ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

国語教師の作品・教材研究の部屋コミュの高校・中島敦「文字禍」をどう教える?

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
新参者でいきなりのトピ立て失礼いたします。


私は、出版社などで社会人を経験後、現在、高校の教員をめざして
私立高校で非常勤講師をしております。

そこで、どうにも指導しにくい教材がありまして、こちらに参加されている先生方に
お知恵を拝借できたらと思いまして、トピ立てさせていただきました。
(トピは、具体的などの教材についてでも語れるようなタイトルにしました)

その教材というのは中島敦の「文字禍」です。

(↓に全文が載っています)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/622_14497.html

現在、高校の検定教科書には、「山月記」は所載されていますが、この作品は
載っていません。

授業を試みているのは、全文のうち最後のほうの部分「若い歴史家は妙な顔をして
帰っていった」以降から最後までの部分です。

条件は、
1、国立2次試験対策をイメージして、記述させる発問を2、3入れたい
2、実験授業なので30分間で構成したい

この「文字禍」は、京都大学の昨年の2次試験(文系)に取り上げられていますが
照会してみたところ、私が扱おうとしているところと違うのです。

厄介なのは、一見すると、いわゆる「山場」や「結論」がなく、一般的な「どういう
ことか、分かりやすく説明せよ」といった問題が作りにくいというところです。

みなさんなら、この「文字禍」どう料理いたしますか?


いまのところの私の仮案としては、以下の部分

〜〜〜〜〜〜〜
しかし、まだこれだけではなかった。数日後ニネヴェ・アルベラの地方を襲(おそ)った大地震(だいじしん)の時、博士は、たまたま自家の書庫の中にいた。彼の家は古かったので、壁(かべ)が崩(くず)れ書架(しょか)が倒(たお)れた。夥しい書籍が――数百枚の重い粘土板が、文字共の凄(すさ)まじい呪(のろい)の声と共にこの讒謗者の上に落ちかかり、彼は無慙(むざん)にも圧死した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜

から、「文字によって人はどうなったといえるか、わかりやすく説明せよ」
という設問を立てたのですが、どうもピントが外れていてクリアな発問ではないなと
感じています。

お助けください!
なお、勝手を申し上げますが、いちおうの期限は明後日深夜までです。
(来週火曜日に研究授業があります。もちろん期限が過ぎても
勉強のため議論は続けたいと思います)

コメント(8)

「文字禍」って面白い作品ですねわーい(嬉しい顔)授業で読解をどうさせていくかは思い付きませんでした…が、少し応用的な使い方ができるかなと思って書き込みますわーい(嬉しい顔)

僕も「文字禍」は寓話的要素が強いなと思いましたあせあせ(飛び散る汗)文字に翻弄される人間の姿から中島敦が何を示唆したかったのかを考えるのは、学習者たちに謎解きのような魅力を感じさせるものでしょうぴかぴか(新しい)

そこで単元案です。同じ文字に関わる論を述べた評論文と一緒に使うと、さらに授業に広がりができると思いますわーい(嬉しい顔)例えば、近代文明によって文字の重要性が薄れていくのを嘆いた評論文などと一緒に用いるのはどうでしょうわーい(嬉しい顔)
ゆきさん&けんけんさん
とても丁寧なコメントありがとうございます。
感激いたしました。

コミュニティに節操無く数多く入っていることもあって、
お二人のコメントに気づくのが遅くなってしまいました。
申し訳ありません。


>ゆきさん

「実験授業」という表現が正しくありませんでした。
教師の実力を査定するための「模擬授業」ととらえてください。
「模擬授業」のため30分という中途半端な時間設定なのです。
ですから、内容をみるというより、授業の仕方を評価される面が強いのですが、
結果的にぼろぼろになってしまいました。

「寓話として・・・どのようなことが読み取れるか」
なるほど〜、面白い切り口ですねー!!
担当クラスの子どもたちの反応をみると、ちょっと敬遠されるのでは?
という一抹の不安も残りますが・・・・、

「『文字禍』とはどのような意味であると考えるか、論述せよ。」
300字ぐらいの字数制限なら、生徒のレベル、時間設定などで
行けそうな気もしますね。
今後の参考にさせていただきます。ありがとうございました。

また、教科書に載っていない作品を取り上げた理由ということですが
査定委員会で決めた(発問集や指導書に頼らずどこまで授業を組み立て
られるかを見るために)ので、僕に選択権はなかったという事情です。

僕は非常勤をしながら、教員採用試験に狙いを定めていますが、
模擬授業を取り入れる自治体も増えてきたので、この種の訓練が
必要だと痛感します。

アドバイスありがとうございました。今後の授業に役立てたいと思います。


>けんけんさん

ありがとうございます!やはりみなさん流石現場の方、的確ですね。
新米せるじおは、あたふたしてしまって(汗)

「文字に翻弄される人間の姿から中島敦が何を示唆したかったのか」
なるほど!本質的でかつ、学習者の興味を引き出す設問だと思います。
文字を記した鉄板に押しつぶされて圧死してしまう老博士。
文字によって人間はどのようになってしまったのかを文脈に沿って
丁寧に読み解いたあと、その設問をぶつければ、授業がピリッとしまりますね。

「近代文明によって文字の重要性が薄れていくのを嘆いた評論文と一緒に
扱う」これも発想にはなかった設問でした。時間制限のことを考えなければ
面白い展開になりそうな気がします。
メディア論などと絡めても面白いかもしれませんね。

機会があったら試してみたいと思います。

ああ、こうして相談すると、やっぱり視野が広がっていいですね。
お二人の誠実なお人柄に感激しました。

今後ともよろしくお願いします。
なお、せっかくなので、今後も引き続き、この教材研究をすすめていきたいと
思いますので、アイディアのある方は、コメントよろしくお願いします。わーい(嬉しい顔)
せるじおさん、ゆきさん、コメントありがとうございます。せるじおさんの授業が一段落ついたようですね。せるじおさん、お疲れ様でしたわーい(嬉しい顔)

先日、大学の過去問を見ていたらまた「文字禍」を見かけました。確かここ数年のうちのどこかで京都大学の入試において出題されているというご指摘は、既にしてくださっていました。が、また発見しました!東京大学の2008年前期.文科の問題です。「文字禍」のことに触れた評論が出ていました。以下にその箇所を引用します。



 いまここであらためて、歴史とは何か、という問いをたてることにする。大きすぎる問いなので、問いを限定しなくてはならない。中島敦が「文字禍」で登場人物に問わせたように、歴史とはあったことをいうのか、それとも書かれたことをいうのか、ともう一度問うてみよう。この問いに博士は、「書かれなかった事は、無かった事じゃ」と断定的に答える。すると博士の頭上に、歴史を刻んだ粘土板の山が崩れおちてきて命を奪ってしまうのだった。あたかも、そう断定した博士の誤りをただすかのように。こういう物語を書いた中島敦自身の答は、宙づりのままである。(宇野邦一『反歴史論』東京大学2008過去問より)



この文を読んで僕が面白いなと思ったのは、このテクストでは「博士」が圧死した事件について、彼が「書かれなかったことは、無かった事」にしたことに因果を見出している点です。僕は先にコメントしておりますが、博士が文字に翻弄された末路として、圧死という結果を以て中島に描かれたと思っていました。しかし宇野氏は、歴史について「博士」が誤っていたために圧死した、と解釈しているわけです。

この評論を読んで、「文字禍」の授業の幅が非常に広がりを見せると思いましたぴかぴか(新しい)ゆきさんやせるじおさんとのやりとりで生まれた方法も有効なものだと思います。ですが、それらに加えて、宇野氏の述べるように歴史とは何かという観点を入れたらさらに良いと思いました。そのテーマが大きすぎる、流れから逸脱しすぎると考えるならば、「博士はなぜ死んだのか(死ぬという描かれ方をしたのか)」という問いに対する1つの答え方として、歴史に対する彼の考え方というのを取り入れても良いでしょう。

また、これは作品から離れるのですが、「文字禍」が入試に近年取り上げられる傾向も見て取れる、という事実自体を授業で扱ってみても良いのではないでしょうか。中島の作品の難解さが選抜問題としての機能の面から有用だから採録されている面もあるでしょう。しかし、大学側がこの作品を入試に用いることにもっと深い意味があるなら面白いと思いませんか?うまい!(もちろん、東京大学は「文字禍」自体を扱ったわけではないですし、京都大学1校のみをデータに扱うのでは根拠が薄いですよね…いくつかの大学が使ってくれてたらいいんですが)
初めましてうまい!電球
『文字禍』、読んでみました。僕の考えたことを書き込ませていただきたいと思います。

僕は、寓意性をいきなり問うのは少々難易度が高いように感じました湯のみ
記号の恣意性や、言語論的転回に関する知識が無いと、そこまで読み込むのはキツいのではないかと思ったからです電球

だから、歴史家登場以前までを取り上げて、記号論や言語哲学の問題に寄せて授業をしてみるのはどうでしょうかぴかぴか(新しい)

けど、歴史の問題に絡めるのも、すごく面白いと思います電球
物語論的なアプローチで、歴史の物語性とか、虚構と非虚構の境界について考えてみたら面白そうですねうまい!
>水曜日のルーカスさん
コメントありがとうございますぴかぴか(新しい)
確かに、よく考えてみると歴史論を気軽に扱うとは言ってみたものの、学習者の立場になるという配慮が欠けていました…ご指摘ありがとうございますわーい(嬉しい顔)勉強になりました!

本文中の歴史家登場以前までで、記号論や言語哲学の授業を行う案を支持してくださいましたねわーい(嬉しい顔)もし水曜日のルーカスさん・スレッドをご覧の皆様の中で、上記の内容を行う具体的な授業構想があるのでしたら是非伺いたいですぴかぴか(新しい)青写真で構いませんので、ご意見お待ちしております双子座
すごく間隔が空いてしまい恐縮です台風

僕は今年の4月より非常勤講師を始めました。
こちらのトピックで発言をしたこともあり、一度ちゃんと教材研究をして、ある程度まとまりのある試案を提案したいなあ、と思い続けていました。
しかし、なかなか余裕ができなくて滞ってしまっていましたたらーっ(汗)
言いたいこと言って退場する感じになってしまい、失礼しましたm(__)m

そしてこの度、二学期の授業で『文字禍』を扱うことが決まりましたグッド(上向き矢印)
これから教材研究をして、今後このトピックをご覧になった方のための参考になるような記録を、こちらに残したいと思っていますぴかぴか(新しい)

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

国語教師の作品・教材研究の部屋 更新情報

国語教師の作品・教材研究の部屋のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング