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ピアニスト小川典子コミュの小川典子の録音ー2 「第九」(ワーグナー編)

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ベートーヴェンの「第九」です。
しかもワーグナーがピアノ独奏用に編曲したもの。誰もが驚嘆する大変なヴィルトゥオジティ。殊に第一楽章から終楽章の声楽が入るまでの、凄絶且つ明晰なピアニズムに唖然とし、敬服するばかりです。

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ベートーヴェン(ワーグナー編曲)
交響曲第9番「合唱付」(ピアノ版)

演奏:小川典子 (ピアノ)
   (第4楽章のみ)
     緋田芳江 (ソプラノ)
     穴澤ゆう子 (アルト)
     桜田亮 (テノール)
     浦野智行 (バス)
     バッハ・コレギウム・ジャパン
     鈴木雅明 (指揮)
録音:1998年5月18/20日 響の森・桶川市民ホール
世界初録音(1998年9月リリース)
輸入盤:BIS CD-950
日本盤:キングインターナショナル KKCC-2277 (日本語解説書つき)
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一般に有名なリスト編曲版ではありません。リストの編曲はベートーヴェンを素材にしながら、ピアニスト・リストによるほぼ「リストの音楽」。リストのエキスパートでもある小川典子は、敢えてそれは採り上げなかった。その事情の一端が小川典子自身の口から語られています。
以下はライナーノートに付けられた小川典子の一文です。

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 『ベートーベンの第九交響曲という、いはばシンフォニーの最高峰に位置する大曲に関して、私がいまさら私が説明することは何も無い。
 ただ、演奏会には適さないワーグナー編ピアノ独奏版が、CDの中で初めて音となって再現されたことは、ピアノソロを担当した者として、大変嬉しく思っている。

 このワーグナー編曲版は、原曲スコアにかなり忠実に従っている。だから、それを演奏することで何かベートーヴェンの音楽に一歩踏み込めたような気がしている。

 例えばそのアヴァンギャルドぶりである。純粋なピアノ曲においては(10本の指で演奏するわけだから)、敢えてベートーヴェンの手によって省かれなければならなかった音が沢山ある筈だ。その点、ピアノ奏法を全く無視したワーグナー編曲版では、私はベートーヴェンの“不協和音”と前衛的な和声進行を自ら体験する運命となった。

 凝縮された苦しみ、葛藤から、歓喜の歌へと音楽を放った感動的な展開は、縦横に張り巡らされた意外性の音を辿ってこそ到達し得たものだったのではないか。

 自身がヴィルトゥオーゾ・ピアニストだったベートーヴェン、耳が不自由になってから書かれた荘厳な大作、ひょっとして彼の静かな耳の奥で響いていたのは、このピアノ版に近い音だったのではないか−−そんな勝手な想像をしはじめている。』(1998年 フィンランド・ラハティにて 小川典子)

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