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生命倫理(Bioethics)コミュの米本昌平先生の講演

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こんにちは。最近参加しましたあゆこです。
活発な議論が交わされているところ、またまた新しいトピックで申し訳ありません(_ _)

昨日と今日、東京医科歯科大主催のオミックス医学についてのシンポジウムがあり、その中で生命倫理がご専門の米本昌平先生のお話がありましたので、ちょっと書いてみます。

「オミックス医学」とは聞きなれない言葉ですが、ゲノミクス、プロテオミクスなどを総称した造語のようです。

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お話の筋は次のようなことだったと思います。

生命倫理に関して、アメリカは個人の自己責任、自己決定権を基準にし、EU(特にフランス)は普遍的な人間の尊厳、人権の問題を基準にしてそれぞれの立場を明らかにしている。この状況の中に、これら先進国のような生命倫理に関する基盤を共有しない一部のアジアの国々が突出する形で参入してきている。こうした中で日本は「なにも考えてない」。

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生命倫理について、私は「医の倫理」といわゆる「バイオエシックス」(クローンやGM作物、ES細胞の話です)は、なにか土俵が違うんじゃないか、という気がしていました。
しかし米本先生のお話から考えて、この2つは歴史的な流れの中で位置づけることができそうです。

長くなったのでいったんきります。

あゆこ

コメント(4)

あゆこです、続き。

もともと20世紀の生命倫理はナチズムに対する反省から始まったものだということです。こうしたことが二度とあってはならない、ということで、人体実験の禁止、非人道的な治験の禁止などが、ヘルシンキ宣言などに結実しました。ここからインフォームドコンセントなどの考え方が生まれました。

ここで、人体を利用するには本人の同意を得なければならないのであれば、受精卵はどうするのか、という問題が生じてくるようになりました。受精卵操作ができるようになったためです。クローンやES細胞の問題はこの線上にあります。
これらのものについては「本人の同意」だけでは不十分です。社会が介入しなければならない、社会としての規範を確立しなければならないという問題になりました。

ここで、アメリカは「個人の権利や自己決定権にゆだねるべきであり、国家の関与は最小限」、EUは「人権問題として国家が管理する事項である」という対照的な立場をとるにいたりました。この結果、アメリカでは人体ビジネスが確立するようになったのです。

ここに第3グループが人体部品の供給源として、または、ある意味では突出した技術によって参入するようになってきました。これらの国々は先進諸国のような認識を共有するわけではないので、こうしたことを「やりやすい」のです。ノーベル賞などの栄誉、特許を通じた経済的な利得が大きな駆動力となって。

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今後考えるべきことは、21世紀の生命倫理はなにを共通のレールとすべきか、ということです。20世紀の生命倫理は「歴史に対する反省」だったのですが、21世紀の生命倫理はゲノム解読後の倫理、です。
すでにゲノムが自動的、機械的に解読され、このレベルで生命操作ができるようになった、この大きな変化をパラダイムシフトとして認識し、研究、社会への応用の指針をたてていく必要があるのではないかということでした。
すみません、また長くなりましたので。。

私としては、EU型の「人間の尊厳」という基準が一番納得できるように思いました。

「お金」が原理となってはならない、と強く思います。お金や人の欲望が原動力となって技術を発展させてしまうのでは、人間はその奴隷になってしまう。
フランシス・フクヤマという学者はそれを「人間の終わり」という本に著しましたが、まさにそのとおり、「人間の終わり」だと思います。

ただ現状としては、新しい技術が開発されると他の国は浮き足だって「特許をとられる」「美味しいところをもっていかれる」と目の色かえているようにも感じられます。

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クローン人間での議論と重複するのかも知れませんが、科学それ自体の駆動力は「自然や生命の理解」というものであって、それ自体がいいものでも悪いものでもありません。むしろ知的探求自体はいいことです。

ただそれが技術となって社会に反映されようとするとき、その技術が社会や人間存在にとってどのような意味を持つのか、どのような影響をもたらすのか、を検証し、行きすぎたことに歯止めをかけるのが難しいのだと思います。

科学の内部にはそういう、自己を社会の中で位置づけるような原理はないと思うので、社会のほうで常に科学を「相対化」するようなメカニズムが必要なんじゃないかな、と思います。

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ちなみにこの講演は参加者の関心も非常に高く、質問に手を挙げる人も多かったのですが、時間がなくてとても残念でした。
私としても「科学者のコミュニティとしては社会からのフィードバックをどのように考えているのか」お聞きしたかったのですが。。

あゆこ
私は医療に関わっていませんがエンジニアの端くれとして、技術とは開発されればどのような形であれ社会に還元されるべきですし、還元されてしまいます(時に悪用という形で)。
しかし、その運用を行う前に、それがもたらす影響や悪用されかねない事案に対し考慮し、社会体制を整えるべきです。
クローンも同様で、一旦開発されれば、技術の運用を恐れ何もしていない間に悪用される可能性は非常に高いです。
開発された技術は、その意味や運用方法を考慮し適切に運用されなくてはいけません。
技術を恐れ、封印するような事は一番良くない事で、悪用される土壌を作るようなものです。
おそらく、クローン技術はもうすぐ完成します。
クローン技術は、正しく運用されれば、不妊や同性愛者やシングル等が子供を産む事が出来る、すばらしい技術です。
そして悪用されれば、何処までも悪用されてしまう悪魔の技術になってしまいます。
重要なのは、もうすぐ技術が完成する事、そして危険なのは日本は欧米に前習えで独自方針すら打ち出していない事です。
エイトさんこんばんは。
あゆこです。よろしくお願いします。
コメントありがとうございました。エンジニアでいらっしゃるんですね。私も技術に関わる仕事をしていますが、技術というものは絶えず社会からのフィードバックでチェックすべきものであると思っています。
どんなことでも内部に「それ自体を相対化する原理」があるというわけではないので。

技術は世の中に奉仕すべきであるというお考えには賛成です。技術の存在意義はそこにあると思います。ここは科学と技術が根本的に違うところですね。

科学の存在意義は「社会に奉仕すること」ではありませんから。知的な意味で奉仕しているとは言えるかも知れませんが。

>技術を恐れ、封印するような事は一番良くない事で、悪用される土壌を作るようなものです。

この点にも全面的に共感します。実際どういうものなのか、何を意味するのか、を理解し、是々非々という態度で臨まなくてはなりません。やみくもに「何でも反対」は子供のすることです。

たとえば環境破壊について「だから科学や技術はダメ」と否定するのはまったくナイーブです。結局環境を元に戻すのも技術でしかないということをはっきり認識すべきです。

>クローン技術は、正しく運用されれば、不妊や同性愛者やシングル等が子供を産む事が出来る、すばらしい技術です。

別トピックの内容をここで続けるようで、申し訳ありませんが、残念ながらこのご意見は、「運用する側」「クローンを作る側」の論理でしかないように思われます。
生まれさせられてしまう側の立場(変な日本語で申し訳ありません)をお考えになってみればお分かりになるのではないでしょうか。

それ以上に、「クローン人間」は人間の尊厳を土台から根こそぎにする技術だと思います。ただこの話題に私はあまり立ち入りたくないので、申し訳ありませんがここで。。

あゆこ

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