持し、
陸軍省で小憩後、自動車輸送にて同日の21時に兵営に到着。
翌日の27日、佐倉練兵場にて軍旗奉戴の式典を行い、翌々日の29日に天長節観兵式を
佐倉練兵場にて挙行。
5月14日、軍旗拝受記念式典を挙行。7月6日、近衛歩兵第10連隊、近歩第5連隊補充隊に
臨時動員が下令され、7月10日動員完結。佐倉練兵場にて13時より、師団長代理中島少佐
臨場の下に連隊長一本大佐、軍容検査を行い陣容を整う。これにより戦時編成になる。
戦時職務下記の通り。
部隊本部
連隊長
陸軍大佐 一本義郎
副官
陸軍中尉 早川�⊆�
隊附
陸軍大尉 黒川憲一
兵器掛兼瓦斯掛
陸軍中尉 竹内薫
暗号掛
陸軍少尉 内藤満洲也
旗手
陸軍少尉 木村則久
主計
陸軍主計中尉 岩井守
軍医
陸軍軍医中尉 牧野進
陸軍軍医少尉 黒田直
獣医
陸軍獣医大尉 銭場重良
(将校戦時職員表の大隊、直轄部隊は後日別掲。)
連隊は当分の間は佐倉に駐屯し教育訓練に当たるため、近歩第5連隊補充隊と共に
佐倉兵営を折半で使用する事になり、7月20日に兵舎の入替を実施。
8月9日、新師団長、陸軍中将林芳太郎、初度巡視のため来隊。8月11日から8月24日に
至る間、各大隊事に上陸戦闘訓練を船舶工兵と連合し神奈川県逗子で実施。
9月5日、昭和19年徴集の現役兵859名が入隊。初年兵入隊に伴い兵舎が狭隘のため
第3大隊は9月20日、県立佐倉中学校に移駐。9月20日より9月29日に至る間、
連隊長統監となり、海上舟艇機動訓練を伊東、大島、逗子を結ぶ相模湾上にて実施。
荒天のため10糎榴弾砲搭載の特大発(舟艇)が海没。第3大隊の演習は中止。
10月18日より10月22日に至る間、連隊長統監となり、伊東、辻堂、逗子間において
歩兵大隊を基幹とする支隊の上陸戦闘訓練を実施。
>きへい様
「近衛歩兵第10連隊 ?」
精細な記述、謹んで拝読致しました。
当時、 近衛歩兵第三・第四・第五聯隊（近衛第二師団）の本隊は、
昭和15年（1940年）、太平洋戦争に先駆けて中国南部、仏印（ベトナム）に出兵しました。
（上の写真）
更に、昭和16年12月山下奉文中将率いる南方派遣軍（第25軍）に編入され、
タイ、マレー半島を経て、シンガポール攻略作戦に参加、太平洋戦争勃発時の尖兵となったのです。
その後、蘭印（インドネシア）スマトラ島に進駐、各聯隊本部を置き、
インド洋アンダマン諸島作戦など、東南アジア作戦に従事しながら、昭和20年の終戦を迎えました。
一方、近衛歩兵第三・第四・第五聯隊の本土留守部隊は、
近衛第三聯隊補充隊（東部第六部隊） → 近衛歩兵第八聯隊
近衛第四聯隊補充隊（東部第七部隊） → 近衛歩兵第九聯隊
近衛第五聯隊補充隊（東部第八部隊） → 近衛歩兵第十聯隊
と推移したのですね・・・
この＜留守・補充隊＞というのは、近衛聯隊本来の任務である帝都及び皇居の防衛・守護に当たりながら、
文字通り南方派遣軍本隊への補充及び交代と共に、新規兵士の徴集、補充、訓練 の任務に当たっていたようです。
近衛歩兵第八・九・十各聯隊の経緯については、正にきへい様の記述の通りで、
私としては今まで不透明で霧に包まれていたような「本土決戦軍」として編成された、
最後の近衛聯隊の姿が漸く見えてきました。
厚く御礼申し上げます・・・・
「近衛歩兵第10連隊 ?」
精細な記述、謹んで拝読致しました。
当時、 近衛歩兵第三・第四・第五聯隊（近衛第二師団）の本隊は、
昭和15年（1940年）、太平洋戦争に先駆けて中国南部、仏印（ベトナム）に出兵しました。
（上の写真）
更に、昭和16年12月山下奉文中将率いる南方派遣軍（第25軍）に編入され、
タイ、マレー半島を経て、シンガポール攻略作戦に参加、太平洋戦争勃発時の尖兵となったのです。
その後、蘭印（インドネシア）スマトラ島に進駐、各聯隊本部を置き、
インド洋アンダマン諸島作戦など、東南アジア作戦に従事しながら、昭和20年の終戦を迎えました。
一方、近衛歩兵第三・第四・第五聯隊の本土留守部隊は、
近衛第三聯隊補充隊（東部第六部隊） → 近衛歩兵第八聯隊
近衛第四聯隊補充隊（東部第七部隊） → 近衛歩兵第九聯隊
近衛第五聯隊補充隊（東部第八部隊） → 近衛歩兵第十聯隊
と推移したのですね・・・
この＜留守・補充隊＞というのは、近衛聯隊本来の任務である帝都及び皇居の防衛・守護に当たりながら、
文字通り南方派遣軍本隊への補充及び交代と共に、新規兵士の徴集、補充、訓練 の任務に当たっていたようです。
近衛歩兵第八・九・十各聯隊の経緯については、正にきへい様の記述の通りで、
私としては今まで不透明で霧に包まれていたような「本土決戦軍」として編成された、
最後の近衛聯隊の姿が漸く見えてきました。
厚く御礼申し上げます・・・・
近衛歩兵第10連隊 ?
昭和19年10月16日、近衛第3師団(範部隊)は東部軍命令に基づき、築城のための
作業班の編成、移駐準備、作業担任区分を各部隊に下達、築城作業を「林」号演習と
呼称し(林=範部隊長名)作業班を5班編成。近衛歩兵第10連隊は東金地区担当の
第2作業班として連隊主力は11月14日佐倉を出発。15日東金町附近に移駐。
第3大隊は新島で舟艇秘匿施設構築のため、林号演習には参加せず11月27日、佐倉出発
12月11日、伊東を出港し新島に向かう。昭和20年1月8日、新島での「くすのきていれ作戦」
(舟艇秘匿施設構築)を終了し翌日9日より伊東に於いて道路構築、偽装作業等に従事。
1月17日、第3大隊は成東附近に移駐、20日、主力を黒田、一部を菅谷新田に移駐。
近衛第3師団は昭和20年1月下旬までに第1期の陣地構築を終えて、次いで防衛分散施設
構築作業のため、甲府、北富士、八王子、赤羽付近に移駐する事になった。
近衛歩兵第10連隊も一部の部隊を東金地区に残し、南多摩郡に移駐する。
2月3日、佐倉に残留してた第3大隊通信中隊、初年兵が陣地構築作業のため、
片貝に移駐。2月13日、佐倉残留隊が陣地構築作業のため東金、大網に移駐してきた。
3月25日、防衛分散施設構築作業を終え、部隊主力は第2期陣地構築のため東金に移駐。
【コラム】
東金移駐時の近衛歩兵第10連隊本部は、東金高等女学校(現東金高校)に設置され
校長室を連隊長室、軍旗室とした。作法室と校長室は独立家屋であり、現在でも
同窓会記念館として現存している。
移駐以前から同校の寄宿舎には、東京より疎開してきた菊川国民学校5年6年の
女子生徒が疎開していた。高女裏の御殿山には疎開児童のために、構築した
防空壕が現在も現存している。また御殿山には重砲兵観測所、掩壕(蛸壺)も確認出来る。
画像は明治45年竣工の西洋作法室・校長室
昭和19年10月16日、近衛第3師団(範部隊)は東部軍命令に基づき、築城のための
作業班の編成、移駐準備、作業担任区分を各部隊に下達、築城作業を「林」号演習と
呼称し(林=範部隊長名)作業班を5班編成。近衛歩兵第10連隊は東金地区担当の
第2作業班として連隊主力は11月14日佐倉を出発。15日東金町附近に移駐。
第3大隊は新島で舟艇秘匿施設構築のため、林号演習には参加せず11月27日、佐倉出発
12月11日、伊東を出港し新島に向かう。昭和20年1月8日、新島での「くすのきていれ作戦」
(舟艇秘匿施設構築)を終了し翌日9日より伊東に於いて道路構築、偽装作業等に従事。
1月17日、第3大隊は成東附近に移駐、20日、主力を黒田、一部を菅谷新田に移駐。
近衛第3師団は昭和20年1月下旬までに第1期の陣地構築を終えて、次いで防衛分散施設
構築作業のため、甲府、北富士、八王子、赤羽付近に移駐する事になった。
近衛歩兵第10連隊も一部の部隊を東金地区に残し、南多摩郡に移駐する。
2月3日、佐倉に残留してた第3大隊通信中隊、初年兵が陣地構築作業のため、
片貝に移駐。2月13日、佐倉残留隊が陣地構築作業のため東金、大網に移駐してきた。
3月25日、防衛分散施設構築作業を終え、部隊主力は第2期陣地構築のため東金に移駐。
【コラム】
東金移駐時の近衛歩兵第10連隊本部は、東金高等女学校(現東金高校)に設置され
校長室を連隊長室、軍旗室とした。作法室と校長室は独立家屋であり、現在でも
同窓会記念館として現存している。
移駐以前から同校の寄宿舎には、東京より疎開してきた菊川国民学校5年6年の
女子生徒が疎開していた。高女裏の御殿山には疎開児童のために、構築した
防空壕が現在も現存している。また御殿山には重砲兵観測所、掩壕(蛸壺)も確認出来る。
画像は明治45年竣工の西洋作法室・校長室
＞きへい 様
「近衛歩兵第10連隊 ?」 引き続き拝読致しました。
靖国神社偕行文庫にはこんな精細な記録があるのですね、驚きです。
「幻の近衛8〜10聯隊」 どころではありませんね・・・・
恥ずかしながらまだ偕行文庫へ訪問しておりません。
「昭和館」の＜近衛3〜5聯隊史＞も読破出来ず、いささか立ち往生気味です。
いずれにしましても、旧「近衛聯隊」については、当時在籍した方々は殆ど故人であり、
ご存命の方でも到底web世代ではありませんので、mixiのような生の声などは皆無です。
過日、旧「大日本帝國近衛歩兵聯隊」の栄光と消滅の歴史を、私の孫達以下に出来るだけ、語り継いで行きたいと思い立ちました。
そして、それこそ藁をも掴む思いで、ブログやmixiなどに検索を入れている過程で＜きへい様＞のコミュを見付けた次第です。
お喧しくてまことに恐縮ですが、引き続き＜貴コミュ＞への訪問をお許し下さい。
「近衛歩兵第10連隊 ?」 引き続き拝読致しました。
靖国神社偕行文庫にはこんな精細な記録があるのですね、驚きです。
「幻の近衛8〜10聯隊」 どころではありませんね・・・・
恥ずかしながらまだ偕行文庫へ訪問しておりません。
「昭和館」の＜近衛3〜5聯隊史＞も読破出来ず、いささか立ち往生気味です。
いずれにしましても、旧「近衛聯隊」については、当時在籍した方々は殆ど故人であり、
ご存命の方でも到底web世代ではありませんので、mixiのような生の声などは皆無です。
過日、旧「大日本帝國近衛歩兵聯隊」の栄光と消滅の歴史を、私の孫達以下に出来るだけ、語り継いで行きたいと思い立ちました。
そして、それこそ藁をも掴む思いで、ブログやmixiなどに検索を入れている過程で＜きへい様＞のコミュを見付けた次第です。
お喧しくてまことに恐縮ですが、引き続き＜貴コミュ＞への訪問をお許し下さい。
がんがん坂に構築された陣地は田間城址の中にあり。同城は16世紀半ばころの
東金酒井氏領域における東端の「境目の城」として機能し、天正18年東金城の
落城とともに廃城となった可能性が高いとされている。
『もしももう半年戦争が続いたら』では近衛歩兵第10連隊第四中隊後谷坑道陣地
として簡易実測図付で紹介されている。入口は2箇所(正しくは3箇所)、機銃座は
がんがん坂の側射に1、国道126号方面に2箇所とあるが、南側の銃眼とされる箇所は
形状から判断して墳墓を改造した入口と推測される。
同トピックの8で紹介した範第3826部隊第4中隊 棲息用掩蔽部が土砂の流入で
閉塞されているが、実は同陣地と繋がっていた。また確認出来た範囲で田間城址には
速射砲陣地1、坑道陣地1、がんがん坂の向かい斜面にも坑道を確認している。
東金酒井氏領域における東端の「境目の城」として機能し、天正18年東金城の
落城とともに廃城となった可能性が高いとされている。
『もしももう半年戦争が続いたら』では近衛歩兵第10連隊第四中隊後谷坑道陣地
として簡易実測図付で紹介されている。入口は2箇所(正しくは3箇所)、機銃座は
がんがん坂の側射に1、国道126号方面に2箇所とあるが、南側の銃眼とされる箇所は
形状から判断して墳墓を改造した入口と推測される。
同トピックの8で紹介した範第3826部隊第4中隊 棲息用掩蔽部が土砂の流入で
閉塞されているが、実は同陣地と繋がっていた。また確認出来た範囲で田間城址には
速射砲陣地1、坑道陣地1、がんがん坂の向かい斜面にも坑道を確認している。
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