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けんのじのさきちな小説コミュのさき☆ちな 第15話 お昼の休憩時間

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翌朝。やっぱり桃子は学校に来ていなかった。
お昼休みのお弁当も3人だけだとやっぱり寂しい。

「ねーねー、佐紀ちゃん昨日ももの家に行ってきたんでしょ?」

2Lのペットボトルに入れて持ってきている特製きなこ牛乳を飲みながら舞美が喋る。

「う・・・うん。」

「どうだったのよ桃は。ん?ん?んー?」

お弁当の枝豆ご飯を食べながらえりかがニヤニヤしている。

「ど・・・どうって・・・普通に風邪ひいてて・・・。」

「いやいや。佐紀ちゃんの事が大好きなもも。
風邪をひいて弱っているところに大好きな佐紀ちゃんが来る。
家には誰もいない。二人っきりの密室・・・。」

口にご飯を入れたまま喋るえりか。
ほっぺたが膨らんでリスみたい・・・。

「ちょ・・・ももとはそんなんじゃないってばっ!」

赤くなる佐紀。

「んー?んー?ちょーっと舞美さん聞きましたぁ?
『ももとは』っておっしゃってますよぉ?てことは・・・
別の娘ですかぁ?」

すごくいじわるな表情のえりか。
もともと美人だからよけいにいじわるに見えるよ・・・。

「なになに、佐紀ちゃん彼氏できたの?!」

口の端からきなこ牛乳を垂らしながら舞美が会話に参加してくる。

「ち・・・ちがっ・・・。」

「いやいやいや、佐紀ちゃんカレシじゃないんだよねー。
彼女なんだよねー。うふふー♪」

「ばっ・・・えりっ・・・。」

「えー!マジで?誰?誰?誰?うちらの知ってる人?」

「うう・・・えりのばかぁ・・・。」

「いいじゃんいいじゃん♪白状しちゃいなよ。」

無責任に笑うえりか・・・。

「・・・絶対言いたくない・・・。」

「じゃぁウチが好きな人言ったら佐紀ちゃんも言うね?」

「そんな・・・。」

「ウチの好きな人は・・・」

えりかが舞美をちらっと見る。

「舞美!」

赤くなるえりか。

「しっ・・・知ってたよ?」

同じく少し赤くなる舞美。

「私もえりの事好きだよ・・・可愛いもん。」

「そんな・・・舞美の方が可愛いよ・・・。」

「・・・えり・・・。」

「・・・まいみ・・・。」

「もー二人とも教室の中で何やってんのよ・・・。」

つられて赤くなる佐紀。

「佐紀ちゃんの好きな子って?同じ学校?」

えりかがずいっと顔を寄せてくる。
ちょっと・・・近いよ・・・。

「え・・・うーん・・・。うん。」


「おー!てことはウチらも知ってる子かも!」

興味深々のえりか。にやにやしながら見ている舞美。

「佐紀ちゃぁん・・・女子サッカー部の子でしょ・・・。」

ペットボトルをぐいっと煽りながら舞美が目を細める。

「ばっ・・・なっ・・・なんでっ・・・!」

核心を突かれて慌てる佐紀。

「だってさぁ。私が陸上部の練習してるといつも校庭の隅の階段に腰掛けててさぁ、サッカー部の練習見てたじゃん♪」

「あばっ・・・そっ・・・それ・・・は・・・。」

「しかもさぁ・・・2年生のあの色の黒くてショートヘアの細くて脚の長い子・・・あの子がシュート決めるとさぁ・・・。」

「なになに、決めると?」

えりかが興奮している。意地悪な目の舞美。
真っ赤になって俯く佐紀。

「やけにかわい〜くさぁ、胸の前で拳を握り締めて『やったっ!』って顔してんのー!」

わざと目をぱっちり開けて佐紀のまねをする舞美。

「いや〜ん可愛い佐紀ちゃぁん!」

えりかが佐紀に抱きつく。恥ずかしすぎて涙目になる佐紀。

でも・・・
なんとなく嬉しいようなくすぐったいような・・・変な感じ・・・

「ねねねね、名前はなんていうの?」

えりかが佐紀の頬を両手で挟みながら聞いてくる。
タコさんみたいな口になる・・・。

「・・・ちぃ・・・。」

「んまー!ちょーっと舞美さん聞きましたぁ?『ちぃ』ですってよぉ?随分とあまーい呼び方ですわねっ♪」

「だって・・・えりかが顔押さえてるからちゃんと喋れなくて・・・。」

「言い訳無用!で、フルネームは?」

舞美もすごい意地悪な顔してる・・・。

「・・・千奈美・・・徳永千奈美・・・。もぉー!やだぁー!」

真っ赤な顔を両手で隠す。

「さーきちゃんっ。手で隠したってニヤけてんのバレてんだよぉ。」

舞美が佐紀の腕をつかんで顔から引き剥がす。
すごい力・・・。

「さて。ご飯も食べ終わったことだし。行きますか!」

えりかが立ち上がる。

「ど・・・どこに行くの・・・?」

少し潤んだ目で上目遣いにえりかを見上げる佐紀。

「そんなの決まってんじゃん。さぁ、2年生の教室に見に行くよー!」

舞美が佐紀の腕を引っ張る。




千奈美は朝から憂鬱だった。

みや・・・どうしたんだろう・・・
なんで私にばかりあんなに冷たく当たるんだろう・・・。

私・・・何かしたかな・・・。

話しかけようとすると凄く怖い顔で睨むし・・・

ぐすっ・・・。

「おはよー。」

教室に入ると数人の生徒が雑談していた。
みんな口々に挨拶を返してくれる。千奈美はある席に目を向ける。

みや・・・来てる・・・。おずおずと近づき挨拶をしてみる。
手が震えてくる。声が上擦って少し震える・・・。

「みや・・・おはよ・・・。」

座ったまま千奈美の顔を見上げる雅。
にっこり笑ってるけど目が笑ってない・・・。

「お・は・よ!千奈美。」

雅の目力は強い。
また目を離すことができず少し涙目になる・・・。

雅がスッと立ち上がり歩き出す。
すれ違いざまに小さい声でボソッと千奈美に・・・。

「負けないからね・・・
ウチの方がずっと前から好きだったんだから!」

「え・・・。」

どういう事・・・?
まさか私と佐紀ちゃんの事知ってるの・・・?
まさかももが・・・?
どうしよう・・・なんだかわからなくなってきちゃったよう・・・。

当然授業に身が入るはずもなく、千奈美はずっとルーズリーフに落
書きばかりしていた。

佐紀。さき。サキ。saki。佐紀の似顔絵を描く。
横に自分の顔も描く。体を描いて手を繋がせてみる。
並んで座っているところ。一緒にサッカーしているところ。
一緒に布団に入っているところ。キスしているところ・・・。

そこまで描くと急に恥ずかしくなって消しゴムで消した。
雅を見ると何もなかったかのように普通に授業を受けている。

それより・・・今日は佐紀ちゃんとお買い物に行くんだもん。
ちゃんと計画練らなきゃ。もう買うものは決めてある。
そんなに高いものじゃないけど、自分がよく行くスポーツ用品店の
近くに出ている露天のアクセサリー屋さんで見つけたリング。
シルバー製の、ちっちゃいお魚の模様のあるリング。
店のお兄さんに頼んで二つ取っておいてもらっている。
喜んでくれるかなぁ・・・。おそろいとか嫌がらないかなぁ・・・。

お昼ごはんをいつもの仲間たちと食べ、持ってきていた麦茶を飲み
干すと千奈美は携帯を取り出した。

『ねーねー佐紀ちゃん、何時にどこで待ち合わせにする?
校門の前?思い切って・・・教室まで行っちゃおっかな・・・*><*』

送信・・・。

教室にはまばらにしか生徒がいない。
みんな天気が良いので外に出たり屋上や中庭に移動しているみたい
だ。千奈美は椅子に寄りかかって天井を向き、ふぅと息を吐く。

すると・・・近くで聞き覚えのある着信音が聞こえた。
廊下から聞こえてきたな・・・佐紀ちゃんの携帯と一緒の音だ・・・。

まさか!

がばっと振り向くと・・・佐紀が背の高い美人の二人組みに『捕ら
えられた宇宙人』みたいにされて立っていた。

「さっ・・・佐紀ちゃん・・・!?」

「ねーねー舞美ぃー、どの子よ?」

「ほら、いまこっち向いた窓際の席の子だよ。」

「おほほ。なかなか可愛い子じゃぁあーりませんか。
ねー、佐紀ちゃぁん?」

「うう・・・ちぃ・・・ごめぇん・・・。」

千奈美は慌てて立ち上がり3人の前に立つ。

「さ・・・佐紀ちゃん・・・何してんの・・・?」

「あら、あなたが千奈美さんね?私たち清水佐紀さんの仲良し、
梅田えりかと・・・。」

「矢島・・・舞美先輩・・・ですよね・・・。」

「あ、ウチの事知ってたの?」
「ええ、いつも部活中グラウンドで見かけてたし・・・
有名ですもん。」

「あらま光栄だわ。」

「えーと・・・これは・・・一体どの様な状況で・・・。」

「ちぃ・・・あのね、話の流れでね、」

えりかがずいっと前に出て千奈美の耳元で囁く。

「ウチラは二人の味方だよっ。」
「別に女の子同士だっていいじゃん♪」
「内緒だけど、私と舞美も・・・。」

「ええっ!そうだったんですか?」

千奈美は驚いて両手を口に当てる。
確かに舞美先輩は美人だしさばさばしてるし、女子からの人気も
高かったけど・・・。

「でも舞美は奥手だからなかなか先に進めないんだけどね♪」

えりかがウインクする。

「ところで佐紀ちゃん、いまのメールってもしかして・・・。」

舞美が佐紀の携帯を取り上げて開く。

「ちょっと!だめ!見ないでぇ!」

佐紀は取り返そうとするが手が届かない。

「わかったわかった。はい。」

手に取った佐紀は体を丸めて隠すようにメールの確認をする。
が、舞美とえりかはなんの苦もなく上から覗き込める。

「ほほぅ。『♡ちぃ♡』ですかぁ・・・。」

「おっ。今日一緒に帰るんだ♪」

えりかが千奈美に近寄ってまた囁く。

「終わったらさ、ウチの教室に来なよ。途中まで一緒に帰ろ?」

「えりぃ、それは二人に悪いよ。」

「だめかなぁ・・・。」

「わ・・・私は別に・・・いいですよ・・・?」

千奈美はなんだかこの美人の二人組の先輩が急に近くなったような
気がして嬉しかった。

「佐紀ちゃんは・・・?」

舞美が佐紀の顔を覗き込む。
なんだか少し済まなそうな顔してる・・・。

「私は・・・ちぃ・・・千奈美がいいなら・・・。」

「よしっ!じゃあ決まりだねっ♪」

「じゃっ!後ほどっ!」

3人は並んで話をしながら帰って行った。
しばらく見送って、なんとなく照れ笑いをしながら教室に入る
と・・・。
雅がじっとこちらを見て立っていた。
雅は口をへの字にして目にうっすらと涙を浮かべて立っていた。
なにかを必死に堪えるように・・・。

「みっ・・・みや・・・。」

コメント(10)

佐紀ちゃん強奪を企てる雅ちゃん怖ぃゅ
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

梅さんのキャラが・・・(ノ∀`)アチャー
そうか・・・・・・Dマガ10でみやが千奈美にキレたのはそういうことなのか・・・・・・
と妄想を膨らませてみる僕www

奥手な舞美さん・・・・・・先へ進めないって・・・・・・えりかさんったら♪(*´Д`*)ポワワ
>編集長

雅ちゃんも奥手ってキャラにしてみようかとw
俺の中では梅さんはこんな感じのキャラなんです♪

>はろちゅーさん

多分マジな話で佐紀ちゃんを千奈美に取られて面白くないんじゃないかとw
実生活で実際に二人でよく食べに行くもんじゃ焼き屋さんが知りたいです><*
舞美が痛すぎる件(*´д`*)ハァ
さきちゃんはドMということでいいですか?
>ヒロキさん

基本的に自分がMなんで佐紀ちゃんになりたい自分としてはやっぱりかぶせてしまうわけで・・・从*´艸`)

さて。雅ちゃんをどう動かそうかな・・・。
相変わらず梨沙子が干されている件(´・ω・`)



でも、ストーリー展開に無理があるなら出さなくてもいいと思うのw
梨沙子かぁ・・・・・・

同級生的にくまぁずって思ってたから、舞美&えりかで「こっちかぁ〜〜〜(笑」って面白かったし、無理に梨沙子絡ませるのもなぁ・・・
傷心の桃の存在もあるしねぇ・・・・・・

とり、今は雅の行動に注目かな♪
>だんける

痛い・・・ここにもこんなに痛いヲタが・・・(ノ∀`)

>チーフ

傷心の雅ちゃんにりさこのあまーいちゅぅかなんかを絡ませようと思うんですが(*´д`)ハァハァ

>はろちゅーさん

予定としては「くまぁず」「りしゃみや」「やじうめ」「まいまいちっぺ」「あいりとかんな」で組ませようかと・・・。
そうすると桃早貴・・・意外とありかも・・・(*´д`)ハァハァ
早貴×もも、みたい(*´д`)ハァハァ

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