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賢者への道コミュの哲人

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哲人に学ぼう!!

 
尊敬する哲人・中村天風氏は1876年7月30日生まれで、
1919年、今までの一切の社会的地位を放棄して
単身「統一哲医学会(現天風会)」を創設する。

原敬(首相)を始め、政界・財界の有力者が次々と入会する。
その後、活動を全国に展開して受講者は、時の有名人から、
皇族・芸術家・科学者・実業家・学生まであらゆる階層に広がる。

今でも私の頭から離れない話がある。
それが「カントと天風先生」の話である。
天風先生の講演にはカントの話がよく出てくる。

カントはドイツの片田舎の山奥の蹄鉄屋の息子に生まれ、
生まれながらにして背が曲がり、
その上喘息持ちという気の毒な身の上であったようだ。

山奥の無医村であるから、治療をする術もなく、
親もそばでただカントが苦しむのを見ているだけであった。
ある時、遠い町から医者が来るというので両親は
その医者のところまでカントを行かせたのだった。

そしてこの医者がカントを診て言ったことに、
「おまえの病苦を少なくするのに一つだけ方法があるかもしれない」と、
「お前の体は確かに病気だけど、お前の心は病気ではない、
心まで病気にしてはいけない、体の苦しいことも痛いことも
今日から一切口に出さないようにしなさい。
口に出しても苦しみが減るものでもない。
口に出せば両親もさぞ辛いだろう」と、この心の強さで
病気を克服することがおまえが助かることの一つなのだ、
とカントを諭すのである。

なんと愛情深い言葉だろうか。
これがプロの医者のプロたる言葉というものではないだろうか。

そして家に帰ったカントは何を思ってか囲炉裏の端に座り、
夜がきても黙っているのだった。
そんな息子に父親が「今日は苦しくないのかい」と尋ねる。

するとカントは「苦しいが辛抱できる」と返事をするのだった。
それからカントは苦しいと1度も言わなくなったのである。
これまた、このカント患者もプロである。

この偉大な哲学者のカント、そしてカントの話をするたびに
そのカントに自分を符号させて涙する天風先生、
そして天風先生の講演でこの話に共鳴し、
カントという哲学者を偲ぶ受講者たち。

今という瞬間に時空を越えて同じ息使いを
少しでも感じたいと、カントに思いを馳せる。
それは、心の波の幅が大きければ大きいほど波が波を自然に運んでいく。
      
全く繋がりを見出せないようなところまでも、
その波は同じ波として波及していく。
時間を超え、国境を越え、文化を簡単にどこまでも超越していく。

哲人の生き方は、私たちの生き方に問いかけてくる。
生き方には時代の陳腐化は無く、普遍性を感じる。
少しでも哲人の生き方や考え方に学びたいものである。

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