ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

ラテン(イベロ)アメリカ文学コミュのバルガス・ジョサ『Tiempos recios(はげしい時)』

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
マリオ・バルガス・ジョサ『Tiempos recios(はげしい時)』(アルファグアラ社)

(1)中米は、もしくはグアテマラは米国の力に屈すことで歴史が成り立っている。たとえばバナナ。かの悪名高きユナイテッド・フルーツがグアテマラの国土を蹂躙。税金なんて払ったためしがない。おなじく大土地所有こそがグアテマラのような国の貧困を形作っている。50年代に軍人出身の大統領が農地改革を唱える。しかし国内外で抵抗あり、とりわけアカ呼ばわりし、米国はムキになる。キューバのときと同様。以来、グアテマラでの政争が火花をちらす。米国は陰に陽に、干渉。さてはドミニカのトルヒージョスまで口を突っ込む。すさまじい争い。その渦中で主要人物は地獄を味わう。告発の書と読めもするが、じつは第一級のサスペンスであり、この凄惨さをなぜこれほどまで読みふけってしまうのか不思議に思う。                  (2)2019年に刊行、いまだ邦訳なし。邦題は「たくましいとき」か。グアテマラの政変を扱ったものだけにニホン人には馴染みがないかも。貧富の差のはげしい国にて農地改革を試みたために社会主義政権とみなされた大統領は、CIAらも絡んで政権転覆をこうむる。家族はメキシコへ亡命。このクーデターへの抗議デモがフリーダ・カロが街頭へと出た最後の機会。大統領の娘はメキシコにてフエンテスの短篇「純な魂」の映画化での女主人公役をつとめる。しかしのちにこのモデル・女優は自殺へといたる。亡命とは無縁ではないだろう。気になる作品。    (3)  発見!なんと、この岩波文庫のフエンテスの短編小説集に含まれている「純な魂」の映画、見られるんですよ! https://www.facebook.com/.../cine-en.../2550666231915858/

コメント(2)

"Tiempos recios"の次のバルガス=ジョサの小説がこの十月に刊行されるらしい。文化的ユートピアとペルー音楽、という内容といわれている。
 ラテンアメリカ文学ブームの立役者のなかでも最後の生き残りであるバルガス=リョサは最後の小説「沈黙に捧げる」を上梓したのち文学活動から引退すると宣言。この小説はペルーの音楽によって人びとを結びつけるというユートピア発想から成り立つもの。もうひとつ、若い頃に影響をうけたサルトルについての評論も著わしたいらしい。夫婦生活も元の奥さんのところに戻って穏やかな晩年を過ごすつもりか。かくしてひとつの時代は完全に幕を降ろしそう。もっとも若い読者のなかにはポストブームのみを読み継ぎ、いまではかつてのブームに無縁な方たちもいらっしゃる模様。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

ラテン(イベロ)アメリカ文学 更新情報

ラテン(イベロ)アメリカ文学のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング