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臨床進化心理学‐臨床への応用コミュのコストリーシグナリング

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進化心理学の概念でコストリーシグナリングがあります。これは誠実なシグナルとごまかしのシグナルの間には発信コスト(時間、あらゆる労力)に差があり、誠実なシグナルは、ごまかしのシグナルにはかけることのできないコストを必要とするというものです。

例えばクジャクの雄が対称的で美しい羽の維持にコストをかけるのは、雄の健康さと強さを雌に伝える正直な信号となりえるからです。なぜなら寄生虫などにおかされると羽の対称性を失いますので、このことから対称性を維持することは健康さのシグナルとなります。
左右の対称性は遺伝子の健康さを示します。

また、弱い雄は敵に羽を傷つけられる頻度が上がります。弱さは、餌を獲得する頻度を下げるので、羽の維持と餌の獲得を天秤にかけたときに、羽を何かにぶつけてでも餌を得ようとします。つまり、羽を維持するためには、羽に注意を向ける時間(コスト)がかかり、羽を維持するために、取りにくい場所の餌はあきらめるなどのハンデを背負うことになります。結果として、美しい羽を維持することが強さの誠実なシグナルとなります。

-----ここまでは参考文献、「生物進化とハンディキャップ原理」などに書かれています。


余裕がなければ発信できないシグナルが強さを保証します。
それは進化論における適応と適応度です。適応とは環境に適応し生存することで、適応度とは生殖によって遺伝子を遺せることです。弱い雄は適応することに精一杯ですから、適応を優先しないと死んでしまうので適応度にコストをかける余裕がないのです。

-----ここまではダーウィンの進化論を扱ったものに書かれています。


誠実な心からのシグナルは、見栄やごまかしのシグナルにはかけることのできないコストがかかっています。
たとえば、自分を裕福に見せようとして、見栄のために高級車に乗ったり、高い服を着たとしても、その人に余裕がなさそうなのであれば、それはごまかしのシグナルとして受けとられます。


-------------以下 低コストのシグナルでも受け入れられる例

モテナイ男性が、女性に「君だけしかいない」というのとモテル男性が「君だけしかいない」というのとでは、コストに違いがあります。
モテナイ男性の場合は、本当に他に女性がいないので、低コストですが、信用できます。
モテル男性の場合は、数多くの女性との関係を終わらせなければいけないので高コストですが、信用できません。
なぜならその言葉を裏切ることのできる能力があるかどうかでみれば、モテル男性は女性たちから再び言い寄られる可能性が高いからです。

笑顔で挨拶をしたときに、その笑顔が友好を示すためのウソだったとしても、本当であろうと嘘であろうと誰も困らないので、シグナルは低コストで受け入れられます。
社交辞令は、相手との関係を良好にするためのウソなので、口だけでコストのかからないシグナルですが、受け入れます。
社交辞令に対して、どうせウソだろうと怒り出したり、真に受けたりすると、社会生活が難しくなります。


------------以下 ごまかしのシグナルを見破らなければいけないとき

一方で、殺意を隠して笑顔で接近してきた人に対して、それを見破れなければ、殺されますので、その笑顔がごまかしであると察知しなければいけません。
握手において、多くの人は利き腕である右手を差し出すので、相手に殺意があれば危険なことです。ですから、利き腕を預けるというコストを支払えるということは相手のことを信用しているシグナルになるかもしれません。
また同様に、おじぎは、相手に頭を差し出すので、相手に敵意があったときには危険です。おじぎが深ければ深いほど敬意を表することになるのはこのためかもしれません。

----------まとめ

シグナルの受け取り手がそのシグナルに対して関心がなかったり、にぶかったりすると、コストがかかっていることが伝わりません。
また多くの人がシグナルとして理解できることが、理解できない人もいます。

シグナルの重要性が低いときには、そのシグナルの信頼性を判断する必要がないので、低コストでも受け入れられます。
シグナルの重要性が高く、本当か嘘かを見破らなければいけないときには、低コストのシグナルでは嘘だと思われるので、高コストのシグナルが必要となります。

以上の文章を書いた後で、
誠実さがウソだったときにより強いショックを受けやすい人ほど、高コストのシグナルを求め、
誠実さがウソだったときにそれほどショックを受けない人なら、低コストでも信じるのではないかとという仮説を思いつきました。

コメント(2)

たしか、大坪先生が2007年の日本人間行動進化学会でコストリーシグナルについての研究を発表してましたね電球


>誠実さがウソだったときにより強いショックを受けやすい人ほど、高コストのシグナルを求め、
誠実さがウソだったときにそれほどショックを受けない人なら、低コストでも信じる


北大の山岸先生がおっしゃっている“信頼”を連想しました。

前者が相手を信頼できず依存や、安心を求めている状態
後者が相手を信頼している状態


かなと、思いました。
大坪先生のコストリーシグナリングの研究はすごいですね。

たしかにその仮説は、山岸先生の信頼研究からの連想です。

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