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ÆTHER KNIGHTS:灰&紅コミュの第一話 灰色の巨人

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屑鉄砂漠の発掘のために、鋼と人とで織りなされた都市アデニウム。
そんな砂塵と竜巻が吹き荒れる荒野でも、人と人との策謀が交錯していた。

少女リーンハルトは館の主であるイグナシオの元に客人を連れていた。
一人はムギ、ダイモーンの女学者だ。教会大学に属し、発掘学や彩術に明るい。
もう一人は蜘蛛の半身を揺らす若い男の教会騎士見習い、スーである。

リーンハルトが仕えるイグナシオは、このアデニウムでも有数の名家――アグゼリシュの現頭首だ。
 …もっとも、それは純然たる数々の事業による成功以外にも、口外すれば教会の咎めを受けるようなことも必要とあれば行っていた結果であった。
 
イグナシオは野望のため、3人を自慢の屋敷に呼びつけていた。
今回、彼が3人に助力願ったのは、他でもない最大の取引先と過言ではないジルベル・マイスターの騎士であり、社長でもあるロレンス卿からの協力依頼に答えるためである。

一方、ロレンスも動いていた。
表層ではイグナシオを信頼する姿勢ではあったが、この戦国時代を生き抜くためにはしたたかさは不可欠だ。
昨日の敵は今日の友であるが、その逆もまた然り。自分も手勢を用意して同じ歩調で様子を窺うことの重要さと計画の大胆さは騎士であるロレンスの得意とする処であり、今日まで勝ち抜いてきた方策でもあった。
人選は自分の手駒の中で一番信頼の置けるスミスに任せた、そして彼は3人の男を連れてきた。
ドライアードとフローズンの混血であるという優男ユキワリウス、夜目が利くという人間の若い男傭兵オウル、そして“ウナギ”と称される魚と蛇と雪人の混血であるアイモという男だ。…正直、最後の男は未だに分からない。だが、こういう方が存外活躍するかもしれぬという戦士の勘が告げていた。

夜の集合時刻を聞いたものの、教会の主義に反するかもしれぬと危惧したムギとスーは教会へと歩を進める。
その道中でちょうどエルフの派遣騎士トールに出会う。
そう、今は年に一度の騎士装備品評会がこの街で行われているのだ。一か月近く行われてきた品評会も佳境、残すところ後3日となっていた。
最終日に向け、模擬戦は巨大な闘技場で行われ、酒場では公然と胴元が声を張り上げているほどだ。
トールは聖堂騎士がこの街で装備を調達していることを嬉々として二人に話すと、巡回に戻っていった。
教会に到着するとそこには確かに聖堂騎士の資材調達部が撤収の準備をしていた。
最終的に不穏な依頼のことはしばらく様子を見てからと決めた二人は夜を待った。
 
貧民街の奥まった通りにある酒場“グリッタームーン”、ここで3人と3人は合流し、使いのスミスが依頼内容を告げる。
新興工房であるWAB社の倉庫を探ってほしいということであった。
もちろん何か重要な手掛かりがあれば、入手したものに応じて別報酬を出すという条件つきで。
6人がスミスの提示した資料から検討するに、このWABという会社かなり短期間で多大な利益を発生している。普通ではありえないことだ。
イグナシオ、ロレンスの両者の意見は同じで、ギルド協約を無視した違法発掘や遺跡からの盗掘の可能性が高いと見ていた。
けじめと言えばいいのだろうか、それとも商売敵の抹殺か、どちらにせよ、そういうための依頼である。

依頼内容を確認した6人はそれぞれ行動を開始する。
その日の内にリーンハルトは単独で品評会の夜の部に潜入し、他社のスタッフからWABの素性を探る。
やはり普通の会社を装っているようであったが、どちらかというと騎体の内装を手掛けているようであった。
また、アイモはWAB社の所有する倉庫を探るが、ガードは固く、忍び込むことは無理であった。諦めて帰ろうとすると運良く倉庫から黒衣の長身な男が倉庫から出るところであったが、馬車がタイミングよく現れ、そのまま立ち去った。

翌日、スミスが手配した紹介状でサロンに入り、情報を集めるという一同とそれとは別に街中で情報を集めるというオウルとに分かれた。
サロンではリーンハルトとスーが若手騎士として売り込み、派遣騎士を統括するリチャードと話をとりつけ、ムギは遠巻きにサロンを眺めていた技師ハワードと親しくなり、ユキワリウスは著名な騎士オーガンとキーンの娘、マーガレットに粉をかけ、アイモはさながら愛玩動物のようにいじられていた。

一方のオウルは酒場で情報を集める。最後の3日間で模擬戦が本格的になることで大はしゃぎで賭け事に興じる男たちから、WAB社の騎体は兎のような耳と棒のような胴体、膨れ上がったスカートからなるマスコットのような非戦闘型であることを聞く。また、専属のパイロットであるジゼルは15、6の少女な上、車椅子というお飾りだということが判明する。そして、酒場はグッドメタル一色だ(?)。

酒場の帰り道、正午を告げる鐘とともに噴水の引いた大広場で、オウルは車椅子の少女ジゼルと出会う。
段差でつまづいたのだろうか、彼女を持ち上げるオウルは少女の奇妙な重さに気がついた。
そして、ソフトハットにステッキ、白衣という明らかに奇妙な男、Dr.ブラックマンが現れる。
挨拶もそこそこに立ち去る二人、オウルは二人を見送った。

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