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談話カフェ・ジャンババコミュのセントマーチン修行の旅 <ジュエリーの巻>

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順不同になってしまいますが、今回は私が専攻しているジュエリーの授業について書きたいと思います。

ジュエリーをはじめてまだ3ヶ月ですが、ジュエリーは本当に奥が深くて、今のその面白さに取り憑かれています。素材によって色々な表情があったり、一つの素材でも加工の方法によって全く違うものが生まれたり、メッセージ性の強いジュエリーもあれば、デザイン・仕上がりの美しさだけで存在感のあるようなジュエリーがあったり。課題が出されるたびにいろいろな発見があります。

ジュエリーのクラスは、今年は合計30名で、そのうち21名が海外からの留学生です(さすばロンドン!)。ジュエリーは細かい作業が多いからか、アジア人に人気が高い分野のようで、留学生もほぼアジア人で占められています。日本人も私以外にまほちゃんという子がいますが、中国人、韓国人が圧倒的に多いです。

ジュエリーを教えてくれる先生は2人いて、1人は夏のコースで私にジュエリーを薦めてくれた先生です。いいものは褒めちぎるけれど、悪いものはノーコメント、もしくはぷんぷんと怒りだす(あ、本気でじゃないけど)という、ちょっとかわいい先生です(笑)。でも作品を批判した後は必ずフォローする、人間的にもとてもすばらしい人です。
美意識が高く、その先生に指摘された点を直すと、作品のクオリティーが飛躍的に上がるのでアーティストとしても非常に尊敬しています。

さて、11月末にジュエリーデザインに専攻を決めたのですが、今日は最初に出された課題について書きたいと思います。

最初のプロジェクトのテーマは「お守り」。ジュエリーはもともと魔除けやお守りとして身に付けられていたもの。ジュエリー1年生の私たちにその歴史を知ってもらうという意味が込められた課題だったと思います。

これに加えて、基本的な彫金の技術を身につけるために、以下の3つの彫金技術をデザインに含める事。それから指輪を作る練習のため、お守りは指輪を作るように指示されました。

3つの彫金技術
① Piercing: うまい日本語訳が思いつかなかったのですが、彫金用ののこぎりでデザインの形を切り取る技術

② Doming: 金属をハンマーを使ってドーム状に変形する技術。金属の形を変えるためには、一度バーナーを使って金属を加熱し、柔らかくします(日本語ではこれを「焼きなまし」というみたいです。今知った(笑))。柔らかくなった金属をドーム状の型の上に乗せて、あとはひたすらハンマーで叩く。ハンマーで叩いているうち、金属はどんどん硬化していくので、必要に応じてまた加熱し、柔らかくしていきます。

基本的にハンマーで叩くだけなのですが、これが意外に難しい!
均等に叩かないといびつな型になったり、皺が寄ったりしてしまうんです。
コツは作りたいドームの大きさよりも一回り大きいドームの型から始める事。そこから徐々にサイズを下げてながら、深いドームを作っていきます。

③ はんだ付け:金属と金属をくっつける作業。「はんだ」という接合用の金属を使って金属をくっつけます。はんだは低融点の金属なので、熱を加えてこれを溶かし、二つの金属をくっつけます。金属用の糊ですね。

3つの技術の中で一番難しいのが③のはんだ付けです。よく起きる問題としては、はんだが溶けてくれない、はんだが接合したい部分に溶け込んでくれず、別の部分に溶けて広がってしまう、はんだ付けのために加熱をしたら、接合したい金属の一部が溶けた、あるいははんだ付けしていた別の箇所が熱に反応して、外れてしまった・・・などなど・・・。みんなはんだ付けには苦労していました。

私も彫金初心者として、かなり制作に苦労をしました。
のこぎりの歯は15本ぐらい折ったし、ハンマーで指を叩いちゃうし、かなり血だらけになりながらの制作でした(苦笑)。

技術を身につけながら、デザインも同時並行で考えてなくてはいけないのですが、私は「お守り」というテーマに対して、「自己犠牲」という切り口から取り組みました。
アイディアのヒントは、お守りについてリサーチをしていた時に見つけたブードゥー教のお供え物。典型的なブーデゥー教のお供え物として紹介されていたそれは、ハーブと山芋と鳥の血が入った大きなボールの周りに、お酒1本、タバコ1箱そしてお札がお供えしてありました。

私はこのなんとも俗っぽい「お酒」「タバコ」「お札」というお供え物のセレクションにやられてしまった!だって自分たちが好きなものを、きっと神様も好きに違いないと思って供えたものだと思いませんか?

そこから私が見えたものは、神様からご加護あるいは、何かお願い事をかなえてもらうためのお供え物だったかもしれませんが、とにかく神様からご利益を得るために、一生懸命神様に喜んでもらおうと営業し、自分を尽くす人間の姿でした。神様はタダでは働いてくれない。神様から何かを得るためには、自分も何かを捧げる、そのギブ・アンド・テイクの関係が、私には何だかちょっと滑稽にも感じられました。

お守りとは結局持っているだけではダメで、その効用を得るためには、自分もギブ、つまり、捧げ物をしなくてはいけないというのが、私が辿り着いたお守りの力でした。

ということで、そこから色々なお供え物を調べたり、お供え物に関係するイメージを膨らませて行き、辿り着いたのが添付した指輪です。

この指輪は手にはめると、お供え物をする時の手の形(両手を重ねて前に差し出す感じ?)に手がロックされるようになっています。周りについているモチーフは、血液細胞の形から柄を作りました。自分をギブする時に伴う痛み、苦しみ、悲しみみたいなものを表現したかったのですが、伝わっているでしょうか。

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