ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

杏梨ちゃんの小説置き場コミュの僕と悪魔の奇妙な1ヶ月5

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
第1週(第1章)

2日目

20××年2月2日

僕はその日は目覚まし時計のタイマーより早く目を覚ました。
起きていくと昨日同様悪魔が朝食を作っていた。
悪魔は
「今日は昨日より早起きじゃないか?まあ¨早起きは三文の得¨と言うぐらいだからいいことだね。とりあえず着替えを済ませてこいよ」
と言った。
僕は着替えを済ませてテーブルに座ると悪魔に
「そういえば今日お前会社に行くって言っていたけど僕はまだ認めていないからな。社長賞をもらってすぐクビなんていやだしな」
と言った。
悪魔は
「いいじゃないか、いい意味でも悪い意味でもあの会社の歴史に君の名前を残すことが出来るのだからな」
と笑いながら言った。
僕は
「笑えない冗談だな、とにかく会社にはついてこないでくれ」
と言った。
悪魔は
「我は昨日¨心配ない¨と伝えたはずだぞ。とにかく我を信用したまえ。もし我が嘘をついたら今回のことはなかったことにしてやるし、仕事も続けられるようにしてやる。もっとも君が誰かに¨悪魔が見える¨と言ってくれなどと持ちかけた場合はもっと悪い条件になるがな。もっとも誰も信用はしてくれないだろうがな。とりあえず君にとっては悪い条件ではあるまい?」
と言った。
僕は半信半疑ながらも悪魔がここまで自信を持つのだから大丈夫だろうと思い出勤しようとしたが周りの目が気になり落ち着かなかった。
通勤時間もいつもと同じなのに倍以上の疲れを感じた。
会社についても課長や周りの同僚の目が気になり落ち着かなかった。
しばらくすると全体朝礼が始まった。
まず社長のお決まりの挨拶が始まったが、悪魔が気になり集中できなかった。
社長の話が終わりいよいよ僕の名前が呼ばれたがぼんやりとしていて気がつかなかった。
悪魔が
「お前の名前が呼ばれたぞ」
と言ったので
「はい」
と返事をして前に出て行った。
同僚は社長賞のことを知らないので
「きっとリストラで¨お疲れ様¨とか言われるんだぜきっと」
などと勝手に噂していた。僕はまだ悪魔を信用できずにドキドキしていた。社長は
「ここにいる芦原君に社長賞を贈る。今回の大手2社との契約は素晴らしいものがある。よって社長賞を送るものとする。以上」
と言い、社長より賞状および金一封を頂いた。
僕はその後、何かスピーチをしたのだが悪魔のことに気を取られて何を話したか覚えていなかった。
しかし、拍手が聞こえてきたので問題はないようだった。
その後、同僚には
「社長賞かすごいな」
と言われたが誰1人として悪魔について話しをしてくることはなかった。
課長が、
¨明日の夜、芦原君の社長賞のお祝いを課で開催するから参加するように¨
と言い、課の全員の拍手が起こった。
そのときも結局悪魔には何もふれずじまいだった。
終業時間まで働いたが誰も悪魔の事には触れてはこなかった。
悪魔は
「我は料理を作るため先に帰るな」
と言い消えた。
僕はほっとしながら帰宅した。
家に着くと悪魔はすでに料理を終えていた。
僕はビールを飲みながら悪魔に今日のことを聞いた。
「まさか僕にだけ君の姿が見えるようにしたなんて」
と伝えた。
しかし悪魔は
「お前一人だけに姿を見えるようにはしなかった、しずっと気配も消さなかったぞ。
それでもお前の会社の奴は誰1人として我に気がついていなかったようだったぞ」
と笑いながら言った。
僕はこのときになって初めて事の重大さに気がついた。
悪魔からの課題はそんなに甘いものではなかったのだ。
悪魔と会話をできる人を捜すなんて簡単と思っていた自分が情けなかった。
悪魔は
「まあ気を落とすな、他のやつもだいたいこんな感じでこの課題のきびしさに気がつくのだから。
まあ明日からもよろしくな。我は今日は一旦これで引き上げる。また明日の朝来るからな」
と言って去っていった。
僕は
「これからどうしようか?」
と独り言のようにつぶやきながら休むことにした。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

杏梨ちゃんの小説置き場 更新情報

杏梨ちゃんの小説置き場のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。