この英語で言うなら“Thank you very much”のveryのところが使われるのが、関西弁における「おおきに」である。「大いに、ありがとう」の「大いに」が「おおきに」になったのである。松竹青春映画の第一人者・山根成之監督の最高傑作である『パーマネント・ブルー真夏の恋』は、かの秋吉久美子の最高に光り輝く作品でもあり、今はもう髪の毛がないのだろう佐藤佑介の作品としても、日本映画の青春=エバー・グリーンのトップに位置付けてもいい映画だ。この四国の寂れた港町を舞台とした映画で、とくに印象が強いのは、田舎のひとびとが口にする「だんだん」という響きである。「だんだん」=「ありがとう」のことだが、「おおきに」と同じ派生であると分る。