歴史　ちょっといい話コミュの徳川秀忠

言わずと知れた徳川二代将軍である。

秀忠といえば、なんといっても、関ヶ原への遅刻

４万近い徳川の主力軍を関ヶ原に送れなかったわけだから、これはたいそうな失態である。

家康は、優秀な子どもに恵まれていた。

長男信康は、武勇に秀で、合戦では殿を務めるほどの実力者

次男秀康も、九州征伐、朝鮮出兵などで活躍し、天下人秀吉からも評価されていた。

四男忠吉も、島津豊久を討ち取るなどの武功を上げている。

一方で、秀忠といえば、関ヶ原においてもこの有様で、また、性格が穏やかで、真面目。

あまりの律儀ぶりに、家臣の本多正信からも「たまにはホラも吹きなされ」とたしなまれる一幕もあった。

ただ、こんな秀忠の人柄を認める人物がいた。他ならぬ、父家康である。

後に戦上手と言われる家康だが、若かりし頃、秀忠と同じような過ちを犯していた。三方原において、武田信玄の誘いにまんまと乗せられ、大敗を喫し九死に一生を得た経験があるからだ。

家康としては、ここで信玄に挑んでも、勝てないことはわかっていた。しかし、大将たるもの、城に閉じこもり、敵に背後を見せつけ去ってゆく信玄を追いかけないのは恥だと感じたからだ。

そして、上田合戦において、秀忠もまさに、この境遇だった。小勢の真田に小馬鹿にされても、それを無視して中山道を進むことはできなかったのである。

　家康の六男に忠輝というのがいる。妻が五郎八姫と言って、父が伊達政宗だった。旗本が忠輝に無礼を働き、忠輝は旗本を斬り殺したことがあった。忠輝のほうが偉いわけだから、家臣を斬りつけても問題はないのだが、、、。

　この知らせを聞いた家康は、「秀忠なら堪えただろう」と、嘆いたそうだ。

父譲りの、我慢強さと律儀さを兼ね備えた、二代将軍将軍秀忠。

戦国武将好きの人たちであっても、秀忠を小馬鹿にする連中は多いが、私は、そんな秀忠こそが、家康の次に好きな将軍だったりもする。