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RRA 普及・向上委員会コミュのRRAの有用性について意見をお聞かせください

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開発業界や学生の方々のなかで、実際にRRAのテクニックを使って農村調査をされたことがある人にお聞きしたいと思います。RRAを使ってみて、具体的に有用だった点は何でしたか?

コメント(6)

河童のKantarrowさん、こんにちは。

メンバーに入れされていただきましたしばやん@マニラです。

農業・水資源・地域開発の開発コンサルタント会社の駐在としてフィリピンに駐在して5年目になります。

基本的に農業専門の会社なので、農業・農村開発の仕事が圧倒的に多いのですが、ここでは自分の実際に行ったワークショップから。

まずフィリピンの水利組合強化の技プロの事業評価を行ったのですが、現場でトレーニングの達成度を調べるのに、政府としてとっている指標のアップデートとは別に、?灌漑システムのマップ作り(これは水利組合ごと)、?季節カレンダー(雨季乾季と農作業とトレーニングの時期の適切さを検討するため)そして、これらの水利組合メンバーによる作業と平行して?フォーカスグループディスカッションを行いました。

あと水利組合のヒストリーとかいくらでもRRAで特に‘視覚化’してやりたい作業はあったのですが、いかんせん時間の縛りと大中小3地区、合計30近くの水利組合を同時に評価しなければならなかったため、つかうツールをかなり限定(同じ作業を全てでやって比較する必要があったため)した記憶があります。

ちなみに、これはJICA業務の事業評価なので、DAC5項目の、ようはJICA事業評価の枠組みの中で、RRAのツールを使ったという位置づけです。

とりあえず、まずは一件ということで、ご参考まで。

ではでは^^?

P.S.

ちょっとだけ宣伝、「mixi開発民俗学 「地域共生の技法」」 http://mixi.jp/view_community.pl?id=2498370 というコミュを主催しています。RRAのみならずフィールド科学の技法についても検討していますので、関心のある方はぜひ尋ねください^^?
2件目として、最近の実例ですが、NGOの社会開発プロジェクトの調査を行いました。これはNGOの職員が対象でしたが、?プロジェクトサイトのマッピング、?活動のストラテジーのテーブル化、?NGO連合の相関図などの作成を行いました。

RRAの本質はワークショップによる参加者の全員参加と‘視覚化’だと私は思います。

先の水利組合もそうですが、地元の人にマップを書かせると非常に正確で、しかもそのできたマップをみんなの前に張った上でフォーカスグループディスカッションを行い、その場で、情報をどんどんマップ上に書き込んでいくことができます。あと、?SWAT分析の、StrengthとWeaknessの部分のみの表をつくってもって参加者みんなで共有をしました。

あとワークショップ形式のフォーカスグループディスカッションの利点は、あくまで1,2時間のまとまった時間が取れればという前提ですが、最初にワークショップで明らかにしたいことを先に説明して、みんなにワークショップの作業を割り振りして手を動かしてもらっている間に、特定の人をつかまえてキーインフォーマントインタヴューを行ったりと、柔軟な調査ができるということもあげられると思います。

やっぱり、みなさん体を動かすのがおもしろいようですね。いろいろ書いたりみたいしていると、だんだんと意見や考えがまとまってくるようです。

「RRAを使ってみて、具体的に有用だった点は何でしたか?」に関して言えば、私が農村部でワークショップを行う場合、マップ作りは絶対に欠かせませんし、そのみんなで作ったマップを元に現地踏査を行うと非常に現状の理解=課題の発見、改善策のひらめきにつながります。

いま「RRA実践マニュアル」を拝見させていただいておりますが、「技法」と「倫理」をわけるべきだというご主張、まったく同感です。私にいわせれば、「フィールド科学」の「技法」は「技法」として、プロを名乗るからには習熟すべきだと思います。それをどのようにつかうのかが「倫理」の問題なのですが、今の日本の開発援助の現状を見る限り、今の時点では、一緒くたにして議論すべきではないと感じています。

まだ「技法」を「ツール(道具)」としても使いこなせていないのではないか、ツールを使うことがファシリテーターの自己満足に留まっていないかとか非常に危惧するところです。とはいえ、私もまだまだ修行中の身ですが^^?

これからもよろしくお願いいたします。

ではでは^^?

P.S.

RRAとPRAの区分けの件、私もごっちゃに使っているかもしれませんが、名称には実はあまりこだわっていません。前者のJICA、後者はJBICの委託調査ですが、これらは最初からスコープが決まっていますので、‘自由’な‘PRA’は原理的にできません。どうしても‘答え’をだすというか‘裏付けるため’の「ツール(道具)」をつかっているだけという気がします。

外部者が内部者の現状を効率的につかもうとしている点では、JICAやJBIC業務は、ほとんどの場合が、RRAか、よくてもそれに毛が生えた程度のレベルのRRAしかできていないのが実情ではないかと思います。

ではでは^^?
しばやんさん

興味深い事例について教えて頂き、有難うございました。

しばやんさんは、RRAとフォーカスグループ・ディスカッションを組み合わせて活用されているわけですね。

僕が理解している限りでは、水利組合のような組織だと、灌漑用水路の上流部に位置するか、下流部に位置するかによっても組合員同士間の利害が食い違う場合が多いので、組合員同士の相互理解を図ることが重要だと考えられます。地図を自分たちで描くことで、具体的にどこの部分で何が問題になるのかを明らかにできるので、そういう意味でも図式化のプロセスが役立つのかもしれませんね。

1例目、2例目のいずれについても、これらをRRAと呼ぶべきか、それともPRAとするべきなのかについては、しばやんさんが「本質はワークショップによる参加者の全員参加と‘視覚化’だと私は思います。」と書かれていることから察する限り、むしろPRAなのかなという気がしていますが、僕もどちらであっても構わないと思います。いずれにせよ、参加者全員で対象についての理解を一緒に深めていき、そのうえで解決策を一緒に考えていくことが活動の中心となるわけですよね。

それと「やっぱり、みなさん体を動かすのがおもしろいようですね。いろいろ書いたりみたいしていると、だんだんと意見や考えがまとまってくるようです。」と指摘されているように、活動自体の面白さが参加者の参加意欲をますます掻き立てる部分は、どのような手法を用いようともとても大切な部分だと私も思っています。

2008年3月27日
河童のkantarrow
河童のkantarrowさん、こんにちは。
上記の書き込みについて、「開発民俗学 「地域共生の技法」」のトビ「「現地調査や開発実践の現場」を語ろう^^?」(http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=30391364&comm_id=2498370)に私の記事(上記1,2)を転載させていただきました。よろしくご了承ください。ところで、それに続けて、以下の文章を書きました。ご参考まで、こちらにも転載させていただきます。

トピック「「現地調査や開発実践の現場」を語ろう^^?」書き込み その3

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上記について、ちょっと補足説明させていただきます。

「研究」と「実践」が、根本的に違うのは「現状認識」にだけ留まっていてはだめだということです。

「‘リサーチャー(研究者)’と‘プランナー(計画立案者)’と‘コンサルタント’は全然、似て異なるものだ。」とは、会社の先輩の弁ですが、実践者としてのコンサルタントは、必ず‘落としどころ’を考えて、調査や計画を立てます。

そういう意味で、わたしは、方法と目的を完全に分けて考えています。RRAやPRAなどの‘ツール(道具)’は所詮、‘方法’であって‘目的’ではありません。

逆にいえば、‘目的’を達するためにツールや方法を選ぶのであって、割り切っていってしまえば‘目的’を遂行する以上の調査をする必要はありません。

そうはいっても、外部者が内情を簡単にわかると決して錯覚してはいけません。私が気をつけていることは少なくとも3点あります。

その1. その地域の歴史と地理をできるだけ事前に調べておく。これは地図の準備や二次史料(関連の調査報告書、分野を問わない関連する学術書や一般書の収集と流し読み)

その2. 現地調査に当たっての適切なアシスタントの選択と手配。通例、現場に行くのはカウンターパートである相手国政府の役人が多いですが、当然、彼らの立場ゆえの問題もあります。そんなときにはレンタカーのドライバーなども裏を取る上で、有力なアシスタントとなりえます。

その3. 主体的にフィールドワーク(具体的にはRRAやPRAのツールを使った調査)とワークショップを組み立て、必ず調査結果のフィードバックをステーキホルダーに返した上で議論することを心がけています。

この、フィールドワークとワークショップは、別々にやることもありますが、私の場合、すでに渾然一体化している場合が多いです。みんなでRRAやPRAのツールを使ってワークショップをしながら、なんらかの実施のための方向性をつかむ、できればその場で、ステーキホルダーの(現状)認識の一致と可能であれば合意をとってしまう、そんなことを考えており実際に実践しようと努力しています。

こんなところが、以前、井上真編「躍動するフィールドワーク 研究と実践をつなぐ」の書評で突っ込んだところなのです。全文はこちら。

http://arukunakama.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_15d8.html

ちょとだけ引用すると

「第三点目として、「フィールドワーク」の先にあるものといいますが、その次のステップを考えたいと思います。

例えば、私はといえば、ひそかな望みとして、開発コンサルタントとして‘実践’から‘研究’へ道筋を探ることと同時に有意な実務者やアカデミシャンを育てたいと考えています。

つまり井上氏のいわく「総合格闘技」である「フィールドワーク」の先にあるものとして、「共同・協同作業の場」としての「ワークショップ」を通じた「たまり場・フォーラム」を私は構想しております。 そんな試みが、2000年3月18日にHPを立ち上げた「歩く仲間」の一連の歩みです。」

いまさら私がいうことではありませんが、「フィールドワーク」と「ワークショップ」の連続性と渾然一体性については結構、開発コンサルタントの実践の現場は、まあ、こんなもんというか当たり前のプロセスだと思います^^?

ではでは^^?
文章だけでは、寂しいので、ワークショップの写真をご参考までに紹介します。これは、上記1,2で取り上げたプロジェクトとは全く別の調査です。

写真説明 左:


2007年3月のミンダナオでのワークショップの様子です。まず、プロジェクト担当のNGOの方に彼らのプロジェクトの概要を説明していただいています
出席者は、われわれマニラからの調査団の他に、受益者側として、プロジェクト管理のNGO(写真の説明している女性)と受益者の住民たちで、NGOのプロジェクト概要の説明の後に、皆でグループ・ディスカッションをおこないました。

写真説明 真ん中、右:

ローカルコンサルタント(私の助手?)が、プロジェクト受益者にインタヴューをおこなっています。これはセッションが終わった後の雑談なのですが、結構、このようなフリートーキングの雑談が大きな発見?につながることもあります。

ではでは^^?

しばやんさん

そうですね。RRA調査に限らず、普通のマーケティング調査の際でもそうですが、僕もレンタルした車のドライバーにいろいろ訊きますよ。というより、僕らが調査しているうちにドライバーのほうが興味を示し始めて、僕らの調査活動に参加しているといったほうが正確かもしれませんが……。

2次資料をあらかじめ精査しておくことは、RRAにおいても大切な作業ですが、僕は最近になってこの原則に逆らって調査をするようになりました(笑)。

フィールドワークの現場に赴く段階では予備知識をなるべく持たずに出かけるようにし、そこで発見した事実や見聞にもとづいて後から2次資料で肉付けするというスタイルです。

もちろん、このスタイルには一長一短があるのですが、僕は現場で「あらかじめ2次資料から仕入れておいた自分の知識を現地で確認する」のではなくて、現場で自分の五感を働かせて実感すること、そこから得られる「発見」の喜びとワクワクするような興奮のプロセスを大切にしたいと考えています。

そういうワクワク感があると、報告書にまとめる際にそのワクワク感が文字を通じて表現され、その報告書を読んだ読者にも伝わるに違いありません。

読者が読んでいてワクワクするような報告書を書くためには、その筆者がまずそれを書くときにワクワクしながら書くことが必要条件だと僕は考えています。

2次資料の精査を事前にしておかないとフィールドワークの現場で取りこぼしが多くなるのではないかと思われるかもしれませんが、実際には(予備知識に囚われない)ピュアな好奇心が働くおかげで、むしろいろいろな情報を得ることができるようになるような気がします。

まあ、あまり他の人にお勧めすべき方法ではないかもしれませんが……。

河童のkantarrow

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