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歌舞伎コミュの七月大歌舞伎夜の部

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まず、二代目 市川猿翁丈
    四代目 市川猿之助丈
    九代目 市川中車丈  御襲名と
    五代目 市川團子丈  初舞台おめでとうございます。

昼の部は「ヤマトタケル」
夜の部「将軍江戸を去る」
     「口上」
     「黒塚」
     「楼門五三桐」 でした。
どうしても、黒塚が観たくって…チケット師匠にお願いしていただいて、とってもらいました。


「黒塚」…詳しく知りたい方はウィキペディア見てください。
奥州安達が原の鬼女(人喰い)の処に、高僧がやって来て一夜の宿をこう。
煩悩にまみれた老女でも、今からでも信心すれば、
必ず極楽往生できると聞かされ、よろこぶ鬼女。
山に薪を取ってくる間に、閨の内を必ず覗いてくれるなと言い残し、鬼女は庵を後にする。

高僧は覗こうなどという発想は持たないだが、同行した強力(いまでいうポーター)が閨をのぞくと
バラバラ死体の腕と足、それも数人分…
強力の狼狽ぶりに、山で出会った鬼女が、裏切られたと怒り狂う。


私は先代の黒塚、何度か拝見してますが、見どころはススキの原っぱで、鬼女が、
極楽往生がかなうと喜びを、少女のように、影あそびしながら表現するところ。
観ていて涙と共に、生きる勇気が湧いてくる、そんな名舞台でした。

新猿之助さんは、いつも思うのですが、衣装がシブい。
今回も、ちょっと地味、でも逆にはでかな…と思う色使い。

新猿之助さんの踊りを拝見していて、ふっとある茶道の心得が浮かびました。
「重い物は軽そうに、軽い物は重そうに扱いなさい」
というもの。

そう、新猿之助さんは身体がとっても軽い方なのです。
衣装の重さを感じさせません。
美を表現するには、必然と、踊るとき重力に身体をなじませる(ちょっと重そうにする)
まして老女の役だから。

先代の猿之助さんは病気になる前はがっしりとされた方。
重力に常に抗い、それを表面に出さないようにする。そんな感じ。

もう一つ、これは表現の立ちゆかない若者のあがき。
心やハラを表現仕切られない時どうするか。
完璧な間、型、動きを清廉なる心で表現し、ハラが宿るのを信じて待つ…、という感じでしょうか。

私も及ばずながら、修錬中です。

しかし、猿之助さん、すごい。
舞踊家はもちろん、歌舞伎役者さんでもそう稀に持っていない天性のバネがある方。
なんともうらやましい。


もう一点。
この「黒塚」
猿翁十種の中でも、特に重きを置かれる演し物ですが、上演の理由はそれだけではない気が…

舞台は奥州(東北地方)
そして舞台やや下手で照らされている松の木。
以前の上演ではあまり目立たなかったような…。
みればみるほど、あの大津波に倒れなかった奇跡の一本松に形が似ているんです。
もしかして、襲名にあたり、被災された方々への鎮魂とエールかな?
なんて勝手に想像しておりました。

御一門の御繁栄をファンとして心より応援する次第です。

コメント(1)

とても詳しく素晴らしい劇評ありがとうございます。僕も学生時代中学でしたでしょうか 先代猿之助さんの黒塚を観て衝撃を受けました。その時の照明が月あかりに一本の松に影が何本にもなって映り違和感を感じました。右近さんの黒塚も拝見し今回三人目の猿之助さんの黒塚でした。

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