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ドゥルーズ資料館コミュの『アンチ・オイディプス』抜粋

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第一章 欲望する諸機械
「<それ(注1)>は作動している。ときには流れるように、ときには時々止まりながら、いたる所で<それ>は作動している。<それ>は呼吸し、<それ>は熱を出し、<それ>は食べる。<それ>は大便をし、<それ>は肉体関係を結ぶ。にもかかわらず、これらを一まとめに総称して<それ>と呼んでしまったことは、なんたる誤りであ
ることか。いたるところでこれらは種々の諸機械なのである。…乳房は母乳を生産する機械であり、口はこの機械に連結されている機械である。食思欠損症の口は、いくつかの機械を前にしてためらっている機械である。すなわち、食べる機械であるのか、肛門機械であるのか、話す機械であるのか、呼吸する機械であるの
か(この場合には喘息の発作が起る(注2))を決めかねているのだ。」(市倉宏裕訳)

(注1)<それ>というのは、ドイツ語の<エス(=三人称単数の代名詞「それ」)>、つまり時に「リビドー」とも言い換えられる、無意識の欲望(=生のエネルギー)を指す。本当に動いている(=我々を動かしている)ものは、そうした欲望だという前提で、話は進んでいる。
(注2)ドゥルーズ自身喘息で苦しんでいたらしいから、これはよく解る比喩だ。

「欲望というものは機械であり、諸機械の総合であり、機械的<仕組み>である。―つまり欲望する諸機械である。欲望は生産の秩序に属しており、一切の生産は欲望する生産であるとともに社会的生産でもある。だからわれわれは精神分析がこの生産の秩序を押しつぶし、この秩序を表象の中へ押し戻したことを非難するので
ある。…〔精神分析のいう〕無意識はオイディプスを信じ、去勢を信じ、法律を信じている。」(同上)

(注)『アンチ・オイディプス』は、「資本主義と分裂症」の第一巻に当たる。第二巻が、『千のプラトー』である。マルクスとフロイトについて多少は知らないと、この辺りは解りにくい。「欲望」は抑えるべき悪いものと考えられることが多いが、しかしそれは「欲望」が「欠如」として他者へ向かう場合だ、本当の「欲
望」は、自分自身を生み出す創造的働きだ、とドゥルーズは言う。そうした欲望が動く歓喜の瞬間は、無数の高台(=千のプラトー)として持続する。

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