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最強のお局・岩藤コミュの「加賀見山旧錦絵」のストーリー

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※以下、松竹の平成20年「新秋九月大歌舞伎」の筋書を参考に、書かせていただきます。


加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)」の原作は、天明二年(1782年)正月、江戸薩摩外記座で初演された全十一段の人形浄瑠璃だそうです。作者は容楊黛(ようようたい)という江戸の医者で、初演の翌年に歌舞伎に移入されたとのこと。

原作は、加賀百万石の前田家に起きたお家騒動と、享保九年(1724年)に起きた石見国石田城主松平周防守の江戸屋敷での「草履打ち」事件の二つを題材にしています。
後者の事件は、松平家に仕える沢野という局が、自分の草履を誤って履いた主の側室であるみちに恥辱を与えたところ、みちはこれに憤って自害しました。そして、みちに仕えるさつという侍女が沢野を討ち、主人の恨みを晴らしたという出来事だったそうです。

イヤホンガイドの解説によると、この狂言は当時、武家に仕える女性たちにものすごい人気で、やど下がりの時期(3月)に決まって興行されていたとのこと。
女性の世界でいろいろといやな目にあっている彼女たちには、局岩藤が召使のお初に敵討されるというストーリーが、非常に痛快で、胸のすく思いだったからだろうと思われます。

また、尾上が裕福な商家、岩藤が由緒ある武家、お初が落ちぶれた武家の出身であることも、当時の世相を反映しているとのこと。この時代、裕福な商家の娘が、嫁入り前、箔をつけるために武家に奉公(その代わりに、武家は商家からお金を都合してもらう)、ということが、ままあったそうです。
本来、地位が上であるはずのお初が、商家の娘である尾上に仕えていること、また、由緒ある武家の出である岩藤よりも、商家の出である尾上のほうが、大姫(岩藤や尾上が仕えているお姫様)のおぼえがめでたいことなど、複雑な事情が絡んで、事態がややこしくなっています。

では、続けて、序幕、二幕、三幕、大詰と書いていきます。



コメント(9)

序幕「営中試合の場」

桃の節句。腰元たちが息女大姫に桃の花を献上しようとやってきました。その取次役を、奥向きを取り仕切る局の岩藤がしようと申し出ます。

庵崎求女が御簾を上げさせると、大姫(この人がなでしこ姫のモデルでしょうか)が姿を現し、皆が節句の祝儀を申し述べるていると、中老尾上が参上してきます。

実は大姫は、木曽義仲の子息の義高と許婚の仲でしたが、義高がなくなり、その菩提を弔うために剃髪したいと、父の大領に願い出ており、尾上がその遣いをしに行っています。
尾上が戻ってきて、大姫の願いが聞き届けられたことを姫にお伝えします。

出家の願いを許された大姫は、生前、義高から贈られた「旭の弥陀の尊像」を尾上に預け、近江国義仲寺へ納めるようにと命じます(姫は、尾上のことを非常に信頼しているのです)。
ところが、常日頃、町家の出である尾上が重用されるのを快く思っていなかった岩藤が、横やりを入れてきます。女性としてのひと通りの心得はもちろんのこと、万が一、狼藉者や盗賊が忍び入った時に、女といえども警護役を務め、曲者退治をする器量がなくてはならない。尾上にその心得はあるかと迫ります(もちろん、その心得がないことは百も承知の岩藤…)。そのうえで、姫の御前で立ち会えと迫ります。

と、そこに駆けつけてきたのが、尾上の召使のお初(もう見ていられなくなって飛び出してきた)。身分をわきまえず御前に来たお初を尾上がたしなめ、お初が退出しようとすると、「まちゃ、まちゃあ」と、岩藤がお初を呼び止めます。
「尾上様には武術の心得があり、その手ほどきを受けている私が、尾上様に代わってお相手いたします」とお初。こうして、姫の御前で試合が始まります。

お初は武家の娘なので、武術の心得があり、非常に強いのです(岩藤の弟子の奥女中が全員、コテンパンにされてしまいます)。尾上の制止もむなしく、とうとう、立ち会うことになってしまう岩藤とお初。お初は岩藤の小手を打ちすえ、もうちょっとで勝ちそうになってしまいます。このままではまずいと思った尾上の静止で、お初の攻めが止まりますが、これ幸いと岩藤はお初の足を払い、打ちすえます。

内心、お初に感謝する尾上ですが、ここはお初をたしなめ、岩藤に詫びを入れて場を収めます。大姫は、尊像を尾上に預けて退場、続いて岩藤一派、尾上も退場。

ひとり残されたお初は、大姫の愛らしさ、尾上の心優しさに感じ入るとともに、岩藤の意地の悪さを思います。
お忙しいところ恐れ入ります。
詳しいストーリーは絵草紙読み通しに大いに役立ちます。
ありがとうございます。わーい(嬉しい顔)
けっこうな分量なので、ちょっとずつ更新しますね。

岩ぶちは、ネズミ捕りの技量について尾の上を責めるのですね。
岩藤はもっともっと意地悪で悪知恵を働かせて、尾上を陥れ、こっぴどく責めます(二幕で)。
奪うものも、尾上個人のものではなく、お姫様に関係する重要なものです。

ただ、セリフ的には「碌ぬすびとじゃ」ですので、一緒ですね〜。
>奪うものも、尾上個人のものではなく、お姫様に関係する重要なものです。

●絵草紙ではなでしこ姫に付けてもらった金の鈴の首玉(首輪)を奪われるという設定になっています。
二幕いきますね〜。
写真は、草履打ちでの上下の見得です。


二幕目「奥殿草履打の場」

大姫の剃髪が決まり、その儀式のひとつである灌頂(かんじょう)に使う蘭奢待(らんじゃたい)の香木を差し上げる役として、岩藤の兄の剣沢弾正がやってきます。これを岩藤が出迎え(何やら、たくらみのまなざしで目くばせ…)、蘭奢待を預かっている尾上を呼び出します。

尾上は香木が入った箱を持参しますが、中に香木はなく、かわりに廊下で使用する上草履の片方が入っていました。その草履には松葉の焼き印があり、持ち主が岩藤であることがわかります。これによって岩藤に香木を盗んだ疑いがかけられます。ところがそこに、岩藤に仕える奥女中がやってきて、岩藤の上草履の片方が尾上の部屋で見つかったと知らせます。これにより今度は、尾上に疑いがかけられます。

岩藤は、自分の上草履が香木の箱に入っていたのは、罪を自分に着せようというたくらみであり、もう片方の上草履が尾上の部屋にあったのは、自分を陥れようとする尾上の陰謀だと決めつけます。そして尾上に向かい、蘭奢待を盗んだのだろうと詰め寄ります。尾上はそんなことはしていないのですが、証拠がそろっているので、返事に窮してしまいます。
そんな尾上を、日頃の遺恨をこめて、上草履で打ちすえる岩藤(満座の中、履物でたたかれるというのは、当時この上もない恥辱だったそうです)。

その一部始終を見ていた弾正が、事の次第を報告すると座を立つと、岩藤も退出。傍らに控えていた腰元たちも、尾上に同情の涙を流しつつ、退出。泣き伏す尾上…。

皆が立ち去り一人残った尾上は、草履を懐に入れ、何か決心した様子で、自分の部屋へと戻っていくのでした。
二幕目ストーリーありがとうございます。

何故、草履で打つのか…そんな訳だったんですね。

絵草子のどこかに「松葉」が隠されているのではと、見てみましたがありませんでした。


以前の

>それと、仇討のシーンで、もしやお初は、大根か何かを持っていますか?


の大根が気になっているんですが、それは又後で出てくるんですね。

楽しみにしてます。と言ってもゆ〜っくり、お閑な時で構いません。

お仕事と観劇で、お閑な時なんて無いでしょうけど。
ようやく二幕きました。これからが佳境です!

大根はですね、単なる私の勘違いです(笑)。
草紙のほうで、お初が手に持っているのが大根に見えました。
かつぶし小刀なんですよね?
歌舞伎で大根が出てきたら面白そうですけれどね!

歌舞伎では、お初は、遺恨の草履で岩藤に仕返しします。
覚えとして。

尾上は一人になったあとに、泣きながら髪を懐紙で撫で付け、乱れを直し、汚れを拭き取ります。

これがもう、このうえなく胸にこたえるんですよ〜。悔しいだろうな、この間に死を覚悟しているんだろうな、とおもうと、尾上が可哀相で可哀相で涙。

岩藤、最低(笑)。
でも最高の敵役!
ご無沙汰しております。

何だか、すっかり二幕で滞っております(汗)。
三幕以降がエキサイティングなのに…すみません。
暇を見つけて、また書き込みますね(申し訳ございません)。

ああ、歌舞伎座にかからないかな、加賀見山…。
観たいですね、岩藤。

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