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憲法九条を暮らしに生かす会コミュの伊豆利彦さんが語る「蟹工船」『多喜二」転載

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 国民が求めているのは、小泉改革で破壊された国民生活の回復だろう
。若者たちのあいだに『蟹工船』が強い共感を呼び起こしているのは、
作品を通して自分自身と日本の現実を新しい目で発見しなおしたからだ
。いま、アメリカ経済の激震で日本人は日本とアメリカ、そして世界に
ついて認識を新たにし、今までの対米従属一辺倒の日米関係についても
考え直さなければならない。アメリカ言いなりになることで政権を維持
してきた自民党の過去と現在が根本的に問い直される時が来たのだと思
う。

『蟹工船』が発表された1929年は、アメリカから始まった世界大恐慌の
大渦にに日本経済がまきこまれていった年だ。都市では中小企業の倒産
が続出し、失業者が氾濫した。農村は飢餓に苦しみ、娘たちは身売りし
て都市へ出ていった。戦争待望の声が民衆の間に浸透し、いまから77年
前の1931年9月18日には満州事変が始まった。『蟹工船』は15年つづい
た日中戦争突入前夜の作品だが、この戦争を世界大恐慌、ロシア革命、
ナチスの世界戦争との関連で把握することが、いまは大事だと思う。

『蟹工船』はこの時期の戦争の土台としての労働者の現実を暴き出し、
『沼尻村』『党生活者』は時代にあらがいながらこの時代を生き、闘い
、そして押し流されていった人々の記録である。そして、『転形期の人
々』この時代を大きな展望で描き出そうとした野心的な作品である。あ
の戦争についてはいろいろに書かれているが、時代を生きた人々の生活
と心に迫るこれらの作品を離れては、あの時代を本当に知ることはでき
ない。

『蟹工船』を読んだ若者たちは、多喜二を「兄貴」と呼び、「惚れた」
という。そして自分たちのつらい現在を語り始める。多喜二は自分たち
にああしろ、こうしろとお説教したり、扇動したりしないで、自分たち
のつらい経験をじっと朝までも聞いてくれて、そして最後に「彼らはも
う一度立ち上がった」と書くだろうと言い、その優しさに本当に「惚れ
た」のだという。多喜二を読んだ若者たちはその「優しさ」に励まされ
て、それぞれの経験を話しだす。そこにこの作品の意味があるのだろう
。そして、私は、私の短い軍隊の生活がすっかり『蟹工船』の世界に重
なるのに驚いた。

 多喜二は1928年2月の第1回普選の運動に参加して、プロレタリア作家
としての道を切り開いた。いま、横須賀では原子力空母の配備に反対す
る運動が展開され、これと時期を同じくして民主文学会横須賀支部が発
足し、小林多喜二の学習会を始めるという。私はこれを偶然のことは思
わない。今日はその第1回がヴェルク横須賀(京浜急行横須賀中央下車
)で開かれる。

 老齢でさまざまな障害に苦しむ毎日だが、何もできない私はせめてこ
れだけはの思いで参加する。もっと早くお知らせできればよかったのだ
が、通信発行が延び延びになって、今日になってしまったのは残念だ。
第1回は今日(9月20日)、第2回は10月18日、第3回は11月29日、午後1
時半から、会場はいずれもヴェルク横須賀。都合のつく方は参加してほ
しい。問い合わせ先は橋本さん(046−842−3866)

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