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本当の環境問題を話し合おう!コミュの「不都合な真実」のウソ

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映画「不都合な真実の」アル・ゴア氏がノーベル賞を受賞しましたが、映画や著書の中には、事実と異なる点が多くあるようです。
そのいくつかは、最近の研究成果によるものですが、中には、意図的に間違いを喧伝したと思われる節も多くあるようです。
月刊「現代思想」10月号に掲載された、「伊藤公紀 池田清彦討議 冷静に温暖化を考える」では、それらの事実と相違する点について言及されていますが、そこからいくつか引用します。

<キリマンジャロでは万年雪が融ける理由>
伊藤
 ゴアの 『不都合な真実』 には「不都合な真実」が、すなわちおかしいところがたくさんあります。(中略)
 例えば、キリマンジャロでは万年雪がどんどん減っている、という記述が出てきます。確かに雪は減っている。しかしこれは最近まで分からなかったのですが、溶けたのではないのですね。昇華、つまり周りからどんどん蒸発してしまったのです。蒸発する理由は、当然周りの湿度が低いからですが、どうして湿度が低くなったかというと、はっきりは分からないのですが、もしかすると周りの木を伐ってしまったからかもしれません。ですから、気温が原因で溶けたのではないということです。
<二〇〇三年のヨーロッパの熱波>
伊藤
 それから、熱波発生の理由、というのも出てきます。ヨーロッパで九三年に熱波が発生しました。当時の気温が通常とどれくらい違ったか、つまりアノマリーを調べたデータがありますが、ヨーロッパでは二〇〇三年の六月から八月が凄く暑かった。フランスではたくさん死者が出たりもしました。(中略)
 ところが面白いことに、その近所(ロシア西部など) は低くなっているのです。アフリカも低い。ですから、ある程度広い範囲で均してしまうとそうでもないはずなんです。地理的な不均一性が出たというのが原因の一つなんですね。サハラ砂漠の熱い大気がヨーロッパヘ流れたことが原因かも知れません。(中略)
二〇〇三年は春に雨が少なかったというんです。雨が少ないと蒸発熱による冷却が減りますので、それが夏の熱波の大きな原因になったというものです。こういう原因を探るというのは是非ともやらなくてはなりません。一年経つと分かることが全然違うんですね。
<気温測定自身にも問題がある>
伊藤
 アメリカでも気象観測所の気温は怪しいのではないかという類の調査はかなりあります。日本でも東北大学名誉教授の近藤純正先生が日本全国で調査をして、ホームページに掲載しています。これを見ると、気象庁が使っている一七標準地点のデータも怪しい。日本の中であてになるのは三地点しかない。北海道の寿都と東北の宮古と四国の室戸岬だけは観測所がちゃんとした気温を測れるように保たれていますが、他のところは駄目なんです。(中略)
昔は周辺何十メートルか芝生にして、百葉箱に塗るペイントもしっかりしたものを使っていたのですが、だんだんそうもいかなくなってくる。例えばその土地の側に建物が建っても気象庁は文句が言えない。細かい話ですが、例えばビニールハウスぐらいができても違ってくるらしいです。風が弱くなって、気温の上昇に効くらしい。(中略)
しかも、そういうことというのは観測所の履歴に書かれていないんです。世界各地もそうで、それで簡単に〇・五−一度くらい違うらしいですね。〇・二度とか〇・三度の誤差は、一〇〇年先に外挿すること二度とか三度とかになってしまう。誤差はどうしても出ているのです。しかし、こういうものは新聞には出ないですからね。
<チャド湖の旱魃>
伊藤
 チャド湖はアフリカにある浅い湖ですが、この水が相当減っていることは間違いありません。ところが、この本にはここ数十年のことしか書いていないんです。チャド湖は長い歴史をもっていて、何回も干上がったり小さくなったりを繰り返しているんですね。そういうことは書いていない。しかもその原因は灌漑などが大きいのです。
<気候変動には太陽の時期の影響が強い>
伊藤
 本当に最近になって私自身が見つけたことなのですが、aaインデックスの一二月から一月の平均が、北欧やロシア西部などのかなり広い範囲の、その後の季節の気温とよく対応しているんです。相関はかなり高くて、この例(図1) では〇・六七くらいあります。これなら因果関係がはっきりあると言えそうです。
<北極圏の変動の理由>
伊藤
 ゴアは伝統的・典型的に、氷は白いので、溶けると太陽光の反射率(アルベド)が減って、それでもっと温まる、という議論をしていますが、どうもそれはあまり効いていない。最近言われているのが、例えば、暖かい海水がグリーンランド海などから入ってきたことが一番大きいということです。オーロラ研究の権威であるアラスカ大学の赤祖父俊一さんもそう言われています。それから日本の海洋研究開発機構(1AMSTEC)も同様の研究をしています。(中略)
中国やバングラディッシュなどから煤が飛んできて、それがくっついてアルベドを下げるという仮説もある。ヒマラヤなどでもそういう傾向があるらしいです。これは人為的な話ですが、人為的な話の中でもかなり複雑なのです。
<温暖化でマラリアが増えるのか?>
伊藤
 実はIPCCの第三次報告書でも問題が起きました。蚊の媒介する病気の専門家がアメリカにいるのですが、その人が怒って報告書の執筆をやめてしまったんです。何故かと言うと、IPCCでは温暖化の影響でマラリアの感染率が増えるとか、そういうふうに結論づけたかったらしいのです。しかしそうではないという報告もあるんです。(中略)
最近アフリカでマラリアが流行ったのですが、その原因を探ったところ、気候変動に関係したことなんて一つもなかったと報告されています。マラリアが多発しているところに人間が移住せざるを得なくなったとか、蚊が殺虫剤に強くなったとか、そういったことが原因なのです。
<ツバルの海面上昇>
伊藤
 海面上昇の傾向も問題視されていますが、これも大変面白い。ツバルもそうですが、社会的な要因が大きいのです。もともと海面は何メートルも変わるものですから、一〇−二〇センチメートル変わったからといっても水没が起こるわけではない。そこで重要なのは、平均気温の話もそうですが、平均を取って出した傾向と、短い期間での変動には関係ないということです。本当に重要なのは短い期間での海面の高さの変動です。それからもう一つ大きいのは、やはり低地低地という方向にどうしても開発が進むことです。今まで人が住まなかったところに住まわせるとか。(中略)
ツバルでも、やはり低地開発は多いらしいです。要するに、行政の失敗がある。
<温暖化問題は国際的な駆け引き>
池田
 環境問題は結局綱引きなんですよね。どこの国も自分たちに一番いいようなやり方を決めて、主導権をとりたい。中心になっているにはEU、アメリカ、そしてロシアでしょう。京都議定書はEUがうまくやって、アメリカはそこから降りた。EUなんて削減目標がすでに達成されているようなところで議論を進めているわけですから、日本だけが損をしている。ロシアは日本が排出権を買ってくれる見通しが立ったから議論に乗ってきた。日本は議長国であったから批准をしなければいけなかった。まあ世界中からいいようにダマされたわけです。そのことに対して、日本の国民はほとんど分かっていないでしょう。だからアメリカが悪いとか、EUが偉いという話になる。来年は洞爺湖でサミットが開かれますが、トップの政治家もそういった事情がよく分かっているとも思われないから、きちんとした戦略も立てられない。
 伊藤
 なぜCO2がここまでクローズアップされるかと言えば、分かりやすいからでしょう。ほぼ均質に広がりますし、透明ですし、物理化学的な性質もよく分かっていますから、計算に乗りやすい。しかしよく分かっているというだけの話なのです。ほかのことはよく分からない。エアロゾルなどはどこに行ったかもよく分からないし、どのくらい出ているのかもよく分からないし、影響も計算しづらい。物理化学的な性質にしても、光を反射するものもあれば吸収するものもあって、非常に複雑です。分からないことはとりあえず放っておいて、分かることだけを言うのは学問的には正しい行為ですが、それを政策に結びつけるのは無理なことです。

コメント(79)

 うるとららっきーさんは勘違いしているようですが、この100年間のCO2排出だけでは数千年先のグリーンランドとWAISの融解には結びつかないと思っているようですね。

 2001年に発表されたIPCCの第三次報告書の中では、Figure SPM-5で、
http://www.ipcc.ch/pdf/climate-changes-2001/synthesis-spm/synthesis-spm-en.pdf#page=17
としており、IPCCの説明においても、数千年先の変化を100年間で起こしてしまうとしています。
(もっともそれ以前に氷床を抑えている棚氷がどんどん崩壊して氷床が海に流れ出すことで300年で半分がなくなれば、この遅い方の融解は実現しないことになりますが)
40 おぐおぐさんへ
 >うるとららっきーさんは勘違いしているようですが、この100年間のCO2排出だけでは数千年先のグリーンランドとWAISの融解には結びつかないと思っているようですね。

私が勘違いしているだけなのでしょうか?
むしろ、常識的な見方だと自分では思っているのですが。
逆に、おぐおぐさんは、今世紀のCO2排出が、地球環境にとって致命的に数千年もの間、影響を及ぼすとお考えでしょうか。
それから、WAISの意味がわかりませんので教えてください。


 >2001年に発表されたIPCCの第三次報告書の中では、Figure SPM-5で、
http://www.ipcc.ch/pdf/climate-changes-2001/synthesis-spm/synthesis-spm-en.pdf#page=17
としており、IPCCの説明においても、数千年先の変化を100年間で起こしてしまうとしています。

現在、IPCCは4次報告書を出しているはずですが、三次報告書から出典なさった理由は何かございますか?その考えは、4次報告書でも継続されているかどうか?ということです。継続されているのであれば、それに該当する部分をお示し願えるとありがたいです。

>(もっともそれ以前に氷床を抑えている棚氷がどんどん崩壊して氷床が海に流れ出すことで300年で半分がなくなれば、この遅い方の融解は実現しないことになりますが)

「氷床が海に流れ出すことで300年で半分がなくなる」という可能性は、IPCC全体において、どれほど支持されているのですか?報告書の中で、その可能性を示唆する部分がありましたら、教えていただきたいのですが。
41 うるとららっきーさんへ

・WAIS=西南極氷床です。(32で書きました)

・2001年に発表された第3次報告書が、ゴアの映画で紹介された当時のIPCCの最新知見だから、ということですが。

・第4次報告書はまだ全体の報告書を見れていないので、どうなっているか答えられません。(統合報告書の政策決定者向け要約には載っていないとしても、元の各作業部会報告を全部当たらないと、元の見解のままか、新しい見解に変わっているかが分からないという意味です。)ご勘弁を。

>「氷床が海に流れ出すことで300年で半分がなくなる」という可能性は、IPCC全体において、どれほど
>支持されているのですか?報告書の中で、その可能性を示唆する部分がありましたら、教えていただ
>きたいのですが。

32でリンクだけは紹介しましたが、そこから転記しておきます。

「不都合な真実」の6メートル海面上昇予測はトンデモ説か? より

−−−引用ここから
 2月に発表されたIPCCの第4次報告書(WG1)
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc/ar4/ipcc_ar4_wg1_spm_Jpn_rev.pdf
によれば、南極の氷による海面上昇の寄与は、「力学的な氷の減少」による寄与が主な原因と結論付けられています。

 ここの「力学的な氷の減少」とは、「グリーンランドと南極の内陸の氷床を源とする氷河の中には、流出速度が増加したものがあり、氷床内部から氷を流出させている。それに対応する氷床減少量の増加は、しばしば、氷棚の縮小、減少または消失、或いは海上に浮かぶ氷河舌の損失に引き続いて起こった。」という過程のことでしょう。

 このプロセスは第4次報告書の中では、表SPM-3でも「(急速な氷の流れの力学的な変化を除く)」としており、海面水位上昇の予測の中には組み込まれていません。

・・・

 ハンセンらが懸念しているのはこの「力学的な氷の減少」がグリーンランドと西南極氷床で加速することで(従来の2000年先と言わず)数百年あるいは百年以内に6メートル規模の海面水位上昇が起こりうるということです。

 IPCCの報告書の中では「急速な氷の流れの力学的な変化」の問題が存在していないなどとはさらさら書いておらず、(現状ではまだ予測できるほど調べられていないのでそのリスクの確率は不明だとしても)懸念であることを述べているのだと思います。

IPCCAR4WG1SPM、20ページ末尾の段落にはこうあります。
「現在のモデルには含まれていないものの、最近の観測結果が示唆する氷河に関係した力学的な過程によって、昇温によって氷床の脆弱性は増加し、将来の海面水位上昇がもたらされる可能性がある。しかし、これらの過程についての理解は限られており、その規模についての一致した見解は得られていない。{4.6、 10.7}」

ということで、ここの「一致」してはいない見解の中にハンセンの述べた主張が含まれているのでしょう。
−−−引用ここまで
37 おぐおぐ に自己レスしておきます。

>(ちなみに、今後数百年で氷河期へ移行するというのは可能性ゼロとはいえませんが、かなり低い確
>率でしょう。第四紀学会の本によると、現在の間氷期は40 万年前の第11ステージに似ていて、その
>際には間氷期は2万年間続きましたから、あと1万年ほどは次の氷河期が始まらない可能性が高いで
>す。)

本「地球史が語る近未来の環境」日本第四紀学会編
http://www.amazon.co.jp/%E5%9C%B0%E7%90%83%E5%8F%B2%E3%81%8C%E8%AA%9E%E3%82%8B%E8%BF%91%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E3%81%AE%E7%92%B0%E5%A2%83-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%AC%AC%E5%9B%9B%E7%B4%80%E5%AD%A6%E4%BC%9A/dp/4130637053/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1195812137&sr=1-1

の第一章の中で過去の氷河期−間氷期サイクルの特徴紹介がされています。
ミランコビッチサイクルの離心率の周期には10万年単位と40万年単位のものがあるので、ちょうど40万年前のステージ11という間氷期が現在に近い、といえる根拠もあるわけです。

ちなみにこの本の2章では過去の縄文海進がどういうメカニズムで起こったものかを示している、などいろいろ面白い温暖化関連の議論が含まれています。

42 おぐおぐさんへ
>・WAIS=西南極氷床です。(32で書きました)

教えてくださってありがとうございます。


>・2001年に発表された第3次報告書が、ゴアの映画で紹介された当時のIPCCの最新知見だから、ということですが。

なるほど。しかし、第3次報告書においても、「南極の氷が解けて海面が6m上昇する」という意見は、主流意見ではなかったように記憶していますが。


>・第4次報告書はまだ全体の報告書を見れていないので、どうなっているか答えられません。(統合報告書の政策決定者向け要約には載っていないとしても、元の各作業部会報告を全部当たらないと、元の見解のままか、新しい見解に変わっているかが分からないという意味です。)ご勘弁を。

田中宇のニュース解説によれば、第4次報告書では海面上昇について、かなりトーンダウンしているようですね。
 『IPCCは、90年、95年、01年と、後の報告書になるほど温暖化を深刻に描いているが、その方向は、07年の報告書の本文では初めて逆転し、深刻さを軽減する方向になっているということだ。それなのに、2月に発表された報告書の概要版では、5月発表予定の本文とは全く逆に、温暖化は以前に考えていたよりはるかに深刻だ、という方向性になっている。これは、ほとんど詐欺である。
 IPCCの報告書で以前は強く主張されていたことが破棄されている例は、今回の概要版にも表れている。2001年の報告書では、温暖化を決定づける理論として「ホッケーの棒理論」が使われていた。「地球は産業革命以来、急に温暖化するようになった(だから犯人は人類だ)」と主張するこの理論は、二酸化炭素排出規制を求める先進国の政府と市民による運動の、最大の理論的よりどころになってきた。しかし、2001年の報告書の重要点の一つだったこの理論は、今回の報告書の概要版からは、きれいさっぱり消えている。』
http://tanakanews.com/070220warming.htm

>>「氷床が海に流れ出すことで300年で半分がなくなる」という可能性は、IPCC全体において、どれほど支持されているのですか?報告書の中で、その可能性を示唆する部分がありましたら、教えていただきたいのですが。
>2月に発表されたIPCCの第4次報告書(WG1)によれば、南極の氷による海面上昇の寄与は、「力学的な氷の減少」による寄与が主な原因と結論付けられています。

「5月発表予定の本文とは全く逆に」深刻度が強調されているという概要版からの引用ですね。やはり、第4次報告書の本文がどうなのかが気になります。


 >IPCCの報告書の中では「急速な氷の流れの力学的な変化」の問題が存在していないなどとはさらさら書いておらず、(現状ではまだ予測できるほど調べられていないのでそのリスクの確率は不明だとしても)懸念であることを述べているのだと思います。

つまり、一部の科学者が主張しているが、全体的な賛同を得ていない懸念ということになりますね。


>IPCCAR4WG1SPM、20ページ末尾の段落にはこうあります。
「現在のモデルには含まれていないものの、最近の観測結果が示唆する氷河に関係した力学的な過程によって、昇温によって氷床の脆弱性は増加し、将来の海面水位上昇がもたらされる可能性がある。しかし、これらの過程についての理解は限られており、その規模についての一致した見解は得られていない。{4.6、 10.7}」
ということで、ここの「一致」してはいない見解の中にハンセンの述べた主張が含まれているのでしょう。

少しだけ、経過が把握できたようなきがします。どうもありがとうございます。

これまでのおぐおぐさんのコメントから、ゴア氏の映画とIPCCの関係を、私なりにまとめてみますと、
「グリーンランドや南極の氷の氷解によって、海面が6m上昇するという、ゴア氏の映画の題材となった学説は、IPCCの報告書にも紹介されている。しかし、全体的な一致した見解とは考えられていない。また、その状況が起こりうるのは、数百年先のことだと予想されているが、CO2排出に改善が見られない場合、100年で起きる可能性も指摘されている」

このように、私は了解しましたが、正しいでしょうか?
43 おぐおぐさんへ
> 本「地球史が語る近未来の環境」日本第四紀学会編

近いうちに、図書館で借りて読んでみます。
 自己レスですが、
一週間前のIPCCの総会で、正式に統合レポートが完成しました。その関連記事を紹介しておきます。

 IPCCの総会では、第4次報告書の統合レポートの採択前の議論で、少しく変更があったようです。

Terra.WIRE紙より「Climate change's wild card: sea levels」
http://www.terradaily.com/2007/071117181641.z4pmgrhx.html
の中では、

”UN climate scientists said in a key report for policymakers on Saturday that they could no longer put an upper limit on the potential rise in sea levels over the next century.”
として記事にしています。

”But these projections did not take into detailed account the impact of any significant loss of land ice in Greenland and the West Antarctic, the IPCC acknowledged on Saturday. It therefore scrapped the upper band.

"It became apparent that, concerning the melting of the Greenland and Antarctic ice sheets, we really don't know enough," IPCC Chairman Rajendra Pachauri told AFP on Saturday in Valencia, Spain, where the body on Saturday published its keenly awaited report.

"There is a possibility, and a fair amount of literature, which suggests that it could be faster than what one has anticipated. Given the uncertainty, it was prudent, and scientifically correct, to remove the upper boundary," he said.”
ということで、海面上昇の予測の上限値は今回撤廃されているもようです。

公表された報告書をみてみると、

http://www.ipcc.ch/pdf/assessment-report/ar4/syr/ar4_syr_spm.pdf#page=8
の、
Table SPM.1. Projected global averaged surface warming and sea level rise at the end of the 21st century. {Table 3.1}の紹介をしている段落より

”Because understanding of some important effects driving sea level rise is too limited, this report does not assess the likelihood, nor provide a best estimate or an upper bound for sea level rise. Table SPM.1 shows model-based projections of global average sea level rise for 2090-2099.(10)
The projections do not include uncertainties in climate-carbon cycle feedbacks nor the full effects of changes in ice sheet flow, therefore the upper values of the ranges are not to be considered upper bounds for sea level rise. They include a contribution from increased Greenland and Antarctic ice flow at the rates observed for 1993-2003, but this could increase or decrease in the future.11 {3.2.1}”
となっていますが、これは2月の第一作業部会のレポートの中と同じ文言のように見えますので?どういうことかまだよく分かりません。

44 うるとららっきーさん

>これまでのおぐおぐさんのコメントから、ゴア氏の映画とIPCCの関係を、私なりにまとめてみますと、
>「グリーンランドや南極の氷の氷解によって、海面が6m上昇するという、ゴア氏の映画の題材となった
>学説は、IPCCの報告書にも紹介されている。しかし、全体的な一致した見解とは考えられていない。ま
>た、その状況が起こりうるのは、数百年先のことだと予想されているが、CO2排出に改善が見られない
>場合、100年で起きる可能性も指摘されている」

氷解と書くと、融けるのだ、と誤解する人も出てくると思いますが、崩壊するというのがより近い表現だと思います。融けるのだと数千年かかる話です。
「南極」というのは南極全体ではなく西南極の氷床のことを言っています。

 100年で全部崩壊するという可能性は指摘されていないのではないでしょうか。100年後の数字を明言した科学者の中で一番早いのは、「1%くらいの可能性で100年後に2メートル」までです。
46 おぐおぐさんへ

紹介いただいた記事を訳してみました。
http://www.terradaily.com/2007/071117181641.z4pmgrhx.html
細かいニュアンスまで正確かどうかわかりませんが、おおむねこのような内容だと思います。間違いがあればご指摘下さい。

『気候変動のワイルドカード:海面
 国連気候科学者は、政策担当者のために鍵となるレポートで、彼らが次の世紀にわたる潜在的な海面上昇もはや放置しておくべきできないと土曜日に言いました。
 最近の研究では、IPCCによって今年始めなされた海面上昇率予測がひどく過小評価である可能性を示唆しました。
 地球温暖化についての最初のレポートは2月に発表され、IPCCは海面が2100年までに18〜59センチメートル(7.2と23.2インチ)の間で上昇すると言いました。
 特にアジアとアフリカのいくつかの小さな島国では、低地のメガデルタに住んでいる何億もの人々の生活を脅かしました。
 しかし、これらの予測にはグリーンランドと西南極における氷の損失の影響は含めなかったと、IPCCが土曜日に認めました。したがって、上限を廃棄しました。
 「グリーンランドと南極氷床の溶解に関して、我々が十分に本当に知らないことは、明らかになりました」と、IPCC会長がバレンシア(スペイン)で土曜日にAFPに話し、レポートを発表しました。
 「可能性な限り多くの文献を検証した結果、それはそれが人が予想したものより速くありえたことを示唆します。不確実な部分は、科学的に慎重を期したためであり、そのため上限を取り除きました」と、彼が言いました。
 IPCCはその完全で長いチェックプロセスに綿密に調べられなかった新しい研究を含むことは許されないので、これらの大きい氷体によってもたらされる脅威に関する新しいデータはそのレポートに反映されませんでした。
 「ここ数年にわたって、我々は、氷床崩壊と結果として生じる海面上昇が、IPCCが見積もったより速く起きる可能性があることを突き止めました」と、主要な気候学者ジェームズハンセン(その人はニューヨークでNASAゴダード宇宙学研究所)がバレンシア会議前にAFPに話しました。
 IPCCの筆頭著者であるビルヘアは、更なる知識なしで氷床の性質を定量化することが不可能であると報告します。
 「そういうわけで、IPCCは上限を与えることから退いています。現時点では、これについての科学界の理解は流動的です」と、彼が言いました。
 グリーンランドを覆う大きさの氷岩の全部が溶ければ、それはほぼ7メートル(22.75フィート)世界の海面を持ち上げます。そして、大部分の沿岸の都市を浸します。
 一方、西南極大陸は、6メートル(20フィート)も海面を上昇させるのに十分な水を持ちます。
 これらの終末シナリオのどちらも、議題ではありません。しかし、彼らの氷の比較的小さな損失さえ、重要です。沿岸の居住者のために、海面の増大は、高潮と特別な流れによって拡大されます。
 2月のレポートでは、海面が1961〜2003年まで年平均1.8ミリメートル(0.07インチ)上がると言いました、しかし、このペースは1993年から2003年まで年につき3.1mm(0.12インチ)まで加速度的に増えました。
 その大部分は熱膨張に由来し、残りは、溶けている氷河と雪から流出液体によります。
 報告書では、グリーンランドと南極大陸の地域で海に流出する氷河が過去よりも加速していることを示していました。
 一説では、氷から溶け出した水が氷床を通して穴をあけ、氷河の中に留まり、潤滑油の働きをするとのことです。
 他の研究では、認識できる変化が大きな南極氷床にはない、あるいは、部分的に氷床を厚くすることさえあったかもしれないと言います。
 しかし、氷が水に浮かんでいる北極氷では、氷の溶解が海面上昇に影響しません。』


この記事から読みとれるのは、
1、IPCCによる海面上昇予測は、2月の時点で『2100年までに18〜59cm』であった。
2、ところが、今回、ゴア氏が映画で紹介した『グリーンランドと西南極における氷の損失の影響』が考慮されていないことを理由に、上限値の59cmは破棄された。
3、『グリーンランドと西南極における氷の損失の影響』がIPCCの予測よりも早く起きる可能性があるとする研究者もいれば、南極ではそのような兆しは見られず、むしろ氷が熱くなっている箇所も見られるとする研究者もいる。

ここで疑問に感じるのは、やはり、『グリーンランドと西南極における氷の損失の影響』がどれほど現実性を持って考えられているのか?という点でしょう。
なにか、映画もしくはノーベル賞受賞にあわせて、報告内容を修正したような感がありますが、その辺はどうなんでしょうか。
 うるとららっきーさん、お疲れさまです。

 うーん、前米国副大統領が任期中と任期後にそれぞれどれだけの情報を自国の科学機関から受け取っているだろうか、逆に指示を与えることができるだろうかということを考えてみるべきではないでしょうか。
ディック・チェイニーが退任してから民主党政権下のCIAを操作してイラン侵略を進められると想定するようなものでしょう。

>1、IPCCによる海面上昇予測は、2月の時点で『2100年までに18〜59cm』であった。
 これについては、2月の報告書の中でも、表には『グリーンランドと西南極における氷の損失の影響』を除く、と注が書かれていますので、それらを含めた予測値ではなかったわけです。

2.の話はもしかすると2月の報道があまりに断定的に取られたための軌道修正であるのかもしれません。

3.  氷が厚くなっているという現状は、将来の崩壊の可能性を否定する根拠にはならないのではないでしょうか。
49 おぐおぐさんへ
>>なにか、映画もしくはノーベル賞受賞にあわせて、報告内容を修正したような感がありますが、その辺はどうなんでしょうか。
 >うーん、前米国副大統領が任期中と任期後にそれぞれどれだけの情報を自国の科学機関から受け取っているだろうか、逆に指示を与えることができるだろうかということを考えてみるべきではないでしょうか。

そのような表現をされますと、IPCCがアメリカの科学機関であるかのような印象を受けますね。
私が思うに、評判になったゴアの映画とIPCCの主張に違いがあるのは、やはり、双方にとってあまり都合のいいことではありませんから、IPCCが映画にあわせて譲歩し、海面上昇予測の上限を破棄したという面は、少なからずあるのではと感じます。


>ディック・チェイニーが退任してから民主党政権下のCIAを操作してイラン侵略を進められると想定するようなものでしょう。

話がそれてしまいますが、イラン侵略が実現するかどうかは、チェイニーの意志よりも、やはり、次期大統領並びにスタッフの意向が色濃く反映されるでしょう。
温暖化にも、そういった側面はあることは、支持するしないは別として、おぐおぐさんも同意する部分はあるのではないでしょうか。
つまり、温暖化政策は、現在の西欧諸国の政策と合致しており、そのためマスコミもそれを擁護する報道に傾倒している側面があるということです。


>>1、IPCCによる海面上昇予測は、2月の時点で『2100年までに18〜59cm』であった。
 >これについては、2月の報告書の中でも、表には『グリーンランドと西南極における氷の損失の影響』を除く、と注が書かれていますので、それらを含めた予測値ではなかったわけです。

ただし、『グリーンランドと西南極における氷の損失の影響』は、その時点では、一部の科学者の見解として紹介され、IPCCの総意としての報告を修正するまでには至らなかったわけですよね。


>2.の話はもしかすると2月の報道があまりに断定的に取られたための軌道修正であるのかもしれません。

あまりに決め付けすぎたということでしょうか。
しかし、海面上昇予測に関しては、報告書が1次から4次へと移行するにつれ、下方修正されたのは確かですよね?
つまり、これまでの考え方を継承するかぎりにおいては、『2100年までに18〜59cm』は間違いではない。ただし、新たな考え方『グリーンランドと西南極における氷の損失の影響』を考慮して上限を取り払ったということではないかと、私は判断したのですが。


>3.  氷が厚くなっているという現状は、将来の崩壊の可能性を否定する根拠にはならないのではないでしょうか。

これに関しては、私と意見が異なります。
西南極の棚氷の観測はせいぜい50年ぐらいだと思われますが、それ以前を考えますと、今以上に氷が厚くなっていた時期は当然あったはずです。そのような、氷の厚い時期に、突然棚氷が崩壊し、氷の崩落によって、海面が上昇したという事実があったかどうかを調べる必要があるでしょう。
また、そういった事実が存在したとしても、これは全く温暖化と関係のないことのように思われます。むしろ、隕石の衝突のような、地球環境に突発的に影響を与えかねない危機として捉えるのが妥当ではないでしょうか。
 チェイニー氏の話は、ブッシュ政権のイランの核開発疑惑がイラク大量破壊兵器疑惑と同じく捏造であることが暴露されたばかりなのでうれしくなって書いてしまいました。たしかに温暖化と類推して捏造と考えられるので不適切でしたね。

 要は、ボトムアップで米国の科学者たちの側が、安全かつ大規模な宣伝効果を求めて元米副大統領を炊きつけて言わせたという向きのつながりも懐疑派の方は考えてみるべきだろうという趣旨です。

 後はまた後日。
第三次報告書の中では2100年までの海面上昇の数値にはグリーンランドと西南極の溶ける量も含めて表示していたのではなかったか??を調べてみます。


>第三次報告書の中では2100年までの海面上昇の数値にはグリーンランドと西南極の溶ける量も含めて
>表示していたのではなかったか??を調べてみます。
と書きましたが、
第三次報告書の図の日本語訳を見てみると、
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc_tar/spm/fig5.htm
「また,ここで示した範囲は,西部南極氷床の氷の力学的変化に関係した不確実性は考慮していないこと、…こと、にも注意されたい。」
とありますので、当時から予測の中からは除いていた状況があり、それは今回の第4次と同じ扱いだったようです。

50 うるとららっきーさん

>ただし、『グリーンランドと西南極における氷の損失の影響』は、その時点では、一部の科学者の見解
>として紹介され、IPCCの総意としての報告を修正するまでには至らなかったわけですよね。

 どうして解釈がそう食い違うんでしょうね。
「グリーンランドと西南極における氷の損失の影響」がないなどと主張している科学者はいません。定性的にあるということから「ある」ことは書かれていて、それが定量化できるほどの確実な予測ができていない(論争が分かれる)ことから、それをふくめて考えた総体としての海面上昇の値について上限を取り除いたわけです。

 なんにつけ 一応は 絶望的観測をするのが 癖です♪(なんでしたっけ、中島みゆきの歌です)

うるとららっきーさんはこの分野については希望的観測をしているような・・・。
52 おぐおぐさんへ
>第三次報告書の図の日本語訳を見てみると、
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc_tar/spm/fig5.htm
「また,ここで示した範囲は,西部南極氷床の氷の力学的変化に関係した不確実性は考慮していないこと、…こと、にも注意されたい。」
とありますので、当時から予測の中からは除いていた状況があり、それは今回の第4次と同じ扱いだったようです。

いろいろと調べていただきご苦労様です。
重ねてお聞きしたいのですが、IPCCはなぜ、『西部南極氷床の氷の力学的変化に関係した不確実性』については、本論と分けて、注釈的な扱いをしてきたのでしょうか?
また、そのように、注釈的な扱いをしてきたものを、なぜ、今回の4次報告書というタイミングで、本論に組み込むような扱いに修正したのでしょうか?
それを明確にする資料などは、見つけるのが難しいかもしれませんので、おぐおぐさんの見解という形でもかまいません。意見をお聞かせ下さい。


>>ただし、『グリーンランドと西南極における氷の損失の影響』は、その時点では、一部の科学者の見解として紹介され、IPCCの総意としての報告を修正するまでには至らなかったわけですよね。
 >どうして解釈がそう食い違うんでしょうね。
「グリーンランドと西南極における氷の損失の影響」がないなどと主張している科学者はいません。

私も影響がないなどと言った覚えはありませんが。
ただ、おぐおぐさんのコメントを読ませていただいた限り、「1%くらいの可能性で100年後に2メートル(コメント47)」というのでは、これをIPCC報告書の本文に総意として文章化するに当たって、かなりの科学者から異論があったのではないか?という気がします。
なぜなら、IPCCというのは、現在から100年ぐらいまでの、比較的近未来的な予測を目的にしており、それ以上後期にわたる予測は、主旨からそれてしまっているのではないでしょうか。


>定性的にあるということから「ある」ことは書かれていて、それが定量化できるほどの確実な予測ができていない(論争が分かれる)ことから、それをふくめて考えた総体としての海面上昇の値について上限を取り除いたわけです。

そのような言い方もできるかもしれません。
しかし(これはおぐおぐさんのような地球温暖化CO2原因説を支持する方から見れば、だいぶ偏った見方に思えるかもしれませんが)、IPCCの報告内容を時系列的に分析すると、報告書を重ねるにつれ、『温室効果ガスに寄与する地球の温度上昇の予測』は次第に危険度が低下しているように感じます。
それなのに、メディアの露出は時を追うごとにエスカレートしていき、ゴア氏の映画とノーベル賞受賞によって、この温暖化騒ぎはピークに達しました。
いうなれば、この一連の騒ぎには、どんどん有形無実化しているという側面があるということです。
その無実化した調査結果を補うために、『グリーンランドと西南極における氷の損失の影響』を、いささか苦し紛れに持ち出してきたのでは?と、私には思えてなりません。
53 おぐおぐさんへ
 >うるとららっきーさんはこの分野については希望的観測をしているような・・・。

それは違ます。
私が、これまで地球温暖化に関する文献に触れたり、いろいろな方々のご意見を伺った結果として、この問題に対する脅威をあまり感じられなかったということです。
地球環境に対する脅威は常日頃から感じていますが、それはおもに、原子力に起因する人工放射性物質に対してです。
また、昨今の世界的な異常気象は、温室効果ガスよりも、地球上の植物生息圏が急速に失われていることのほうが、原因として大きいと思っています。
 とても温暖化騒ぎがピークに達するとは思えません。
すでに毎日テレビ報道がされているかと思いますが、来週末にはCOP13の結論が出て、国内もこれからどうしよう、と大騒ぎになるでしょうし、来年1月からはいよいよ京都議定書の第一約束期間の5年間が始まります。

 IPCCは専門家集団として4回にわたって報告書を出し、問題の確実性についてブラッシュアップを繰り返してきたわけなので、その見解を政府代表も尊重して、ポスト京都の国際交渉でも、ようやく実効的な規模の経済の大転換を進めるという方針が出てくるでしょう。

56 おぐおぐさんへ
>>それなのに、メディアの露出は時を追うごとにエスカレートしていき、ゴア氏の映画とノーベル賞受賞によって、この温暖化騒ぎはピークに達しました。  
>とても温暖化騒ぎがピークに達するとは思えません。

私とて、温暖化騒ぎがこれを頂点に、次第に沈静化するという意味で『ピーク』という言葉を使ったわけではありません。
私が述べたかったのは、ゴア氏の映画とノーベル賞受賞によって、温暖化問題がある種の臨界点に達し、様々な疑問点や他の要因があるにもかかわらず、それらに基づいた意見がまるで受け入れられない状況を作り上げてしまったということであり、その意味において、『ピーク』という言葉を使わせていただきました。


>すでに毎日テレビ報道がされているかと思いますが、来週末にはCOP13の結論が出て、国内もこれからどうしよう、と大騒ぎになるでしょうし、来年1月からはいよいよ京都議定書の第一約束期間の5年間が始まります。

ただし、地球温暖化の脅威として大衆に知れ渡ったのは、IPCC4次報告書の「海面上昇59cmの可能性」ではなく、ゴア氏の映画による「グリーンランドと西南極における氷の損失の影響で6m上昇」ですよね。
しかもその可能性「1%くらいの可能性で100年後に2メートル」に関しては、ほとんど誰も知らないといっても間違いではないでしょう。


 >IPCCは専門家集団として4回にわたって報告書を出し、問題の確実性についてブラッシュアップを繰り返してきたわけなので、その見解を政府代表も尊重して、ポスト京都の国際交渉でも、ようやく実効的な規模の経済の大転換を進めるという方針が出てくるでしょう。

そういった状況予測に関しては、私も異存はありません。今後も、温暖化問題はエスカレートし続けることは十分考えられます。
ただし、このエスカレートし続ける状況が、IPCCによる科学的検証を土台にしているとは思えません。なぜなら、「1%くらいの可能性で100年後に2メートル」という確率は、原子力関係者がよくこのような表現をしますが「交通事故で死ぬ確率より低い」わけですから。このような低い確率の脅威で、世界経済が強引に転換させられるというのでは、やはり私としましては、「各国の冷静な判断」が働いたというよりは、プロパガンダ的騒ぎに踊らされたという印象を強く受けてしまいます。


ここで、ちょっと見方を変えて考えてみてください。
地球温暖化が脅威として認識されているのは、「グリーンランドと西南極における氷の損失の影響で6m上昇の可能性」というIPCCでもごく一部の学者による意見がもとになっています。しかも、その確率は「1%くらいの可能性で100年後に2メートル」というわけですから、むしろ起こらない可能性のほうが高いわけですよね。
このような、一時的にマスコミなどが煽り立てて大きくなったものの、時とともに次第に誰も見向きもしなくなり、「なんであんなに大騒ぎしたんだろう?」と過去を振り返って思うようなことって、これまでも度々ありませんでしたか?
たとえば、当コミュのトピックでも取り上げられた、『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』という本で紹介されている、ダイオキシンなどはいい例でしょう。また、30年前は地球が寒冷化するといって大騒ぎになりました。
私は、今回の地球温暖化騒ぎにも、同様のことが起こる恐れが非常に高いと思っていますし、10年もすれば誰も騒がなくなることも十分考えられます。
そういった可能性についての、おぐおぐさんのご意見をお聞かせ願えないでしょうか。

もう一つ、ついでに申し上げれば、私は、化石燃料への依存から脱却しようとする、世界の動向に対しては反対はしません。むしろ好ましい点もあると思います。
しかし、CO2のみを問題視し、温室効果ガスを隔離するといった政策を実現しようとする動きは賛成しかねますし、効果という点で非常に疑問を感じます。費用も当然かかりますし。
ただし、それを推進し儲かる企業があるわけで、そういった企業にとっては、CO2を削減しなければ地球が破滅するという認識は大歓迎なわけですよね。
このトピックの主旨からはそれてしまいますが、このたびの温暖化騒ぎには、そういった側面も十分考証していかなければと考えています。
>地球温暖化が脅威として認識されているのは、
海面上昇たった一つでしたっけ?

 以前作った記事
「回避すべき被害についての最近のまとめ」
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/417.html
あたりでもまとめました。

http://www.env.go.jp/council/06earth/y064-09/mat01-05.pdf
のグラフが有名なものかと思います。
 2℃以上の昇温で30億人(グラフの右軸)が水不足で苦しむというこのグラフの結論は、第四次報告書の第二作業部会の要約では、数億人という書き方にぼかされてしまいましたが。
>このような、一時的にマスコミなどが煽り立てて大きくなったものの、時とともに次第に誰も見向きもしなくなり、「なんであんなに大騒ぎしたんだろう?」と過去を振り返って思うようなことって、これまでも度々ありませんでしたか?
たとえば、当コミュのトピックでも取り上げられた、『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』という本で紹介されている、ダイオキシンなどはいい例でしょう。また、30年前は地球が寒冷化するといって大騒ぎになりました。
私は、今回の地球温暖化騒ぎにも、同様のことが起こる恐れが非常に高いと思っていますし、10年もすれば誰も騒がなくなることも十分考えられます。
そういった可能性についての、おぐおぐさんのご意見をお聞かせ願えないでしょうか。

 
 ダイオキシン問題は、環境問題の過少評価をしたい側の宣伝が効いてしまった例だと思います。再び三度問題は復活することになるでしょうし、それこそアスベストの問題のように、深刻な問題であるにも関わらずマスコミがマッチポンプ的に消費して使い潰してしまったのと同様なジャンルではないでしょうか。

30年前の大騒ぎ?はその当時の観測データという根拠があってのことでしょうし、今の温暖化だって、そうではないという観測データが出てくればおかしかったことが結果的に分かるということでしょう。
信を置くべきなのは科学者の声であって、IPCCはその集大成であるという事実には変わりありません。

 そんなデータは現在ないのに、うるとららっきーさんの考え方がどうしてできるのか、は疑問です。
 昨日も気象庁が今年の気温データの統計を発表して、陸上の気温では一番高いという報告を出していますよね。また、過去10年間が1860年からの統計上、もっとも暑い10年間であるという話でした。


 個人的には温暖化問題はむしろ石油資源の限界(ピークオイル問題)との関係で、ずいぶん複雑化するだろうと見ていますが、そのことはIPCCの科学に異論を投げかけるものでは(ほとんど)ありません。
>暴走する「地球温暖化」論(文芸春秋)
>『不都合な真実』のゴア氏やIPCCがノーベル平和賞を受賞し、地球温暖化の恐怖がますます叫ばれている今日だからこそ、こういうタイトルの本を出す必要があるのではと考えました。よくよく考えれば、人為的な理由以外で温暖化は起きていないのか、温暖化は人類にとってマイナスだらけなのか、環境破壊の真因は他にあるのではないか……といった疑問が多々浮かんできます。その疑問に明快に答え、環境危機を煽る愚を追求する本書にご注目を。http://www.bunshun.co.jp/book_db/3/69/89/9784163698908.shtml


映画『不都合な真実』が環境危機を煽る愚なのかどうか、参考にはなると思います。
58 おぐおぐさんへ
>地球温暖化が脅威として認識されているのは、海面上昇たった一つでしたっけ?

これまでは、海面上昇に絞って議論してきましたが、他の要因に対する議論に移行すべきだという意味で言っておられるのでしたら、私も付き合いさせていただきます。
ただし、海面上昇に関しては、私がコメント57で言った、『このような低い確率の脅威で、世界経済が強引に転換させられるというのでは、やはり私としましては、「各国の冷静な判断」が働いたというよりは、プロパガンダ的騒ぎに踊らされたという印象を強く受けてしまいます。 』に対する反論は頂いていないということになりますが、よろしいでしょうか?


> http://www.env.go.jp/council/06earth/y064-09/mat01-05.pdf
のグラフが有名なものかと思います。

グラフを拝見しましたが、マラリアに関しては、事実と相違してますね。
ネットで見つけた以下の資料の9ページをご覧下さい。
http://phi.med.gunma-u.ac.jp/malaria.pdf
「WHO 地域分類別のマラリア症例報告数」という表がありますが、これによると、マラリアの症例報告は隔年で流行するものの、次第に数が減ってきています。
もしも、地球温暖化がマラリア発症数を増加させるのであれば、1985年以降、世界の平均気温に比例して、年を追うごとに発症数も増加するはずですが。
つまり、マラリアに関しては、おぐおぐさんが紹介してくださったグラフは単なる予測の域を出ておらず、事実を反映していないといえるようですがいかがでしょうか。


 >2℃以上の昇温で30億人(グラフの右軸)が水不足で苦しむというこのグラフの結論は、第四次報告書の第二作業部会の要約では、数億人という書き方にぼかされてしまいましたが。

可能であれば、それぞれの記述が記載してある箇所をお示しいただけるとありがたいです。
59 おぐおぐさんへ
 >ダイオキシン問題は、環境問題の過少評価をしたい側の宣伝が効いてしまった例だと思います。再び三度問題は復活することになるでしょうし、それこそアスベストの問題のように、深刻な問題であるにも関わらずマスコミがマッチポンプ的に消費して使い潰してしまったのと同様なジャンルではないでしょうか。

その可能性は否定しません。ただし、今後研究が積み重なるにしたがって、やっぱり人体への影響は少ないようだという結論に達することも、同様に可能性としてあります。
私がダイオキシンに関して申しあげたいのは、ダイオキシンの毒性の真偽がどうあれ、マスコミが過剰に煽り立てることによって、一般大衆が過剰に反応してしまったという事例があること、また、そのようなマスコミによる煽動は今現在も無反省に繰り返されており、昨今の地球温暖化問題もそのような疑念を否定できないということです。


>30年前の大騒ぎ?はその当時の観測データという根拠があってのことでしょうし、今の温暖化だって、そうではないという観測データが出てくればおかしかったことが結果的に分かるということでしょう。

ところが、地球温暖化に関しては、『温室効果ガス以外の要因が大きいのでは?』というデータが出されているにもかかわらず、IPCCはそれを採用しようとしないようですね。
『無視されてきた太陽黒点説
 IPCCの報告書では、温暖化の原因は、二酸化炭素など温室効果ガスの増加に集約されており、他の原因については少ししか議論されていない。だが、最近の研究で、実は二酸化炭素よりも太陽黒点の活動の方が、温暖化に関係しているのではないかという説が有力になっている。 (中略)
 実験は成功したものの、おそらく温暖化の二酸化炭素説が政治的な絶対性を持っていたため、地球温暖化の定説をくつがえす内容を持っていたスベンスマルクらの実験結果の論文の掲載は、権威ある科学の専門雑誌からことごとく断られ、ようやく昨年末になって、イギリスの王立研究所の会報に掲載され、遅まきながら権威づけを得ることができた。だが、IPCCの報告書は、いまだにこの新説を無視している。
田中宇の国際ニュース解説より』
http://tanakanews.com/070220warming.htm

つまり、「おかしかったことが結果的に分か」ったとしても、IPCCがそれに対し誠実に対応するか否かは別問題ということです。


>信を置くべきなのは科学者の声であって、IPCCはその集大成であるという事実には変わりありません。

残念ながら、「科学者だから信用すべき」という意見に、私は頷くわけにはまいりません。
たとえば、水俣病などの公害問題で、当然認められるべき症例者を長期にわたって認定しなかったのは、(科学者と同様の)その道の専門家である医学者ですし、チェルノブイリの被爆者認定の際にも同一人物が駆り出されたそうです。
私の地元のダム問題でも、私のような素人でさえ指摘できる間違いを、県に召集された「河川工学の専門家」を自称する人物は認めようとしませんでした。
つまり、お金や権威によって、意見を変える科学者は、地球温暖化問題に関しても必ず存在すると思います。


 >そんなデータは現在ないのに、うるとららっきーさんの考え方がどうしてできるのか、は疑問です。

事実を知れば、疑問は全くありません。むしろ、常識ある人であれば、誰でも、私と同じ結論に達すると思うのですが。
なぜなら、「1%くらいの可能性で100年後に2メートル」というのであれば、ゴア氏の映画の6mは、限りなく0に近い確率でしょう。それなのに、世界は、ゴア氏の映画を科学的研究と同等に評価し、そのための対策に苦慮しているわけですから。
将来、取り越し苦労に終わるのは、「可能性がある」というよりは「ほぼ確実」といったほうがふさわしいかもしれませんね。
59 おぐおぐさんへ
 >昨日も気象庁が今年の気温データの統計を発表して、陸上の気温では一番高いという報告を出していますよね。また、過去10年間が1860年からの統計上、もっとも暑い10年間であるという話でした。

私は、現在地球が温暖化していることに疑いを挟んでいるわけではありません。「地球温暖化が温室効果ガスによってもたらされている」という説に異を唱えているのです。
しかし、一応指摘しておきます。
上のグラフは、「 環境危機をあおってはいけない ビョルン・ロンボルグ著」から引用してきたものですが、これによると、地表の平均気温は確かに上昇していますが、対流圏の平均気温は上昇していないようですね。このことは、地表の温度測定が、何か別の要因で影響を受けている可能性が考えられます。たとえば、同じ地点で経年的に測定をする際、近くに道路やビルなどの人工構造物ができれば、徐々にその周辺の気温はそれらの影響で暖められます。長年気温を測定している観測所にはそういった場所が多いという話を聞きました。
つまり、私たちは、自分の住む町のヒートアイランド化を、地球温暖化と勘違いしているのかもしれません。


 >個人的には温暖化問題はむしろ石油資源の限界(ピークオイル問題)との関係で、ずいぶん複雑化するだろうと見ていますが、そのことはIPCCの科学に異論を投げかけるものでは(ほとんど)ありません。

そこまでIPCCを信じている方にとって、私の質問は、ちょっと答えにくいものかもしれませんね。
石油資源の限界に関しては、資源を利用する絶対量が今後急速に低下する可能性があるので、枯渇という事態には結局至らないのではと、私は予想してますが、まあ、このトピの議題とは別問題ですね
 うるとららっきーさん
 いろいろ書いていただいて恐縮ですが、このリンクではゴアの主張がトンデモ説かという話に絞った方が良いように思います。

 他のいろいろな影響もそれぞれ単独では予測される被害の大きさも不確実性があるでしょうが、それぞれの脅威を同じ一つの対応策で食い止めるというのが温暖化の緩和策の狙いです。そしてタイプ1の被害とされるものはタイプ2の確率の低い被害よりも、より低い気温上昇で起こるとされていて、そのしきい値が(産業革命前からの)全球平均気温を2℃上昇以下までくらいだとされているものです。ということで、タイプ2の問題の確率が低いから云々では意思決定はしていません。

>地表の平均気温は確かに上昇していますが、対流圏の平均気温は上昇していないようですね。

 うーん、温室効果の理論によるとまさにそうなる(地表まぎわでは上昇するが、その分上空では気温が下がっていって高度別のプロファイルがこれこれに変わる)という話なので、ロンボルグのそこは根拠のない非難だと思います。

 ヒートアイランド現象の影響はもっと大きくてかつ局所的なので、地球平均気温の温暖化については観測値からそれをオフセットした補正値を使っています(、のはずです)。海洋だって陸上と同じように暖まっているからには、ヒートアイランドだけを世界的な温暖化の原因とすることはできないでしょう。
関山さん

 直接の太陽の照度観測によると、有意な変化は20世紀後半には起こっていません、20世紀前半には上がりましたが。
変化がないと認められているものがどうして原因と言えるのでしょう。

 太陽の黒点の変化年数の長短と気温変化が相関関係があるかのような不思議なデータはありますが、それは70年代までのデータについてであって、論文を書いた研究者の一人も80年代以降のデータについては相関がないと認めています。 どういう物理過程かも提案されていませんが、偶然の一致であったとみるのがまともではないでしょうか?以下、昔作った記事より。

「地球温暖化問題の歪曲(前編)」in田中宇の国際ニュース解説についてその2
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/321.html
−−−
 ニューサイエンティスト誌の今年(2005年)2月15日付けの記事"Hotly contested"
http://www.newscientist.com/article.ns?id=mg18524861.600
によると、太陽活動の何かの指数と気温との相関について示して、温暖化CO2説への異議を1991年に唱えたのはデンマークのKnud LassenとFriis-Christensenでしたが、
> But more recent data has convinced Lassen that solar activity cannot explain
> recent events. Sunspot activity since 1980 suggests that temperatures should
> have been stable or declining; in fact there has been a 0.4 °C rise. That
> interpretation puts him in line with mainstream climate researchers.
と、二人の内の少なくともKnud Lassenの方は、太陽活動のみでは1980年以降の最新の気温上昇を説明できないことを認めているということです。
−−−
64 おぐおぐさんへ
 >いろいろ書いていただいて恐縮ですが、このリンクではゴアの主張がトンデモ説かという話に絞った方が良いように思います。

了解しましたが、それに関する結論はもう出ているようにも感じます。
ゴア氏は、いろいろな角度から温暖化の危機を述べているとのことですが、やはり、海面上昇は氏の主張の根幹です。氏の主張する6m上昇が、1%にも満たない確率でしかないのであれば、やはり、大騒ぎする必要があるのかどうか、それを元に政策を立てる必要があるのかどうか、おのずと結論は出るように思うのですが。


 >他のいろいろな影響もそれぞれ単独では予測される被害の大きさも不確実性があるでしょうが、それぞれの脅威を同じ一つの対応策で食い止めるというのが温暖化の緩和策の狙いです。

その考え方自体が、私としては疑問です。
コメント61の、マラリアを例にとっても、CO2削減がマラリア撲滅の決定的要因だと、世界の科学者が本気で考えているとしたら、笑い話ではないでしょうか。
むしろ、世界の科学者・政策立案者は、笑い話とわかっていながら、あえてそれを棚に上げているように感じます。


>そしてタイプ1の被害とされるものはタイプ2の確率の低い被害よりも、より低い気温上昇で起こるとされていて、そのしきい値が(産業革命前からの)全球平均気温を2℃上昇以下までくらいだとされているものです。ということで、タイプ2の問題の確率が低いから云々では意思決定はしていません。

失礼ながら、あまり説得力を感じません。
なぜならば、これまでの危機予測は年々緩和されているし、マラリアに至っては大はずれですから。
むしろ、何とか、危機意識をつなげておこうという、涙ぐましい努力のようにさえ感じます。


>>地表の平均気温は確かに上昇していますが、対流圏の平均気温は上昇していないようですね。
 >うーん、温室効果の理論によるとまさにそうなる(地表まぎわでは上昇するが、その分上空では気温が下がっていって高度別のプロファイルがこれこれに変わる)という話なので、ロンボルグのそこは根拠のない非難だと思います。

その点に関しては、もう少し説明をいただきたいものです。
地球から宇宙へ放出される熱エネルギーは、地球の大きさ、つまり表面積が変わらない限り、変化しないように思いますが。
また、地表温度が、近年高くなっているというのであれば、それに比例して周辺温度も高くなるのが道理だと思えるのですが。
64 おぐおぐさんへ
 >ヒートアイランド現象の影響はもっと大きくてかつ局所的なので、地球平均気温の温暖化については観測値からそれをオフセットした補正値を使っています(、のはずです)。海洋だって陸上と同じように暖まっているからには、ヒートアイランドだけを世界的な温暖化の原因とすることはできないでしょう。

それに関しては、マイクル・クライトンの「恐怖の存在」でこのように述べられていますね。参考までに。

『「以上の事実は、研究者にはよく知られています。ですから、研究者が都市部周辺にある観測所のナマの気温データを利用するときは、都市部のヒートアイランド効果を考慮して、すこし割り引くんです」
 「どういう割り引きかたをするんだろう?」
 「やりかたはいろいろあって、どれを選ぶかは人によってちがいます。しかし、ほとんどのアルゴリズムは人口の多寡をベースにしたものでしてね。人口が大きいほど、割り引く割合も増える仕組みです」
  エヴアンズは肩をすくめた。
 「順当なやりかたのように聞こえますがね」
 「残念ながら、おそらくそうではありません。ウィーンの事例をごぞんじですか? 二、三年前、ベームの研究でわかったことなんですが。一九五〇年以降、ウィーンの人口は増えていません。しかし、エネルギーの消費量は倍以上に増えていて、それにともない、居住地域もかなり広がりました。当然、ヒートアイランド効果も増大しています。ところが、人口の変化だけを基準に係数を決めていたため、割り引く温度は変わっていなかった − 」
 「すると、都市部の気温上昇は過小に計算されていたと?」
 「それどころか」ジェニファーが口をはさんだ。「以前は都市部の高温化は重要な要素ではないと考えられていたんですよ。ヒートアイランド現象は、気象全体の一要素にすぎないという理由でね。この三十年における、地球全体の気温上昇は摂氏約〇・三度。都市部周辺の気温上昇は〇・一度。そう想定するのが一般的でした」
 「ふむ、それで?」
 「その想定がまちがっていたんです。中国の報告によると、上海ではこの二十年だけをとっても、摂氏一度も上昇しています。この数字は、この百年間における地球全体の気温上昇よりも大きいものです。
 しかも、上海だけが特別なわけではありません。ヒューストンではこの二十年で摂氏〇・八度上昇していますし、韓国南部の諸都市では急激に温度があがっています。イギリスのマンチェスターは周辺の郊外より八度も気温が高いとか。小都市でさえ、周辺地域よりずっと暑いという観測結果が出ています」
 ジェニファーはテーブルの上に載せてある図表に手を伸ばし、
 「いずれにしても」と語をついだ。「要は、あなたが見ているこのグラフは、ナマのデータではないということですね。都市部の高温を相殺するように、あらかじめ調整が施してあるんです。ただ、この調整が適切ではないらしくて  − 」
マイクル・クライトン「恐怖の存在」より引用』
 マラリアの被害については、以前本を1,2冊読みましたが、それで分かったのはマラリア撲滅なんて容易なことではない、ということだけです。
ということで温暖化対策のこの面の意味は拡大を食い止めることを第一義に考えた姿勢でしょう。
 日本でだって結核はまだ制圧できたわけじゃないですし。
 なんども書きますが、ゴアはいつ6mに達する、とは述べていません。仮にグリーンランドと西南極の氷床がそれぞれ半分崩壊すれば6mクラスの上昇になる、という物理量の関係について述べています。
IPCCの科学者が意見が分かれているのは、その時期がいつ頃かについてであって、上のことは争いのない事実です。
 「近い将来」という限定を勝手につけて非難しているのは、ゴア氏を攻撃している側なのではないですか?

>そしてタイプ1の被害とされるものはタイプ2の確率の低い被害よりも、より低い気温上昇で起こるとされていて、そのしきい値が(産業革命前からの)全球平均気温を2℃上昇以下までくらいだとされているものです。ということで、タイプ2の問題の確率が低いから云々では意思決定はしていません。

 つまり、IPCCが行っている温暖化対策の定量的な被害評価は、6m単位の海水面上昇の問題(タイプ2の災害)ではなくてタイプ1の災害の各種の災害評価に基づいて、2℃以下の昇温に抑えるべきとのEUの目標(もちろん環境NGOsも同じ姿勢です)が根拠付けられているわけです。

 日本でもチェルノブイリ級の原発事故が起こって被害を受ける、というのもタイプ2の低い確率の災害でしょう。それは容認できないから脱原発をしよう、という趣旨ではなく、六ヶ所村の再処理工場から放射能が垂れ流しされるというタイプ1のリスクを定量化して可能なかぎり低い目標を目指そうという類の判断が、地球温暖化問題に関しては合意されつつあるわけです。
 (うるとららっきーさんは、不公平だ、と大声でいいたいことでしょうし僕もその通りだと思いますが。)
69 おぐおぐさんへ
 >マラリアの被害については、以前本を1,2冊読みましたが、それで分かったのはマラリア撲滅なんて容易なことではない、ということだけです。

容易でないことは、なんとなくわかります。


>ということで温暖化対策のこの面の意味は拡大を食い止めることを第一義に考えた姿勢でしょう。
 
ただし、この場合の論点は、マラリア撲滅が容易なのかどうかではなく、地球温暖化によってIPCCが予測するように、マラリア患者が増えたかどうかです。
全く増えていない。むしろ減っていますよね。
これに対する判断は、人それぞれでしょうが、私には、IPCCが私たちの危機感を増幅させる目的で、付け加えたようにしか思えません。
70 おぐおぐさんへ
 >なんども書きますが、ゴアはいつ6mに達する、とは述べていません。仮にグリーンランドと西南極の氷床がそれぞれ半分崩壊すれば6mクラスの上昇になる、という物理量の関係について述べています。

しかし、6mの海面上昇は、もしかしたら、地球に大隕石が衝突する確率より低いわけですよね。
もしだれかが、「地球に隕石が激突したら、人類は破滅してしまう。今のうちに、頑丈な屋根をつけて対策するべきだ」と言って、世界中の国々がそれを始めたとしたら、こんな笑い話はないでしょうね。
私が言いたいのは、ゴアの主張はそれほど笑い話じみていると言うことです。


>IPCCの科学者が意見が分かれているのは、その時期がいつ頃かについてであって、上のことは争いのない事実です。

2mの海面上昇ですら確率が1%なのですから、「その時期がいつ頃」などといった議論は、到底不可能ですね。
というよりは、常識ある人であれば、「6mの海面上昇など、起こりえない」と断言することでしょう。


 >「近い将来」という限定を勝手につけて非難しているのは、ゴア氏を攻撃している側なのではないですか?

「近い将来」はおろか、「遠い将来」ですら可能性がないわけですから、私としては、ゴアは批判されて当然のように思います。
おぐおぐさんから見ればゴアを攻撃しているように見えるかもしれませんが。


 >つまり、IPCCが行っている温暖化対策の定量的な被害評価は、6m単位の海水面上昇の問題(タイプ2の災害)ではなくてタイプ1の災害の各種の災害評価に基づいて、2℃以下の昇温に抑えるべきとのEUの目標(もちろん環境NGOsも同じ姿勢です)が根拠付けられているわけです。

しかし、その中で予測されている災害のうち、マラリアに関しては完全に予測が外れているし、他の災害も報告書が出されるたびに予測が軽減しているわけですよね。
こういった場合、IPCCがいうことを真に受けて盲目的に動くよりも、一旦、予測がどれだけ信用できるのか自身で確かめてから対策するのが、筋のように思いますが。
トピック「CO2騒ぎが隠しているもの。(排熱問題)」のコメント71でも言ったように、日本近海の海水温度の上昇は、CO2以外が原因である可能性が強いと、私は考えています。このトピックの最初で紹介した「伊藤公紀 池田清彦討議」でも、ゴアやIPCCがこれまでCO2が原因だとしてきた事柄も、徐々に違うことが原因であることが判明してきています。
このような状況では、おぐおぐさんがたびたびおっしゃるような、「もしも正しかったら手遅れになる」といった主張は、すでに立脚点を失っているように思えます。
そのような状況でありながら、(つまり、真剣に検証したら事実でないことが明確になりつつあるということです)そういった意見には耳を貸さずに、ただただ、温室効果ガスのみを問題視する各国の対応は、私から見れば、危機回避が目的ではなく、対策そのものが目的ではないかと感じてしまいます。
70 おぐおぐさんへ
 >日本でもチェルノブイリ級の原発事故が起こって被害を受ける、というのもタイプ2の低い確率の災害でしょう。

それも政治的な判断でしょう。CO2は危険、放射能はそれほど危険ではない。ダイオキシンは危険、狂牛病は危険ではない。メディア操作で大衆に信じ込ませるのは、それほど難しいことではありません。これまで何度も行われてきたことです。


>それは容認できないから脱原発をしよう、という趣旨ではなく、六ヶ所村の再処理工場から放射能が垂れ流しされるというタイプ1のリスクを定量化して可能なかぎり低い目標を目指そうという類の判断が、地球温暖化問題に関しては合意されつつあるわけです。

まったくそのとおりですね。政策として対応する場合、「それがどれだけ危険か」という判断よりも、「それをどれだけの危険だと認識することにしたか」という判断が優先するわけですから。


 >(うるとららっきーさんは、不公平だ、と大声でいいたいことでしょうし僕もその通りだと思いますが。)

私は、不公平だとは言いません。ただただ、愚かだな〜〜と思うのみです。
CO2増加で災害が増加するという話が、未だに確証をえていないのに比べ、六ヶ所再処理工場は、毎年、不特定ではありますが、4万7千人分の致死量の放射性物質が環境へ捨てられるという実害が明確にあるわけです。
明確な危険を見向きもせずに、怪しげな危機予測に執心している。こんな愚かなことはないでしょう。
ガンや白血病といった病気は、世界に人工放射性核種がばら撒かれた時から、その歴史が始まったといっても過言ではないものです。状況証拠としては十分なほど、様々なデータがそれを裏付けています。
核種によっては、何万年も放射能を出し続けるものもあるのですから、どんなに自分ひとりだけ災禍を逃れようとしたってできるものではありません。その点で、むしろ、放射能は公平です。

新年になってから、少し口調が過激になってるかもしれません。気に障ったらすみません。
 うーん、うるとららっきーさんが政治的な見解にまで話を持ってきたら、議論が成立する余地はないのかもしれません。

 これは以前も経験がある話ですが、まさに以前、原発推進派は、大きな原発事故の起こる確率が確率論的に低いということを比較する対照として、大隕石が落ちて人が死ぬというものの確率を据えていました。ラスムッセン報告の中ですね。当然反原発派はその計算のここがおかしいあそこがおかしい、もっと高いはずだという批評をしていましたが、それと同じ話です。

 「1%くらいの可能性で100年後に2メートル」という1%の確率(これはゴアによるものではなく、氷河学者の言です。)の海面上昇災害は、大隕石が落ちるという確率よりも高いのは確実です。

 あなたは科学者に危険を警告してほしいとは思わないのですか?
 そしてどうして100年後以降のすべての世代のことは気にしないのですか?
74 おぐおぐさんへ
 >うーん、うるとららっきーさんが政治的な見解にまで話を持ってきたら、議論が成立する余地はないのかもしれません。

私は、特別政治的な見解を述べたつもりはありません。ただ、おぐおぐさんが、「不公平だ、と大声でいいたいことでしょう」と私の思いを推測してくださったので、それに対するご返事を申し上げたまでです。


 >これは以前も経験がある話ですが、まさに以前、原発推進派は、大きな原発事故の起こる確率が確率論的に低いということを比較する対照として、大隕石が落ちて人が死ぬというものの確率を据えていました。ラスムッセン報告の中ですね。当然反原発派はその計算のここがおかしいあそこがおかしい、もっと高いはずだという批評をしていましたが、それと同じ話です。


まったくです。原発推進派(国)は、事あるごとに、自動車事故の確率や自然由来の放射線などと、独自の計算で比較し、危険性が低いかのごとく主張しますね。
ところが、時代考証をしていくと、水俣病やアスベスト、最近では広島・長崎の原爆症の評価などに見られるように、評価が自己本位で公正さを欠いている場合が、往々にしてあります。


 >「1%くらいの可能性で100年後に2メートル」という1%の確率(これはゴアによるものではなく、氷河学者の言です。)の海面上昇災害は、大隕石が落ちるという確率よりも高いのは確実です。

果たして、そのように断言できるものでしょうか?今後100年間の宇宙空間での惑星や隕石の挙動を、全てお見通しなのですか?


 >あなたは科学者に危険を警告してほしいとは思わないのですか?

私は科学者の警告を基本的に歓迎してますよ。それが事実に基づいているという前程においてですが。
度々、私の地元のダム問題を例にしますが、県(国)はその流域にダムがなければ、100年以内に「これ」くらいの洪水が起こって「これ」くらいの被害があるといった宣伝をします。それには、河川工学の専門家(温暖化問題での科学者に該当します)と称する方がお墨付きを与え、さもそれが根拠があるかのように見せかけますが、私のような素人が資料を取り寄せてちょっと調べただけでゴマカシが見つけられます。
これまで、このトピックを通して、おぐおぐさんにも多くの情報を提供していただき、様々な角度からCO2原因説を検証した結果、同様の問題がここにもあると、私は感じました。
私の地元の流域で、100年の間に県が言うような洪水が起こりえないのと同じくらい、この100年間で海面水位が2mも(まして6mなど)上昇することなどありえないでしょう。


 >そしてどうして100年後以降のすべての世代のことは気にしないのですか?

私は、高レベル放射性廃棄物の処理も満足にできない現代の人間が、ヘタに100年後の人々のことを思って動くのは、かえって迷惑なケースもあると思います。
もしも、100年前の人々が、現代の私たちのことを思って、蒸気機関車などを大量生産しておいてくれたりしたら、あなたはありがたく感じますか?
100年後のことを考えるというときには、正確な予測が必要です。しかし、IPCCなどの温暖化予測は正確だとは、私にはまるで思えません。せめて、一週間後の天気を正確に予測できるほどまでに精度を上げてから、そのようなことはおっしゃるべきではないでしょうか。
 南極の氷床が減少するのか増加するのかについて、最近また研究報告が出ています。
Four Your Informationということで。

「南極の氷床は成長するのか減少するのか論争」
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/12772.html
76 おぐおぐさんへ
 >南極の氷床が減少するのか増加するのかについて、最近また研究報告が出ています。
Four Your Informationということで。

ブログを拝見しました。情報提供ありがとうございます。


>「南極の氷床は成長するのか減少するのか論争」
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/12772.html

私の感想といたしましては、南極の氷床に関する調査が精度を増すことによって、IPCCの従来報告の「最大でも100年間に59cmの海面上昇」という数値は幾分変化する可能性がありそうだということですが、例えそうであっても、ゴア氏の「海面上昇6m」の起こりえる確率に影響を与えることはないように感じます。
2m上昇の確率が1%ですから、6mの場合、0.1%ぐらいでしょうか。


ただし、温暖化の脅威という面に関しては、あまり悠長にしていられる状況ではないのかもしれませんね。
別のトピックで、「温暖化の原因はCO2という説はかなり怪しい」という、私としてはかなり確信に近い結論(こう言っては、おぐおぐさんから反論されそうですが)が持てましたので、温暖化をもたらしている本当の原因の解明が急務であると感じます。
 他人の認識を無理やり変えられるとは思っていませんので、また10年くらいしたら、ご意見を伺いたいなあと思います。そろそろお休みをさせていただきましょう。
78 おぐおぐさんへ
 >他人の認識を無理やり変えられるとは思っていませんので、また10年くらいしたら、ご意見を伺いたいなあと思います。そろそろお休みをさせていただきましょう。

お休みなさるのですか。少し寂しい気もしますが、これまでいろいろと勉強させていただき、ありがとうございました。
また、機会があれば、意見交換いたしましょう。

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