驚く私をよそに、宗谷博士は早口でそう言うと鍋の蓋を取って温度計を突っ込んだり忙しく働き始めました。今度こそ本当に手が離せないようです。 ま、きゅーちゃんに聞けばいいか。ロボット、っていってるからには、マクガイバー博士がメインにやっている作業なことに間違いないはずです。そして玄関のエアカーテンを抜け、扉を何度か開いてゆくと出し抜けに英語の罵り声が。 「Dumb, dumb, dumb! God dumb, dumb! This bloody thing! This bloody …」
”Ah, What are you doing here?” (あー、そんなところで何してるんだい?) 日本人同士のわからないジョークにあきれたマクガイバー博士がドアを開くと、のっしのっしと部屋の中に入ってその辺をうろつく私。なんだ?と怪訝な顔をする二人の表情を確認してから、おもむろに二人に向かい合い "This house is surrounded. I must ask to no one leave this room." (この家は完全に包囲されている。おとなしく抵抗をやめて出てきなさい) きょとん、とする澪さんとマクガイバー博士に満足しながら私は続けました。 "Now I introduce myself. I'm inspector Tiger."(私は、タイガー警部です) "Tiger?"(トラ?) "Where! Where!"(どこだ!どこだ!)
これより斜め上だとお。これは心して聞かねばなるまい。重々しくうなづいて、先を続けるようにうながします。
“Wenn ist das Nunstuck git und Sotermeyer? Ja,Beiherhund das "
私は何も言わずに立ち上がると新聞紙を丸めてメイドロボの頭をぶっ叩きました。
「えっ?」
「おもしろうないわ。そんなもんで笑うのはドイツ人だけだ、あほう。しかもだいぶん昔のだ。そんなにアラスカに行きたいか」「アラスカ?」
「わかる人はわかるギャグだ。よろしい、君にお笑いの真髄というものを教えてやろう。まずはハリセン作りからだ。」
「ハリセンって」検索をかけ始めたメイドロボの手を引っ張ります。「いいからこい」
"Here I am, Ho-ho, are you ready? "
(お待たせ。じゃ、いってみようか)
"No kidding! Stop Nana-chan, tell me! Please"
(バカ言ってる場合じゃないよ。ななちゃんを止めて、お願いだから)
"Nothing worry about. However,she will be noisy a little."
(大丈夫、大丈夫。ちょっとうるさくなるかもしれないけどね)
"A little? A little noisy bomb? How "
(ちょっと?ちょっとうるさい爆弾?一体全体)
「自爆まで、あと30秒です」