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生活保護者の集いコミュの生活保護当事者への弾圧がついに始まった!? “不正受給”の疑いで行われた家宅捜索の中身

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生活保護のリアル みわよしこ ダイヤモンドオンライン
http://diamond.jp/articles/-/42223

2013年9月12日、「全大阪生活と健康を守る会連合会」および「淀川生活と健康を守る会」事務局等6ヵ所に対し、大阪府警による家宅捜索が行われた。理由は、1人の女性の生活保護費不正受給であった。ちなみにこの日は、9月17日に予定されていた生活保護基準引き下げに対する一斉審査請求の5日前であった。

今回は、この家宅捜索についてレポートする。なぜ、このタイミングで、生活保護費不正受給を理由とした家宅捜索が行われたのであろうか?

「会員の生活保護法違反」を理由とする
市民団体への家宅捜索

 2013年9月12日午前10時、「全大阪生活と健康を守る会連合会(大生連)」および「淀川生活と健康を守る会(淀川生健会)」事務局など6ヵ所に対し、大阪府警が家宅捜索を行った。理由は、淀川生健会の女性会員が生活保護法に違反したことであった。このことは、一部メディアで以下のように報道されている(容疑者とされている女性会員の氏名はイニシャルとした)。

生活保護費:58万円を不正受給の疑い 大阪・淀川の女逮捕――府警 /大阪
毎日新聞 2013年09月13日 地方版
 収入があるのに生活保護費約58万円を不正受給したとして、府警警備部は12日、飲食店アルバイト、S容疑者(32)=大阪市淀川区=を生活保護法違反の疑いで逮捕した。逮捕容疑は昨年3?6月、ラウンジでアルバイトしていることを隠し、保護費約58万円を受給したとしている。容疑を認めている。
 府警によると、S容疑者が2012年6月に淀川区に保護費を申請した際、同区の福祉団体「淀川生活と健康を守る会」の幹部が同席していた。府警は12日、関係先として同会など計6カ所を家宅捜索し、詳しい経緯を調べている。

 記事を一読するだけでも、いくつかの疑問を感じる。この記事から読み取れるのは、

「容疑を認めている女性Sさんを逮捕し、逮捕と同日に家宅捜索を行った」

 である。家宅捜索によって証拠を確認した後での逮捕でもなければ、逮捕して取り調べが行われた結果、自白などの内容を確認する必要が発生して家宅捜索が行われたわけでもなさそうだ。何が起こっていたのか、この記事だけでは良く分からない。ちなみに、大生連・淀川生健会以外の家宅捜索先4ヵ所は、明らかにされていない。

 現在までに判明しているところでは、女性の生活保護法違反は初めてであったという。ちなみにこれまでは、初犯かつ金額が100万円以下の場合、78条返還(不正受給としての生活保護費返還)が適用されてきた。いきなり逮捕されることはなかった。

*管理者注:よくあります。みわさんの認識不足です。

突然の家宅捜索


大生連会長・大口耕吉郎氏。深刻な話題を話す時、厳しい表情は浮かべつつも、温厚な態度を崩さない
Photo by Yoshiko Miwa
 大生連会長の大口耕吉郎氏によると、同日の様子は以下のとおりである。

「その日、私と事務局次長は、会議のため、不在だったんです。事務所にいたのは、事務局長1人だけでした。そこに、午前10時、刑事たちがやってきました」

 刑事たちは、女性の不正受給の件とは関係のない資料を持って行こうとしたので、事務局長は

「これは、不正受給と関係ありません」

 と主張したが、押収された。

 刑事たちが押収したものは、生活保護制度に関する一般的な手引や、学習会資料など、どう考えても生活保護法違反と結びつけることが不可能なものばかりであった。生活保護基準引き下げの審査請求に関する資料も含まれていた。

 逮捕されたSさんと淀川生健会の関係は、

「2013年6月、Sさんが生活保護を申請する際に、淀川生健会の事務局長が同行した」

 のみである。

 ちなみに、家宅捜索が行われた9月12日の5日後である9月17日には、生活保護基準引き下げに反対する全国一斉審査請求が予定されていた。大阪府も含め、全国22都道府県において、審査請求は予定通りに行われた(前回参照)。なお、2013年9月26日現在、審査請求を行った生活保護当事者の総数は、1万人を突破している。

文字通り「生活と健康を守る」
生健会の日常

 全国各地に存在する「生活と健康を守る会(生健会)」は、1954年に設立された。当時のモットーは「仕事と生活と医療の保障」。当時の主要な活動は「保育所入所」「公営住宅の建設と入居」「安価な入院助産の実施」であった。

 生健会は生活保護問題に関して注目を受けることが多いけれども、生活保護だけを守備範囲としているわけではない。各地の生健会を取りまとめる「全国生活と健康を守る会連合会」によれば、活動の範囲は、

・子どものためのイベント
・育児支援
・生活を支える各種制度の活用・改善・新設
・健康維持・増進を支える(健康診断・健康相談会など)
・地域環境の改善(道路整備、信号機等の設置、公営住宅の修繕やバリアフリー化)
・日常的なコミュニティ活動(誕生会・お見舞い・産直活動・バザーなど)
・文化・レクリエーションの充実
・共同墓地建設
・墓参

 と、極めて幅広い。

大口氏によれば、会員には相当数の生活保護当事者や、各種減免申請を行っている世帯が含まれている。税金の自主申告運動も、生健会の中心となる活動の一つである。税と生活保護は密接に関係しており、いずれも国民生活の基盤である。生健会は、その両方から生活を支える活動を行っている。「生活と健康を守る」という目的から見て、極めて自然なことであろう。


大生連事務所(大阪府西区)。20人程度が集まって集会や会議を催すこともできる、広いスペースが特徴的だ

 ちなみに生健会は、「共産党の支持団体」「共産党から資金を受けている団体」と見られていることが多い。この点に関して、大口氏は、

「そうではありません。生活と健康を守る会は会員の政党支持の自由を保障しています。私たちは会員の一致する要求で連帯して、その実現のために運動している市民団体です」

 という。しかし生健会に関しては、選挙での協力が取りざたされることも多い。そこは、どうなのだろうか?

「政党選挙、たとえば総選挙や参議院選挙、地方選挙では、繰り返しますが、会員の政党支持の自由を保障し、会ぐるみで応援することはありません。一方、知事選挙や市長選挙で多くの団体や政党が支持して応援する場合があります。私たちは、その候補の政策が私たちの要求と一致すれば、党派を越えて応援しています。また、政党と協力する基準は、その政党が『社会保障について、これまで何をやってきたか』です。私たちは、協力できる政党と協力します」(大口氏)


引用者注;協力できる政党は「共産党」しかない。それは、彼らが、共産党の言うことを聞く組織だからだ。


淀川生健会の家宅捜索は
どのように行われたか

 9月12日の家宅捜索に、話を戻す。

 前述のとおり、同日、淀川生健会事務所にも家宅捜索が行われた。同じ午前10時のことであった。

 家宅捜索は、事務局員と淀川生健会顧問2名の立ち会いのもとで行われた。

 大口氏は、この一連の家宅捜索について、

「今後の対応については、顧問弁護士と相談して、法的手段も含めて検討中です」

 という。

 生健会が家宅捜索を受けたのは、今回が初めてではない。

 2013年2月14日、淀川生健会事務所に対し、家宅捜索が行われた。理由は、9月12日と同様、会員の生活保護法違反であった。この会員は、大阪市の繁華街で飲食店を経営していたが、自営業での収入があることを隠して生活保護を申請し、逮捕された。

申請時には、淀川生健会の事務局長が同行していた。本人からの依頼を受けて申請に同行しただけで、不正受給に関与しているわけではない。申請に同行するのは、そうしなくては水際作戦が懸念されるからである。生活保護の申請を決意する人々のほとんどは、まぎれもなく困窮状態にある。

 逮捕された会員は、

「腰を痛めて働けなくなった」

 と、淀川生健会に相談したという。それで、申請への同行が行われた。生存権を守るためには、必要なのに生活保護を利用できない状況へとつながるリスクは避ける必要がある。

「ちなみに、2月の家宅捜索のとき、警察と一緒に、マスコミがいっぱい来てたんです。警察がリークしたんでしょうね」(大口氏)

 9月12日の家宅捜索の際には、大生連にはマスメディアは来なかったそうだ。

 2月14日の家宅捜索の対象となったのは、生健会関連では、淀川生健会事務所だけであった。府内の生健会を取りまとめる立場である大生連は対象とならなかった。大生連は、各会員への支援活動を直接行っているわけではないからだ。

「会員が生活保護法に違反した」という理由で、単に申請同行などを行ったにすぎない生健会への家宅捜索が行われるようになったのは、大口氏によれば「今年になってから」ということだ。それ以前には、まったくなかったという。ちなみにその直前である2013年1月には、生活保護制度の見直しに向けた政府の動きが活発化し、生活保護基準の見直し(引き下げ)方針が明らかにされている。ここで、政府の意図を勘ぐらずにいることは、筆者には難しい。

 では、会員の不正受給について、大口氏はどう考えているだろうか?

疑いや厳罰化で
不正受給はなくせない


大生連事務所にて。生活保護に関する数多くのファイルがある


「まず、はじめに言っておきたいことは『不正受給』は絶対にやってはいけないことだということです。『不正受給』で逮捕されるケースは、3つあります。不正受給とされる行為に対して福祉事務所に指導を受け、従わなかった場合。何度も繰り返された場合。それから貧困ビジネスです。

 今回のように初犯で、しかも金額も比較的少ないケースで逮捕されることは、過去にはありませんでした。これまでは『不正受給』は生活保護法78条で対応されていました。全額返還です。よほど悪質でないと、福祉事務所も刑事告発をしませんでした。2010年度の大阪市の『不正受給』件数は保護世帯比で約2%です。このうち告訴件数は16件で、検挙が6件です。

『不正受給』をした中には保護開始時に権利と義務のことを知らされていなかったために、『やってしまった』というのもありました。しかし、もちろん貧困ビジネスなどの悪質なものに限っては、きっちり対応すべきです」(大口氏)

 何よりも「不正受給をしてしまった会員に迷惑をかけられた」と言える立場にあるのは、大生連・淀川生健会であるはずだ。

「繰り返しますが、不正受給は絶対にしてはいけないことです。しかし、厳罰化では、不正受給の問題は解決できません」(大口氏)

 生健会の調査では、大阪府内のある市で「不正受給」とされた103件のうち20件が高校生のアルバイトであった。

「ケースワーカーが、例えば、高校生の場合、未成年者控除、勤労者控除、クラブ活動の費用は経費と認められ、『これだけの収入なら保護費から収入認定されないよ』と説明していたら、申告していたはずです。ケースワーカーの教示義務違反です」(大口氏)

 生健会は、高校生の「不正受給」のうち2件について審査請求を行い、その判断を覆すことができた。

「そのままでは、その子の人生に、汚点がついてしまいますから」(大口氏)

 大口氏は、「不正受給への切り札」とされている福祉事務所への警察OBの配置に対して、どう考えているだろうか? 

「繰り返しますが、不実の手段で不正をした場合は、生活保護法78条で全額返還させればいいのです、それをすべて安易な刑事告発に繋げていくのは生活保護法の精神からも逸脱しています。警察OBの『まず疑う』という態度は、福祉の心の対極にあります。ケースワーカーと当事者の信頼関係が崩れてしまいます」(大口氏)

 しかし現在、既に、警察に「弾圧」を受けているに近い状況である。

「不当な弾圧に対しては、全会員の力ではね返していきます。これから、社会保障全般にわたる改悪が予定されています。生活保護改悪を突破口として、年金・医療・保育・国民健康保険・介護などの改悪です。消費税も上がります。このままでは、餓死や孤立死も多発するでしょう。そうならないように、生活保護をはじめとする社会保障の改善・拡充の運動を強めたい。生活保護関連だけではなく、多くの人たちと連帯して、連携していきたいです」(大口氏)

(生健会の言う「多くの人たち」というのは、共産党支持者を指す)

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