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ラテン(イベロ)アメリカ文学コミュのマリオ・バルガス=リョサ『つつましい英雄』(2013)

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邦訳も存在するが読んだのは西語オリジナルのみ。

 ペルーのふたりの企業家が真摯に生きる姿を平行して描くが、終わりに近くなるにつれて、クンデラの『不滅』にも相当するような状況にいたる。

 すさまじく変転するストーリー自体、波乱にとんだものであるが、それを描くテキストの話法(ないし言語)が、『ラ・カテドラルでの対話』を彷彿させるような動き方をするので、それだけでテキストの密度が倍加。
 『ラ・カテドラルでの対話』では、やや異常な世界を描くのにそのような話法を用いたのだが、いわば日常世界に導入されたこのような話法は、読む者をそちら側にさらに引きずりこむような作用を持つ。

 おそらくペルーの諸都市での都市化もいちじるしいものがあるのだろうが、語られることの厚みに感嘆、まるでバルザックらが描くところのパリにも匹敵するのではないかとわたしは感じた。
 あるいは、この作品ではひとを描いたのではなく、都市を描いたのだといえるかもしれない。
 ちょうどフエンテスが『澄みわたる大地』にて試みたように。
 またはペルーの都市が、そのまままるごと、バルガス=リョサに描かれるにあたいするほど成熟したということか。

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