第一アンチノミーのテーゼの証明で､｢無限な時間はとけっして完結しえない時間を意味する｡ところが､我々は『現在』という完結した時点においてある｡ゆえに､これまで無限の時間が過ぎさったということはありえない｡｣(『カント入門』石川文康)とありますが､すでに哲学ド素人の私にはこの証明が理解できません｡
無限の時間があるとすれば､『現在』はその中に組み込まれているのではないのですか？そもそも『現在』は完結した時点なんですか？『現在』も無限の時間として流れさっているのではないのですか？
アンチテーゼの証明はうっすらとではありますが､納得できるのですが､どうしてもテーゼの証明は腑に落ちません｡しかもこの疑問をクリアしないことには先を読んでも理解できません｡
稚拙な質問で本当に申し訳ありませんが､よろしくお願いします｡
無限の時間があるとすれば､『現在』はその中に組み込まれているのではないのですか？そもそも『現在』は完結した時点なんですか？『現在』も無限の時間として流れさっているのではないのですか？
アンチテーゼの証明はうっすらとではありますが､納得できるのですが､どうしてもテーゼの証明は腑に落ちません｡しかもこの疑問をクリアしないことには先を読んでも理解できません｡
稚拙な質問で本当に申し訳ありませんが､よろしくお願いします｡
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コメント(9)
私も無学な人間で自信ないのですが、私なりの見解を書いてみます。
カント自身の証明の中には、
「あらゆる与えられた時間点まで永遠が経過し、したがって世界における
諸物のたがいに継起する諸状態の無限の系列が流れ去ったことになる」
とありますが、この「あらゆる与えられた時間点」の中には、当然この
平成２０年１１月１１日○時●分という時間点（現在）も含まれます。
しかし、無限であるということはそれが完結されえないということであり、
それが流れ去った時間点の系列はありえない、ということになります。
つまり、個々の時間点というのは一回性の絶対的な時間点であり、
自己完結的なものです。あくまで。
したがって、完結されえないものが流れ去ったということは矛盾する、
ということなのだろうと。
『現在』は完結した時点です。この瞬間という時間点が無限に
あるということはあり得ないですから。で、その『現在』というものが
個々に限界をもつものであるとすれば、無限の時間がこれまでに
流れ去っているなんてことはありえない、ということなのでしょう。
カント自身の証明の中には、
「あらゆる与えられた時間点まで永遠が経過し、したがって世界における
諸物のたがいに継起する諸状態の無限の系列が流れ去ったことになる」
とありますが、この「あらゆる与えられた時間点」の中には、当然この
平成２０年１１月１１日○時●分という時間点（現在）も含まれます。
しかし、無限であるということはそれが完結されえないということであり、
それが流れ去った時間点の系列はありえない、ということになります。
つまり、個々の時間点というのは一回性の絶対的な時間点であり、
自己完結的なものです。あくまで。
したがって、完結されえないものが流れ去ったということは矛盾する、
ということなのだろうと。
『現在』は完結した時点です。この瞬間という時間点が無限に
あるということはあり得ないですから。で、その『現在』というものが
個々に限界をもつものであるとすれば、無限の時間がこれまでに
流れ去っているなんてことはありえない、ということなのでしょう。
「無限の時間＝永遠」というのは独今論をイメージすれば妥当だと思います。つまり神々の時間です。いかなる�辰皹扮鵑覆觚什澆里Δ舛紡減澆靴討い泙后�
古代ギリシアにおける時間概念は遍く存在するものとして捉えられています。つまり、世界が終っても時間だけは常に在り続けるものとして捉えられています。―――カントがこういったことをも意識していただろう事はいうまでもありますまい。
永遠は始まらないし終らないが故に永遠足りうる訳です。
時間を直線的に捉えることは間違っています。そもそも時間は軸をなしていません。時間はアニメのようなものです。動いているようだが動いておらず、連続しているようだが、実は連続していない。もっとフラットな例でいえばパラパラマンガだね。時間とはかようなもの。
もっと悟性を磨くことをお勧めしたいです。
些か不親切な回答をしたものより。
古代ギリシアにおける時間概念は遍く存在するものとして捉えられています。つまり、世界が終っても時間だけは常に在り続けるものとして捉えられています。―――カントがこういったことをも意識していただろう事はいうまでもありますまい。
永遠は始まらないし終らないが故に永遠足りうる訳です。
時間を直線的に捉えることは間違っています。そもそも時間は軸をなしていません。時間はアニメのようなものです。動いているようだが動いておらず、連続しているようだが、実は連続していない。もっとフラットな例でいえばパラパラマンガだね。時間とはかようなもの。
もっと悟性を磨くことをお勧めしたいです。
些か不親切な回答をしたものより。
>> Ηонёさん
＞第一アンチノミーのテーゼの証明で､｢無限な時間とはけっして完結しえない時間を意味する｡ところが､我々は『現在』という完結した時点においてある｡ゆえに､これまで無限の時間が過ぎさったということはありえない｡｣(『カント入門』石川文康)とありますが……
石川さんではなく、カント自身の書いたものを見てみます。
カントは「世界は時間的な始まりを持つ」という正命題の証明において次のようなことを言っていますね。
仮に世界には時間的な始まりなどないと想定してみる。
そうすると、どの時点を選んでもすでにそれまでに無窮の時間が経過したのだということになる。
したがって、この世界のさまざまなものが相続され継起するありさまの無限の系列がすでに過ぎ去ってきたということになる。
しかし、系列の無限というものは継時的な総合によっては決して完結されえないものだ。
したがって、無限の系列がすでに過ぎ去ってきたなどということはありえない。
すなわち、この世界が時間的な始まりを持つということが、他ならぬ世界という現実的存在にとっての必然的条件なのだということがわかる。
＞第一アンチノミーのテーゼの証明で､｢無限な時間とはけっして完結しえない時間を意味する｡ところが､我々は『現在』という完結した時点においてある｡ゆえに､これまで無限の時間が過ぎさったということはありえない｡｣(『カント入門』石川文康)とありますが……
石川さんではなく、カント自身の書いたものを見てみます。
カントは「世界は時間的な始まりを持つ」という正命題の証明において次のようなことを言っていますね。
仮に世界には時間的な始まりなどないと想定してみる。
そうすると、どの時点を選んでもすでにそれまでに無窮の時間が経過したのだということになる。
したがって、この世界のさまざまなものが相続され継起するありさまの無限の系列がすでに過ぎ去ってきたということになる。
しかし、系列の無限というものは継時的な総合によっては決して完結されえないものだ。
したがって、無限の系列がすでに過ぎ去ってきたなどということはありえない。
すなわち、この世界が時間的な始まりを持つということが、他ならぬ世界という現実的存在にとっての必然的条件なのだということがわかる。
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