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妄想・特撮シリーズコミュの第五話・その八

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「やぁ、アヤピョン。迎えに来たよ」
 そこにいたのは、花束を抱えた、ピッコロ王子だった。
「ちょ、ちょっと、ピッコロさん、どういうこと」
「お迎えにきたのさ。ぼくの星まで」
「星まで・・・・・」
「そう。アヤピョンは、ぼくのお嫁さんになって、いっしょにぼくの星に来て
仲良く暮らすんだよ」
 そばでニヤニヤしながら会話を聞いている結城隊員を睨みつけると
腕を引っ張って中に入る。
「こういうことなの。悪いけど、ピッコロさんとは結婚できないわよ」
「当たり前だろ。地球の女が、宇宙人と結婚なんて出来るわけないだろ」
「そうじゃなくて、あたしは、まだ、誰とも結婚する気はないっていうの」
「だったら、そういえばいいだろ」
「そんな簡単に言わないでよ。相手は、宇宙人なのよ。しかも、星の王子様よ」
「あーゆーのは、きっぱり断って、思いっきり振ってやったほうがいいんだよ」
「そうはいかないわよ。逆キレされたら大変よ。宇宙人だもの」
「じゃ、嫁さんになるのか」
「なるわけないでしょ」
 綾乃隊員は、そういうと、ピッコロ王子の前にやってくると
静かに言った。

「あのね、ピッコロさん。申し訳ないけど、あたしはあなたと結婚できないの」
「どうして?」
「それは、あたしには、まだまだ、地球でやることがあるの。だから、まだ
結婚するわけにはいかないの」
「でも、アヤピョンには、好きな人はいないでしょ」
「そうよ。いないわよ」
「だったら、ぼくのことを好きになってよ」
「もちろん、あなたのことは大好きよ」
 綾乃隊員は、アヤピョンになりきって、笑顔で説得している。
「それじゃ、いつになったら、結婚してくれる」
「それは、わからないわ。でも、あなたが大人になったとき、
迎えに着てくれたら、結婚するかもしれないわね」
「本当かい」
「ホントよ。約束するわ」
 ピッコロ王子は、顔を赤く染めてうれしそうに笑った。
「ハイハイ、そこまで。わかっただろ。アヤピョンは、嫁さんに出来ないの。
だから、早く星に帰ろうな」
 結城隊員が口を挟んだ。

「ちょっと、待ってよ。それは、わかったけど、まだ、星には帰りたくないもん」
「なんだと。おとなしく下手に出てれば付け上がりやがって、このバカ王子が」
「いったな。ぼくのこと、バカにしたな」
「いいから、さっさと星に帰れよ」
「うるさい。お前なんか、やっつけてやる。ぼくをバカにすると、どうなるか
わかってるのか」
「あのな、お前みたいなバカ王子の相手をしてる暇はないの。さっさと星に帰れ」
 結城隊員の一言で、ピッコロの表情が変わる。
「ちょっと、ピッコロさん。待ってよ」
 裏口からズカズカ歩き出すピッコロの後を追うアヤピョン。
「待って、ピッコロさん」
「離してくれ。あいつを殺してやる。ぼくをバカにした、あいつを殺してやる」
 腕にしがみ付く綾乃隊員を振り解き、ピッコロはついに巨大化した。

「ピッコロさん・・・・・」
 アヤピョンが見上げると、身長五十メートルに巨大化したピッコロ王子は
結城隊員を探しながら、秋葉原のメイン通りを歩き始めた。
「ピッコロさん」
 綾乃隊員が叫ぶ。しかし、ピッコロは、結城隊員を探して、ビルを破壊始めた。
周りの住人は逃げ惑う。店の店員も慌てて外に飛び出してくる。
「どこだ・・・・ぼくをバカにしたお前は、どこだ。出て来い」
 ピッコロは大声でわめきながら、ビルを壊し始める。
慌ててアヤピョンは、ビルの中に入って、結城隊員を外に引き吊り出す。
「離せよ」
「何を言ってんのよ。結城さんがピッコロを挑発したからこうなったんでしょ」
 逆に困った顔になる結城隊員だった。
「そりゃ、そうだけど。俺は、あいつを星に返そうと・・・・」
「あんな言い方したら、起こるに決まってるでしょ。どうするのよ」
 ピッコロは、秋葉原の電気街で大暴れしている。

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