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新橋第三春美鮨コミュのさようなら、あら輝

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日本一予約が取りづらい鮨やと言われるあら輝。
通い始めて1年半近く経ちますが、何せ予約待ちが4ヶ月ですから、まだ4回しかそのお鮨をいただいたことがありません。それでもようやく顔を覚えもらえしたが、まさかの閉店。ご主人が娘さんのイギリス留学のために、イギリスに一緒に行かれるということで、1月いっぱいであら輝は閉店となります。

このお店の売りは、やはり大将の人柄でしょうか。とても気さくで、話題が豊富。そのうえ、最上級の気配りがあります。何かと鮨屋の大将と言えば、持論が多いですが、この大将は、自分の意見を押し付けることがありません。相手の話題に合わせ、でしゃばることなく、でもWITに飛んだ会話をされます。
銀座のママクラスの話術は、同じ接客業をしている私も、いつも関心することが多くあります。
それに加え、細かい洞察力、気配りも一級品です。業界の著名人が彼を愛することは良く理解できます。昨日、遂に彼のお鮨を頂く最後の日となりました。

彼のお鮨は彼の人柄そのもので、気配りと温かみを感じます。その日は明石の鯛から始まりました。お決まりの松かさ造りですが、身の透明感、鮮度は抜群です。これだけ鮮度がいいものだと、旨みが薄いことが多いですが、しっかりと旨みを持っています。大将曰くは、食べている餌が違うと言う事ですが、東京湾の鯛が霞んでしまいます。特にこの日の鯛はまた一段と旨みが強く、かつプリプリでした。
それから茹でたてのアワビ。もう季節は終わりということもあって、見るからに肝はダメ、やはり肝は出ませんでした。それでも、旨みは十分にあります。ただ山葵を付けると負けそうだったので、全部何も付けずにそのままで頂きました。
そして定番のかつお。焼きたてのかつおを丁寧に血合いの部分を取り除き、浅葱・ゴマ、そしてたっぷりと海苔を載せます。それに特性の醤油をかけて食べますが、これはこれでおいしい。残念なのは、藁の香りがせず、炭で焼いているようです。前回はちょっと生くさくてがっかりだったのですが、今回のかつおはよかった。そしてお決まりのうに+いくら。いくらの皮が柔らかく、新物でした。

そして握りに突入です。あら輝と言えば、”まぐろ”。
しかし、私はどうもまぐろの味がまだ分かりません。前回は大将が、”きょうのまぐろは、最高のまぐろです。”とおっしゃっていましたが、分からないんです。まぐろと言えば、あの巨体で時速80キロ以上で泳ぎ、イカなどを好んで食べる魚です。その生命力は他の魚にはないものです。まぐろの身は動物の筋肉に似た身であり、血が多く通っているから赤い身になっているんだと思います。その最大の特徴は血潮(春美流)であり、常に泳いでいなければいけないという、他には類のない筋肉です。そういう意味では、かつおが一歩うわ手で、そういう生命力を感じます。まぐろは、旨みは強くあるのですが、血潮を感じるまぐろには、数回しか出会ったことがありません。ましてや、脂身を伴った中トロ・大トロは、さらに分からなくなってしまいます。確かにとろける様なまぐろの身には感動を覚えますが、私のおいしいと言う概念とどうしても一致しません。唯一、春美のネギトロは、本当に旨いと思いますが、どうしてもまぐろの旨みについて、自分の基準が出来ません。まだまだ修行が足りません・・・
その後、こはだ(しょっぱい)、煮はま(しっとり感がなく、うま味抜けてる)、そしてお決まりのアジ。きょうのアジは旨かった。いつもは生のものよりも今一つと感じてましたが、きょうはうまぁあああっと思いました。アジの旨みが軽くあぶられることによって、凝縮され、旨みが爆発します。今までは、全く感動を覚えませんでしたが、きょうのアジは最高でした。個体差と料理のやり方で、こんなに違うのかと、びっくりしました。そして、マツタケのお鮨です。前にも日記に書きましたが、ここのマツタケは、私が最高と思う食べ方で出してくれます。去年秋に食べ、感動を覚えましたが、今年はさらにパワーアップしていました。マツタケをまず丸ごと焼いて、なかに旨みを閉じ込め、それを包丁ではなく、手を使ってきれいに割いていきます。包丁で切ると、細胞が壊れ旨みが抜け出してしまいます。手で裂くことによって、旨みが逃げません。きょうは、なんと大きなマツタケを3つ。7人で分けることになりました。大将がマツタケを選ぶ際、2つピックアップしたあと、3つ目をちょっと躊躇しましたが、3つ目もお弟子さんに渡しました。お弟子さんも、”え?”って言う感じが漂いました。きょうは、大将の大サービスだったのでしょう。そのおかげで、大量のマツタケが一人一人に行き渡りました。しかも、去年は、量が少なかったので、マツタケを細かく裂き過ぎてあり、触感が今ひとつでした。しかし、きょうは程よい裂き加減で、マツタケの独特のしゃきしゃき感が残り、たまりませんでした。もう最高の一皿でした。(中にマグロのづけ焼きも入っていました。)

もうきょうが最後で大将に会えないと思うと寂しい思いでいっぱいになりました。人間味いっぱいで、いつも気配りをしている大将は、日本が誇る”おもてなし”の心を持った、最高の鮨職人の一人です。
ありがとうございました。

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