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minority justiceコミュのチャプター(X2)オマージュ

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奴は、言葉なんかでは表現のしようがない程の相棒だった。

奴の名はモト、背はちっこく、髪は金髪、顔はベビーフェイスの可愛い一つ年上の後輩だった。

といっても水商売がら、後輩が敬語を使わないといけない、体育会系orヤッチャン、ゾッキー上がりの下らないルールを無視できる、普通のアウトロー好青年。健康不良優良児かな。

俺が気に入った奴には、年上だろうが、年下だろうが敬語を使いたくも、使われたくもない、それをアホな硬派な世界を素直に破れる希に居る、話の解る奴さ。
一言で言えば、バカ!!

世界中そんな奴だらけならいいんだけど、、、

仲良くなったきっかけは同じ系列の店で、同じ時期に悪さを覚えたのがきっかけだろう。

モトの後輩で竜という奴もモトに負けず劣らずのバカで、俺達三人は、一つの道具で煙を吐いては、運命共同体とほざいて笑い明かしていたっけ。

そう、本当だったら、アラスカの温泉でありとあらゆるブッ飛ぶブツをキメまくり、オーバードーズで、オーロラを見ながら、自分達もオーロラになり、宇宙に還るという夢を持った、運命共同体の筈だった。

コメント(4)

(オマージュ2)

今、同じ位バカな仲間が居るが、モト程、何もかも一致する者はでてこない。

何もかもとは、笑いの線、映画の趣味、インドへの憧れ、宗教感、思想、絵画、哲学、宇宙への感心、科学、同じ時期にはまったトランスミュージック、イリーガル遊び=何か解らないものへの冒険心!
責められた時に漏れる女の子の様な喘ぎ声(俺達はヘテロだが)

格好良く言えば、イージーライダーで言えばモトはキャプテンアメリカ、俺はデニス ホッパー辺りかそんなもんさ。

60年代ヒッピーロードムービーイージーライダーの中でこんな事言ってたっけ。
〈お前の長髪が自由を表してる、今のアメリカは自由を恐れてる、その長髪が自由の象徴さ〉的な事を。

その同時のアメリカは差別にベトナム戦争、ヒッピームーブメント、政治による閉塞感を見事に表したアナーキーな映画だ。

俺達は自由を求め煙を吐き、黙示録を見に諭吉にガソリンを注ぎスピードに乗り異次元を探りに何度も何度もホフマン博士とキスをした。

それが俺達の生きる意味として見いだしたからだ、イヤ見いだせなかったからかもしれない。

そんな生きる意味を年がら年中探りに行く奴が普通の生活なら何処に居る? 精神病棟くらいだろう。

しかしその時の俺達は、それが使命だったのだ!

それが、あんな行く末になるとは、、、
オマージュ(3)
俺達、馬鹿三人衆とモトの彼女ジョイとは、家食い(家で採る)箱(クラブ、主にトランスのイベント)食い、公園食い、街食い、何処でもキメていた。

使命だからだ、何が使命なんだかもわからずに。

特にパーティーは何処にでも顔を出していた。

今では伝説の語りぐさになってるジオイド(フラワー)、教会をイメージした、スピークイージー(CCCホール)、クラブチッタ川崎、横浜ヘブン、今は無き横浜ベイホール、これらの箱はほぼ毎週末、土曜深夜から日曜昼前位まで(アフターアワーズ)ぶっ飛びに踊り狂いに、使命感たっぷりで足を運んだ。

これらの箱のヤバい逸話は後々書くとしよう。

〈トランスと紙とダンス〉それは、太古から流れる人類の血を彷彿させる、そして何もかも全てが正しいと思わせる瞬間の今、狂喜乱舞、いつまでもこの時間が終わらないでくれ!未来永劫にと、、、時間の概念も、人種の壁も、言葉の違いも、宗教の問題も、空間の歪みも、全て飲み込み、全て理解でき、ひたすら踊ると言うダンシングハイになり、回りの客や音楽との一体感なんつったらセックスの百倍夢中になれる物だ。
締め方が良くないが、とにかく、玉手箱のような、パンドラの箱のような、ノアの方舟のような、理想郷や竜宮城や、いい意味でのカオスな体験だ。

まさに直角(紙)とは一言でカオス、それに尽きる。

俺達四人は、何度も何度もカオスに飛び込み、暗闇にフラクタルを浮かび上がらせ、サイケデリックな旅(トリップ)をした。

そのカオスは時折、本当の混沌を垣間見せる、、、
恐怖、そんな一言では表せない。

堕ちる、下がない程落ちる。

廻る、出口がない迷路に、ひたすら迷いまわる。

上下左右、すら解らなくなり、とにかく今すぐこの状態から抜け出さないとはわかるが、どうやってこの蟻地獄から抜け出せればいいのかが全くわからない。

それだけはわかる。

そんな状態をバット(バッドトリップ)と呼ぶんだろう。

時折モトはバットに入るようになった。
オマージュ(4)

モトと俺は、アシッドにドップリ漬かっていた。

いずれにせよ、ピークを過ぎると、〈考える時間〉がやってくる。

その時間、今の自分のポテンシャルを越え、その現実を受け止め、それを乗り越えるマインドの強さと、何でも笑い飛ばせるユーモアさがないと、中々グッドトリップする物ではないのだろう。

モトはピークを抜けると、次第に黙る(落ちる)ようになった。
それは俺ら四人にも心配事だったし、こちらがどう対処したら、(そんな切ねー顔すんなよって言いたくなる位に)何をしたらいいのかが解らなくなっていた。
どんな言葉も、どんなジョークも、どんな優しさも、全て勘ぐる時間が出てしまう。

俺とモトが見つけようとした理想郷にはギャップが生じたんだろう。

今となってはモトはその時、何を感じ、モト自信が俺や回りに何を求めてたのかはわからない、しかし回りの俺達は彼を助け出す事はできなかった。
俺達が見つけた〈いきる意味〉快感、それらが、トランスでありアシッドでダンスであり〈使命〉だった物が、突如として、牙を向いたのだ、モトにとって、、、

一時期俺は、距離を置いた、久々連絡を取ると、インドへ行くとモトは言い出した。
本当は俺と竜と3人で行こうぜ!と決めていたが、その夢は現実にはならなかった。

モトは憧れの地インドに行く事で、今の自分のキャパシティーやポテンシャルを上げる、まー自分自身を取り戻す為、インドに渡ったんだ。

その旅の写真を見ると、行く前には見せない、素敵な笑顔のモトが写ってた。

その時の旅先からのメールも、『俺は完全復活したぜ、日本戻ったら、弾けようぜ!』と心配ながらも、俺らの気持ちを全て理解している、答えや、優しすぎる優しさに触れる事ができた。

俺は、帰って来るのを楽しみに半年待っていた。

時折、ジョイや竜と連絡取り合い、モトの帰りを待ち望んだ。

日本がモトに帰ってきて、しょっぱなモトと新宿紀伊国屋前で待ち合わせた、雑踏の中何メートル先からでも、感じる黄金のオーラを纏った彼がいた。

人目も憚らず、きつく抱き合う俺とモト(二丁目でもないのに…)、自信に満ちた、モトの笑顔、親心とは違うが、良く帰ってきたなと誇らしくさえ見せる佇まいを見せていた。

その日だけじゃ、全てを語り尽くせない、モトのインドでの〈経験〉を、言葉以上に全感覚で感じとれ、俺達は別れたんだ。
数週間後、変な時間に電話が鳴り、即電話を取ると、数秒の沈黙だったか、モトからだとすぐわかる、一瞬の空気感が伝わった。

モト『俺、どうしたらいいんだろう?』俺「何が?」『良くわからないんだ』「だから何が?」、、、

数秒沈黙が続いた後、俺が切り出すしかなかった。
「あんたもう駄目かい?」『うん無理かも』
「そっか、それじゃ仕方ない、俺もあんたの全てを受け止める、その代わり、残された俺や竜、ましてや彼女のジョイの気持ちを考えてもみてくれ、それでも無理なら、あんたの選択を俺理解する」

無言のまま『わかった』と寂しげな声で電話を切った。

その当時までの俺達は、死、に対しても肯定的なアイデンティティーで、苦しく生きるなら、楽しんで散ってく、そんな思想やインドの色々な価値観が取り巻いてた。

その電話を切った時までは、、、

3日後、俺は親父の三回忌から帰ってきた夕方、その訃報は突然やってきた。

モトの従兄弟のヨリから電話があり、モトが自ら命を絶った事を聞かされた。

最初はジョークにしか思えなかったが、そのシリアスさで速察知した。

着の身着のまま、俺は、速いのとボンをポケットに突っ込み、スピード全快でモトの家に突っ走った、どうやって辿り着けたのかもわからない程

玄関を開けると、ジョイが今までに見せた事も無い表情で生まれたてのバンビの様な弱々しい立ってらんない程崩れ、今にも吹き飛んでしまいそうな、体をギュッと抱き締める事しかできなかった。

その後、病院から帰ってきたモトは、いつも以上に真っ青な、少なくとも俺には安らかな眠りについた表情には見えなかった。

俺ができる事、それは一つしかなかった。

何度も何度も、旅をしたモトの部屋で、トランスをかけ、白い結晶をカードで砕いてラインを作り、パイプにネタを詰める事だけだったが、俺にはそうするしか無かった。

友人も集まり始め、俺の行為は異様な光景にうつったろう。

俺は何も言わず、ラインを一気に鼻にねじ伏せ、パイプをワンショットで肺に煙をねじ伏せた。

黙って同じセッティングをしジョイに手渡した。

泣きながら、笑いながら、『私何やってんだろう?』て俺の、無茶苦茶に付き合ってくれた。

俺にはそれが、一番の、はなむけの行為だったのだ。
誰も理解はできようがないだろが…もしモトなら、俺と同じ事をしたに決まってる。

その通夜、俺達は一人一人泣き崩れた。

最近のモトの様子を、打ち明けた、3日前俺がモトに言ってしまった電話、ジョイも最近様子がおかしかった、竜も何で俺が一緒にインドにいかなかったんだと大いに悔やんだ。

俺はその一夜でガラッと、価値観が崩れ去った。

今まで、死は、そんなに否定的な物に思えなかったが、死とは簡単に口にするべき事でもない、むしろただひたすら悲しみしか、やって来ない事を悟った。

俺とジョイと竜は、背中にどでかい十字架を背負った。

そして俺は、こんなにも悲しく、虚しく、後戻りできない、悔しさを、ポジティブに捉えようと努めた。

この偉大なる大親友モトの死は、無駄な死ではない、意味のある死にしなければいけないんだと固く願った。

何が学べたか解らないが、死んじゃだめ、どんなにつらくてもだめ、とにかく、前に進むんだ。

きっと天国で俺達を上から笑って見てくれるように、そんな生き方を見せつけてやるように…

俺にもジョイにも、モトは必要だった、未来の地図も感受性のアンテナも、ふたりには二度と開けそうにはないと思えた。

ありがとうモト、色々な思い出と、優しさ。

いつまでも俺達を見守ってください、そして逝くときはまず俺達を迎えに来てください。

信じてるよ。

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