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杏梨ちゃんの小説置き場コミュの僕と悪魔の奇妙な1ヶ月 3

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序章2日目

20××年1月31日

通算2日目

僕は昨日の悪魔の話が気になったまま目覚めた。
準備をすませて仕事場へ向かった。
会社へ向かう途中、昨日の悪魔の話しについては半信半疑なままだった。
一応悪魔が言った通りにしてみようかと思い大手ニ社に電話をしてみることにした。
そうすると以外と簡単にニ社とも対応しますとの返事をもらった。
一社目を午前十時に、もう一社に午後一時三十分に伺う約束をした。
そして僕はヅラダルマ課長に
「営業に行ってきます」
と告げた。
課長は
「今日も外回りと言って一日中遊んでくるのかな、芦原君」
とイヤミを言った。
しかし今日はそんな課長のイヤミも気にせずまず一社目へと向かった。
僕は対応に出て来た担当者に昨晩悪魔が力を込めた名刺を渡した。
そして真剣に営業の内容を説明した。
そうすると担当者さんは
「社長と相談しなければいけませんがこの話前向きに検討させていただきます」と言った。
経験からこういうときにはほとんど断れることが多いと分かっていた。
でも担当者は
「社長とすぐに相談してまいります。三十分ほどお待ちいただけますか?」
と話し部屋を出ていった。三十分と言ったが一時間ほど待ったころ担当者が戻ってきた。
「社長より契約していいとの返事をいただきました。契約書は今お持ちですか?」
と言った。
僕は契約書を手渡した。
その場で契約がまとまり契約書にサインもいただけたことで悪魔を少し見直した。
お昼をすませ午後からもう一社にも伺ったがこちらもすぐに契約ができた。
ニ社の契約が済んだ僕はウキウキ気分で会社に戻った。
そして課長に
「ただいま戻りました」
と挨拶をした。
ヅラダルマ課長は
「今日も一日遊んできたのかね。全く契約の一つでも取ってから帰ってこいよ」といつものイヤミを言われたが今日は頭に来ることもなく
「課長、言われたとおり契約をニつ取ってきましたよ」
と言いながら契約書をニ枚課長へ手渡した。
課長は書かれた会社名を見て
「おい、芦原。契約がとれないからといってこういう不正はいけないぞ。偽装するんならもっと小さなところの会社名を書けよ。だいたいこんなのすぐにばれるだろうが」
と言った。
僕は
「本当に契約をとってきました、信じてください」
と言った。
課長は
「うそをつくな。このニ社はおまえよりも営業成績のいいやつが行っても無理だったところだぞ。それがお前が契約をとったなんて信じられないな」
と言った。
僕は
「間違いなく本当に契約しました、信じてください。先方に電話していただいてもかまいませんよ」
と課長に言った。
課長はまだ信じられない様子で契約を交わした会社に電話をした。
そしてニ社とも間違いなく契約をしたことが確認できた課長は態度をコロッとかえ
「いやー、芦原君ならいつかやってくれると思っていたよ。しかしいままで誰が行っても契約してくれなかったニ社から契約をとるなんて本当に素晴らしいな。今まで遊び歩いていたなんて言って悪かった」
と僕に言った。
僕は調子がいいんだからと思ったが課長に挨拶をしてその場を去った。
終了時刻の午後五時が近づいてきたので僕は仕事を切り上げ昔祐樹や由紀とよく行った喫茶店に向かった。
喫茶店に着くと僕はマスターに挨拶をした。
マスターは
「芦原君、久しぶりだね、いつもの席にどうぞ」
と言った。
僕は昔三人でよく座った席に行った。
しばらく待っていると見たことのない女性が二人やってきて僕のいるテーブルに座った。
僕がびっくりしていると二人が声をかけてきた。
「誠、久しぶりだな」
と女性の声がした。
僕のことを誠と呼び捨てにするのは由紀のはずだと思った。
続けてその女性は
「びっくりしただろ、すっかり姿がかわってしまったのをみて、これはすべて悪魔の仕業だよ」
と言った。
僕は
「まさかお前は由紀か、どうしたんだその格好は。悪魔の仕業ってどういうことだ?」
と聞いた。
その女性は
「そう、元は由紀だったの、でも今は由紀子と言う名前になったんだ。 祐樹も今は祐子という名前になってしまって。そのうえ周りの人は僕たち二人が男性であったという記憶が全くないんだよね、親も会社の同僚も」
と言った。
続けて祐子(元祐樹)が
「お前のところにも悪魔が行ったらしいな、気をつけろよ」
と言った。
その後しばらく二人に悪魔の話を聞いた後僕は部屋に戻った。
家に着くと昨日の悪魔が待っていた。
悪魔は僕に
「契約はどうだったかな?そしてニ人には会えたかな?」
と聞いた。
僕は悪魔に
「仕事の契約のほうはうまくいったよ。でもなぜ二人が女性になってしまったんだ?」
と言った。
悪魔は
「我ら悪魔は生きるためには力が必要なのだ。それが男性にとってはそれが性の力なのだ。
ニ人から男性という性をとったのだから女性になってしまったんだ。君にももちろん同じようになってもらうつもりだけれどね」
と言った。
僕は
「僕は契約をしていないんだぞ。僕まで巻き込むなんてひどいじゃないか」
と言った。
悪魔は
「だから君にはチャンスをやろうと思う。
明日からの一ヶ月、閏年ではないからちょうど四週間の間に君が我の言うことを実行できたらいままで通り君を男性のままにしてやろう。
しかし君が一ヶ月以内に実行できなかったり途中で放り出したら君も他の二人と同じ目にあうことになる」
と説明した。
僕は悪魔の話を聞きながら
わかった、その提案を受け入れようと言うより受け入れなければすぐにあの二人のようになってしまうんだろ、だから仕方ない受け入れよう。しかし交換条件がある」
と言った。
悪魔は
「条件の内容を聞かせてもらおうか」
と言った。
僕は
「条件というのは僕があなたの出す条件を達成したときに聞き入れてほしいものだ。取らぬタヌキの皮算用と言わずに聞いて欲しい。
もし僕があなたの出す条件を達成できなくて女性になってしまったなら何もしなくていい。しかし万が一僕があなたの出す条件を達成出来て僕が男性のままいられるというのなら祐樹と由紀、今は祐子と由紀子だけどあの二人の中から自分達が元男性であったという記憶を消してやって欲しい。もちろん僕に関する記憶も一緒に。そして新しい女友達を作ってあげて欲しい。それが条件だ」
と言った。
悪魔は
「お前は本当に珍しいやつだな。普通のやつは条件をもっと自分中心のものにするがお前は違うようだ。わかった、すぐに魔王さまに交渉してくる」
と言い残し消えた。
三十分くらいして悪魔が戻ってきた。
悪魔は
「魔王さまもOKとのことだ。そして我に明日からの一ヶ月間お前を見守れといいつかった。だから明日から一ヶ月間よろしくな、芦原誠君」

と言った。
僕は大事なことを聞き忘れていることを思い出し
「そういえば僕が男のままでいられる条件を教えてくれ」
と言った。
悪魔は
「それは明日説明しよう。今日は我も明日からの準備があるしな」
と言い去っていった。
僕は明日からの一ヶ月間のことを考えて不安な夜を過ごすことになった。

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