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ワインをもっと楽しみたいコミュのボルドー2008

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Qさんの視点(12)

「ボルドー2008年」

 ボルドーワインを最近買いましたか、と聞くと、買ってません、という答が普通です。この1年半、つまり05年が出てから、ずっとそうです。皆さん、ボルドーのことは忘れてしまったのかと思うぐらいです。
 収穫前から世紀のヴィンテージと言われ、投機マネーが流入したのか、異常な値をつけた2005年。前年の3倍、4倍といった価格には呆れてしまいましたね。そのあと質的に劣るにもかかわらずあまり値が下がらなかった2006年を目の前にして、もういいや、と思ってしまいましたね。これから、こういう状況だというのにそれほど値が下がらないもうひとつの並質のヴィンテージ、2007年が来るわけです。為替の関係もあってそういう値をつけざるを得ない業者さんは可哀想だと思いますが、愛好家の立場からすれば、やっぱりボルドーは買わないという判断は間違いではないのです。
 あるシャトーのオーナーも、自虐的に、「07年はチャーミングでおいしいし、決して悪くはないけど、問題は値段が高すぎたってことだ」と言ってました。ボルドーワインで有名な輸入元の社長は、「とにかく高すぎるから、日本の消費者がボルドーを買わないのは正しい行動だ。ロワールとかラングドックとかを買うのは当然だ。それだけ市場が成熟して、ものがわかってきたということ」と言ってました。サンテミリオンのショップのオーナーも、店内に売れ残る異常に高価な05年のワインを恨めしげに見ながら、「こんな価格にしやがって、いったい誰が買うんだ。我々地元の人間だってボルドーを飲むならロワールを飲む。同じぐらいおいしくて値段は4分の1だ」。フランスは仕入れ価格以下で売ってはいけないので、まったく売れないからといって叩き売りすることもできず、大変です。
 しかし、2008年の左岸には、買うに値する品質のものがそれなりに多くあります。タンニン、酸ともに堅牢かつ行儀がよく、風味に透明感があり、凝縮度が十分に高いのに、すっきりとした抜けのよさがあるからです。古典的な左岸が好きな人にぴったりなヴィンテージです。私は86年や88年や96年のもつあの固くて細かい味が好きなので、久しぶりにそれを感じられた08年は、もちろん好きです。
 08年は夏が天候不順でしたが、秋になって好天が続きました。その好天の恩恵を受けたのは、収穫の遅いカベルネ・ソーヴィニヨンです。メルロ、特に収穫の早い温暖な場所のメルロは悪い出来だと思います。知る限り唯一の例外はオー・ブリオンで、これは何か奇跡がおきたとしか言いようがありません。ところが皆さんも知っている某著名な評論家の評価を見ると、そうでもありません。そこで直接会った時に聞いてみました。「天候を見ても、08年は明らかにカベルネの年ですよね。」 「当然でしょう。」 「でもあなたはポムロールを最高だと言ってますよね。」 「ああ、実はポムロールをテイスティングしたのは私ではないんだ。彼がいいと言うからそう掲載されているだけで、自分としては。。。。」 「そりゃいかんでしょう」。
 プリムールで買うのもいいとは思いますが、私は買うとしても必要なのは数本なので、プリムールを利用したことはありません。でも、オー・ブリオン、ムートン、モンローズは、お金があれば、リリースされた時に買いたいと思います。この3つは本当に傑作でした。
 08年が現実的な価格で市場に出てきた時には、是非飲んで見てください。2,3年のブランクのあとに08年の左岸ボルドーを飲むと、ボルドーのよさを再認識させられることでしょう。私も何日か前、久しぶりにそれなりの格の左岸の05年(なんだかんだ言って、おいしいです!)を飲んでみたら、誠実で、しっかりとして、華美な部分がなく、アルコールも高すぎず、後味がスッキリとしていて、やっぱりいいな、と、心底思いました。ボルドーにお灸をすえるのはいいことですが、忘れ去ってしまうのは間違っています。
 

コメント(2)

08は左岸ですか!ボルドーワイングラスはそれにしても値段が高い印象を拭えないため、改めて05に注目してみます。

良質なヴィンテージ05の良さを確認してみたいです。

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