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ラテン(イベロ)アメリカ文学コミュのサンティアーゴ・パハーレスの『螺旋』

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 半月ほどまえに読売新聞の書評にて掲載され、絶賛にちかいかたち。
 しかしこの作者は何者だろうか。
 そう思っているうちに、マリナさんが某コミュにて本書に触れ、おなじく絶賛。

 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=52381110&comment_count=0&comm_id=318037
 
 おお、遅れをとったぞ(笑)。

 ちなみに内容はこんな感じらしいです。

絶妙な語り口、緻密なプロット、感動のラスト。大ベストセラー小説『螺旋』の作者トマス・マウドは、本名はもちろん住んでいる場所すら誰にも明かさない“謎”の作家。「なんとしても彼を見つけ出せ!」出版社社長に命じられた編集者ダビッドは、その作家がいるとされる村に向かう。一方、麻薬依存症の青年フランは、盗んだバッグに偶然入っていた『螺旋』をふと読み始めるのだが…。いったいトマス・マウドとは何者なのか?2つのストーリーが交錯する時、衝撃の事実が明らかになる!驚異のストーリーテラーが放つ、一気読み必至の長編小説。


 読売新聞のほうは、これ。

大きな図式と小さな物語
 六百ページを超える大作ながら、読後は疲れより爽(さわ)やかさを感じた。

 「大きな図式を、つまりすべての状況がしっかりと結びつき、人物の行動と感情を描写するだけでいいような枠組みを与えてやれば……」

 マドリードの出版社に勤める三十五歳の主人公は若い作家にこんな感想を抱く。この言葉通り本編にはまず大きな図式、明確な枠組みがある。

 倒産寸前の出版社を救い、いまや一千万人以上が読む大河SF小説『螺旋(らせん)』は、五巻を刊行し、さらに二巻は出る予定。だが四年待っても作家から原稿は届かない。ところが社長は半年後に第六巻の刊行を発表。じつは社長も作家を知らない。手掛かりは作家がピレネー山中の寒村に暮らし、特定のタイプライターを用い、署名と指紋から推測した体の稀(まれ)な特徴だけ。密命を受けた主人公は妻にも嘘(うそ)を吐き、共に村へ。

 ところが村人の驚くべき事実で作家探しは混乱し、訊(き)き回る彼は村人から怪しまれ、窮地に陥る。

 作家探しが本編の大きな図式だが、作者はいま一つの物語を途中から挟み込む。麻薬中毒の青年が金欲しさにかっぱらった女のバッグ中の『螺旋』第一巻を読みはじめ、彼は麻薬を止めようと決心する。そこから二人の話が交互に綴(つづ)られる。

 〈螺旋〉という題名は本編の構造を表す。二人の男の物語、他の登場人物たちもなべて挫折を噛(か)みしめる状況、それら各々(おのおの)の物語がやがて「結びつき、人物の行動と感情を描写するだけで」少しずつ織り重ねられる。

 しかも結び目で作者は読者に驚きとユーモアを仕掛ける。そして村人たちの驚くべき事実が遺伝子に関係するように、構成が二重螺旋になると、大きな図式も作家探しから真実探究へと変わり、人間信頼の明るい物語となって収斂(しゅうれん)する。

 文体は軽快。小さな物語それぞれが映像的な短篇(たんぺん)であり、スピーディーに展開するから読者は一気に読み耽(ふけ)るだろう。これが二十五歳のデビュー作とは。驚きだ。木村榮一訳。

 ◇Santiago Pajares=1979年、マドリード生まれ。本書は会社勤めの傍ら執筆した。『半身』『カンバス』。

ヴィレッジブックス 2200円

評・松山巖(評論家・作家)

(2010年4月5日 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20100405bk0a.htm


 当の木村榮一せんせいのブログ(みたいなもの)も必死で調べてみると(笑)、

サンティアーゴ・パハーレスをはじめとする若いスペインの作家たちもオースターには注目しています。

 ということばだけに行き当たりました。


 メタフィクションみたいなものかもしれないけど、エンターテーナー性もしっかり盛り込まれているようで。。。はあ、スペインの若手作家は、輩出傾向なんですね。

コメント(4)

 べさん>
 お忙しい木村せんせいがわざわざ貴重な時間をさいて訳しただけあって、さぞおもしろいんでしょうね。
 まだスペイン語版を手にとってませんが、次回、書店に寄ったときには探してみようと思ってます。
 パハーレス氏のトークが予定されているそうです。
 しかしよく調べてみると、すでにニホンにおいて講演をされたことがあるようですね。

 ・・・・・・・・・・・

『キャンバス』刊行&著者来日記念トークイベント
ぼくは小説『キャンバス』をどう書いたか

サンティアーゴ・パハーレス(作家)×聞き手:木村 榮一(ラテンアメリカ文学研究者)

■2012年1月16日(月)19:30〜

25歳にして書き上げた処女長編作『螺旋』が、新聞・雑誌等で絶賛され、読者の方々からも熱烈な支持を得ている、スペイン人作家サンティアーゴ・パハーレス氏が、最新作『キャンバス』(ヴィレッジブックス刊・12月20日発売予定)の刊行を機に、ついに来日します。
訳者で、ラテンアメリカ文学研究者の木村榮一さんが、パハーレスさんの生い立ちから、『螺旋』そして最新作『キャンバス』執筆の経緯、その創作技法まで、じっくり話をうかがいます。

◆プロフィール◆
サンティアーゴ・パハーレスSantiago Pajares
1979年、スペイン・マドリッド生まれ。
2004年、25歳の時に書いた小説『螺旋』(木村榮一訳、ヴィレッジブックス)で作家としてデビュー、多大な注目を集める。
2006年に第二作『半身』を発表、続く2009年に、新しく絵画の世界をテーマに挑んだ渾身の力作が、本書『キャンバス』である。現在、新作を準備中。

木村 榮一
1943年、大阪市生まれ。
神戸市外国語大学名誉教授。
現代ラテンアメリカ文学の精力的な翻訳・紹介で知られる。
著書に『ラテンアメリカ十大小説』(岩波書店)ほかがあり、訳書にパハーレス『螺旋』をはじめ、フリオ・リャマサーレス『黄色い雨』『狼たちの月』(いずれもヴィレッジブックス)、マリオ・バルガス=リョサ『緑の家』(岩波書店)、エンリーケ・ビラ=マタス『バートルビーと仲間たち』(新潮社)『ポータブル文学小史』(平凡社)など多数。

☆会場・・・4階喫茶にて。入場料1,000円(ドリンク付)
☆定員・・・40名
☆受付・・・1階サービスカウンターにて。電話予約承ります。
ジュンク堂書店 池袋本店 TEL. 03-5956-6111 FAX.03-5956-6100
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 それで前回のは。。。

http://www.kobe-cufs.ac.jp/about/contribution/lectures/seminar/pajares.html


 さて、このトークの模様は、柳原せんせいのブログにアップされました。

 http://criollisimo-cafecriollo.blogspot.com/2012/01/blog-post_16.html

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